スーツの後ろの糸は切っていい?袖のタグは?新しいスーツを着る前のチェックポイントを解説!のアイキャッチ画像
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スーツの後ろの糸は切っていい?袖のタグは?新しいスーツを着る前のチェックポイントを解説!

新しく購入した未使用のスーツは、背中や肩、ポケットなどに「×マーク」の白い糸がついていることをご存知でしょうか。この×マークの白い糸は「仕付け糸」と呼ばれています。初めてスーツを購入した方は、この糸が何のために付けられているのか、どんな意味があるのかを知らないことが多いのではないでしょうか。仕付け糸を新しいスーツに付けるのには、明確な目的があります。この記事では、仕付け糸が付けられている目的や処理する方法を解説しつつ、糸を処理するための適切な道具について紹介します。また、仕付け糸だけではなく、コートの袖についているタグを取るべきか否かを悩む方も少なくないでしょう。中には、デザイン目的で縫われたタグも存在するため、特にブランドものの場合に外すべきか迷ってしまいます。つけている方がおしゃれだと感じる方もいるくらいです。しっかり縫われたタグを取り外す時は、無理に力まかせに取ってはいけません。該当部分の生地やコートそのものを傷めないために、正しい方法でやさしく取る必要があるのです。スーツやコートを着る前に注意したい点についても記事内で紹介していきますので、自身で解決できない時にご参考にしてください。

スーツについている白い糸や、袖のタグ。 これらはほとんど、着る前に切り取るべきものだということはご存じですか? スーツが初めての方や、ネットでしかスーツを買ったことがない方は、知らなくても仕方ありません。 今回は、これらの糸やタグにどんな意味があるのか、そして新しいスーツを着る前にはなにをチェックすればよいのかについて、ご紹介していきます。

スーツの後ろの糸は切ってもいい?

新しいスーツが届いて確認すると、主にスーツの背中の先切れ目の部分(ベント)に謎の「×マーク」の白い糸で縫われている箇所を発見すると思います。 よく見ると、肩やポケットなどにも同じ「白い×マーク」があることも。 これはいったい何なのでしょうか?初めてスーツを買った方などは分かりませんよね。 この「白い×マーク」について、解説していきます。

スーツの後ろや肩についている×マークの白い糸は「仕付け糸」

この「白い×マークの縫い目」の名前は「仕付け糸」といいます。 仕付け糸は、実際にスーツを着るまで、スーツが形崩れを起こさないように施される糸です。 縫い方はクロスするように縫ってあったり、まっすぐ直線状に縫ってあったり、はたまた縫ってある場所もベントにあったり、肩にあったり、ポケットにあったりとお店によって若干違います。 ただ、どんな縫い方でも、どこに縫ってあっても、仕付け糸の役割はお客様に届くまで形崩れを起こさないためのものであることに変わりはありません。

仕付け糸は切ってしまっていい

「仕付け糸」は、切ってしまっていいです。 ベントや肩についている仕付け糸は、明らかに見た目を損ねるので切っていいものだとなんとなく分かるのですが、問題はポケットのような場所の仕付け糸。 ポケットは特に形が崩れやすいため、かなり細かく、それもポケットを完全に塞ぐように仕付け糸が縫われているのです。

ポケットをふさぐ仕付け糸ももちろん切っていい

ポケットをふさいでいる仕付け糸も、もちろんポケットを使うために切ってしまってOKです。 知らないと、一瞬「ポケットは塞いであって使えないものなのか?」と勘違いするほどですが、気にせず切って使ってOK。 ただし、ポケットに携帯など重いものを入れるとスーツ全体が形崩れしてくるので、比較的軽いものを入れる用途に使うことをおすすめします。

仕付け糸はあくまで形を整えるためのもの

仕付け糸の役目は、あくまで形をちゃんと整えておくことです。 形を整えているということは、裏を返せば「取らないと動かしづらい」ということ。 取り忘れは見た目が悪いだけでなく、機能性まで損ねてしまいます。 無理やり仕付け糸をつけたまま動かしづらいスーツを着ることで、かえってスーツに不具合をきたすことも。 そのため仕付け糸は、確認してきちんと取ってスーツを着るようにしましょう。

ポケットの仕付け糸はあえて取らない選択肢もある

ポケットを一切使わないのであれば、ポケットの仕付け糸だけは取らない選択肢もあります。 ポケットの仕付け糸は、ほとんどスーツの機能性には影響がありません。 そのため、ポケットの仕付け糸を残しておくことで、スーツの形崩れを防ぐ効果も残せるのです。 ポケットに物を入れることでもスーツは形崩れをしやすくなってしまうので、そもそも物を入れない前提であれば、ポケットの仕付け糸は残しておくのがいいでしょう。

そもそもスーツから出た糸は全て切ってもいいのか?

スーツはどうしても糸が飛び出てきてしまうことがあります。 この飛び出た糸は切ってしまっていいのでしょうか? この飛び出た糸の処理方法は、「糸がスーツのどこから飛び出ているか」によって変わります。 スーツからの糸の出方は、だいたい以下の2通りです。

・縫い目から糸が出ている

・生地から糸が出ている

それぞれ処理方法が違うので、解説していきます。

縫い目から糸が出ている場合は切っていい

縫い目から糸が飛び出ている場合は、基本的に糸切りばさみなどで根元から切ってしまっていいです。 飛び出た糸を軽く引っ張って抜けない場合は、ほつれた個所が悪化したり、縫い目がしわになってしまうことがあるので、無理に引っ張らずに切ってしまうのがベストです。 縫い目から出た糸を切ったことで、スーツが崩れてしまうことはめったにありません。

生地から糸が出ている場合は切るのはNG

対して、生地から糸が飛び出ている場合は、細い針などを使って、飛び出た糸を生地の裏側に押し込んで隠しましょう。 引っ張って抜いてしまうのも、切ってしまうのもNGです。 余計に糸が飛び出たり、生地の繊維がどんどん抜けて穴になってしまう場合があります。 繰り返しますが、生地から糸が飛び出ている場合は、絶対に引っ張ったり切ったりせず、糸を裏側に押し込んで隠すようにしましょう。

仕付け糸を切るための「リッパー」という道具もある

家に手芸や裁縫をする人がいる場合は持っているかもしれませんが、糸を切る用途専用の「リッパー」という道具があります。 先がアルファベットの「J」のような形になっており、くぼみの部分が刃になっています。 そのため、長いほうを糸の隙間に入れて刃を当てるだけで、スーツを傷つけずに仕付け糸が安全に取れます。 もし持っている方は、リッパーを使って仕付け糸を取るといいでしょう。 また、スーツ屋さんもお店によっては貸してくれるので、聞いてみるのもいいと思います。

番外編:ネクタイの裏側の糸の輪も絶対に切ってはダメ

スーツではなくネクタイの話になってしまいますが、ネクタイの裏側にある輪っか状の糸も絶対に切ってはいけません。 ネクタイの糸の輪は「たるみ糸」と呼ばれ、実は縫い合わせた糸をわざと余らせた部分なのです。 縫い目がゆるんだり、ネクタイが形崩れを起こしてしまった場合に、このたるみ糸を引っ張って矯正します。 ちゃんと役目があるので、ネクタイの裏の糸の輪も切らないようにしましょう。

コートの袖のタグは取るべき?

結論から言うと、コートやスーツについている袖のタグ・ラベルは、取りましょう。 その理由と取り方について解説していきます。

コートの袖のタグはただの生地メーカーや生地の素材の紹介

コートの袖についているタグには、「生地のブランド名」や「生地の素材の名前」が書いてあります。 ブランド名ならまだしも、生地の素材の名前は、いわゆる普通の服の「品質表示」のようなものです。 よく見ると、「ウール100%」などと書いてあることもあります。 縫い付け方も、端と端を仮縫いされているだけのことが一般的です。 袖のタグは、取る前提で付けられていてデザインのためのものではないということですね。

コートの袖のタグは取っていい

というわけで、コートの袖のタグはデザインではないため、取ってしまって大丈夫です。 最近では特に若い人がコート・スーツの袖のタグを取らずに着ていることが多いですが、これは実は間違いなわけですね。 その事実を知らないだけのことが多いので、周りに袖のタグをつけたまま着ている人がいたらこっそり教えてあげましょう。

コートの袖のタグの取り方

コートとタグの隙間からハサミを入れ、糸を切っていきます。 このとき、タグを引っ張りすぎると、いくら仮縫いであってもコートを傷つけたり跡がついたりする原因となります。 なるべくタグを引っ張らず、慎重に切りましょう。 この切り方だとコートを傷つけるのが怖い場合は、タグの表面に出ている糸に上から垂直にハサミを当てる方法もあります。 時間がかかりますが、この方法であればコートを傷つけることはまずないので、おすすめです。

たまにしっかり縫われたタグもある

袖のタグは端を仮縫いされているだけのことが一般的なのですが、たまにミシンでしっかり縫われたものもあります。 このようなタグは、本当にデザインのために縫われていることが多いので、無理に外そうとする必要はありません。 しかし、「袖のタグはを切り忘れている人だと思われていそう・・・」と心配される方も少なくないようです。 この場合は、通常のタグを取る場合よりもコートを傷つけないよう注意しながらタグを切り取り、外した跡をコート用のブラシで馴染ませることをおすすめします。 また、切り取る際はさきほど仕付け糸のところで説明した「リッパー」を使うと綺麗に取れるので、もしあれば使いましょう。

袖のタグをつけっぱなしで着ている人が増えているわけ

ちなみに最近、特に若者に袖のタグをつけっぱなしでコート・ジャケットを着ている人が増えてきています。 これには、二つの背景があるようです。

スーツを着る機会が減ってきた

特に女性は、スーツではなくカジュアルな格好での出勤がOKになることが多く、スーツを着る機会が減っている現状があるようです。 スーツ以外に、レディースの服で袖にタグが付いているものはめったにありません。 そのため、スーツやそれに合わせるコートの袖にタグが付いていても、「これは、スーツ特有のデザインなんだ」と認識してしまっているようなのです。

オンラインでスーツを買う人が増えた

物流業が活発になり、スーツ業界もその波に乗りオンラインストアが増えてきています。 お店に行かなくてもスーツやコートが買えるオンラインストアは非常に便利です。 ですが、お店でスーツを買っていたからこそ、店員さんとの会話で得られていたスーツに関する知識を得る機会もなくなってしまいました。 スーツを販売する側や、スーツをお店で買っていた人たちにとっては「袖のタグを取るのは常識」ですが、オンラインストアでしかスーツを買ったことがない人にとっては知り得ない情報です。 商品ページやスーツそのものにも「袖のタグは外すもの」という説明が書いてあるわけでもないため、知らないままタグをつけっぱなしにしている、というわけです。

それでもやっぱり袖のタグは取るもの

このような現状があり、袖のタグを取らない方が増えていますが、それでもやはり袖のタグは基本的に取るものです。 自分の会社だけならいいかもしれませんが、外で袖のタグをつけたまま着ていると、相手によっては常識がないと思われてしまうこともあります。 袖のタグをつけたままにしている方がもし近くにいたら、こっそり、優しく教えてあげてくださいね。

どれを切っていいのかわからない場合はスーツ屋さんに相談しよう

基本的に新しいスーツ・コートについていて、取るべきものは「仕付け糸」と「袖のタグ」です。 ですが、スーツによっては特殊な位置に仕付け糸がしてあったり、袖のタグが厳重に縫い付けてあったりします。 どうしても判断に迷うものが出てくることはあるので、分からない場合は素直にスーツ屋さんに聞いて問題ありません。 こうした質問はよく受ける質問ですので、恥ずかしがること必要はありません。 間違った糸やタグを取って、スーツやコートを傷つけてしまっては本末転倒ですので、分からなければ気にせず一度スーツ屋さんに確認してみましょう。

スーツを着る前に確認するべきポイント

買ったばかりのスーツを着る前に、確認しておくべきポイント2点をおさらいします。

・仕付け糸を取る

・袖のブランドタグを取る

仕付け糸を取る

仕付け糸はすべて切り取って問題ありません。 ポケットの仕付け糸だけは、ポケットを全く使わないのであれば残しておいてもいいでしょう。 スーツの形崩れを抑える効果があります。 仕付け糸がよくある場所は、以下の場所です。

・両肩

・各ポケット

・ベント(スーツの背中の先の切れ目)

たまに他の場所に仕付け糸がついている場合もあるので、取り逃しが無いように気を付けましょう。

袖のタグを取る

袖についているタグは、仮縫いされているだけですので切り取りましょう。 たまにミシンでしっかり縫い付けられたタグがありますが、この場合はデザインとして付けられているので無理に取らなくても大丈夫です。 ただし、それでも気になる方は、スーツ・コートを傷つけないよう慎重に切り取りましょう。 このようなタグを切り取る際は、もしあれば「リッパー」を使うのがおすすめです。

オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?

今回は、初めてスーツを着る前にチェックすべきことについてご紹介しました。 私たち「オーダースーツSADA」のスタッフは、初めてのスーツがオーダースーツという方にも、スーツの基本から丁寧に教える事のできる知識や技術を持っています。 初めてでもお客様の理想を叶えるスーツをお作り致しますので、ぜひ「オーダースーツSADA」にお任せください。 オーダースーツの製作は高額になるイメージがあるかと思いますが、「オーダースーツSADA」は、初回19,800円(税込21,780円)(※2022年9月時点)の圧倒的な低価格から、オーダースーツを体験できます。 製作から1か月以内であれば、無償で寸法の調整もできますのでご安心ください。 ぜひ、安心の「オーダースーツSADA」にお任せいただければと思います。 ご来店予約をお待ちしております。

「白い×マークの縫目」は「仕付け糸」といい、スーツの型崩れを防ぐために施されています。この糸は、あくまでも商品の形を綺麗に整えておくことが目的のため、着用前に確認して取り除く必要があります。また、スーツから飛び出ている糸のうち、縫い目から出ている糸は切って処理しましょう。生地そのものから出ている糸はむやみに切らず、細い針を使って糸を記事の裏側に押し込んで隠しましょう。これらの処理を行う為の道具として、スーツを傷つけない「リッパー」という道具がおすすめです。コートの袖についているタグには生地のブランド名などが記されていますが、取っても問題ありません。取っても問題ないかどうかが分からないことから、タグを取れないままでスーツを着てしまっている方は少なくないでしょう。今回は糸やタグにフォーカスをした解説をしてきましたが、スーツによっては特殊な縫い方で糸が付いており、外そうとしても生地が痛みそうでためらってしまうケースもあります。この記事でスーツを着る前に確認すべきポイントを確認してもまだ解決できない問題は、スーツの基本から丁寧にレクチャーしてもらえるオーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」で相談するのがおすすめです。