スマホでかっこ良いスーツ写真が撮れる!初心者でもすぐ実践可能なプロ直伝の撮影テク
スーツ姿の「撮影」にこだわったことはありますか?
普段そこまで写真にこだわったことのない方は、成人式や入社式などの「スーツで写真に映るシーン」で上手く映れなかった、ということも多いのではないでしょうか。せっかく男性の魅力を引き立てるスーツですが、写真に上手に収めるのは非常に難しいです。堅い雰囲気を出しすぎず、魅力的なスーツスタイルを写真に残すにはどのような工夫をすればいいのでしょうか。
そこで今回は、「オーダースーツSADA」のスーツサプライヤーであるJリーグ・Bリーグ選手の撮影にも携わっていただいた、株式会社LAKISTUDIOのプロフォトグラファー古矢優さんに撮影のコツを伺いました。
機材や専用のカメラの設定といったハード的な面ではなく、あくまで「撮影時に意識すべきポイント」について解説していきます。
ぜひポイントを押さえたうえで、最高の写真を残すことに挑戦してみましょう。
上手く写真を撮るための基本3ルール
写真の良し悪しは、カメラの設定や撮影機材の質によって、撮る人のちょっとした工夫で大きく変わってくるのが特徴です。まずは、撮影者側に意識してもらいたい基本的な3つのルールから説明していきます。
【ルール1】撮影はコミュニケーションを大切に
写真に慣れていない人からすると、撮影するという行為は「ハイ・チーズ!」と声をかけて2〜3枚撮って終わりの場合が多いと思います。しかし、これでは良い写真は絶対に撮れません。
撮影する側の1番の仕事は、モデルとコミュニケーションを取り、相手をその気にさせていい表情やポーズを引き出していくことです。つまり、「チーズ」といった掛け声をかけて撮影して終わりというのは、カメラマンとしての仕事をしてないことになります。
ここでいう撮影時のコミュニケーションとは、いわゆる双方会話ではありません。
「スーツもそのポーズもキマってる!」
「いつもの1.5倍くらい目を大きくしてみて!」
「次は左にひねってみて」
などのような、いわゆる相手を楽しませつつ指示を出し、それにモデルも表情やポーズで答えるといったやり取りを指します。
撮影時のコミュニケーションが上手いと、モデルが生き生きとし始め、写真全体のクオリティが高まるというわけです。
【ルール2】完璧な1枚だけを撮ろうと思わない
ルール1でコミュニケーションを大事にしながら撮影に望むことが大切とお伝えしましたが、同時に写真はなるべく沢山撮り、その中からベストな1枚を選ぶようにしましょう。
プロでも狙った瞬間を抑えるのは至難の技といわれています。そのため、連写や思うままにシャッターを切り続け、後からベストな写りを選ぶのが一般的です。
また、撮影に慣れていない方は、スマホ等で動画を撮影してから、後で良い表情のシーンを静止画保存するのもおすすめです。こうすることで、「今だ!」と思う瞬間を撮れなくても、後からゆっくり再生や一時停止を繰り返しながらベストな瞬間を切り取ることが出来るでしょう。
【ルール3】全身を画面に入れる余裕を持つ
撮影というのは、実は同時にやるべき事が多いことが特徴として挙げられます。
- 明るさや背景などに気を配る
- とにかく被写体にいい表情をしてもらう
- 写真としておかしくないものを残す
など、同時にやることは多いです。同時に行うことばかりを意識してしまうと、画面全体のバランスがおかしくなってしまう事もよくあります。
ありがちなのは、表情は良いのにモデルの頭やつま先が切れてしまっている写真です。撮ることに必死で、画面に体がきちんと収まっているかの確認を怠ってしまったことが考えられます。他にも、表情は良いのに背景に関係ないモノが写り込んでいるミスも多いので覚えておきましょう。
こういった失敗を予防するためにおすすめなのが、三脚を用意することです。撮影中は意識するポイントが多くてあたふたしがちですが、三脚を用意することで問題が解決されます。
まず、カメラを固定することで画面が決まり、それに合わせてモデルの位置や明るさを合わせていくのがおすすめです。
撮影で大事な優先順位をおさらい
きれいに写真を撮るために出来ることを想像すると、きっと多くの方が本格的な機材や設定について考えると思います。しかし、「撮影時に意識すべき優先順位」には、専門的な知識や高額な機材は必要ありません。
<撮影時に意識すべき優先順位>
1位:ポージング
2位:光
3位:背景
上記の意識するポイントを常に考えながら撮影に望むようにしましょう。
太陽やライトの位置を意識するところから始めてみる
撮影時の光と言われると、多くの方が写真の明るさについて考えると思います。もちろん明るさも大切なのですが、光がどこから入っているのか、モデルにどんな影をつけるかを意識することが大切です。意識することで写真の雰囲気の幅は大きく広がります。
スーツは左右対称に出来た服なので、光を意識し、体や顔のどこに影が入るかに気を遣うことが重要です。そうすることで左右対称が崩れ、ぐっと面白さを出すことができます。例えば、太陽をモデルの真正面において太陽の光が当たるように撮影すると、画面は明るくすることができますが、のぺっとした平面的な写真になってしまいます。
正面からの光を45度や90度などのような横からの光に変えるとシャープさを際立たせることができ、かっこよさやクールさを演出できるでしょう。
横からの強めの光は、男性の撮影におすすめです。
一方柔らかく女性的な影をつけて撮影したいなら、先程の光では逆効果になります。この場合、日陰に入ったりモデルを逆光や半逆光の位置に立たせた上で、カメラの明るさを補正して光の強さを和らげて撮影すると、顔にキツい影が出ないため、おすすめです。
スーツに限らず、良い写真を撮ろうと思ったらポージングと光に集中するときれいな写真を撮ることができます。とはいえ、撮影に慣れていない方の多くは『明るければ良し!』としてしまいがちですから、少しずつ意識するようにしましょう。
スーツ写真は手元が命!
スーツというものは、着ているだけで印象が3割り増しになると言われていますが、見た目の素敵さに反して写真に収めるのは意外と大変だということを覚えておきましょう。
シルエットが直線的でビシッと決まりがちなスーツ姿は、カチッと感を残しつつもポーズで動きを見せなくてはいけないので、バランスが難しくなります。
普段ならちょっと姿勢良く立っているだけでサマになるスーツ姿ですが、画面に収めると動きが足りずに物有りない写真になってしまうことが多いです。
スーツでのポージングで大事なのは、2つあります。1つは姿勢、もう1つは手元をきれいに見せるポーズを取り入れることです。
スーツでただ立っているだけだと、自然体だったとしてもぼーっとして見えてしまいます。例えば、手で逆の手首をちょっと触ったり、テーブルに手を添えたりしてみると、一気にリラックスした感じの写真になるので、少しの工夫が必要です。
スーツ姿で写真に写る際、「どんなポーズで撮ればいいのか悩んだ経験」や「ポーズに困って手を前で組んでの直立不動」など、被写体になる際に困った経験をした方も多いのではないでしょうか。そういった場合も、ネクタイや腕時計をちょっと触っている風の手元にすれば、一気にこなれた感じになります。
全身であれば、片手だけポケットに入れてみたり、壁やテーブルに手を添えるのも、自然な動きが出ておすすめです。
ぜひ、撮影される側、撮影する側でコミュニケーションをとりながら、その状況で1番最適なポージングを見つけていって下さい。
スマホで撮影はどこまでこだわれる?
撮影の良し悪しを分けるポイントは「明るさ」と「光」です。
日常的な撮影はスマホが主流となっている今現在では、自動でピントと明るさを調整して撮影を済ませる人も多いと思います。
自動でピントと明るさを合わせる撮影は、どれも同じような印象になってしまうことが多いです。自分で撮影技術を上げることで、自分にしか撮れない写真が出来上がるでしょう。
ここでは、撮影時に意識すべきスマホ撮影のクオリティを上げるコツを紹介していきます。
手動で明るさ調整&使うレンズも意識を
iPhoneや一部のスマホに限った調節方法ですが、iPhoneは被写体にピントを合わせた後に、手動で明るさ調整が可能です(露出補正機能)。こうすることで、ピントも明るさも理想通りの設定にした上で撮影をすることができます。
iPhoneを始めとする近年のスマホに内蔵されているカメラ性能は大きな進化を遂げており、明るさをオートで合わせることが可能です。オートで綺麗に撮影できますが、自身の撮影技術を向上させるためには、スマホでの撮影時にオートで合わせた後に手動で調整をしていくクセをつけましょう。
また、最新のiPhoneやスマホの中には、トリプルレンズを搭載したスマホも増えています。こういったスマホで撮影する場合、できれば望遠レンズ(2倍ズームの際使われるレンズ)を使って撮影してあげると、被写体にゆがみが生じにくく、よりきれいな写真を撮影することが可能です。
普段意識することは少ないですが、私たちが普通にスマホ撮影する際に使われるレンズは広角レンズとなっています。広角レンズは広い範囲を撮影することが得意なレンズですが、その特性上画面の真ん中が狭くなり、端にいくほど間延びするような仕組みです。これで人を撮影した場合、画面上部に映る顔は大きく写り、スタイルが悪く映ってしまいます。
広角レンズで撮影をする場合は、1回顔でピントを合わせたら、写真の中央部分に立ち姿のヘソの位置を合わせることで、スタイル良く撮影することができるので覚えておきましょう。
自撮りの際は目線の位置を意識して
スマホ撮影の際、自撮りでスーツ姿を収めるという方もいるのではないでしょうか。自分の顔を確認しながら撮影出来る自撮りは便利かと思いきや、「スーツ姿のかっこよさ」を収めたいと考えている場合は不向きです。
自分の手でカメラを持って自撮りすると、被写体である自分とカメラの距離が近すぎてしまいます。顔のアップならそれでも問題ありませんが、スーツ姿を収めたいのであれば、できるだけ自分の姿が入るようにしっかりと距離をとって、カメラを固定してからタイマー撮影するのがおすすめです。
男性がスマートさを出したいなら、カメラはちょっと下から煽るように撮影するのがポイントといえます。中には鏡越しにスーツ姿を自撮りする方もいますが、左右反転することやカメラが写りこんでしまうことからおすすめはできません。。
スマホ撮影は、スマホがあれば誰でも簡単にできるという事もあって、深く考えずにやってしまいがちです。しっかりと性能を理解し、ポイントを押さえて撮影に臨むことで綺麗なスーツ姿を撮影することができるでしょう。
モデルと背景の距離を最初に意識する!
スマホの活用レベルが上がったところで、撮影時に意識すべきポイント「背景」について紹介していきます。
人物を主役として目立たせよう
背景を選ぶ際、いかに人物を主役として目立たせるかを念頭に置くことが重要といえます。主役を目立たせる1番簡単な手法は、主役と背景に距離を持たせることです。この距離は画面の奥行きとなり、人物が自然と浮かび上がります。
ごちゃごちゃした背景はなるべく避けるようにしましょう。主役と背景に距離が取れないなら、なおのこと背景はシンプルであるべきです。
【いい写真が撮れる場所 = 主役との距離 ✕ スッキリとした背景】
この方程式を覚えた上で、撮影すると綺麗な写真を撮影することができるでしょう。
色やアイテムでのバリエーションを出す方法
背景の色味については、スーツとのコントラストを意識するのがポイントです。
例えば、紺や黒といった暗めのスーツなら、背景は白っぽくて明るめな場所が良いでしょう。逆にグレーやベージュといったライトトーンのスーツなら、背景はやや暗めな場所の方が、明暗がついてカッコよく撮ることが可能です。
注意点として、スーツの色味と背景の色味でしっかりと明暗をつけようと思うと、スマホで撮影する際に明るさ補正が自動で入ってしまうことがあります。そういった場合、明暗が抑えられる場合があるので注意しましょう。対処法として、撮影後に画像加工モードでコントラストを少し強くすると綺麗に調整できるので合わせて覚えておくことが重要です。
また、野外撮影での注意点として、植物をバックに入れたいと考える方も多いと思います。フレッシュさを出すなら問題ないですが、緑の入れすぎは画面が明るすぎてしまうことも多いので注意しましょう。
冬シーズンの撮影の際に、街路樹などの植物を入れようと考える時もあると思います。冬場の野外植物は葉の色が濃いことが多く、フレッシュさよりもクールな印象が強くなってしまうことが多いです。普段あまり意識することはないかもしれませんが、緑をバックに撮影をする場合、こういった細部にも気をつけて撮影するようにしましょう。
例えば、入学式や入社式といった、フレッシュさを出すシーンなら、新緑をバックに撮影するのがおすすめです。一方、成人式など冬の撮影の際、緑をバックにすると冬の寒々しい雰囲気が出てしまうこともあるので、撮影の際には演出したい雰囲気などを意識して撮影しましょう。
時間が経って見た時に楽しめるか、目的を意識して撮影しよう
今回は、撮影のコツをご紹介してきました。一度に全てを実行するのは難しいので、まずは出来る部分から普段の撮影に取り入れるようにしましょう。
撮影には色んなテクニックがありますが、「いつ誰が見るか」「どんな目的で撮っているか」を少し考えながら撮ると、うまさ以外の要素にも目がいきます。
例えば、入学式の記念にという事であればかっこいいスーツ姿も大事ですが、緊張している姿もまたいい思い出といえるでしょう。友達同士の記念であれば、オーバーに肩を組んだり大笑いした表情も、後から見た際にいい思い出となります。
その状況や撮影するシーンを意識することでうまさだけではない、別の魅力があふれ出る写真となるでしょう。
今回は「スーツ姿をカッコよく」をテーマに撮影のコツを紹介しましたが、時間が経って見返したとき、思わず笑顔になれる写真が1枚でも多く残せるようになることが大切です。
素敵なスーツでいつもよりちょっとだけ素敵な表情を写真に残してみませんか。
小物の活用はTPOを意識
最後に裏技として、小物を使ったポージングの活用について紹介します。
小物を使用する際のポイントは「自然に見えているか」が重要です。例えば、ビジネスバッグを使うなら、野外でしようするなら躍動感を演出できますが、室内なら持たない方がいいでしょう。また、持ち方もただ普通に持っていてはダランとして意味をなしません。
一方で女性の場合は、肩掛け鞄などは持つだけでサマになるので、野外撮影では取り入れやすいです。
他にも小物使いのアドバイスを紹介します。
- 腕時計
時計をポージングに取り入れる場合、手をヘソより上に持っていく仕草を入れることが、カッコよく撮るコツです。
- ズボンポケット
男性なら片方の手をポケットに入れるのは、ナチュラルな仕上がりにできるのでおすすめです。ただし、両手を入れると偉そうになるので避けましょう。
- 手帳やスマホ
手先に自然と躍動感が出るのでおすすめです。ただし、使用する小物が汚れてしまっていると、だらしない印象にうつってしまい、逆効果になるので気をつけましょう。
- 髪の毛
女性のみ、髪の毛をちょっと触れる程度ならポーズにエレガントさが出ておすすめです。
- メガネ
メガネは知的に見えますが、度の入ったものは目が小さく見えてしまうので注意が必要です。その場合、外して胸ポケットにしまう仕草で撮影に望むのも良いでしょう。
このように、身の回りの物を使ったポージングはアイデア次第です。ぜひ、撮影自体を楽しみながら、後で見たとき「いいね!」と思えるスーツ写真を残しましょう。
全てのテクニックは、撮影者とモデルのコミュニケーションがあって成立するものです。撮られる人は恥ずかしさを脇に置き、撮られる自分を楽しむ余裕を持つようにしましょう。そして、撮る人は完璧を目指さず、撮影をめいいっぱい楽しむことが重要です。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
ここ数年でオーダースーツ専門店が多くなり、スーツを購入する選択肢が多くなりました。それと同時にどのお店を選んだらいいのかわからないという方も多くなっています。
スーツの購入に迷った際には「オーダースーツSADA」を検討してみてはいかがでしょうか。
オーダースーツSADAは1923年に創業し、2023年には創業100年を迎え、長い歴史と伝統が培った技術とノウハウを活かし、生地の仕入れから縫製・販売まで行っているのが特徴です。
オーダースーツSADAは、オーダースーツの作成方法のなかでも最もこだわったスーツを作ることができるフルオーダーを採用しています。
フルオーダーでスーツを仕立てる場合、一般的には十万円〜数百万円と高額になってしまうことが多いです。
しかし、オーダースーツSADAでは、フルオーダーでありながら既製品のスーツと変わらない19,800円〜(税込21,780円〜)で仕立てることができます。(※2023年12月時点の価格です。価格は変更になることがあります。)
オーダースーツSADAはコストパフォーマンスの高さだけが魅力というわけではありません。スーツの知識が豊富なスタッフから仕立てのアドバイスをもらいながらスーツを作成することができるところにあります。
オーダースーツを作成したことがないオーダースーツ初心者の方でも安心して、オリジナルスーツを作成することが可能です。
オーダースーツSADAでスーツを仕立てて、この記事で覚えたポイントを駆使して記念になる一枚を撮影してはいかがでしょうか。
こちらからお近くの店舗のご来店予約ができます >【お話を伺った人】
フォトグラファー
株式会社LAKI STUDIO
代表 古矢 優氏
会社URL:http://lakistudio.com/
オーダースーツSADAがスーツサプライヤーを務めるJリーグやBリーグ選手たちの撮影など各種媒体で活躍。
近年は食品撮影にも注力し、自社キッチンスタジオで撮影したシズル感ある料理写真を提供している。
PUNAフォトキッチン: http://punaphoto.jp/