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ニューイヤー・コンサートとは?その歴史や鑑賞する際の服装まで徹底解説

元日に観るテレビ番組の代表例として、「ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート」があります。2023年現在、全世界90か国以上で放送され、多くの人々に親しまれている「ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート」ですが、歩んできた歴史は決して生易しいものではありませんでした。さまざまな紆余曲折を経て、ウィーンフィルによるニューイヤー・コンサートの伝統が形成されたのです。自宅でゆったりと鑑賞するのも元日らしくて良いのですが、現地で実際に鑑賞したいという方もいるでしょう。その場合、どのような服装で鑑賞するのがマナーに則しているのでしょうか。必ずしも格調高い服装でなければならないというわけではありませんが、何点か注意すべきポイントが存在するため、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。迷うようであれば、スーツスタイルでの鑑賞をおすすめします。スーツスタイルでコーディネートを仕上げる際は、普段使いのビジネススーツを着用するのではなく、コンサート用にオーダースーツを仕立てていく方が粋といえます。この記事では、「ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート」に着ていくオーダースーツを作るポイントについて紹介します。フルオーダーによる世界で1着だけのスーツ制作を得意とする「オーダースーツSADA」スタッフが解説する本記事を読めば、コンサート用にどのようなスーツを着ていけば良いのか把握できるでしょう。

ニューイヤー・コンサートとは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団というオーケストラが1月1日にウィーン楽友協会の大ホールで行うコンサートです。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の基本情報やニューイヤー・コンサートの歴史、実際に演奏を鑑賞する方法などを中心に紹介します。また、オーケストラ鑑賞時の服装マナーについても解説しているので、これからオーケストラを鑑賞したいと考えている方はぜひ参考にしてください。

ウィーン・フィル ニューイヤー・コンサートとは?

ニューイヤー・コンサートは主に、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団というオーケストラの楽団が1月1日に行うコンサートを指します。会場はウィーン楽友協会の大ホールで、その演奏は90ヶ国以上で中継されます。まずはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の概要や、ニューイヤーコンサートの歴史を見ていきましょう。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、オーストリアのオーケストラです。ウィーン国立歌劇場のオーケストラである「ウィーン国立歌劇場管弦楽団」の団員から選出されたメンバーで構成され、「ウィーン・フィル」とも呼ばれています。ウィーン・フィルの起源は1842年、宮廷楽長オットー・ニコライの指揮で開かれた宮廷歌劇場管弦楽団の演奏会です。以降、歴代のメンバーがウィーン独特の楽器や奏法などを受け継ぎ、現在まで続いているのです。

ウィーン・フィルが初来日したのは昭和31年で、それ以来度々日本で演奏するようになりました。なお、近年では楽団が演奏する管打楽器は日本のメーカーも製作に携わっています。

ニューイヤー・コンサートの歴史

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートが始まったのは、1939年12月31日です。この時ウィーン出身の指揮者クレメンス・クラウスが、ウィーン楽友協会の大ホールでヨハン・シュトラウス作品の演奏会を指揮しています。

第2回目の1941年からは、1月1日の正午に開催されています。そして、正式に「ニューイヤーコンサート」と呼ばれるようになったのは1946年からです。ニューイヤーコンサートが注目されるようになったのは、各国で中継され始めた1959年頃のことです。2002年のニューイヤーコンサートでは、日本人初の指揮者として小澤征爾さんが選ばれたことでも話題となりました。

ニューイヤー・コンサート アンコールの「お約束」

ニューイヤー・コンサートのアンコールでは、毎年恒例の「お約束」があります。3曲続くアンコール曲に関して1曲目は年によって異なりますが、2曲目は「美しく青きドナウ」、3曲目は「ラデツキー行進曲」と決まっているのです。

2曲目の「美しく青きドナウ」の演奏が始まると会場から拍手が起こり、指揮者は一旦演奏を中断して新年の挨拶をします。その後、再び最初から演奏を始めるのです。続く3曲目の「ラデツキー行進曲」では、会場の観客に手拍子を求めるのがお決まりとなっています。

大晦日にはジルベスターコンサートが開催される

ニューイヤー・コンサートの前日である大晦日の12月31日には、本番と同じ会場で同じ内容の年末コンサートが行われます。これを「ジルベスターコンサート」と呼びます。「ジルベスター(Silvester)」はドイツ語で「大晦日」の意味です。

ジルベスターコンサートは翌日のニューイヤー・コンサートに備えてトラブルがないかの確認も兼ねており、コンサートは録画撮影も行われます。元々は最終練習(ゲネプロ)を公開したものですが、現在はチケットの販売も行われています。

演奏曲の選出方法

ウィーン・フィルが演奏する楽曲は、シュトラウス一家やその同時代の作曲家の作品を中心に、陽気さを感じつつも思索に誘うプログラムで構成されます。ニューイヤー・コンサートの曲目の選定は、ヨハン・シュトラウス協会の会長や、シュトラウス研究家の方々で行われ、「シュトラウス一家の権威」ともいえるでしょう。

仮の曲目が決まったら指揮者とウィーン・フィルに送付し、両者によって検討されます。演奏順は日頃から取り上げられるメジャー曲となじみの薄いマイナー曲が、なるべく交互になるような順番で構成されます。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とシュトラウス家

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、シュトラウス一家やその同時代の作曲家の陽気なレパートリーを中心としたプログラムで演奏しています。続いては、ウィーン・フィルとシュトラウス家の関係についてご紹介します。

楽団がシュトラウス家の楽曲を演奏するまで

今でこそシュトラウス家の楽曲を中心に演奏するウィーン・フィルですが、シュトラウス家の音楽を長い間取り上げなかった過去があります。理由として、シュトラウス一家の曲は陽気な「娯楽音楽」のイメージが強かったため、「娯楽音楽との関係は、フィルハーモニー・コンサートによって築いた社会的地位を脅かすものである」と考えられていたからです。

しかし、フランツ・リスト、リヒャルト・ワーグナー、ヨハネス・ブラームスといった偉大な作曲家たちがシュトラウス家の作曲家を高く評価したことに加え、楽団員自身がヨハン・シュトラウス二世と交流を持つようになります。音楽の意義や本人の人柄を知る機会を得たことで、その後間もなくしてウィーン・フィルでシュトラウス家の楽曲が演奏されるようになっていったのです。

ウィーン・フィルで初めて演奏されたのは1873年4月22日、ウィーン楽友協会のホールで開催された宮廷歌劇場主催の舞踏会です。シュトラウスはこのためにワルツ「ウィーン気質」を作曲し、ヴァイオリンを演奏しながら指揮を行っています。ただし、シュトラウス二世の死後はウィーン・フィルが彼の音楽を積極的に演奏することはありませんでした。

転機は1921年のヨハン・シュトラウス記念像の除幕式であると考えられています。世界的に有名な指揮者アルトゥール・ニキシュが、ワルツ「芸術家の生涯」「美しく青きドナウ」「酒・女・歌」を指揮し、多くの音楽家がこの例を踏襲するようになったのです。その後、1925年10月17日、18日にフェリックス・フォン・ヴァインガルトナーがウィーン・フィルの定期演奏会で「美しく青きドナウ」を指揮し、同月25日にはシュトラウスの作品だけで構成された演奏会でも指揮を行っています。

伝統を作り上げた指揮者 クレメンス・クラウス

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団にシュトラウスの伝統を作り上げたのは、指揮者クレメンス・クラウスといっても過言ではありません。クレメンス・クラウスは1929年から1933年まで、毎年ザルツブルク音楽祭でシュトラウスのプログラムを指揮しました。

この時のプログラムは後のニューイヤー・コンサートの前身となったのです。彼は1946年と1947年にヨゼフ・クリップスが指揮した時を除いて、1954年に急逝するまでニューイヤー・コンサートの指揮を続けました。

ニューイヤー・コンサートを現地で鑑賞する方法

ニューイヤー・コンサートを現地で鑑賞するには、コンサートチケットの購入が必要です。12月30日に開かれるプレビューコンサート、12月31日に開かれるジルベスターコンサート、1月1日に開かれるニューイヤー・コンサートのチケットは、すべて毎年1月にインターネットからウィーン・フィルに申し込みます。とても人気の高いチケットのため、申し込み期間終了後に抽選となります。

ニューイヤー・コンサートにはどんな服装で行けばいい?

ニューイヤー・コンサートをはじめ、演奏会に行く時にどのような服装で行けば良いのか迷ってしまうという方も少なくないでしょう。続いては、コンサートを鑑賞する際の服装マナーについて紹介します。

基本的には自由だが、だらしない恰好は避ける

コンサートは敷居が高く、フォーマルな服装で鑑賞しなければならないというイメージを持っている方もいるでしょう。しかし、基本的には周りの観客や演奏者が不快にならないような服装であれば問題ありません。

他人が不快に感じない恰好とは、「だらしなくない恰好」です。例えばブレザーやジャケットにスラックスやチノパンを合わせた「ジャケパンスタイル」なら問題ないでしょう。一方で、観客の中には「ジーンズは作業着」という考えを持つ方もいます。そのため、どれだけスタイリッシュなデザインでもジーンズ生地は避けた方が無難です。

また、コンサート会場に着物を着るのも構いません。ただし、着物といえど夏の浴衣は避けましょう。浴衣は「略式着」であるため、かしこまったシーンでの着用は失礼となるからです。

音の出る素材は身に付けないようにしよう

アクセサリーにはチェーンが付いたデザインもありますが、動くと音が出るようなアクセサリーは避けましょう。演奏者や他の観客の迷惑になってしまいます。同行者が音の出るアクセサリーを付けていたら、やんわりと教えてあげると良いですね。アクセサリー以外にも、カシャカシャと摩擦音の出るような服装やバッグも控えてください。

派手すぎる服装はNG

服装の色や柄について、カラフルすぎる服装や金銀の装飾が目立つ服装はNGです。演奏する側からは意外と客席が見えています。演奏者の集中を阻害するような服装は避けましょう。あまりにも派手な服装は、周りの観客も驚いてしまいます。コンサートに行く際は周りの雰囲気に馴染むような服装を選ぶのがおすすめです。

また、音楽を聴く時には演奏者に敬意を表する意味で帽子は脱いでください。中には帽子はファッションの一部、という方もいますがかぶったままでは後ろの席の人にも迷惑になってしまいます。クロークに預けるか、膝の上に置きましょう。野外の会場でない限り、コンサート会場には演奏を聴く人が心から楽しめるようにという配慮からクロークがあります。スーツケースなどの大きな荷物や荷物が多い時、ロングコートを着て行った時などは、座席に持ち込まずクロークに預けましょう。

悩んでいる方はスーツがおすすめ

コンサートの服装に悩んだ場合、スーツが定番かつ無難です。ポイントとしては、仕事に着ていくビジネススーツよりも、首元はノーネクタイでカジュアルなものが良いでしょう。もちろん、スーツにニットタイやアスコットタイ、ループタイなどもなじみます。

スーツを着てコンサートに行く際は、全体的に派手な色にならないように気を付けましょう。落ち着いた色調の黒や紺、グレー、ブラウン系などがおすすめです。また、カジュアルスーツの場合もハーフ丈のスラックスは避けた方が無難です。女性の場合、肩は露出しても問題ありませんが、丈の短いスカートはマナー違反となっています。足元は長いパンツを合わせると良いでしょう。

ニューイヤー・コンサートにもぴったりなオーダースーツを仕立てよう

オーダースーツは、サイズやデザインを個別にオーダーメイドできるオリジナルスーツです。注文を受けると型紙作りから始めるため、自分だけの一着を仕立てられます。フルオーダー、イージーオーダー、パターンオーダーがあり、それぞれで製作できる範囲が異なります。ここではオーダースーツのメリットを詳しく見ていきましょう。

オーダースーツのメリット1.フィット感が抜群

スーツの満足度に大きく関わるのが「フィット感」です。どれだけ流行を押さえたスタイリッシュなスーツでも、着心地が悪ければ着用する頻度は下がってしまうでしょう。市販のスーツは決まった型紙から大量生産されているため、自分の体型にぴったりなものを探し出すのはとても難しくなります。

一方、オーダースーツの場合は、一人ひとりのサイズを詳細に採寸してベースとなる型紙を準備します。そのため、自分の体型にフィットする着心地の良いスーツが仕立てられるのです。また、胴回りや裾を調整することで引き締まったスタイルに見せたり、足長に見せたりと、シルエットにもこだわれます。

オーダースーツのメリット2.デザインや素材にこだわれる

通勤時間帯などにビジネススーツ姿の人波を見ていると、皆同じように見えますね。既製品のスーツはどうしてもデザインや生地が似てしまうものです。スーツスタイルにも自分らしさを出したり、デザインや生地にこだわりたいという方にはオーダースーツがおすすめです。

オーダースーツであれば生地の種類や色柄はもちろん、シルエット、ラペルのデザイン、ポケットの形、裏地など細部までこだわったスーツを仕上げられます。気を付けたいポイントはカスタマイズ料金です。生地の種類や選択するパーツによって料金が追加になることがあるので、事前にテーラーに確認しておきましょう。

オーダースーツのメリット3.長く着られる

既製品のスーツは着丈や袖丈など、細かな部分でサイズが合わないことがあります。サイズの小さいスーツは生地がこすれ合う頻度が上がり、摩耗して劣化の原因となります。脇の下や股は摩擦で負担がかかりやすいため、自分のサイズに合ったスーツ選びが大切です。サイズが合わないスーツは生地に負担がかかり、スーツの寿命が短くなりやすくなってしまいます。

オーダースーツは体へのフィット感を重視しつつ、好みのシルエットに調節可能です。スーツを体にフィットさせることで、生地への負荷を減らし劣化を防ぐことにつながります。また、オーダースーツには上質な生地が使われることが多いため、既製品に比べて長持ちしやすいのも特徴です。

オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?

「オーダースーツSADA」は、業界でも老舗のオーダースーツ専門店です。長い歴史で培ってきた経験を活かし、生地の仕入れから縫製、販売までを一貫して行っています。そのため、高品質のオーダースーツをリーズナブルな価格で提供可能です。

オーダースーツSADAでは累計お仕立て数は500万着を達成し、ジャケットやパンツの基本パターンも豊富に取り揃えているのが特徴です。ビジネススーツやフォーマルウェアはもちろん、ジャケット単体でのお仕立ても可能です。オーダースーツを通じ、こだわりがつまった「自分だけの1着」を手に入れてはいかがでしょうか。

「ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート」の歩んできた歴史と、コンサートを鑑賞する際に適切な服装について、ご理解いただけたでしょうか。今でこそ“ヨハン・シュトラウスの楽曲を主として演奏するコンサート”のイメージが強いものの、これまでシュトラウスの楽曲はフィルハーモニーの伝統にそぐわない「陽気で娯楽的な音楽」とされていた歴史があります。著名な作曲家たちによる評価やクレメンス・クラウスの尽力などにより、現代の形を築けたという背景が存在しているのです。コンサートにふさわしい服装はフォーマルやパーティスタイルですが、いきなり正装を用意するのが難しい方は、ジャケットとパンツといったシンプルなコーディネートでも問題はありません。ただ、新年の恒例となった「ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート」を周囲から浮くことなく実際に鑑賞するなら、コンサート用に仕立てたオーダースーツを着用していくことをおすすめします。「オーダースーツSADA」では、知識と経験豊かなスタッフがあなたにピッタリのオーダースーツを提案してくれます。ぜひ、「コンサート用に適したスーツが欲しい」と相談してみてください。華やかなコンサートの場にふさわしいスタイリッシュなオーダースーツが作れるだけでなく、スーツと合わせるとさらにおしゃれになるアイテムの組み合わせなども教えてもらえます。コンサートが初めての方やオーダースーツが初めての方は、ぜひオーダースーツSADAへご来店ください。

小笠原 蓮奈(おがさわら れんな)