真のお洒落とは「おもてなし」。
私は祖父から、「真のお洒落とは『おもてなし』」だと教えられて来ました。どういう意味かというと、「本当のお洒落とは、相手のためにすることだ」という意味です。つまり「もてたい」「目立ちたい」「金を持って見られたい」等、自分のために着飾ることは邪道であり、「対面する相手が心地よく、清々しい気分になれるよう、着る物にも全力で気を遣う」、この茶の湯の心にも通じる「おもてなし」こそ、本来のお洒落だということです。
日本人の「おもてなし」の精神、つまりホスピタリティスピリットが世界でも群を抜いていることは、五輪のプレゼンを聞かずとももはや定説です。相手のためを考える成熟した精神文化が、世界有数のレベルで発展し、定着している国なのです。ところがこの「おもてなし」の精神が、ビジネスシーンでの着る物にのみ、ほとんど発揮されていないのは残念なことだと思います。
日本人男性がお洒落を倦厭しがちなのは、上に挙げた間違った動機のお洒落を、真のお洒落だと勘違いしてしまっているからではないかと思います。ビジネスシーンでの真のお洒落とは、商談で対面する相手、ミーティングでテーブルを共にするメンバー、自分のプレゼンを聞くために参集してくれた方々のために、感謝と敬意を込めて、自分の着る物にも全力で気を遣うことです。
多くのビジネスパーソンに言いたいと思います。真剣に相手のことを考えたとき、今のスーツで本当に十分かを考えてみて下さい。日本人がDNAと共に脈略と受け継いできている「おもてなし」の精神が、きっと疼き出すはずです(^^)