礼服とビジネススーツの5つの違い!特徴と選び方は?
スーツは、着用するシーンによって最適なスーツというものがあります。普段から着用する機会の多いビジネススーツ1着で、すべてのシーンに対応できれば楽ですが、なかなかそうはいきません。冠婚葬祭などでは、冠婚葬祭用の礼服を着用することが必要になります。それぞれ着用する場面を間違えてしまうと、周囲から白い目で見られるようなこともあり得るため、しっかりとその場に合ったコーディネートが大切です。
さて、ビジネススーツと礼服とではどのような違いがあるのでしょうか。
「ビジネススーツは持っているけど礼服は持っていない」
「礼服を購入したいけど、どういったものがいいのかわからない」
「そもそも、ビジネススーツと礼服の違いって何?」
のように礼服に関する疑問や悩みを持っている方も多くいます。
この記事では、
そこでこの記事では
- 礼服とビジネススーツの違い
- 礼服の特徴
- 礼服の選び方
について解説します。
礼服とビジネススーツの間にどんな違いがあるのか、詳しくみていきましょう。
礼服の特徴って?
スーツには大きく分けると「ビジネス用」と「冠婚葬祭用」の2種類があり、冠婚葬祭に使われるスーツを「礼服」といいます。
歳を重ねるごとに礼服を使う機会は増えるものです。そんななか、礼服にはどんなものがあるのかを理解していなければ、恥をかいてしまう場面に出くわしてしまうかもしれません。恥をかかないためにもしっかりと礼服の基礎を把握しておきましょう。
礼服の種類
礼服の中でも格式の高い順に「正礼装」「準礼装」「略礼装」の3種類があり、一般的に喪服と呼ばれるブラックスーツは略礼装のことを指しています。
ここでは、礼服の3種類を詳しく見ていきましょう。
【種類①:正礼装】
「正礼装」は最も格式が高い服装とされており、モーニングコートやフロックコート、燕尾服などが当てはまります。
モーニングコートは昼間の正礼装であり、結婚式や披露宴ならば新郎や両家の父親などが着用します。 フロックコートの前裾を切り落としたようなジャケットが特徴です。後ろの裾を斜めに長く切り込んだ形もモーニングコートの特徴といえます。
フロックコートは主に結婚式の新郎や両家の父親がよく着ています。葬式の喪主や記念式典の主催者などが着ていることが多いです。
一方、夜の正礼装といわれる燕尾服は名前のとおり、ジャケットの後ろの裾がツバメの尾のように2つに分かれているスーツです。披露宴や格式の高い結婚式場などで着用されることが多いスーツとなっています。
【種類②:準礼装】
正礼装の次に格式が高いとされているのが「準礼装」です。準礼装の代表的な服装には、タキシードやディレクターズスーツなどがあります。
タキシードは、主に夕方以降の時間帯に催されるフォーマルなパーティなどに着ていくもので、夜の準礼装とも呼ばれているのが特徴です。ドレスコードが「ブラックタイ」と指定されている場合には、タキシードを着ていくのが正しいコーディネートとなります。参加する場によってはタキシードが正礼装として認められることもあるため、覚えておきましょう。
ディレクタースーツは昼間の準礼服であり、黒色の背広とコールズボンの組み合わせの礼服を指します。ディレクターズスーツは、重役クラスの方が着るスーツにふさわしい格式高いフォーマルな服装です。ディレクターズスーツの正式な着こなし方では、黒のジャケットにグレーのベスト、そしてコール地のストライプ柄のスラックスを合わせます。
【種類③:略礼装】
略礼装は、3種類の中で最も格式が低いものであり、一般的に喪服と呼ばれるブラックスーツが略礼装に分類されています。
ブラックスーツは昼でも夜でも問題なく、結婚式の参加者や葬儀の参列者などが着用する服装です。 昼でも夜でも着用できるものとはいっても、シーンによって細かい部分を使い分ける必要があります。 例として葬儀の場合は、ブラックで無地のネクタイが基本的なスタイルとなっています。
ブラックスーツは黒のビジネススーツと一見同じものに見えますが、実はその特徴は大きく異なります。見る人が見れば分かる特徴なので、ブラックスーツとビジネススーツの違いはしっかりと把握しておく必要があるのです。
ブラックタイとホワイトタイの違い
礼服を着用する際に、シーンによってネクタイの色を指定される場合があります。
例えば、ブラックタイと指定された場合には、リボンのような形をした黒の蝶ネクタイを選ぶようにしましょう。 一方で、ホワイトタイが指定されている場合には、白い蝶ネクタイを選ぶことが大切です。
ブラックタイとホワイトタイに関しては、服装も重要になります。
ブラックタイの場合はタキシードと組み合わせることが一般的ですが、ホワイトタイの場合は燕尾服と組み合わせるのが基本です。
このようなことはドレスコードがある場合に重要なものとなるため、事前に確認しておくことが重要といえるでしょう。
【礼服とビジネススーツの違い①】 色
礼服とビジネススーツの違いとして最も大きな違いが「黒色の深さ」です。
礼服のスーツは真っ黒で光沢がないのが特徴ですが、黒のビジネススーツは光沢があります。そのため、黒でも少し薄く、グレーがかって見えるのがビジネススーツの特徴といえるでしょう。
一般的に、礼服は黒の色が濃いほどいいとされています。そのため、高級な礼服は何度も重ねて黒染めをしており、ビジネススーツとは比べ物にならないほど深い黒色をしているのが大きな特徴です。礼服とビジネススーツの色の違いは並べて見比べれば分かりますが、日光の下だとより一層顕著に違いが表れます。
葬式に参列するときにビジネススーツを着ていくと、出棺のタイミングで黒の色合いが薄いことが目立ってしまうでしょう。そうなってしまうと、礼儀がなっていない人だと思われてしまうこともあるので、葬式には漆黒のブラックスーツを着ていくほうが無難でしょう。
ビジネススーツには黒以外にも紺やグレー、青、茶色などがあるのに対して、礼服には黒のものしかないことを覚えておきましょう。
【礼服とビジネススーツの違い②】 素材
続いて2つ目の大きな違いが「素材」による違いが挙げられます。
礼服の場合、ウール100%の上質な生地を使用していることが多いです。
一方でビジネススーツは、ウール100%ではなく、ポリエステルを混紡した生地を用いています。
礼服よりも着用する機会の多いスーツのため、ストレッチ性や耐久性など、機能重視の生地が採用されているのが特徴です。
それぞれの素材が違う理由は使用用途が異なることが挙げられます。
ビジネススーツはさきほど説明した通り、着用する機会が多いこともあって機能性を重視して作られているのが一般的です。
それに対して、礼服は着る出番が少ない上に着用してアクティブに動くことが少ないため、そこまで機能性を重視していません。
着用する機会の多さによって、お互いの素材に違いが出てきます。
【礼服とビジネススーツの違い③】 デザイン
礼服とビジネススーツの違いはそれぞれのデザインにも表れています。それぞれ見ていきましょう。
AMFステッチ
ジャケットのラペルにAMFステッチが入っているかによって、スーツの格式の高さが変わってきます。AMFステッチとは、ジャケットの襟の端に沿って施された縫い跡のことです。AMFステッチが施されているものほどカジュアル度合いが高いとされており、モーニングやタキシードなどのフォーマルな礼服にはAMFステッチが入っていないことが基本とされています。
ただし、ブラックスーツには入っていることもあるので、フォーマルな礼服を求めているときには入っていないものを選ぶようにしましょう。
ラペル
ラペルの形には「ピークドラペル」と「ノッチドラペル」があります。
ピークドラペルとは、下の襟の先端が尖っており、上を向いているラペルのデザインで格式が高いシーンなどに採用されることが多いデザインです。
一方、ノッチドラペルは下の襟の先端が下を向いているデザインで、だいたいのビジネススーツでノッチドラペルが採用されています。
このように、礼服を選ぶときにはラペルのデザインが重要なので、見落とさないように注意しましょう。
ベント
ジャケットの後ろの裾にある切れ込みのことをベントと呼びますが、この部分も礼服とビジネススーツではデザインが違います。もともとベントは、貴族のたしなみである乗馬の際に、着回しが悪く動きづらいところに、切れ込みを入れて着まわしを良くしたことが由来とされています。
そのため、ビジネススーツでは、動きやすくするために後ろの裾部分の中央に切れ込みの入った「センターベント」または、両わき腹の部分に切れ込みの入った「サイドベンツ」が一般的です。
しかし、フォーマルな礼服の場合は主に切れ込みのないノーベントになっています。ベントが入っていないほうが冠婚葬祭には適していることを覚えておきましょう。
シングルとダブル
ところで、礼服にせよビジネススーツにせよ、どちらも購入するときにシングルかダブルかを選ぶことがあります。
シングルとはジャケットのボタンが1列に並んだデザインのことで、ダブルは2列に並んだデザインのことですよね。ダブルのほうが格式が高いと考えている人も多いようですが、シングルとダブルに格式の違いはありません。ですから、すっきりとした印象になるシングルか貫録を感じさせるダブル、どちらでも自分の好きなほうを選んでください。
礼服を選ぶうえで大切なのは、ボタンの並び方よりもラペルやベントのデザインなのです。
【礼服とビジネススーツの違い④】 シルエット
色やデザインと同様に、シルエットについても礼服とビジネススーツでは大きな違いがあります。
そのときの流行にもよりますが、ビジネススーツは細身のスタイルが一般的ですが、礼服ではシルエットがゆったりとしているものが多いです。
シルエットが違う理由としては、それぞれの着る頻度が違うことにあります。恐らく、冠婚葬祭に参加する機会は多くても月に数回程度でしょう。つまり、礼服を着る機会も月に数回程度だということになります。
一方、ビジネススーツはほとんどの方が毎日着用しているはずです。毎日着用することで消耗が早くなる分、次のスーツを仕立てるのも早くなるので、ビジネススーツを買うときに今後の自分の体形の変化などを考慮する人はあまり多くないでしょう。
しかし、礼服の場合はスーツがほとんど消耗しないので長い間着ていくことになります。そうなると、5年経ち10年経った後で、体型が変わってしまっても着られるようなシルエットである必要があるのです。
それが礼服にゆったりとしたシルエットのものが多い理由となります。
まだ若いからといって細身の礼服を買ってしまうと、10年経ってから後悔するようなこともあるかもしれません。ビジネススーツとは違い、礼服は先を見越して選ぶことが必要です。
【礼服とビジネススーツの違い⑤】着用シーン
当たり前のことではありますが、礼服とビジネススーツでは着用するシーンが違います。
ビジネススーツは職場や営業先で着用するもので、ブラックスーツはお通夜や葬儀で着るものです。ビジネススーツのデザインによっては冠婚葬祭で使えることもありますが、礼服として仕立てたスーツとはやはり違う部分も多くあります。
お通夜や葬式に参列するときは、たとえ職場帰りであってもあらかじめ喪服を用意しておいて着替えたほうがよいでしょう。
また、基本的には礼服をビジネスシーンで着るようなこともできません。職場の同僚や取引先の人などに「身内に不幸があったのかな」などといらない気遣いをさせてしまうためです。
要するに、礼服は冠婚葬祭で、ビジネススーツはビジネスシーンで着用するという使い分けが大事なのだということです。そのためにも、礼服とビジネススーツの違いはしっかりと理解しておきましょう。
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礼服選びのポイント
礼服を選ぶ際にどこに気を付けて選べばいいのかわからないという方も多いはずです。
ここでは、礼服を選ぶ際のポイントを紹介していきます。
ポイント①:黒の色が濃いか
礼服選びのポイントとしてまず挙げられるのが「黒の色が濃いものにする」ということです。
先述のとおり、礼服とビジネススーツは兼用することができません。ビジネススーツとしても使えるようにと中途半端な色合いのものにしてしまうと、ビジネスシーンでも冠婚葬祭でも周りから浮いてしまう可能性があります。
礼服は礼服として使用できるように、できるだけ黒の色の濃いフォーマルなものを買うようにしましょう。
ポイント②:長く着られるか
ポイントの2つ目は「長く着られるものにする」というのも大事なポイントになります。
礼服はほとんど冠婚葬祭でしか着る機会がないため、1度購入すると5年から10年程度は着続けるのが一般的です。そのため、流行に左右されないクラシカルなデザインのものを選べば、5年や10年が経過しても違和感なく着こなすことができるでしょう。
その他のポイント
長い間に体格が変化することも考えて、「サイズがゆったりとしたもの」を選ぶことも重要です。
そして、冠婚葬祭に出席する機会はどのタイミングで訪れるか分かりません。特に最初の1着は「オールシーズンに対応できる素材のもの」が好ましいでしょう。
礼服は着用できるシーンが限られているので、これから長く使うからといって高過ぎる礼服を買うのは避けたほうがよいです。
礼服はもちろん結婚式にも着ていくことができますが、礼服を着まわしているという印象を持たれてしまうこともあります。結婚式には濃いネイビーなどのビジネススーツなどを着ていったほうがオシャレに見えるケースが多いです。
安物のほうがいいというわけではありませんが、礼服はビジネススーツと同じ程度の予算で購入するのが望ましいでしょう。結婚式でも着られるようなフォーマルなスーツを求めているのなら、できるだけ色が黒に近い、無地のスーツを1着用意しておくのがおすすめです。
ビジネスシーンから結婚式まで、いろいろな場面で着用することができるでしょう。
礼服を着こなそう!選び方のポイントは?
礼服は、ビジネススーツと異なり、冠婚葬祭など必要に迫られたときに着るものです。いざというときに困らない知識をご紹介いたします。
礼服のシャツやネクタイの選び方
礼服を着る際はシャツやネクタイの選び方も重要となります。
基本的にはシャツは「白の無地」、シャツの襟は「ウイングカラー」か「レギュラーカラー」のものがおすすめです。
結婚式ならネクタイは「白」か「シルバーグレー」で、華やかな雰囲気にしたいなら明るい色のポケットチーフを胸に差すと華やかな印象を演出することができます。
葬儀ならネクタイは「黒」一択で、靴は黒の「プレーントゥ」か「ストレートチップ」を選ぶのが無難です。光沢のあるものや装飾が施されているものは避けるようにしましょう。
「オーダースーツSADA」とは?
「オーダースーツSADA」は1923年に創業してから2023年に創業100年を迎えたオーダースーツ専門店です。長い歴史と伝統が培った技術とノウハウを活かし、生地の仕入れから縫製・販売まで行っています。
そんなオーダースーツSADAの特徴を見ていきましょう。
礼服にこだわれるオーダースーツ
礼服はビジネススーツと同様にオーダーで購入することができます。
オーダースーツには「コストパフォーマンスが高い」、「ネット上で便利に注文ができる」などの魅力があるので、有効に利用することが可能です。
オーダースーツSADAのフォーマルスーパーブラックには撥水加工が施されており、フォーマルウルトラブラックは撥水加工に加えて静電気を防止する機能が備わっています。通常のビジネススーツと同じような価格帯で購入することができるお得な礼服だといえるでしょう。ラペルやベントのデザインも自由に選べるので、自分好みの礼服をオーダーで作ることができますよ。
▼オーダースーツSADAの「フォーマルスーツ 撥水静電防止加工生地」▼
https://www.ordersuit.info/service/formal/
礼服とビジネススーツを分けて使おう!
色やデザイン、着用シーンなど、紹介してきたように礼服とビジネススーツは全く異なるものです。そのため、ビジネススーツはビジネススーツ、礼服は礼服でそれぞれ用意する必要があります。
オーダースーツSADAなら安価に性能の高い礼服をオーダーで注文することができるので、この機会に1着購入してみてはいかがでしょうか。
オーダースーツSADAの魅力
一般的にフルオーダーでスーツを仕立てようとすると、数十万円〜数百万円ほどの高額な費用がかかってしまうことが多いです。
しかし、オーダースーツSADAでは、フルオーダーでありながら19,800円〜(税込21,780円〜)仕立てることができ、既製品スーツと変わらない価格で自分だけのオリジナルスーツを仕立てることができます。(※2023年11月時点の価格です。価格は変更になることがあります。)
メンズスーツやレディーススーツのビジネススーツをはじめ、礼服などのフォーマルスーツも仕立てることが可能です。
礼服などは普段から仕立てる機会が少ないため、どのように仕立てていけばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。しかし、オーダースーツSADAでは、スーツの知識が豊富な専門スタッフに相談しながらスーツの作成ができるため、スーツを作成したことがない方でも安心して仕立てることができるでしょう。
礼服を購入する際には、オーダースーツSADAで自分の体型にフィットしたオリジナル礼服を作成してみてはいかがでしょうか。
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礼服とビジネススーツの違いは、「色」「デザイン」「シルエット」「着用シーン」の4つです。
礼服は何度も重ねて黒染めをしているため、深い「黒色」をしています。特に葬儀の時は出棺で外に出た時に光が当たってバレるので、黒いビジネススーツを着て行くのはタブーです。
礼服にはビジネススーツに用いられるステッチやベントがなく、シンプルなデザインになっています。襟のデザインも、格式の高い「ピークドラペル」で、ビジネススーツの基本、ノッチドラペルとは全然違います。シルエットは礼服はゆったりとしていて、ビジネススーツはタイトな仕上がりになっているのです。
礼服はビジネススーツと違い、5年10年と長期間着るもの。ゆったりとさせて、体型が変化しても着られるようになっています。最後に着用シーンですが、ブラックスーツはお通夜や葬儀、ビジネススーツは仕事で着るものだと明確に線引きしましょう。どちらかを使い回すのもNGです。
また、ブラックスーツを含む礼服を着る際には、白無地のウイングカラーまたはレギュラーカラーのシャツを合わせてください。葬儀では黒のネクタイが必須となります。礼服とビジネススーツの違いを押さえて、周囲から浮かないように着こなしましょう。
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