コロナ禍であまり運動をせず、気付くとスーツのウエストがきつくなってきている……。
と悩んでいる方はいませんか?
久しぶりにはいたパンツスーツのウエストが合わない!
普段、仕事をするときは社服(会社指定の制服)だけど、久しぶりの出張でパンツをはくとウエストがきつくなっていた。
今度の内定式で久しぶりにリクルートスーツを着るが、以前よりパンツのウエストがきつくなっていた。
このような悩みを持った方はいませんか?この記事ではパンツのウエストが合わなくなったときの対処法と、調整できる幅(代)についてご説明します。
因みにスラックスはジャケットとセットになった長ズボン全般をさし、スラックスより広義なパンツは下半身にはく二股の衣類全般をさします。スーツではどちらもほぼ同じ意味で使われますが、この記事では「パンツ」という言葉で統一します。
ウエストのお直しは何センチまで調整できるのか~大きくしたい~
ウエストを直すときは大きくする場合と、小さくする場合があります。まずは大きくする場合についてご説明します。
なぜウエストを大きくするのか?
パンツのウエストを大きくしなくてはならないのは体重が増え、ウエストが大きくなったときです。多くの方は年齢とともに体型を維持するのが難しくなります。若い頃に履けていたパンツが履けなくなるのはよくあること。
比較的若い方でもストレスフルな社会においては太ることも。1kg体重が増えると約1cmウエストが大きくなると言われているので、パンツのフィット感によっては1kg体重が増えるとウエストがきつくなります。
どうやってウエストを大きくするのか?
それではパンツのウエストはどのようにして大きくするのでしょうか?
パンツのお尻の部分を内側から見てみてください。中央に縫い目があり、布の余り(縫い代)が折り返されて逆三角形になっているのがわかります。
ウエストを大きくするときは縫ってある部分を一度ほどき、縫い目の位置を変えることでウエストを大きくするのです。縫い代を使ってウエストを大調整後にお尻の部分を内側から見ると、縫い代がより細い逆三角形になっていることがわかります。縫い代を出して調整するので、パンツのサイズを大きくすることを「出し」といいます。
どの程度までなら大きくできるのか?
大きくできるのは最大で3cm前後までです。ウエストを大きくする場合は縫い代の分しか大きくできません。ウエストを3cm大きくする場合は、縫い代を片側1.5cmずつ出します。ただ、縫い代の長さはパンツによって異なります。オーダー品では縫い代が5cm程度のパンツもあります。
大きくするときに注意するポイントは?
縫い代分だけウエストを大きくできます。しかし、次の3点に注意しなければなりません。
ポケットやベルトループ(ベルトを通す輪)の位置が変わる
ポケットやベルトループはパンツに縫い付けてあります。そのため、「出し」をするとポケットやベルトループがパンツの前側に向かって移動してしまうのです。お店によっては有料でベルトループを再度縫い付けて位置を変えてくれます。
パンツの前側にあるプレスラインの位置もやや内向きになります。機能性にはあまり影響はないかもしれませんが、見た目の印象が変わってしまうので要注意です。
もともとの縫い目が外に出る
「出し」をするときは縫い目がもともとの位置より内側になります。そのため、もともとの縫い目が外に出てしまうのです。生地によっては目立ってしまいます。
出しが多い場合、縫い目の強度が確保できないことも
「出し」が多い場合には、縫い代の余りが短くなります。そのため縫い代があまりにも短いと、十分に強度が確保できない場合もあります。強度が不足する場合は縫い代に補強テープを貼り、糸のほつれや縫製部分からのやぶれを発生しづらくすることが大切です。
緊急でどうしても大きくしなくてはいけない時は?
パンツは「出し」をするとある程度ウエストを大きくできます。しかし、調整をしてもらう時間がないこともあるでしょう。そのようなときの応急処置についてご説明します。
フックをとめないで履く
フックが止まらないなら、止めないでおきましょう。そのかわりベルトはしっかり(フックを止めるときよりきつめに)する必要があります。ただ、フックを止めないとファスナーが下がりやすくなるので、気をつけましょう。
補正下着やコルセットでウエストを引き締める
ウエストがきついなら、ウエストを引き締めましょう。補正下着やコルセットを使えば一時的に引き締められます。補正下着と聞くと「長く着用すると苦しくなりそう」と思われがちですが、最近では長時間着用しても快適な状態を保てる補正下着もあるようです。
ウエスト用調整具を使う
ウエスト用調整具とは帯状の布の両端にフックがついたものです。パンツについているフックどうしを直接止めるのではなく、間にウエスト用調整具をつけることで一時的にパンツのウエストを大きくできるのです。
ウエストのお直しは何センチまで調整できるのか~小さくしたい~
反対にウエストを小さくするときはどうでしょうか?小さくする場合についてもご説明します。
なぜウエストを小さくするのか?
ウエストを小さくする方は、大きくする方に比べて少ないかも知れません。しかし、病気をして痩せた、ダイエットに成功したなどスーツのウエストを小さくする必要があることも。
実際に筆者も20kgのダイエットに成功したときには、ダイエット前に履いていたパンツは、ウエストが大きすぎて履けませんでした。
どうやってウエストを小さくするのか?
ウエストを小さくする方法を「詰め」といいます。「出し」と反対に、おしりの縫い代を詰めていきます。
どの程度までなら小さくできるのか?
「詰め」は「出し」とは異なり、理論上は物理的に詰められる限界はありません。
しかし、大きく詰めてしまうとポケットやベルトループの位置がずれる、プレスのラインが外を向くなどシルエットに影響を与えてしまいます。そのため、実際に詰められるのは3cm前後までです。
パンツのウエスト以外で調整できる箇所
ウエストの他にもヒップや太ももを調整できます。体重が増えるとウエストだけでなく、ヒップや太もものサイズも変わってしまうのです。
ヒップを調整する場合は前述したおしりの縫い代や、それでも足りない場合は両側面の縫い代を出します(三方出し)。また、タックを使った「出し」もできます。
太もも(渡り)を調整する場合は、足の両側面の縫い代を出します。ただし渡りの縫い代は、おしりの縫い代に比べて調整代が小さく、出す場合は約1cmが限度です(パンツによって異なります)。
これらの出し(または詰め)は、おしりの縫い代を使った調整より工程が多くなります。そのため、金額も高くなる傾向にありますので注意してください。
お直しする前にはクリーニングに出しておく
ウエストを直す前にはクリーニングに出すようにしましょう。その理由は次の2点です。
シワがあると正確な寸法測定ができないから
パンツにシワがあると正確な寸法測定ができないことがあります。そのため、仕上がり寸法もイメージしていたものと違ってくることも。そうなると思っていたより小さく仕上がったり、反対に大きく仕上がったりすることがあります。
パンツのウエストを直すのは体にフィットさせるためです。そのためにもお直しの前にクリーニングに出すようにしましょう。
汚れや汗がパンツに固着するから
ウエストのお直しが終わったら、折り目を出すためにプレスをあてます。プレスするとき、汚れや汗がパンツについているとプレスの熱で固着してしまいます。また、ニオイがある汚れの場合はプレスの熱によって、ニオイがきつくなることも。
お店の方を不快にさせないためにも、お直しの前にはクリーニングに出すようにしましょう。
スーツスタイルはサイズ感が命
スーツは「サイズ感が命」と言われています。ジャケットはもちろんですが、パンツも同様です。ここでは「サイズ感が命」である理由と、サイズ感が合ったスーツの探し方をご説明します。
なぜサイズ感が命なのか?
適正なスーツ(パンツ)のサイズは、体のラインに沿って適度にフィットしており、歩いたり階段を登っても窮屈でないものといわれています。ウエストは自分の握りこぶし一つ分程度の余裕があると、動いたり座ったりするときにも窮屈に感じません。
スーツは大きくても、小さくてもシルエットや機能性が悪くなってしまいます。大きい場合は余ったパンツの布をベルトで締め上げてはきます。そうすると、本来シワができないベルトの下に放射線状のシワができてしまうのです。反対に小さい場合は体のラインが強調されたり、ウエストがきつくて動きづらかったりと、シルエット・機能面の両方に悪影響が出ます。
スーツが体に合っていないと「自分に似合うスーツを選べない人」と思われることも。仕事を円滑にすすめるためにも、体に合ったサイズのスーツを選ぶようにしましょう。
サイズが合っていないパンツをはくとどうなるのか?
サイズがあっていないパンツを無理してはくとどうなるのでしょうか?サイズが大きいパンツをはいても余計なシワができるくらいですが、サイズが小さいパンツを無理してはくとパンツにも体にも悪影響があります。
チャックがあがり、ホックもなんとか止められたとしましょう。しかし、このような状態だと生地が横に引っ張られ、ポケットが不自然に開いてしまいます。チャックやホックにも無理な力がかかっているので、そのままはき続けるとチャックやホックが破損する恐れがあります。
パンツのサイズが小さいとパンツのウエスト部分が肌を締めつけます。夏は特にこのような状態で汗をかくことになるので、肌トラブルになることも。筆者も実際になったことがあります。肌トラブルになるとかゆみや痛みがあり、仕事に集中できなくなってしまうのです。既製品のパンツはなぜ体にフィットしないのか?
既製品のパンツはなぜ体にフィットしないのか?
既製品の中から最も自分の体に合うスーツを探そうとしていませんか?残念ながら、既製品のスーツの中には体にぴったりなスーツはないかもしれません。
既製品のスーツは身長とウエストをもとにサイズが決められています。「パンツのサイズはウエストで決まるからいいのではないか?」と思うかもしれませんが、既製品のパンツでは体にぴったり合わない理由が二つあるのです。
一つ目の理由は、同じサイズでもある程度の幅をもっているからです。
一つのサイズでも適応するウエストサイズは○○cm?○○cmのように幅があります。理由は既製品であるがゆえに、一つのサイズである程度の体型の方に対応させる必要があるからです。そのため、体にぴったりのパンツは基本的にないと思ってもいいでしょう。
二つ目の理由は、ウエストとヒップや太ももの比率が方によって違うからです。
ウエストのサイズが同じ方が二方いたとして、その二方のヒップや太もものサイズも同じだとは限りません。比率は方によって違うので、異なる場合の方が多いでしょう。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
「オーダースーツSADA」は皆様の体にピッタリ合ったフルオーダースーツを作ります。採寸するのは専門的な訓練を受けたスタイリスト。しかも、30分という時間をかけて丁寧に採寸します。
太ももは少しタイトに、ウエストは少しゆったりなど細かい要望を聞いてくれるのはもちろん、アドバイスをもらうこともできます。パンツのサイズについてわからないことがあれば、気軽に質問してみてください。
ウエストのお直しは通常、他店であれば数千円かかることもあります。しかし、「オーダースーツSADA」は±3cmまでならお直しは無料です。期間は約2週間(2022年9月現在)ですが、混み具合によっては長くなることもあります。
お直しの相談をするとき、スタイリストに確認することをオススメします。また、その他の調整につきましても料金や内容などを確認するようにしましょう。
普段あまりスーツを着る機会がなく、たまに着る程度の方はお直しでもいいでしょう。しかし、これからも頻繁にスーツを着ることがわかっている方は新しくスーツを作ることをオススメします。
「オーダースーツSADA」はこれからも皆様が快適にスーツを着られるお手伝いをします。