スーツは、ビジネスにおいてとても重要なもののひとつです。
お気に入りのスーツや高価なスーツなどは、今の状態を維持したいと思う方が多いでしょう。
さまざまな保管方法があり、手入れや収納状態をおろそかにしてしまうと、スーツの寿命にも大きな差が出るとともに、傷みも早くなります。
より良い状態で長くもたせるためには、必要な工程をこなしていくことがポイントとなります。
今回はスーツの保管方法やポイント、状態を維持させるコツについて解説します。
1.保管のポイント
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スーツを長くもたせるためには大きく分けて「お手入れ」と「保管」の2つがあります。
お手入れは、意識して行なう方は多いでしょう。
しかし、保管方法は間違った認識をされている方や意外と軽視されている方も多いのではないでしょうか。
おおよその目安として、夏に使用するスーツは3年・冬に使用するスーツは4年といわれています。
おおよそのめやすとなりますが、お手入れや保管方法を正しく行うことで長い間使用することが可能です。
保管するポイントとして
・使用するハンガーは肩の部分に厚みをもたせたもの
・ブラッシングはなるべくこまめに
・シワなどスチームアイロン等で伸ばす
・クリーニング後は、仕上がりの際被せてあるカバーを外して収容
・長い間クローゼット等にしまう際は、湿気・虫食いに注意
・着用する頻度を見直す
などが重要です。
スーツを長くもたせるポイントは、着用後の保管方法です。
適切な保管方法が行われなければスーツの寿命も縮まり長くもたせることができません。
スーツは、着用すると必ずと言って良いほど多少のシワがついてしまいます。
シワがついたまま保管してしまうと、布地が緩んでしまい取れなくなる可能性があります。
適切な対応をすれば、シワを残さず長期間着用することも可能となり、スーツの寿命が長ければ新しく購入するコストの削減にも繋がります。
お気に入りのスーツや大切にしているスーツなど、適切な保管や手入れをすることで長持ちさせることは可能となるためポイントをきちんと把握し正しい保管方法を実行してみましょう。
2.保管のためのグッズの詳細
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保管する際のグッズとして
・ハンガー
・ブラッシング
・スチームアイロン
などが挙げられます。
ハンガーは、スーツの大きさにより変更しましょう。
型にあっていないハンガーを使用すると、型崩れを起こす可能性があります。
必ずジャケット用のハンガーは、スーツのサイズとあったものを使用しましょう。
ハンガーの種類として、肩部分の厚みが3㎝から5㎝ほどある木製のハンガーが良いです。
木製に加え、ズボン吊りがついているハンガーは、ウエスト部分から吊るものより裾側を挟むことで、重力によりシワ伸ばしの効果もあるためオススメです。
着用後は毎回ブラッシングすることをおすすめします。
最低でも2・3回着用した際は、ブラッシングを行いましょう。
汚れていないように見えますが、チリやホコリなどは細かな繊維に入り込みます。
ブラッシングには、着用時に付着した皮脂やホコリをとる役目があり、衣類害虫が好む皮脂やホコリなどが虫食いの原因となるため、きちんとブラッシングを行うことで虫食い予防につながります。
布地に入り込んだホコリや皮脂を浮かせるように下から上にブラッシングを行い、最後に仕上げとして上から下に優しくブラッシングする手順です。
ブラッシングする際、襟は立てて裏側もブラシをかけるのが重要なポイントとなります。
カシミアなどの繊細な生地が使用してある場合は、毛先が柔らかい馬の毛がオススメですが、一般的なスーツの場合は馬や豚の毛どちらも使用可能です。
特にシワがつきやすい膝の裏・背中・股関節付近は、スチームアイロンをかけましょう。
スーツを収納する前にスチームアイロンをかけ吊るしておくことで、シワが綺麗に伸びます。
スチームアイロンではなく、普通のアイロンでも使用可能です。
注意点として、直接アイロンをかけてしまうと布地が傷む可能性があるため、霧吹きと当て布を用意しましょう。
衣類やスーツなどアイロンをかける際、適度な水分が必要です。
霧吹きは水分の役割を持ち、水分を適度に含ませてアイロンをかけることで綺麗にしわがのびます。
布地にウールが使用されている場合、水に弱いという特性があります。
布地が縮む恐れがあるため、軽く湿らせる程度にしましょう。
当て布は、布地を傷めない役割に加え、テカリ予防にもなりますので、必ず用意しましょう。
そして、アイロンをかける時は、温度も重要なポイントとなります。
必ずタグに記載されている洗濯表示を確認し、適切な温度で使用しましょう。
アイロンやスチームアイロンは、防臭・防虫予防にもつながります。
衣類害虫は、熱に弱いためアイロンをかける事で屋外で付着した害虫を死滅させることができます。
適切な対応を行い、スーツをより良い状態で保管しましょう。
3.長持ちさせるコツ
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スーツを長持ちさせるコツとして、スーツを休ませることもポイントです。
スーツはデリケートなものであるため、一度着用したら最低でも1日は休ませましょう。
2・3日休ませるとより効果的です。
一定の間休ませることで、生地に染み込んだ水分が蒸発するとともにシワも伸びます。
その際
・スーツのポケットの中身を全部出す
・余計な水分を含ませないため風通しの良い場所で保管する
・ジャケットは肩幅に合わせた木製のハンガーを使用する
・スラックスは吊るせるようにバータイプやクリップタイプのハンガーを使用する
などが挙げられます。
収納する際、型崩れを防ぐためポケットの中身は全て出すことをおすすめします。
外についているポケットはあまり使用しない方も多いですが、内ポケットは便利なこともあり、使用する方は多いです。
少しの重量であっても、ポケット周辺の生地が伸びてしまったり、シワができる可能性があり型崩れの原因となります。
風通しの良い場所でしまうことで、防虫効果もあります。
直射日光の当たる場所は色褪せ・変色・生地の劣化につながるため必ず避けましょう。
カバーを使用する際は、不織布や防虫カバーがおすすめです。
クリーニング後のカバーは、通気性が悪くカビの繁殖にもつながりますので、必ず取りはずしましょう。
クリーニングは、頻繁的に出すのではなくシーズン中に1回、シーズン後に1回程度で十分です。頻繁にクリーニングを行うと、風合いや型崩れの原因のひとつとなります。
適切なお手入れや保管を行うことで、長く使用することも可能となるため、ひとつずつの手順を把握し、よく理解することでより良い状態を保てます。
まとめ
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今回は、スーツの保管方法やポイント、長持ちさせるコツについて解説しました。
スーツを長持ちさせるためには、日々の手入れや収納する場所の環境が大きく関わってきます。
毎日のブラッシング等は手間もかかると思う方も多いでしょう。
しかし、習慣化させることでより良い状態が保てることに加え、ハンガー選びは一度行うだけで簡単に実行できるため、コツを掴み良い環境を整えましょう。
手入れと保管に気を配ればより良い状態を保つことが可能となります。
ひとつの工程で、スーツにとってさまざまな効果もあるため、よく理解することが必要です。
大切なスーツだからこそ、しっかりと対策を行い長持ちさせましょう。