これからオーダースーツを作る方は必見!オーダースーツの価格相場とは?
オーダースーツの価格は高いと思っていませんか?果たして本当にそうなのでしょうか?
この記事では一般的なオーダースーツの価格と、オーダーできるオプションについてご説明します。
そもそもオーダースーツとは?
つい最近まで学生であった新社会人の方や、若手の社会人の方はこう思いませんか? 「そもそもオーダースーツって何!?」 このように思ったあなたのために、まずオーダースーツについてご説明します。スーツとオーダースーツの違い
あなたはどのような店舗でスーツを買いますか?GMS(総合スーパー)やスーツ量販店でしょうか? このような店舗に並んでいるスーツは既製品です。つまり、量販店でスーツを買うときは既製品の中から、あなたの体に最も近いサイズのスーツを選びます。 しかし、世の中にはあなたの好みや体にあわせて作るスーツがあります。それがオーダースーツなのです。 一言にオーダースーツといっても、作り方の違いによりオーダーの方法は三種類にわけられます。一つずつご説明しますので、チェックしてみてください。価格が安く、納期も早いパターンオーダー
パターンオーダーとは、すでに縫製された既成サンプル(スーツ)を微調整するオーダースーツです。縫製が終わっているので微調整できる部分は、ジャケットであれば着丈や袖丈、スラックスであればウエストや裾などに限られるのです。 工場のラインに流して生産できるので、オーダースーツの中では価格が安く、納期も早い傾向にあります。また、仕上がりをイメージしやすいこともメリットです。 一般的なパターンオーダーの価格は2万円?5万円。比較的高いものでも10万円程度でしょう。納期は2週間?4週間程度と考えておきましょう。パターンオーダーとフルオーダーのいいとこ取り!であるイージーオーダー
イージーオーダーとは、複数ある既成の型紙の中からあなたの体に合うものを選定して、縫製するスーツです。パターンオーダーでは調整箇所や調整幅に不足がある方は、イージーオーダーを検討してみるといいかもしれません。 パターンオーダーの調整箇所に加えて、肩周りや胸周りも調整可能です。なで肩やいかり肩の場合や、スポーツ選手など上半身だけ筋肉が発達している場合にも対応できます。 パターンオーダーより調整箇所が多く、後述のフルオーダーより価格が安く納期も短いメリットがあります。フルオーダーより安価なのはマシンメイドで仕上げるため。パターンオーダーとフルオーダーのいいとこ取りなのです! 一般的なイージーオーダーの価格は5万円?10万円。比較的高いものでも20万円程度でしょう。納期は3週間?4週間程度と考えておきましょう。世界で一着!あなただけのために作るフルオーダー
フルオーダーとは、あなたの体を採寸して型紙を作成したのち、縫製して作るスーツです。世界に一着しかない自分だけのスーツを作りたい方はフルオーダーの一択。デザインや寸法(着たときのタイト感)を細かく指定できるのが魅力です。デザインや寸法だけでなく生地選びから楽しめます。 最も選択肢が多いフルオーダーですが、比例して価格も高い傾向にあります。一般的なフルオーダーの価格は20万円以上。比較的高いものだと100万円を超える場合もあります。パターンオーダーやイージーオーダーと比べて工程が多いため、納期も4週間以上はかかると考えておきましょう。スーツの価格はどこで決まるの?
オーダーの種類によって価格が異なるのはわかりました。しかし、他にもオーダースーツの価格を決める要素があるのです。 例えば生地の産地。世界の主な生地産地はイタリア、イギリス、日本です。イタリアやイギリスの生地は、日本の生地より価格が高い傾向にあります。 生地のブランドによっても価格が異なります。イタリアであれば「Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)」(以下、ゼニア)や「Loro Piana(ロロピアーナ)」が高級生地ブランドです。同様にイギリスであれば「JOHN FOSTER(ジョンフォスター)」や「HOLLAND & SHERRY(ホーランド&シェリー)」が高級生地ブランドなのです。 日本にも「御幸毛織(みゆきけおり)」や「葛利毛織工業(くずりけおりこうぎょう)」などの高級生地ブランドがあります。ファッション性の高いイタリアや、スーツ発祥の地であるイギリスに負けていないところがGOODですね。 また、ウォッシャブルスーツやストレッチ素材のスーツなど、機能性の高いスーツもその分だけ価格が高い傾向にあります。生地の価格相場
生地は産地やブランドにより価格が異なります。ここでは一般的な生地の価格相場についてご説明します。安価な生地を求めるなら中国製の生地
中国の生地は1万円から2万円と比較的安い価格で買えます。その理由はポリエステルなど化学繊維を使って材料コストをおさえているため、そして大量生産により生産コストをおさえているためです。ただ安いだけではなく、シワになりづらかったり水濡れに強かったりするメリットも。 しかし、ウールとポリエステルの混紡素材の場合、吸湿性がなかったり着心地が天然素材に劣ったりすることがあります。また、高級生地のような自然な光沢や独特のヌメリ感がないこともデメリットといえるでしょう。厳正に品質管理される日本製の生地
日本製生地の最大のメリットは厳しい品質基準。それをクリアして世に出ているスーツなので、安心して着られます。品質のわりに価格がリーズナブルなのも特徴の一つ。5万円程度でウール100%の生地や、光沢のあるウールとシルクの混紡生地が手に入ります。ストレッチ生地など高機能生地も充実しているのです。 高級生地ブランドである御幸毛織の生地も4万円?6万円で買えます。繊細でオシャレな生地が多いイタリア製の生地
イタリア製の生地は繊細でオシャレなことが特徴です。明るい色や陽気な柄など、イタリア製の生地でないと成り立たないデザインもあります。ファッショナブルに個性を出したいあなたにオススメ。独特の光沢やヌメリ感もあるので、明るいだけでなく高級感も忘れていません。 しかし、生地が繊細なため耐久性はやや劣ることも。着るシーンを選ぶなど生地を長持ちさせるには工夫が必要です。 価格は比較的高く7万円?20万円程度。高級生地ブランドであるゼニアやロロピアーナの生地も7万円?15万円程度で買えます。実は希少なイギリス製の生地
イギリスはスーツ発祥の地ながら、実は生地メーカーが少ないのです。色や柄は英国紳士らしくクラシックなものが多くあります。イギリスは比較的雨が多いため、湿度が高くなる傾向。そのような環境下でも問題のない耐久性を、イギリス製の生地は持っています。この生地の特徴は日本の気候にもマッチ。しかし、やや生地感が重いのが、懸念点でもあります。 価格はイタリア製の生地と同様に比較的高く、7万円?15万円程度。ジョンフォスターは高級生地ブランドですが、7万円程度から比較的安く買えます。縫製の生産地の価格相場
縫製する場所によっても価格が異なります。比較的安価な海外縫製
長いあいだ、海外縫製地の代表であった中国。最大のメリットは安価で大量に縫製できることでした。近年では中国にかわってベトナムやインドネシアなど、東南アジアが台頭してきています。リーズナブルに手に入るスーツゆえ、「高級」というイメージや自然な光沢やヌメリ感など実際の高級感はあまりありません。価格は比較的安く1万円?2万円程度です。 ただし、スーツの本場であるイタリアやイギリスで縫製されたスーツは、反対に価格が高い傾向にあります。高い品質管理で安心できるMade in Japan!
生地と同様に日本で縫製されたスーツは、厳しい品質管理をクリアして世に出るので安心感があります。品質を支える要素の一つが縫製技術であることは、言うまでもありません。そのため、国内で縫製されるのは主に高価格帯のブランド生地。大量生産できず、東南アジアに比べて労務費も高いため、最終的な価格はやや高めになります。オーダースーツの予算を決めておく
オーダーの種類や価格相場が分かったところで、あなたもお気に入りの一着を作ってみたくなったのではないでしょうか?ここではオーダースーツを作るときに大切な「予算」についてご説明します。なぜ予算を決めるのか?
今は便利な世の中になり、お金さえ出せばいくらでもいい商品が手に入る時代です。しかし、肝心のお金は無尽蔵にはありません。 オーダースーツも同じで、生地、オーダーの種類、多彩なオプションなど、カタログやサンプルを一覧して好きなように選べば、いくらでも価格は高くなります。しかし、あなたの大切なお金は有限です。そのため、あらかじめ予算を決めてその範囲内におさまるようにする必要があります。 オーダースーツの場合は最低でも2万5千円?3万円程度は考えておきましょう。選べる生地やオプションは少ないかもしれませんが、最低限のオーダースーツを作れるでしょう。予算を決めたら、スーツの仕様を決めよう!
予算を決めたら、次は仕様を決めます。生地を選んだり、オーダーの種類を選んだり、オプションを選んだり。オーダースーツ作りで一番たのしい時間かもしれません。 「生地を選んでいると、予算と合わない……。」 「フルオーダーにしたいけど、予算が足りない……。」 となったときは一度立ち止まりましょう。スーツを購入する目的や理由を改めて考えるのです。ただ仕事で着る一着がほしいだけなら高級生地は必要ありませんし、オプションは最低限でいいかもしれません。しかし、普段着るスーツとは別にいざというときの一着がほしいなら、予算を増やす必要があります。目的に応じて柔軟に考えましょう。 とは言え、仕様と金額の感覚(相場観)は必要です。気になっているスーツメーカーを2社?3社程度比較して、同じ仕様で金額に大差がないか確認しましょう。 相場観がわかったら(金額に納得したら)仕様を決めていきます。生地の種類やブランド、オーダーの種類、オプション、そして着たときのサイズ感やシルエットもイメージしておきましょう。前述の通り最低限のオーダースーツであれば3万円程度からで作れますが、5万円?7万円程度予算があれば選べる生地やオプションが多くなるでしょう。オーダースーツのオプションの種類
オーダースーツのオプションにはどのようなものがあるのでしょうか?基本的なものをご紹介します。 ・ボタンのアップグレード:高級ボタンへのアップグレードが可能。統一、アクセントづけなどお好みで。 ・裏地のアップグレード:吸湿性や放湿性に優れ、着心地がいい高級生地へのアップグレード。 ・本切羽:ジャケットの袖のボタンを外すと開く仕様。本格派でこだわりたい方はぜひ。 ・台場仕立て:左胸の内ポケットに施す装飾。財布を出すときなど、さり気ない動作がオシャレに。・ダブル:ジャケットのボタン配列を二列にするダブル。クラシカルでフォーマルな印象に。
オーダースーツのオプションの価格
オプションの価格はどの程度なのでしょうか?前述のオプションの価格をご紹介します。ただし、記載の金額は全て税込みであり、かつ2022年10月現在の情報です。 ・ボタンのアップグレード:1,100円 ・裏地のアップグレード :2,200円 ・本切羽 :2,200円 ・台場仕立て :3,300円・ダブル :5,500円