スーツの高級生地にはどんなブランドがあるの?世界の高級生地ブランドの秘密をご紹介します。
スーツを選ぶ際に生地にまで気を配って選んでいる人は意外と少ないものです。生地選びを意識することで、スーツの持ちや着心地なども大きく異なるため、何気なく選んでしまってはもったいない要素といえます。
しかし、実際にスーツを選ぶ際にどんな生地を選んだらいいのかわからないという疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
「スーツを作成する際にどんな生地がいいんだろう」
「高級生地を使って、自分に合うオーダースーツを作ってみたい」
「どの生産国の生地を選べばいいのだろうか」
など、生地に関する悩みにお答えしていきます。
この記事では
世界的に有名な生地ブランド
スーツ生地に使用される素材
スーツを長持ちさせる方法
などを紹介します。
自身に合った生地選びの参考にして、世界で一着のスーツ作成に挑戦してみましょう。
体にフィットしていて、誰が見ても高級そうなスーツ。
色が鮮やかでツヤや光沢があり、シワがついてもすぐに元通りになるスーツ。
そんなスーツを着ている人は、実はスーツの仕立てだけではなく生地からこだわって選んでいるかもしれません。
この記事では世界的に有名な生地ブランドを紹介するほか、スーツの生地の素材やスーツを長持ちさせる方法など、お気に入りの一着と長く付き合える方法をご紹介しています。
できるビジネスマンは生地からこだわる!スーツブランドと生地ブランドの違いとは
あなたがもし車好きだとしましょう。
「このメーカーの車がほしい。でも、エンジンはこのメーカーのものを載せたい。」
車の場合、自動車メーカーがエンジンを作っている場合が多いので、そんなチョイスはできません。
しかし、スーツの場合はどうでしょうか?
このスーツメーカーのスーツがほしい。でも、生地はこのメーカーのものを選びたい。スーツならそんなこだわりを持ったチョイスが可能です。
ここでは、なぜそんなことができるのか?という疑問を解説していきます。
スーツブランドと生地ブランドの違い
スーツのタグを見てみるとブランド名が二つ記載されていることがあります。一方はスーツブランド、もう一方は生地ブランドです。
「スーツブランド」とは、生地を仕入れてスーツを作っているブランドです。百貨店などへ行くとショップを目にすることも多いでしょう。
「生地ブランド」とは、スーツブランドに生地を供給するブランドです。生地ブランドでも一部ショップを構えているブランドがありますが、こちらはあまり目にする機会はないかもしれません。
ミルとマーチャントの違い
生地ブランドには「ミル」と「マーチャント」の二種類があります。
「ミル」は生地のデザインや生産などを行うメーカー機能を持った生地ブランドです。ミルの中には紡績を行っている生地ブランドや、自社牧場を持っている生地ブランドもあり、業務範囲の広さはさまざまです。
一方、「マーチャント」は生地のデザインや生産などを外部委託する、メーカー機能を持たない生地ブランドです。商社だと考えれば分かりやすいかもしれません。
ミルは自社で行う工程が多いため、生地が比較的安く手に入るという特徴があります。
しかし、マーチャントは自社以外の会社がデザインや生産をした生地を扱うので、生地の幅が広く、流行りをいち早くキャッチできるという特徴があります。
国によって特徴が違う?各国の生地メーカーを紹介!
ここでは、スーツの生地で有名な「イタリア」「イギリス」「日本」の特徴を見ていきましょう。
軽やかで鮮やかなスーツと言えばイタリア!イタリアの代表的な生地ブランド4選
①細い糸でも強くて高級な生地を作る定番の『Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)』 ※以下、ゼニア
ゼニアは1910年にミラノで創業しました。原料はオーストラリアにある契約農場から仕入れています。その中でも肩と脇の毛でしか糸を作らないことが、ゼニアの品質に対するこだわりです。
ゼニアの生地の特徴は最高品質のツヤと程よくヌルっとした触り心地です。細い糸の生地が主力ですが、一般的な糸が細いだけの生地とは違い、クリンプと呼ばれる波状のちぢれを持つ糸を使用して耐久性を持たせています。
このようなゼニアの生地は世界各地で売れ、1950年頃に圧倒的に人気で売上世界一であったイギリスの生地を抜いています。世界各国で数々のスーツブランドに生地を供給しており、国家元首や世界の起業家などに愛用されています。
②カシミヤやビキューナなどの高級素材に強い『Loro Piana(ロロピアーナ)』
ロロピアーナは1924年にクアローナで創業しました。カシミヤやビキューナなど高級素材の生地の中で、世界のトップシェアを誇ります。高級ウールも扱いますが、カシミヤとビキューナには特にこだわりがあります。
高級カシミヤの産地である中国に独自の研究開発施設を設立し、最高品質のカシミヤを安定的に供給しています。高級カシミヤの世界シェア30%はロロピアーナです。また、ビキューナにおいてはペルー政府から公式に認定された数少ないメーカーの一つに数えられています。
ロロピアーナはビキューナを使った生地を生産するだけでなく、乱獲により絶滅危惧種になったビクーニャ(ビキューナの原料となる毛を持つ動物)を保護する自然保護区『フランコ・ロロ・ピアーナ保護区』を設立し、原料の調達だけでなく原料となる動物の保護にも力を入れています。
③自然環境保護に積極的でコストパフォーマンスも高い『REDA(レダ)』
レダは1865年にビエラで創業しました。ニュージーランドに自社牧場を持っており、原料の調達から仕上げまで一貫して製造できるビエラ最大のミルです。製造工程では最先端の織機と伝統的な職人による手作業を使い分け、それぞれの良い部分を融合させています。染料を分解してから自然に返す、一部の電力を太陽光による自家発電で賄うなど、自然環境保護にも力を入れています。
生地は発色が良く、柄が繊細であり、高品質の光沢を放つなど、気品あふれるものとなっています。また、レダは品質が高いだけでなくコストパフォーマンスにも優れています。数々の有名スーツブランドに生地を供給しています。
④歴史の長さとコストパフォーマンスの高さに驚く『Vitale Barberis Canonico(ヴィターレ・バルべリス・カノニコ)』※以下カノニコ
カノニコは1663年にビエラで創業しました。その歴史はほかの生地ブランドに比べても圧巻の長さとなっており、オーストラリアに自社工場を持っています。
生地の特徴はウールでありながら、シルクのような光沢と発色の良さを持ち合わせていることです。ウールの中にはゴワゴワした肌触りの生地もありますが、カノニコの生地は肌触りが柔らかいです。
生地が軽いのも特徴であり、重厚感のあるダブルのスーツでも見た目ほどの重さは感じません。カノニコも高品質なのにコストパフォーマンスが高いことで有名です。
歴史と重厚感を感じるスーツと言えばイギリス!イギリスの代表的な生地ブランド2選
①伝統的な中にもイタリアのエッセンスを取り入れる『JOHN FOSTER(ジョンフォスター)』
ジョンフォスターは1819年にクイーンズベリーで創業しました。創業当初は生地を仕入れて販売するマーチャントでしたが、その後工場を設立してミルとなります。
イギリスの生地は英国紳士の伝統を受け継いだハリやコシがあるものが多い中、ジョンフォスターの生地はイタリアの柔らかさを持ち合わせるなど、伝統だけに捕らわれない独特の魅力があります。
また、コストパフォーマンスが高いことも大きな特徴です。
②希少性の高い生地まで幅広く取り揃える『HOLLAND SHERRY(ホーランドシェリー)』
ホーランドシェリーは1836年にロンドンのボストンストリートで創業しました。マーチャントなのでメーカー機能はありませんが、イギリス王室やイギリス国内の高級テーラーにとどまらず、パリのオートクチュールなどにも生地を供給しています。
基本となるウールはもちろんのこと、コットンやシルク、リネンに始まり、カシミヤやビキューナなどの高級素材を幅広く取り揃えていることが特徴です。特にビキューナは絶滅危惧種のビクーニャの毛から作る天然繊維であり、非常に希少性が高いことで有名です。
意外と日本も奮闘している!?日本の代表的な生地ブランド2選
①昔ながらの織機と品質を守り続ける『葛利毛織工業(くずりけおりこうぎょう)』
葛利毛織工業は1912年(大正元年)に愛知県の一宮で創業しました。トヨタ自動車の源流である豊田自動織機の創業が1926年であることを考えると、その歴史の長さを感じずにはいられません。
葛利毛織工業の特徴は今でも昔ながらの織機で生地の製造を続けていることです。生地を作る時は経糸(たていと)に緯糸(よこいと)を通していきます。現在の織機は空気や水の力を利用して緯糸を左右に飛ばします。
しかし、葛利毛織工業が使用する昔ながらの『ションヘル織機』では、緯糸を中に入れた杼(ひ)と呼ばれる流線型のシャトルを左右に飛ばして緯糸を通します。そのため、ガシンガシンと規則正しい音を立て、音の通り細やかな目の生地が出来上がります。
この織機は現在の織機に比べると生産量が限られるというデメリットがあります。現代の織機なら100m/day程度作れる生地が、ションヘル織機の場合は15m/day程度しか作れないそうです。
しかし、手織りに近い品質となることや限られた生産量が貴重価値となり、国内にとどまらず海外からも高い評価を得ています。
②糸一本まで他人には任せられないこだわりをもつ『御幸毛織(みゆきけおり)』
御幸毛織は1905年(明治38年)に愛知県の名古屋で創業しました。オーストラリアに自社牧場を持ち、原料の調達から生地の製造・販売までを行うミルです。「糸一本まで他人には任せない」という強いポリシーが製造・販売体勢に現れています。
そのこだわりを持って1953年には「ミユキテックス」、1958年には「ファンシーテックス」というブランド名の高級生地の販売を始めました。また、羊が牧場の走り回る映像と一緒に『ミユキ?♪ ミユキ?♪』という歌が流れるCMを放映していた時期もあるので、一定以上の世代ならご存知の方も多いかもしれません。
ミルでありながら幅広いデザイン展開をする御幸毛織は、シーズンが変わる度に新しいラインナップを展開しています。使用する原料はウールだけでなく、モヘアやリネンやシルクなど幅広い天然素材です。
これらの厳選された素材と、最先端と伝統を融合させた製造技術により高品質ながらリーズナブルな生地を提供しています。
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スーツに使われる生地の素材とは
スーツの生地にはウールなどの天然素材から、ポリエステルなどの化学繊維まで幅広い素材が使われています。化学繊維は比較的安価な生地に使われますが、高級生地は天然素材100%が基本です。(天然素材どうしの混紡はあります)
この章では高級生地に使われる天然素材と特徴を解説します。
ウール
ウールとは羊の毛で作られる天然素材です。主な産地はオーストラリアやニュージーランドです。ウールの生地は夏は涼しく冬は温かく着られるという特徴があります。
なぜこのような特徴をもっているのでしょうか?
その秘密は熱伝導率が低いため、外気の影響を受けにくいことです。そのため、夏は暑い外気を遮断して涼しく、冬は冷たい外気を遮断して温かく着ることができます。
ほかにも染料に染まりやすく色落ちしにくい、型崩れしにくいといった特徴があります。型崩れしにくいのは糸の耐久性が高いためであり、シワになりにくいです。また、シワになったとしてもスチームを当てるとすぐに元に戻るため、長持ちさせたい時に扱いやすい生地です。
しかし、水洗いをすると縮んで硬くなるという性質もあるため、取り扱いには注意が必要です。
シルク
シルクは蚕の繭から紡いだ糸で作られる天然素材です。かつては日本国内でも多く生産されていた生地のため、日本人にとっては馴染みのある生地です。
シルクは吸湿性、保温性、放湿性など天然素材に共通した特徴を持っています。また、静電気を帯びにくく、光沢が強いことも特徴です。特に強い光沢はスーツの見た目の品質を高めてくれるので、光沢を出したい時にウールとシルクの混紡を使用することがあります。
しかし、ウールよりもデリケートで摩擦や熱に弱く、縮みやすいという性質があるため、取り扱いには注意が必要です。
モヘア
南アメリカやトルコなどに生息しているアンゴラ山羊の毛を使用した素材です。
モヘアは、シャリっとした肌触りがあり、熱がこもりにくい通気性の良さが特徴です。また、独特のきらきらとした光沢が高級感を演出してくれます。通気性に優れており、べたつくことも少ないので夏用のスーツに使われることが多いです。
モヘアの生地は基本的に市場には出回りにくい傾向にあります。既製品のスーツではあまり見かけることが少なく、オーダーでの取り扱いが一般的とされています。
モヘアを使用したスーツを手に入れたい場合はオーダーで作成するのがおすすめです。
ビキューナ
ビキューナはアンデス山脈に生息するビクーニャと呼ばれる動物の毛で作られる天然素材です。ビクーニャという名前はあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、見た目がアルパカに似た茶色い毛の動物です。
ビクーニャは乱獲されて絶滅危惧種となったため、剪毛作業(毛を刈り取る作業)は二年に一度しか行われません。また、一頭のビクーニャから取れる毛はわずか200〜300g程度であり、希少性の高さが特徴です。
動物の毛を原料にした糸の中では最も細く、弾力性に富みます。ゴールドを彷彿とさせる光沢があることも特徴です。これらの希少性と毛の特徴から『神の素材』とも呼ばれています。
カシミヤ
カシミヤは、中国北西部やイランなどに生息しているカシミア山羊の毛を使用した高級素材です。
素材の特徴としては、美しい光沢やツヤ、しっとりとした肌触り、軽さなどが挙げられます。ウールと比べると繊維が細いため、耐久性が低く、摩擦などの刺激に弱いことが特徴です。
カシミヤのみで使用する場合もありますが、耐久性を上げるために、ウールと混ぜて生地に仕上げることが多くあります。
もともとの耐久性が低い分、着用頻度が多いスーツには不向きのため、ここぞという時の勝負スーツとして持っておくと、男性としての箔がつくでしょう。
コットン
コットンは綿を紡いで作られる天然素材です。
吸水性や発散性に優れているため、サラッとした着心地を実現します。また、化学繊維と違い静電気を帯びにくいので、さらっと着ることができる春夏だけでなく、秋や冬など空気が乾燥する季節でも身に着けやすいという特徴があります。
オールシーズン活躍できる素材といえるでしょう。
リネン
リネンはフラックスと呼ばれる麻の茎で作られる天然素材です。
コットンと同様に、吸水性や発散性に優れている特徴を持っています。肌に密着しないので、日本のような湿度の高い夏でもサラッと着ることができるのが大きな魅力です。
スーツ生地はどこを見て選べばよい?おすすめのスーツ生地ブランドもご紹介します!?
この記事では、スーツ生地の選び方やおすすめブランドについて解説していきます。ぜひスーツ選びの参考にしてみてください。
スーツを作る前に生地を選ぶ時の要素を確認しておく
生地にはそれぞれ特徴があり、どんな環境でも使え、すべての生地のメリットを兼ね備える万能なものは残念ながらありません。
この章では生地を選ぶ前に決めておくべき要素をご説明します。
スーツを着る季節はいつか?
日本は四季がはっきりしており、年間を通した気温の差は大きいです。そのため、着る季節をはっきりさせておく必要があります。
オールシーズン向けの生地もありますが、海外ブランドの場合は「その国のオールシーズン」に適しているので、日本の気候に合うかは別途確認した方が良いです。
どのような場面でスーツを着るか?
一言にビジネスシーンと言っても、使われる場面は多種多様です。一日のほとんどをデスクで仕事をして過ごす人と、外回りで歩くことが多い人では生地に与えるダメージの度合いが異なります。
一般的には高級生地になるほどデリケートで激しい動きには向きません。しかし、高級生地ブランドでも、適切なシリーズを選ぶことである程度の動きに対応したスーツを作ることはできます。
生地を選ぶ時に確認しておきたい「産地」
生地は産地の気候や国民性を色濃く反映した特徴を持っています。好みの問題が大きい部分もありますので、産地別の生地の特徴を理解しましょう。
世界三大産地で作られる生地のおすすめブランドを前述しましたが、この章では生地の特徴をご説明します。
イタリア
イタリアは日本と同様に四季がはっきりしていますが、湿度は低い傾向があります。
また、イタリア人の国民性としてファッションに敏感な特徴があります。スーツも一つのファッションとして捉えているので、あまり地味な色の生地は少ないかもしれません。
イギリス
スーツ発祥の地イギリスの気温は北海道より低いです。そのため、厚みがあって温かく着られるスーツが多いです。
また、伝統を重んじるイギリス人の国民性からベーシックな形状のスーツが多く、イタリアのスーツよりウエス卜がタイトに作られています。
日本
日本は四季がはっきりしており、夏は熱く冬は寒いという特徴があります。また、湿度が高いこともあり夏は気温以上に暑く感じます。そのため、季節に合わせた生地ラインナップが展開されています。
デザインにあまり独自性はなく、イタリアのスーツのエッセンスを取り入れた印象があります。しかし、デザインよりは機能に重きを置いているため、機能性が高い生地が多いことも特徴です。一般的に価格はイタリアやイギリスの生地に比べて、安価な傾向にあります。
生地を選ぶ時に確認しておきたい「織りの種類」
スーツで使用される生地にはいくつかの織り方が存在しています。織り方によって特徴が異なるため、しっかりと把握して生地選びの参考にしましょう。
代表的な生地の織り方は3種類あり、それぞれ紹介していきます。
平織・・・主に春夏スーツ生地
縦糸と横糸を交互に組み合わせた織り方です。
縦糸と横糸を交互に組み合わせるため厚みは出ますが、糸が交差する部分に隙間ができる事から通気性のいい生地に仕上げられます。模様は左右対称になることが多く、摩擦に強く、丈夫でツヤが出にくいことが大きな特徴です。
綾織・・・主に秋冬スーツ生地
縦糸と横糸を2本ずつ抜かして織られた織り方です。
生地の表面に斜めの畝(うね)が表れるデザインが大きな特徴といえます。平織りに比べると、耐久力は落ちますが、しなやかで光沢のある生地に仕上がる織り方です。
糸同士の密度を高めて織ることができるので、厚みやストレッチ性の優れた生地に仕上がります。シワになりにくい生地を作る際に最適の織り方です。
繻子織り(しゅすおり)・・・主にフォーマル生地
縦糸と横糸のどちらかが5本以上あり、4本飛んで1本下に潜るような織り方がなされているのが繻子織りです。
交差する箇所が少なく、縦糸か横糸のどちらかが表面に表れないため、滑らかな肌触りと光沢のある見た目が大きな魅力です。
交差する箇所が少ないこともあって、シワになりやすかったり、型崩れしやすい一面を持っているため、普段使いの服装というよりはドレスなどのフォーマルシーンで着用する服装に向いています。
押さえておきたい生地を一挙紹介!
この章では各高級生地ブランドの中でも、押さえておきたい生地をご紹介します。
ゼニアが展開する高機能清涼生地の『COOL EFECT(クールエフェクト)』
特殊なトリートメント加工により、太陽光を80%反射し、表面温度を10℃下げる効果があります。高級生地でありながら、年々暑さが厳しくなっている日本の夏に対応できる機能性抜群の生地です。
機能性に重きを置いているため、ゼニアで最も有名な『TOROFEO(トロフェオ)』のような光沢はありません。また、ほかの高級生地と同様にシワになりやすいです。
ロロピアーナが展開する品質と耐久性を両立させた『TASMANIAN(タスマニアン)』
細い原糸を使いながら耐久性や防シワ性を持つ、高機能素材です。
高機能素材の中には見た目の品質が少し落ちるものもありますが、タスマニアンにはなんとも言えない光沢があります。また、重量の最大約30%の吸水性・発散性も持つので着心地も抜群です。
レダが展開する日本の夏にふさわしい高機能生地の『ICESENSE(アイスセンス)』
レダにも前述のクールエフェクトと同様の機能を持つ生地があります。
アイスセンスには赤外線の吸収をおさえる機能、そして太陽光の反射を促進する機能があります。これらの機能により一般的なウールより体感温度を8℃下げる効果があります。
生地を見分ける「三つの表記」って何?
スーツのタグには生地(糸)の仕様を表す三つの表記があります。この章ではその三つの表記についてご説明します。
Super ○○○s’
Superで表される表示はその糸の原糸の細さを表しています。
数字が大きくなるほど原糸が細くなります。Super 110s’〜Super120s’が一般的であり、これより数字が大きくなるとより高級になります。
しかし、一般的にSuperの数字が大きくなるほど生地が柔らかくなるので、デリケートになり着るシーンを選ぶようになります。
番手
Superは原糸の細さを表しますが、糸にした状態での細さは番手を使って表します。だいたい60〜80番手が一般的です。番手はSuperとある程度比例します。
目付
単位長さあたりの生地の重さを表すのが目付(めつけ)です。
幅150cmで長さ1mの生地の重さを表します。例えば生地の重さが240gであった場合は「240g/m」と表されます。
日本では季節ごとに目付の目安があり、春夏は240g/m以下、秋冬は260g/m以上とされています。
オーダースーツの生地選びの重要なポイントは?素材や平均価格について解説- オーダースーツSADA
スーツをオーダーする際は、色や柄だけでなく、生地にこだわるのがポイントです。使用する素材によって、全体のシルエットや着心地、耐久性などが異なります。この記事では、素材の種類や選び方のポイント、平均価格について解説します。
お手入れを徹底して長持ちさせる
高級生地を使った世界中に一着しかないスーツなら、出来るだけ長く着たいですよね?この章では少しでも生地を長持ちさせる方法をご紹介します。
ハンガーにかける
スーツをハンガーにかける目的はシワを伸ばすためです。そのため、ポケットに入っている小物を出したり、薄い形状のハンガーではなくスーツの形状にあった肩部分が立体的なハンガーを使ったりすることが大切です。
パンツは二つ折りにしてスーツと一緒にかけるのではなく、パンツ専用のハンガーがあります。言うまでもありませんが、専用ハンガーの方がシワが伸びます。同じスーツを毎日着るのではなく、三着程度のスーツを着回すのも長持ちさせる秘訣です。
ブラッシングをする
ブラッシングをする目的は繊維の間に入ったゴミやホコリを落とし、毛玉やテカリを防止することです。また、毛が長めの生地であれば毛並みを揃えるという効果もあります。
ブラシは馬の毛のブラシを使用し、最低でも三回着るごとに一回程度はブラッシングをするようにしましょう。
クリーニングに出す
スーツを長持ちさせる場合は定期的にクリーニングに出すことも大切です。
汗をよくかく夏は二週間に一回程度、冬はシーズンごとに一回程度で構いません。また、油性ペンなど油性の汚れか、食べ物や飲料など水性の汚れかによって適したクリーニングの種類が異なります。
油性の汚れの場合はドライクリーニングに出し、水性の汚れの場合はウエットクリーニングに出しましょう。
しかし、スーツによく使われるウールは水を含むと縮んで硬くなる性質があるため、ウエットクリーニングに出す場合は信頼できるクリーニング店に相談してからにしましょう。また、クリーニング後はビニールのカバーを取り、生地同士が擦れないように隣のスーツと2cmほど間隔を開けて保管することをおすすめします。
生地にもこだわったお気に入りの一着を手に入れるには?
この章では生地にもこだわったスーツを手に入れるために、スーツをオーダーする理由をご説明します。
既製品のスーツではなぜだめなのか?
既製品のスーツは身長とウエストだけでサイズが決まっており、またあらゆる年代のあらゆる体型をカバーするため、一つのサイズでもある程度の幅を持っています。
そのため、既製品のスーツであなたの体にピッタリ合うスーツはないと言っても過言ではありません。
スーツをオーダーする理由
既製品の中にあなたの体にピッタリ合うスーツがないのなら、オーダーするしかありません。スーツをオーダーするとあなたの体のサイズを正確に測ってくれるだけではなく、部分ごとに「ここはラフに、ここはタイトに」など細かく要望を聞いてくれます。
もちろん生地を選ぶときにも相談に乗ってくれるので、安心して任せることができます。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
高級生地の取り扱い実績があります
この記事でご紹介した高級生地のうち、ゼニア、レダ、カノニコ、ジョンフォスターについては「オーダースーツSADA」で取り扱いがあります。
ただし、在庫状況は各店舗によって異なりますので、Webで来店予約をする際に「ご相談内容」の欄にその旨を記載するか、電話でお問い合わせください。
「オーダースーツSADA」だからできること
「オーダースーツSADA」だからできることがあります。
それは「高い品質とコストパフォーマンスの両立」です。
専門の訓練を受けたスタイリストが約30分という時間を使って丁寧に行う採寸、そして自動設計・自動裁断による徹底した効率化がこの二つを実現します。
「オーダースーツSADA」にそれができるのは、1923年(大正12年)の創業以来培ってきた実績と技術があるからということは、言うまでもありません。今までも、そしてこれからもあなたがカッコよくスーツを着られるお手伝いをします。
まとめ
この記事では世界の名だたる高級生地ブランドを紹介しました。あなたもきっとお気に入りの高級生地ブランドが見つかったのではないでしょうか。
「高級生地のスーツなんて自分にはまだ早いのではないか?」
…と思っている社会人のあなたにこそ、高級生地のスーツがおすすめです。
高級スーツを作りたくてもどんなスーツを作成したらいいのかわからないという場合は「オーダースーツSADA」にご相談ください。スーツの知識が豊富なスタッフが納得のいくスーツ作りのサポートをいたします。
世界に一着だけのスーツ作りに挑戦してみましょう。
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