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2017年はクラシック回帰が鮮明に!

秋冬に向けてオーダースーツを購入するなら、最新のトレンドを押さえた一着が欲しいと考える方も多いでしょう。一方で、生地や柄選びの組み合わせで迷っている方もいるのではないでしょうか。そんな方向けに、2017年の秋冬シーズンに向けておすすめしたいスーツの素材やデザインを紹介していきます。

秋冬スーツと春夏スーツの違いは?

まず秋冬用と春夏用のスーツの一番の違いはスーツの裏地にあります。裏地が裾までついている総裏仕様になっているのが秋冬で、背抜きされている仕様が春夏用です。総裏仕様は保温性、背抜きは通気性に優れており、それぞれにメリットがあります。

総裏の方が、シルエットが崩れにくいのも特徴の1つで、オールシーズンで使えるスーツは総裏仕様にして、涼しい素材を使用するのが人気です。秋冬は気温が下がってきますから、肌寒い日に対応できる厚手の生地が好まれます。ここで注目したいのは「目付」とよばれる業界用語です。

スーツのカタログやタグに「◯◯g/m」と表示されているのが目付であり、生地1平方メートルに対する重量を示す数値のことを指します。目付も秋冬と春夏を見分ける1つの目安となり、生地が重いほど冬用、軽いほど夏用に使われる傾向にあります。一般的に260g以上が秋冬用で、230g前後が春夏用となります。

 

秋冬スーツ生地はフランネル、サキソニーが万能素材

 

秋冬用のスーツには紡毛糸と呼ばれる柔らかく起毛しやすい糸が使われ、保温性に優れています。冬物で人気のある生地は英国発祥が多く、素材もバリエーションが豊富です。定番素材としては、イギリスのウェールズ地方が発祥の紡毛糸で織ったフランネル素材は、計量で肌触りが柔らかいのが特徴です。

名前を知らなくても「ネルシャツ」というフランネルのシャツを持っている人が多いのでイメージしやすいのではないでしょうか。フランネルよりも薄手で毛羽がかった「サキソニー」はスコットランドの伝統生地で、軽さと暖かさを両立した万能的な機能で活動的な方向けでしょう。スコットランドやアイルランド発祥の「ツイード」は、不均一な太さの羊毛の糸で織った厚手の生地で耐久性に優れているのが特徴です。カジュアルさを前面に出したい人におすすめしたい生地です。

ツイードの一種である「ホームスパン」は、手織り感を前面に出した英国らしい素朴な風合いが特徴。人気ブランド「ハリスツイード」の生地としても有名で、ホームスパンのスリーピーススーツは秋冬スーツで高い人気を誇ります。このほか、丈夫で傾斜が強い綾織りが特徴的なギャバジン、対角線の意味を示す通り斜め45度の柄をしているダイアゴナル、黒系の模様が一般的で厚手と光沢のあるドスキン、軽くて光沢感のある高級生地として人気のカシミアなどが挙げられます。

フランネルやサキソニーなどは仕事やパーティー系にも使える万能型、黒無地の多いドスキン、ダイアゴナルはフォーマルな場、ツイードはパーティー向けといった具合に、素材の違いで使われるシーンが異なります。カシミアも万能型ではありますが、高級色が強いため、職場で若い方が着るには不向きかもしれません。

 

秋冬スーツで選びたい織柄

秋冬スーツは生地だけでなく、織柄によってもだいぶ印象が変わります。無地ならどんな職場でも無難に対応できますが、選び方に注意が必要な柄もあります。定番のストライプの場合、秋冬ものは生地が厚く起毛しているため、細かいストライプだと柄がわかりにくい傾向にあるため、間隔が広いタイプを選ぶとよいでしょう。

同じく、V字状の模様で光の当たり具合によって光沢感が変化するヘリンボーンも、紳士的な雰囲気を出したい人にはぴったりです。派手な着こなしが許されるのであれば、季節感の出しやすいチェックがおすすめです。秋冬は千鳥格子や小さな格子などを組み合わせたグレンチェック、スコットランドに伝わる多色使いのタータンチェックが定番となっています。

より派手さを出したいのであれば、単色の格子が大きく縁取られたウインドウ・ペンチェックでもよいでしょう。クラシックな印象を与えたい方には千鳥格子もおすすめ。スーツでは柄が細かいものが向いており、黒やグレー、茶色など秋冬にぴったりの色使いができます。

 

2017年秋冬スーツのトレンドは「英国調」

秋冬スーツで定番の生地や織柄が理解できたところで、2017年秋冬におけるトレンドを紹介します。ポイントとなるのは「英国調」。クラシック回帰の傾向はさらに強まり、重厚感のあるダブルスーツ、スリーピースが人気です。英国テイストのチェック(タータン、グレン)やストライプが人気となるでしょう。

いずれも定番の柄ではありますが色使いによっては個性が出やすく、柄にアクセントをつけると英国らしい雰囲気が出せるでしょう。クラシック回帰といっても現代的なアレンジが加わっていることがポイントです。

脇ポケットにもう1つポケットがあるチェンジポケット、下襟が跳ね上がったピークドラベル、下襟が水平に傾いている形状から魚の口のように見えるピークドラベルが人気です。トレンドカラーはブラウン系です。寒い季節には暖かみのある暖色系が有効で、落ち着いたイメージを与えることができますし、生地や織り柄によってより新鮮な見せ方ができます。

 

2017秋冬スーツに合うネクタイ

2017年の秋冬スーツの傾向に合わせたネクタイのトレンドは、スーツと同様に英国クラシックを感じさせるビンテージ柄、立体的な絵柄が織り込まれたジャガード柄が流行するでしょう。主張が強いオレンジでアクセントをつけたり、やや控えめなボルドーで大人らしい雰囲気を醸し出したりと暖色系のスタリングが人気です。

個性の強いビンテージ、ジャガード柄はベーシックなロンドンストライプとの相性ともよく、華やかさの中にも堅い雰囲気を出すことができるアイテムとなるでしょう。

 

スーツは職場の雰囲気に合わせて選ぼう

 

2017年の秋冬スーツのトレンドは英国テイストのクラシックスタイルがより鮮明になり、太めのストライプや差し色が華やかなグレンチェックなどに人気が集まりそうです。

クラシックを引き立たせるアイテムとしてラウンドやタブカラーといった襟型のシャツを選んだり、ビンテージ柄のネクタイで暖色系のコーデをすると、現代風のスタイルとなっておしゃれをより引き立てます。秋冬スーツは多様な素材と柄を組み合わせて選ぶことができることを紹介してきましたが、スーツを着るシーンや職場の雰囲気などによっては場にそぐわない恐れもあります。オーダースーツを作る際には、使用を想定して組み合わせに注意しながらお気に入りの一着を選びましょう。