コットンスーツはどう着るべき？着用やお手入れの仕方を紹介

カテゴリー

あなたのいつも着ているスーツは、どんな生地でできていますか？ビジネススーツの定番の生地と言えば、カッチリと見えるウールです。ウールは高級感があり、保温性や肌触りなどスーツに必要な機能性を揃えているので、もっともよく使われている生地ですね。他にも安価なスーツであれば「ポリエステル」や、高級スーツであれば「モヘア」など、さまざまな素材を使った生地があります。今回ご紹介するのは、安価で色の種類が豊富な「コットン」生地のスーツ。コットンとは「綿」のことで、よく夏用の衣服に用いられています。スーツにおけるコットンは、春夏にとどまらず秋冬もしくはオールシーズン使われているのが特徴です。通気性が良いので、春夏スーツを着て暑いシーズンを快適に過ごせるのはもちろん、織り方を変えた保温性の高いコットン生地なら、肌触りがよい暖かさで冬も過ごしやすくなります。質感が若干カジュアルに感じられるのがネックですが、落ち着いた色柄であればビジネスで着用してもOK。カジュアルなシーンならより豊富なバリエーションを楽しめます。今回はそんなコットンスーツのメリットや着こなし方について、「オーダースーツSADA」のスタッフが解説します。

スーツといえば代表的なのはウール生地のかっちりとしたビジネススーツですが、中にはコットン生地でできたものもあるのです。コットンスーツには、値段が安い、色の種類が豊富など、ウールのスーツにはない特徴がいくつもあります。今回は、コットンスーツの特徴とメリット、そしておすすめの着こなし方やお手入れの仕方などについて詳しく解説していきます。

コットンスーツの主な特徴

スーツに使われる素材にはウールやリネンなどさまざまな種類がありますが、その中でも綿、すなわちコットンで作られているのがコットンスーツです。ところで、コットンスーツと聞いたときに多くの人は夏用の涼しげなスーツを思い起こしますよね。しかし、実はコットンスーツには春夏用や秋冬用、3シーズンに対応しているものまで幅広いタイプがあるのです。また、ファッション性の高いイタリアンスタイルのカラフルなスーツという印象から、主にプライベートで着るスーツだと思っている人も多いでしょう。ところが、コットンスーツはビジネスからカジュアルまで対応できる汎用性の高いスーツなのです。
カラーバリエーションが豊富なのもコットンスーツの大きな特徴です。オーソドックスなベージュや鮮やかな赤、渋いオリーブグリーンなど、クローゼットに数着用意しておけば、その日の気分でさまざまな色のコットンスーツのコーディネートを楽しむことができます。通気性と肌触りがよいというコットンの特性から、夏用のデザインのバリエーションが多いこともコットンスーツの特徴として挙げられます。暑い季節でも涼しげなコットンスーツのスタイルはファッションに敏感な人たちの注目を常に集めているのです。

コットンスーツを着用するメリット

コットンスーツを着用するメリットとしてまず挙げられるのが、ウーレンやウーステッドのスーツと比べて安価なものが多いということです。その理由としては、素材であるコットン自体の価格が安いこと、仕立てるのに比較的手間がかからないことなどが考えられるでしょう。高級品というイメージが強いスーツを数万円で仕立てられるのは、オシャレを楽しむ人にとっては大きなメリットですよね。そして、価格が安いことでカラーバリエーションを揃えやすいというほかのメリットにもつながっていきます。
コットン素材の服の特徴として、熱に強くて頑丈だということもメリットの1つに数えられるでしょう。コットン製の衣服はちょっとやそっとの衝撃では破れません。作業着として爆発的な人気を博したゴールドラッシュの時代以来、ジーンズが100年以上にわたって世界中で支持されてきたという事実はコットンの頑丈さを示す1つの例証だといえるでしょう。コットンスーツは熱に強いので、アイロンをかけるときもそれほど心配する必要はありません。シワがつきやすいというデメリットも普段からこまめにアイロンをかけることで防ぐことができるのです。
また、吸水性の高さや通気性のよさなどのメリットは、コットンスーツが特に夏に活躍している理由でもあります。風通しがよく暑い時期でも涼しく着こなすことができ、吸水性が高いので汗をかいてもすぐに吸い込んでくれますよね。さらさらとした肌触りが楽しめるのもコットンスーツならではです。そして、ほかの素材のスーツでは難しい洗濯が自分で行えるため、クリーニング代が節約できるというメリットも。シワや汚れ、臭いなどがついてしまってもある程度は自分で対処できるという扱いやすさは、多くの人にコットンスーツが愛用されている理由の1つだといえるでしょう。
コットンスーツを着ることのメリットはスーツの味が出てくる早さにもあります。コットンはウールやリネンよりも繊維が柔らかく、着用を重ねるうちに表面の繊維が毛羽立ってきます。この繊維の毛羽立ちが光の当たり具合によってスーツに渋みのある陰影を与えます。これがコットンスーツの味となるのです。着用の頻度にもよりますが、ウールやリネンのスーツの場合は味が出るまでに10年以上かかる一方、コットンスーツは3年程度で味が出てくるといわれています。注意点としては、味が出るのが早いということはスーツとしての寿命も短いということです。ある程度着こんで味が出てきたら、その後は着用の頻度を減らし、大事に使うようにしましょう。

コットンスーツに合う色って？

コットンスーツに合う色としては、王道ともいえるのがベージュです。どんな色とも相性のいいベージュはコーディネートのしやすさも抜群。クリーム色に近いベージュからグレーがかったベージュまで、色の選択肢の幅が広いのも人気の秘訣です。また、夏らしい白もコットンスーツにはよく合います。太陽の光に当たって輝く白のコットンスーツは着る人に爽やかな気品を与えてくれるでしょう。フォーマルな雰囲気を出したいなら黒やネイビーなどの暗い色がおすすめ。ビジネスシーンでも周りから浮くことなく溶け込むことができます。そのほかにも、渋いカーキや華やかなオレンジなど、気分によって使い分けられる色の豊富さがコットンスーツの大きな魅力なのです。

カジュアルなコットンスーツの着こなし方は？

コットンスーツにもともと備わっているカジュアルな雰囲気をさらに活かすための着こなし方をいくつか紹介します。パンツを変えずにセットアップのまま着崩すならスニーカーとバックパックを合わせてみてはいかがでしょうか。シャツやネクタイはビジネススタイルのものを着用しつつ、革靴をスニーカーに、ビジネスバッグをバックパックに変えてみるだけでカジュアルさはぐっと増します。足元はパンツの裾をロールアップすればトレンド感を演出することができますよ。
インナーをトレーナーに変えてジャケットに合わせるという楽しみ方ができるのもコットンスーツの魅力の1つ。コットンスーツとトレーナーは素材が同じコットンなので相性もよく、さらにラフな印象になります。コットンスーツにカジュアルなアイテムを合わせるときは全体の色味を暗めに抑えると、カジュアルすぎず落ち着いた雰囲気になるのでおすすめです。勤務時間が終わったらインナーをトレーナーに着替えてラフなスタイルで遊びに行きましょう。
そして、コットンスーツのジャケットにカットソーとデニムを合わせれば、あっという間にキレイ目カジュアルなコーディネートに。ストレッチ性の高いコットンのジャケットならプライベートでアクティブに遊ぶような場面にもぴったりです。デートスタイルとしても優秀なコーディネートなので、さりげなくコットンスーツのジャケットを取り入れて、いつもとはひと味違うデートを演出してみてはいかがでしょう。デニムやチノパンなどのカジュアルなパンツとの相性がよいのもまたコットンスーツの魅力ですよね。

ビジネス用にコットンスーツはあり？

カジュアルな着こなしが光るコットンスーツですが、ビジネスシーンで使うことはできるのでしょうか。一般的に、ビジネススーツとしてはウール生地のものが多く使われています。しかし、コットンスーツでもカジュアル過ぎる色やデザインでなければ、ビジネススーツとして活用することができます。特に夏場やオフィスカジュアルの職場ではコットンスーツが活躍する機会は増えるでしょう。ビジネスにもカジュアルにも対応できるその汎用性の高さから、コットンスーツは主にセカンドスーツとして親しまれています。

コットンスーツの注意点

通常のウールのスーツと比べると、コットンスーツは生地の性質上シワになりやすいスーツだといえます。そのため、シワを防ぐためには普段からこまめにアイロンがけをしてお手入れをしておく必要があるのです。アイロンをかけるときは当て布をしておくと焦げつく心配もなく安心です。また、臭いや汚れを吸着しやすいという性質もあるので、連日の着用は控えるようにしましょう。臭いや汚れを放出するヒマを与えずに使い続けると、染みついたまま取れなくなってしまう恐れがあります。
また、カジュアル感が出やすいというのが特徴のコットンスーツは、ふさわしくない場面に着ていくと場違いな印象を与えてしまうので注意が必要です。ビジネスカジュアルにも対応できるコットンスーツですが、フォーマルな場にはやはりウール素材のしっかりとしたスーツを着ていくのが無難でしょう。そして、夏用の薄手のコットンスーツを肌寒い季節に着用するとどうしてもちぐはぐな印象になってしまいます。オシャレ上級者としてコットンスーツに挑戦するときは、くれぐれも着ていく場面を間違えないように気を付けましょう。

コットンスーツの手入れの仕方

＃基本的な手入れの方法
コットンスーツは自宅で洗濯することができるので比較的お手入れがしやすい生地だといえます。ただし、型崩れが心配だという人はクリーニングに出したほうが安心です。洗いすぎると生地が傷んでしまうため、クリーニングに出す頻度は年に1回程度にしておきましょう。また、コットンスーツはウェットクリーニングをすることで色が蘇ります。色落ちが気になるという人はぜひ活用してみてください。洗濯機で洗う場合はまずスーツを裏返しにし、なるべく出力の弱いモードで洗うようにしましょう。

＃雨に濡れたときの手入れ
コットンスーツが雨で濡れてしまったら、まずは乾いたタオルで十分に湿気を取ってください。その後、風通しのいい場所で完全に乾くまで陰干しをしましょう。このとき、木製のハンガーにかけて干すと早く乾きます。濡れた状態のスーツに直接日光が当たると色があせてしまうので気を付けてくださいね。コットンスーツに湿気が残った状態でクローゼットなどにしまうと、しわが付いたりカビが生えたりする恐れがあります。必ず完全に乾かしてからしまうようにしましょう。また、乾いてからも臭いが気になる場合は消臭スプレーを全体にかけるなどしてください。

＃汗の汚れの手入れ
暑い季節に活躍するコットンスーツですが、だからこそ汗の汚れは気になりますよね。汗で汚れてしまったら、まずは固く絞った濡れタオルで汚れた部分を叩くように拭きましょう。そして、濡れタオルで叩いた部分に霧吹きなどで水をかけ、乾いたタオルでできるだけ湿気を取ってください。十分に湿気を除いたら全体に消臭スプレーをかけ、陰干しで乾かします。乾いたタオルで湿気を取るところからは雨に濡れたときのお手入れ方法と同じですね。汗に限らず、汚れは時間が経ってからでは落としづらくなります。気付いたらすぐに落とすようにしましょう。

＃臭いが気になるときの手入れ
次はコットンスーツの臭いが気になるときのお手入れ方法をみていきましょう。まずはコットンスーツをブラッシングし、それから衣類スチーマーの蒸気を当てて臭いを除去してください。十分に蒸気を当てたら陰干しで完全に乾かしましょう。その後は2、3日ほど使わずにスーツを寝かせておきます。それでもまだ臭いが気になる場合は消臭スプレーをかけたり、クリーニングに出したりして様子をみてください。同じコットンスーツを毎日着ていると、吸着した臭いが生地に定着してしまい、どんどん除去するのが難しくなっていきます。コットンスーツには臭いを吸着するのと同じように排出する力もあるので、1度着たら3日は休ませるなどの対策で臭いが付くのを予防することができますよ。

＃シワやカビの手入れ
コットンスーツがシワになってしまったら、まずはブラッシングをして汚れを取り除きましょう。その後、衣類スチーマーの蒸気を当ててから陰干しをしてください。このとき、スーツ用のハンガーにかけておくと型崩れを防ぐことができます。このお手入れ方法でほとんどのシワをなくすことができますが、シワが残っている場合は当て布をしてアイロンをかけてみてください。それでも駄目ならクリーニングに出した方がよいでしょう。
コットンスーツにカビが生えてしまったときのお手入れを家庭で行うのは難しいので、できるだけ早めにクリーニングに出すのがよいでしょう。また、見た目がきれいになったとしてもドライクリーニングではカビ菌を完全に取り除くことができません。そのため、しばらくするとまたカビが生えてきてしまうことも。ウェットクリーニングをしてもらう、あるいはカビ用のオプションを追加するなどの処置が必要となります。

コットンスーツを着用してみよう！

カジュアルな印象があるコットンスーツですが、着こなし方ひとつでプライベートからビジネスまで幅広く活用することができます。セカンドスーツとしての人気も高く、多くの人が愛用しているコットンスーツ。オシャレ上級者の仲間入りをするためにも、ワードローブのラインナップに1着加えてみてはいかがでしょうか。

コットン生地は鮮やかな赤や渋いオリーブグリーンなど、非常に幅広いカラーバリエーションがあるのが魅力です。ファッショナブルな着こなしには、コットンを使ったコーデは必要不可欠でしょう。コットンスーツのメリットは4つ。1つ目は「安価なものが多い」ことです。コットン素材はスーツを仕立てやすく、素材そのものも安いのでかなりローコストでスーツを仕立てられます。2つ目は「熱に強く、頑丈である」こと。アイロンを直当てしても問題ないほどの耐久力があるので、シワがついたらすぐにアイロンをかけてOKです。3つ目は「吸水性が高く、通気性が良い」こと。夏を涼しく過ごすのにピッタリです。汗をかいても、そのまま洗濯できますよ。4つ目は「スーツの味が早く出てくる」ことです。繊維が毛羽立ち、渋みのある陰影を生み出すまでに3年程度しかかかりません。ただしこれは寿命が短いということでもあるので、着用頻度に気を付けて着こなしましょう。コットンスーツはトレーナーやデニムもよく合います。ベージュや白などのライトカラーとの相性もバツグンです。黒やネイビーであればビジネスにも活躍しますよ。プライベートからビジネスまで活用できるコットンスーツを、日々のローテーションに取り入れてみてはいかがでしょうか。