【2023年度版】タキシードのマナーと基本を徹底解説!
タキシードを頻繁に着るという人は、日本では少数派ではないでしょうか。海外ドラマや映画などで俳優が着ているイメージが強く、あまり馴染み深い服装ではありませんよね。主に結婚式やちょっとしたセレモニーで着用されるタキシードですが、出番が少ないゆえに「マナーを知らない」「タキシードの着こなし方が分からない」「そもそもテレビでしか見たことがない」という人がほとんどでしょう。実は、ビジネススーツに着こなしのマナーが存在しているのと同じく、タキシードにもジャケットの襟やボタン、シャツに種類やシューズまで細かなマナーがあります。ビジネススーツと同じ点もあれば、全く正反対となるルールも多数存在しています。例えば基本中の基本タキシードは「夜しか着てはいけません。」このことを知らなかったという方も多いはずです。そこで今回は、スーツの事なら何でもお任せあれの「オーダースーツSADA」のベテランスタッフが、あまり知られていないタキシードの基本知識から着こなしのマナー、タキシードを着る際に気を付けたい点なども合わせて一挙に解説していきます。いざタキシードを着ることになった時に、焦らず紳士的な着こなしができるように、一般的なビジネススーツとの違いについても比較し解説していきますので、ぜひ参考にしてください。この記事を読むとタキシード着用に対する不安が無くなりますよ。
タキシードは言わずと知れたフォーマル度の高い礼服です。しかし、一般的に着用機会が少ない服装のため、いざ結婚式やパーティーで着用することになると着こなし方やマナーなど、どうしたものかと迷ってしまいますよね。
「スーツと同じじゃダメなの?」と思ってしまいますが、スーツとタキシードは特徴が異なれば着用シーンも違います。
そこで今回は、タキシードの基礎知識やスーツとタキシードの違い、特徴、着用マナーなどを一挙に紹介。タキシードを着用する予定がある人やスーツとの違いが分からない人も、本記事を読むと全て解決するはずですよ。
そもそもタキシードってなに?
タキシードとは男性用の礼服、つまりはフォーマルウェアです。
モーニングや燕尾服に次いでフォーマルな装いで、凖礼装という位置づけ。そしてタキシードは「夜専用の礼服」とされ、基本的な着用は夜のみです。
具体的な服装は、拝絹(はいけん)付きの襟の付いたシングルボタンのジャケットに、揃いの布で仕立て上げたトラウザーズ(パンツ)を合わせます。
ドレスコードはブラックタイ。ドレスコードに「ブラックタイ」と記されているパーティーでは、ネクタイをブラックにするという意味ではなく、タキシードを着用してきてくださいという意味。
色は、黒もしくはミッドナイトブルーが正式。ミッドナイトブルーとは濃いネイビーのことですが、夜に着用すると薄暗さの中で黒よりも濃い黒に見えるため、夜の光や照明と相性抜群です。そのため、黒以外で唯一格式が高いカラーとして認められています。
タキシードというのはアメリカ風の呼び方であり、イギリスではディナージャケット、フランスではスモーキングと呼ばれています。
タキシードは夜用の準礼装と書きましたが、近年では正礼装・凖礼装の両方の意味を兼ねている事も多く、夜間のみ着用できるという考えはくつがえされつつあるんだとか。
特に結婚式では、昼間の挙式でもタキシードを着用しているパターンも多くみられます。昼間にタキシードというスタイルは、日本では大分浸透してきていると考えてよいでしょう。では礼服の凖礼装に位置するタキシード、どのような場面で着用されているのでしょうか?主な着用場面は以下の通りです。
タキシードが良く着用される場面
- 夕方以降の結婚式で新郎や新郎新婦の父、主賓
- ブラックタイのドレスコードがあった時
- フォーマルなパーティー
- コンサートの鑑賞やカジノ
結婚式で新郎が着る服として一番馴染み深いのではないでしょうか。その他にも新郎新婦の父、主賓が着る服としてもタキシードがあげられます。
いざ着用することになった時、着慣れない服装で手を出しにくいと考える人もいますが、タキシードの着こなしは至ってシンプル。基本は上下ジャケットパンツ共に黒で、シャツはフリルやプリーツがついた白。蝶ネクタイとカマーバンドもしくはベストを合わせれば、タキシードスタイルです。
黒と白という風に基本の色が決まっているだけでも、ビジネススーツより選びやすく感じますよね。結婚式で新郎が着る際には、女性のドレスに合わせて色を変える着こなし方もあります。
タキシードは通常黒やミッドナイトブルーなどですが、ファンシータキシードスーツと呼ばれる種類も存在します。避暑地での着用が多い白や、変わった色や柄のものがそれにあたります。どの色も魅力的ですが、基本は黒と白。それだけは昔からあるタキシードのルールです。
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タキシードの種類
基本は黒と白とお伝えしたタキシードですが、実はその他にも種類がありTPOやコーディネートに合わせて選ぶことができます。
王道の白
結婚式といえば、白のタキシードという方も多いのではないでしょうか。 花嫁と合わせたホワイトタキシードは、誰もが憧れる「オールホワイトコーデ」です。
しかし、オールホワイトは、ぼやっと見えてしまうためスタイルの良さが重要になってきます。
そこでポイントになるのが「差し色」です。
シャツにブルーストライプを合わせて縦ラインを強調したり、足元は黒で引き締め効果を出したりすると着やすくなります。 ホワイトタキシードは、レフ板いらずな程顔のくすみをとってくれるため、写真撮影では爽やかにキマる事間違いなしです。
ベーシックな黒
身に付けるだけで、高級感のあるクラシカルな印象になるブラックタキシード。 高級レストランやホテルなどで身に付ける印象がありますが、海外では着方次第でインフォーマルな着こなしを楽しむ方も多くいらっしゃいます。
ブラックタキシードは、スタイリッシュにスマートに見せてくれるためスタイルの良い悪い関係なく着られるのがメリットです。
黒よりもカジュアルで上品さのあるネイビー
上品でクラシカルな印象がありますが、ブラックよりも気軽に着こなしやすいカラーがネイビー。 スーツの定番カラーでもあり、一番親しみやすいカラーでもあると言えます。
ネイビーカラーはいろんなアイテムと合わせやすいため、ポケットチーフやシャツにカラーを合わせて自分らしくコーディネートするのがおすすめです。
ライトグレーで透明感を
ライトグレーは透明感とラグジュアリーな印象に魅せてくれるため、垢抜け感が欲しい方におすすめです。
ライトグレーと言っても色味は物によって異なり、今回のようにブルーに近い物ならグレーに比べて爽やかな印象にも仕上がります。 特に肌が白く、血色が悪いという方には色味(ブルー系)が入ったグレーをチョイスすると◎
タキシードの歴史を知ろう!
タキシードは、歴史深さにも魅力があります。なんと元々は寝巻きのような衣類として誕生したものだそう。以下より少し深掘りをしてみていきましょう。
1870年代のドイツやフランスの社交会では、燕尾服※が主流でした。そこでショールカラー(へちま襟)を採用したジャケットが流行。これがタキシードの原型となるジャケットです。
※燕尾服(えんびふく):スーツのジャケットのこと。後ろの裾が長く2つに分かれ燕(つばめ)の尻尾のように見えることからそう呼ばれています。
ショールカラーのジャケットは、当時喫煙する時に着用していた喫煙服のデザインを用いた服だったため、時の流れとともにスモーキングジャケットと呼ばれるように。
色も今のような黒ではなく明るめで華美なものが多く、生地にはカシミアやベルベットなど上質なものが使用されていました。
時は進み1876年、イギリスの皇太子エドワード七世がこのスモーキングジャケットに着目し、国に持ち帰ります。英国でスモーキングジャケットのデザインを取り入れた、進化版ディナージャケットを作り、皇太子エドワード七世がパーティーで着るようになると、それが大流行。英国中に広まりました。
タキシードの米国での始まりは1886年、ニューヨークのタキシード・パーク倶楽部で開かれた舞踏会。グリスウォルド・ロリラードが燕尾服とスモーキングジャケットを間違えて着用されたことがはじまりと言われています。(以降これはタキシード事件とも呼ばれる)
当時の舞踏会は、燕尾服がドレスコード。しかし、このタキシード事件をきっかけにスモーキングジャケットが話題を呼びます。1890年代にはタキシードと呼ばれ定着するようになり、結果大流行しました。その後もアメリカでタキシードは大きく育ち、1900年代には米国でメジャーな着衣に。
1920年代に入ると世界中で礼服として広まりました。そして今に至ります。
話をまとめるとタキシードの原型はスモーキングジャケットで、くつろげる部屋着として作られたものです。部屋着とはお風呂上がりなので羽織るガウンのような服。タキシードが1つボタンである理由は、この部屋着としての始まりがあったからだと言われています。自宅でできるくつろげる服に多くのボタンは要りませんよね。
今では準礼装としてフォーマルウェアに位置するタキシードが、元々は部屋着だったというのは実に意外な話です。タキシードの歴史を知ると、細かな仕様にも興味を持てるようになり、何も知らない状態より、タキシードスタイルが何倍も楽しめちゃいますよ。
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タキシードといえば結婚式やパーティなどでしか着る機会がなく、あまり着たこともない方が多いのではないでしょうか。あまり詳しく知らない方も多いと思いますので、今回はタキシードについて詳しく解説します。
フォーマルスーツの中でタキシードの位置づけとは?
フォーマルスーツとは、冠婚葬祭や式典などの格式高い場面に着るスーツのことです。ビジネススーツとは違います。フォーマルスーツは大まかに3つに種類分けされ正礼装・凖礼装・略礼装とあります。先に書いた順にフォーマル度が高く、格式高い場面に着用されます。
フォーマルスーツの中でも、タキシードは最も格式高い正礼装のモーニングコート、燕尾服の次にあたる「夜間凖礼装」に位置します。
夜間?と思われた人も多いことでしょう。そう、タキシードは夜専用なのです。夜の礼装で最も格式高いのが燕尾服、その次に位置するのがタキシードとなります。しかし近年、燕尾服の着用する人が減ったため、実質的にはタキシードが正礼装とされることも増えてきているよう。
さて、フォーマルスーツでも前述した正礼装や凖礼装、略礼装などの種類分けがされますが、聞きなれない人向けにそれぞれの礼装についても触れていきます。タキシードの位置づけについて、さらに詳しく、順を追ってみていきましょう。
まず、繰り返しになりますがフォーマルスーツの種類は3つです。
- 正礼装
- 凖礼装
- 略礼装
3つのフォーマルスーツは、格式が高い順に並べると正礼装→凖礼装→略礼装。タキシードは丁度中間にあたる凖礼装の夜間の装いとされます。夜専用ということは、昼専用もあるのかな?と思いますよね。実はその通りで、フォーマルスーツには昼や夜で正しいとするスーツスタイルがあり、さらに細かく種類分けされます。
以下で詳しくみていきましょう。
【フォーマルスーツ①】正礼装
正礼装とは、3つに種類分けされるフォーマルスーツの中でも、最も格式高い燕尾服やモーニングコートを指します。ドレスコードで、ブラックタイがタキシード指定なのに対し、ホワイトタイの指定があった場合は、燕尾服着用が必須マナーです。
前述したとおりモーニングコート、燕尾服が正礼装とされますが、近頃はタキシードを最も格式が高い服装とし、正礼装として扱ってもいいのではという声も。
基本は昼と夜でスーツを使い分けるのが正しい着こなしのルールで、昼はモーニングコート、夜は燕尾服を着用するのが正解。ネクタイは白もしくはシルバーが無難です。
フォーマルスーツの着こなしルールでは、午後6時以降から夜と判断されるよう。しかし、絶対に午後6時を過ぎなければいけないというわけでもなく、その判断は各自に任せるといったスタンス。では時間分けされる昼用のスーツと夜用のスーツの、どこに違いがあるのでしょうか。もう少し掘り下げてみていきましょう。
昼間はモーニングコート
フォーマルスーツの正礼装は、昼と夜で着用スーツを変えるのが着こなしのルール、というのは前述しました。昼間の正礼装は「モーニングコート」が最も格式が高く、適切な格好とされます。
モーニングコートとは、黒いジャケットの後ろ側の裾が、尻尾のように長いデザインが特徴的なスタイル。ジャケットボタンは1つ、パンツはコールズボン(コールパンツ)です。
コールズボンとは、男性の礼装で昼に着用するフォーマルなズボンのこと。モーニングコートやディレクターズスーツなどに合わせます。黒とグレー、ダークグレーや白のストライプデザインが一般的です。
ベストの着用は必須、ジャケットと揃いの生地で仕立てたものや、グレーやアイボリーといったカラーのシングルベストもしくはダブルベストで。シルバーグレーのネクタイ、もしくはアスコットタイを合わせます。では、モーニングコートはどのような場面で着られているのでしょうか?よく着用されるのは以下のような場面です。
モーニングコートがよく着用される場面
- 結婚式の新郎、新郎新婦の父親
- 入学式や卒業式校長や教頭といった主催者側
- 式典や葬儀または告別式の喪主
モーニングコート着用の場面は、結婚式の新郎新婦の父、式典の主催者などがあげられます。身近な例えで言うと、学校の入学式や卒業式などで校長や教頭先生が着用しているのを見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。
男性のフォーマルスタイルで最も格式が高いとされるモーニングコートは、注目される人物が着用することが多いスーツです。そのため、着こなしや着用のルールなどはしっかりと守っておきたいですね。
夜間は燕尾服
夜間の正礼装では、燕尾服が最も格式の高い服装です。燕尾服はスワローテイルコートとも呼ばれます。ジャケットの前側が短くカットされ、後ろ側の裾が長く2つに割れまるでツバメのしっぽのようになったデザインのもののことをいいます。上下黒、もしくはミッドナイトブルーのセットスーツ、パンツは両サイドに2本の側章が入ったものが正式です。
ジャケットの襟に光沢のある生地の、ピークドラペルを採用。シャツはイカ胸シャツで、ベストと蝶ネクタイは白でシューズは黒を合わせます。ここで忘れてはいけないのがフォーマル手袋。着用はしませんが手に添えます。
最近は正礼装でタキシードが挙げられることも。燕尾服は、白い蝶ネクタイを着用することからドレスコードはホワイトタイ、反対に黒い蝶ネクタイを合わせるタキシードのドレスコードはブラックタイです。
気になる着用時間ですが夜間とは18時以降のこと。これにはタキシードが、夜の照明でよりエレガントに映るような、光沢感のある作りになっていることが関係しています。
では、燕尾服が着用されるのはどのような場面でしょうか。
燕尾服がよく着用される場面
- 夕方以降の格式高い結婚式及び披露宴
- 鑑賞会や舞踏会または指揮者など
- ホワイトタイとドレスコードに指定があった時
例外として宮中や王室の式典では、昼間の着用も認められこちらも正式です。また国家的な行事の場合は、シルクハットも着用します。その他の場合では、夕方以降の着用が基本となります。
【フォーマルスーツ②】凖礼装
凖礼装は、セミフォーマルとも呼ばれる正礼装の次に格式が高いとされている服です。昼は「ディレクターズスーツ」で夜は「タキシード」これが基本。
日本では、ブラックスーツが凖礼装だと言われることもあります。着用する場面や、周りとの服装の兼ね合いも考えて何を着用するか決めて行きたいですね。
正礼装と同じく、凖礼装も昼と夜で着用スーツが変わります。では、準礼装では何を着用するのでしょうか。以下で詳しくみていきましょう。
昼間はディレクターズスーツ
昼間の凖礼装は、ディレクターズスーツです。アメリカではストロウラー、イギリスではブラックラウンジと呼ばれます。
ディレクターズスーツとは、黒のジャケットにブラックとグレーのコールズボンを組み合わせているスタイルのこと。コールズボンとは、主に昼の礼装で着用される、黒とグレーのストライプのスラックスのことです。コールズボンは、モーニングコートやディレクターズスーツに合わせ着用します。
ディレクターズスーツは、結婚式のゲストが着ることが多いため見たことがあるという人もいるのではないでしょうか。その他で昼間の準礼装がよく着用される場面は、以下の通りです。
ディレクターズスーツがよく着用される場面
- 結婚式の主賓や親族
- 入学式や卒業式などの式典
ディレクターズスーツを着用して良いのは、親族や主賓などの立場のある人限定。例えば、小学校の校長が卒業式でモーニングコートを着ているとすれば、教頭はディレクターズスーツを着用するといったイメージです。
結婚式の友人の立場で、ディレクターズスーツを着用するのは少し違います。簡単に言えば、式典の主催者に近い立場の人間が着用するスーツだと覚えておきましょう。
夜間はタキシード
タイトルの通り夜間の凖礼装は、タキシードです。色は黒もしくはミッドナイトブルー。上下揃いのタキシードクロスで仕立てられたスーツ、ジャケットはベントなしの1つボタン、襟は丸みのあるショールカラー、もしくは先の尖ったピークドラペル。パンツは側章が1本両側に入ったトラウザーズで。
シャツはドレスシャツのウイングカラー、もしくはレギュラーカラーを選びます。基本的には黒の蝶ネクタイを着用。蝶ネクタイの方が格式高い着こなしになりますが、白やシルバーのネクタイでも大丈夫です。黒のカマーバンドもしくはベストを付けて、シューズも黒で揃えればタキシードスタイルの完成。
あくまで上記したものは基本的なスタイルであり、黒ではないからタキシードではない、側章がデザインされていないからタキシードではない、といったことはありません。タキシードは比較的自由度の高い礼装になりますので、大きく外れることがなければ少しデザインが違っても、それはタキシードなのです。
さて、タキシードはどのような場面で着用されるのでしょうか。身近なところで言えば、ハリウッド俳優や洋画のパーティーシーンなどでよく着られているのを目にしますよね。今まで紹介した中でも、特に着用イメージがつきやすい服装ではないでしょうか。
タキシードは燕尾服の次に格式が高い服です。よく着用されるのは、以下のような場面になります。
タキシードがよく着用される場面
- 結婚式の新郎や新郎新婦の父
- ブラックタイのドレスコードがあった時
- コンサートやパーティー
これはよく知られていることだと思いますが、結婚式で新郎が着用するスーツといえばタキシードですよね。その他にも新郎新婦の父親や主賓など、ブラックタイのドレスコード指定があった時、コンサートや格式の高いパーティーなどで着用されます。
主に華やかな場での着用が多いため、個性を出したデザインが許容されているスタイルです。繰り返しになりますが基本は黒か濃紺の上下服に、フリルやプリーツがデザインされたシャツ、黒の蝶ネクタイ、ベストもしくはカマーバンドを着用し、靴も黒で揃えます。
近年では、タキシードが夜の正礼装として燕尾服の役割を兼ねていることがあります。スーツ店によっては、タキシードが正礼装だというところもあるでしょう。どこで着用するのか、周りとの格差が出ないか、会場の雰囲気を損ねることはないか、そういった点にも注意して何を着用するかを考えていくのがいいですね。
【フォーマルスーツ③】略礼装
略礼装とは、男性では主にブラックフォーマルスーツ、女性では落ち着いた雰囲気のブラックアンサンブルなどです。略礼装はセミフォーマルとも呼ばれ、冠婚葬祭のどのシーンでも着用できます。まさに万能な礼服と言えるでしょう。
ダーク系のスーツもギリギリここに入ります。一般的な会話の中で、礼服というワードが出たらこの略礼装を指すことがほとんど。平服の指定があった際などには略礼装を着用します。
略礼装はダブルジャケットが良しとされている時代もありましたが、近年ではシングルのジャケットが定番。主な着用シーンは結婚式や葬儀などです。
ブラックフォーマルにはベストなしのツーピーススーツ、ベストとセットになったスリーピーススーツがありますが、どちらも格式に違いはありません。しかしながらスリーピースは見た目により重圧感を与える装いとなりますで、年配の人が特に好む傾向にあります。その辺りも考慮しつつ、自分の好みで選びましょう。
少し前述しましたが、ブラックフォーマルスーツが着用されるシーンは以下の通りです。
ブラックフォーマルスーツがよく着用される場面
- 結婚式の参列者
- 葬儀や法事
- 平服の指定がある時
ブラックスーツは、正礼装や凖礼装とは違い昼夜問わずに着られる便利な礼服です。さまざまなシーンに着用できるスーツのため、社会人であれば一着は持っておきたいものです。礼装の中でも比較的着用頻度の多い種類になります。
コーディネート次第ではビジネススーツと勘違いされてしまう可能性も。そのため、合わせるアイテムには気を付けましょう。以下シーンに合わせた略礼装の着方を少し紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
葬儀や法事での略礼装の着方
葬儀や法事などの弔事では、シャツとハンカチ以外全て黒で統一します。スーツは略礼装のブラックスーツです。ビジネススーツとして売られているものと、ブラックフォーマルとして売られているものでは、質感や黒の濃度が違います。
時間がないなどの理由で用意ができない場合は、ダーク系のビジネススーツでも構いません。しかし、見る人が見ればすぐに分かってしまうので、社会人になった際には一着は用意しておきましょう。
葬儀や法事では光沢感のあるスーツや、エナメル素材などの光物はNGとなります。マナー違反だと思われないよう着こなしには十分注意しましょう。
礼服と喪服の違いとは?冠婚葬祭に着るべきスーツについても解説- オーダースーツSADA
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結婚式やパーティーでの略礼装の着方
結婚式やパーティーなどの慶事では、ブラックスーツにネクタイはシルバーやグレーといった明るい色で着飾りましょう。
近年、結婚式でもブラックフォーマルスーツではなく、一般的なダーク系のビジネススーツを着用している人も多い割合で見かけます。ネクタイでも遊びのあるパステルカラーを着用する人もおり、やや個性的なファッションも認められつつあります。
友人や会社の同僚などであればダーク系のスーツでも問題ありませんが、兄弟などの近い親族である場合はブラックフォーマルスーツが無難です。
ポケットチーフを胸元に飾ると、濃度の高いブラックフォーマルでも簡単に華やかな雰囲気が出るのでおすすめ。光沢のあるアイテムや鮮やかな色の小物をプラスして、祝いの席を華やかに盛り上げましょう。
タキシードを着るにあたって時間のルールがある?
タキシードは礼服の中でも夜間の凖礼装のため、夜のみ着用できます。そのため、時間のルールが存在します。
夜とはおよそ午後6時以降のことで、日中はタキシードを着用してはいけないというのが基本。なぜ午後6時以降でないと着用してはいけないのか?そう思いますよね。どうして午後6時以降という決まりがあるのか、答えは「照明」にあります。
タキシードの襟元の拝絹や、トラウザーズの側章にはサテンやシルクが使われることがほとんど。その他にもタフタ、キュプラ、ポリエステルなど光沢感のある生地が使用されます。それらの生地は、夜の照明や月明かりにも映え、タキシードスタイルがより美しく映るという理由からこのようなルールができたのです。
凖礼装なら、「昼はディレクターズスーツ」で「夜はタキシード」。
正礼装なら、「昼はモーニングコート」で「夜は燕尾服」が礼装の基本です。
とはいうものの、タキシードの着用時間は日本ではあまり重要視されておらず、主な着用シーンである結婚式では昼夜問わずに着られていることが多いのが現実です。そんな事情があっても前述したように、タキシードは夜の照明でその美しさを発揮します。できることなら夜に着用したいですね。
着用機会はそれほど多くはないスーツなので、知る人ぞ知るという所でしょう。ルール上では夜間の凖礼装なので、着用する際にはぜひ夜に着てみてくださいね。
タキシードを着るなら知っておきたい基礎知識
タキシードは、言わずと知れたフォーマルウェアの定番ですが、着たことがないもしくは結婚式で初めて着る予定があるという人も多いことでしょう。
「タキシードって具体的にはどんなものなの?ほとんどイメージが付かない。」
そんな人のために、ジャケットやパンツ、シャツやネクタイにカマーバンドまで、タキシードを着るなら知っておきたい基礎知識を集めてみました。
以下より1つ1つ紹介します。
【タキシードの基礎知識①】ジャケット
タキシードのジャケットの基礎知識を解説します。まず種類は2種類、襟の形で種類分けされます。
丸みのある、へちまの様な形をした「ショールカラー」と先のとがった「ピークドラペル」があり、襟にはサテンやシルクなどの生地が使用され、その部分を拝絹と呼びます。
襟の幅もさまざまに選ぶことができ、襟が広いワイドタイプだとカッチリとしたクラシカルな印象になり、紳士的イメージに。
反対に襟幅が狭いナロータイプだとモダンでスタイリッシュ、若々しい活発なイメージを印象付けることができ、体型もスマートに見せてくれる効果が期待できます。
色は、「ブラック」もしくは「ミッドナイトブルー」が一般的。
生地は、「タキシードクロス」と呼ばれるものが使用され、濃い黒で厚く密度の高いことが特徴です。
ボタンは1つで、スーツと同じ生地もしくは拝絹と同じ生地で包んだ「くるみ釦」。ボタンを2列に配列したダブルレストでも問題はありませんが、シングルが最もオーソドックス。
タキシードジャケットは、ポケットのフラップ無しが基本。これはフラップが本来雨よけとしての役割のために付けられているもののため、室内で着るタキシードには不要と考えられているからです。万が一フラップが付いているタキシードの場合は、ポケットの内側に見えないように仕舞っておきましょう。
タキシードのジャケットに、裾のベントはありません。主に結婚式やパーティーで着用されるため、ビジネススーツとは違い、動きやすさを重視する必要性がないからです。そのため、最もフォーマルな仕様とされるベントなしのジャケットになります。
上記したものが基本的なタキシードのジャケットの仕様です。
あくまでタキシードの基本的な仕様であり、全てを満たさなければタキシードと認められない!といったことはありません。
ベントがあるからタキシードではない、くるみ釦じゃないからタキシードとは認めない、ではなくタキシードはその着こなしの総称であるということです。繰り返しますが、上記したタキシードの基本仕様はあくまでも基本です。色や柄、仕様などさまざまにアレンジされたタキシードもあることも知っておいてくださいね。
他にもタキシードのスタイルとして、最もスタンダードなレギュラースタイルや、細身で若々しいイタリアンスタイルがあります。スタイルについては本記事の下部「タキシード スタイル」で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。
【タキシードの基礎知識②】シャツ&ネクタイ
ここからは、タキシードのシャツとネクタイの基礎知識を1つ1つみていきましょう。
【シャツ】
タキシードのシャツは、白のドレスシャツを選びます。色は白でコットン生地のブロードが一般的です。ドレスシャツとは、通常のYシャツやカッターシャツとは違い、フォーマルな場面で着用するために作られたシャツの総称のこと。
シャツの襟は立ち上がりのあるウイングカラーと、最も標準的なレギュラーカラーがあります。ネクタイは、黒のシルク生地で作られた蝶ネクタイが基本。
どちらを選んでも構わないが、蝶ネクタイと相性がいいのはウイングカラーです。襟が立ち上がっているため、蝶ネクタイの邪魔をせずに首元をスッキリと、まとまりがある風にみせることができます。
シャツは胸元にプリーツがデザインされたピンタックや、ボタンを隠した比翼がタキシードでは一般的です。イカ胸シャツ、ヒダやフリルがデザインされたドレッシーで華やかなものが好ましいです。これらがドレスシャツですね。
素材は、繊細かつドレッシーなコットンやリネン、コットンブロードが良いとされます。色は白が基本です。また、胸元にボタンがデザインされているシャツの場合は、黒のオニキスのスタッズボタンをつけます。というのは、シャツには肌着という考えがあり、シャツのボタンを見せないことがエレガントとされるためです。
袖は昔はシングルカフスが一般的でしたが、現在ではダブルカフスを選んでも問題ありません。どちらの方が上ということはないので、気に入った方を選びます。
シャツや袖の釦は、スタッズボタンやカフスボタンで飾ると、よりオシャレな着こなしになります。その際にはタキシードには黒のオニキスが定番です。
【ネクタイ】
ネクタイは、黒の光沢のある生地(拝絹と同じもの)で作られた蝶ネクタイを選びます。黒以外の色や柄も選べますが、基本は黒。違う色や柄を選ぶ時は、ベストと揃いの生地を選ぶとまとまりが出ますし、スマートな着こなしになりますよ。
蝶ネクタイにはさまざまなデザインのものがあります。以下紹介していきます。
【蝶ネクタイの種類は4つ】
- タキシードスタイルに定番のバタフライ
- バタフライを一回り小さくしたセミバタフライ
- スタイリッシュな見た目のストレートエンド
- 先端が尖っており個性を出せるポインテッド
タキシードは蝶ネクタイを付けるのが最上級のスタイル。1番選ばれるのはセミバタフライ、次にバタフライと続きます。
ストレートエンドは、リボンの開きを狭くした一番スタイリッシュなデザイン。コウモリの羽に似ていることからバットウイングとも呼ばれます。ストレートエンドは少しカジュアルなテイストになってしまうため、フォーマルシーンでの着用なら、セミバタフライもしくはバタフライがおすすめ。カジュアルさを出したいならストレートエンドでも構いません。
先端が尖っており、リボンの形が特徴的なポインテッドはカジュアルさや個性を出すところに特化しています。結婚式では新郎がつけることはまずないでしょう。ゲストがつける蝶ネクタイとして選ばれています。
素材はシルクなら間違いありません。なめらかな質感や光沢感でエレガントさを演出できるでしょう。
蝶ネクタイには手結びするもの、元々リボンの形が作られているものをホックで留めるタイプがあります。ぜひ挑戦して欲しいのが手結びのセルフタイです。練習こそ必要ですが、手結びならではのボリューム感もあり、味のあるエレガントな印象に仕上がります。
時間がない、手軽な方でいいじゃないかという人は、もちろんホックで留めるレディタイでも問題ありません。着脱が簡単なのでタキシード初心者さんにもおすすめできます。
さて、タキシードに最もふさわしいネクタイは蝶ネクタイだと記載しましたが、ビジネスシーンでもよく見るネクタイを合わせる人もいます。蝶ネクタイに抵抗がある、普段付け慣れているネクタイが良いという人も一定数いるためです。
たしかに、タキシードに合わせられるネクタイは蝶ネクタイだけではありません。そのため結婚式で新郎が選んでも問題ないです。通常のネクタイを選ぶ際には、白やシルバーをつけましょう。ただし、格式の面でいうと、最も格式が高いのは蝶ネクタイです。そこだけは覚えておきましょう。
【タキシードの基礎知識③】カマーバンド
タキシードを着る時はカマーバンド、もしくはベストの着用が必須です。カマーバンドとはベストが簡略化されたもので、お腹に巻く帯のようなもののことです。
カマーバンドもしくはベストのどちらでも大丈夫ですが、着用せずシャツに直接ジャケットを羽織るのはNG。カマーバンドの方が格式高いと思われがちですが、実際にはベストの方が格式の高い着こなしとなります。
ビジネススーツはシャツの上にそのままジャケットを羽織りますが、なぜタキシードではそれがNGとされるのが気になりますよね。これには理由があり、シャツは本来のスーツ文化では肌着と認識されていたため、ベストもしくはカマーバンドなどを着用し、シャツを隠さなければならないというルールがあるからです。
タキシードは準礼装なので、結婚式や式典などの格式の高いシーンで着用します。そういった場所に肌着が見えるような装いで参加するのは、不格好だと考えられているわけです。これは、タキシード着用の昔からのルール。
カマーバンドには、色やデザインが入っていてもマナー違反ではありません。現にアメリカの軍隊では赤やオレンジなどの色もみられます。けれども、格式の高いシーンで着用する場合はやはり黒が間違いありません。
着用する際には、ヒダを上に向けて付けましょう。かつては、ヒダをポケットとして使用していた頃の名残からそう着用するのが正しいとされています。ヒダの上下は間違いやすい部分なので注意。着用方法は本記事のタキシードマナーでも紹介しています。
カマーバンドではなくベストを着る時は、ジャケット、パンツ(トラウザーズ)と生地や色も揃えます。どちらを選んでも格式の差が出るわけではありません。
ベスト着用のメリットとして、ジャケットの着脱ができる点があげられます。カマーバンドの場合は、ジャケットを脱ぐのはマナー違反になってしまいます。その点でいうと、ベストを着用しているとジャケットを脱いだ写真撮影なども可能になるため、非常に大きなメリットですよね。そのため、近年ベストは多く選ばれています。
【タキシードの基礎知識④】パンツ
タキシードのパンツは「トラウザーズ」と呼ばれ、これを着用します。
トラウザーズとはイギリス英語でスーツのパンツのこと。上下セットになったもので、ジャケットと同じ生地で仕立てられたトラウザーズを着ましょう。
トラウザーズの側面には、側章と呼ばれるシルク生地などの光沢のある生地で作られたラインが入ります。裾の仕上げは最もフォーマルなシングルカットが正式です。
昔からトラウザーズを履く際には、サスペンダーを使用して履くのが正しいとされてきましたが、現代ではベルトで履くことも多くみられます。好みで選んで大丈夫でしょう。ベストではなく、カマーバンドを付ける時はベルトは不要です。
トラウザーズに合わせるシューズは黒のオックスフォードシューズ、もしくはオペラパンプスで。ソックスはシルク素材の長めの靴下を着用します。スネが見えるのは不格好に映るため注意。肌を見せないのはスーツ着こなしの基本です。
スーツとタキシードのそれぞれの特徴
スーツとタキシード、似ているようで異なる2つのスーツ。一体どこに違いがあるのでしょうか?まずはそれぞれの特徴から抑えていきましょう。
スーツの特徴
スーツの特徴はさまざまですが、タキシードとの違いのある特徴の1つは「ベント」が付いていることでしょう。
ベントが付いていると、生地の可動域が上がるため、移動の多い営業マンでもストレスフリーで着用できます。
一方でタキシードにはベントがないため、機動性に欠けてしまいます。しかしタキシードは室内で着用するように作られた衣装なため、動き安さを重要視する必要がないという考えです
スーツの特徴は無数にありますが、ベントがない点はスーツの大きな特徴です。
タキシードの特徴
タキシードの特徴は、たくさんありますが今回ご紹介するのは次の3つです。
- 生地に光沢感がある
- 襟の形が2種類ある
- パンツに側章のラインが施されている
タキシードには、スーツにない特徴もあります。その他にもボタンはくるみボタン、ネクタイは一般的なものでなんか蝶ネクタイ、靴はオペラパンプス、袖にカフスボタンを付けるなどたくさんの特徴があります。今回は前述した3つの特徴について、それぞれの特徴をみていきましょう。
【生地に光沢感がある】
そもそもスーツとは、同素材で作られた上下揃いの衣類を指します。タキシードはタキシードクロスという生地で作られ、ジャケットの襟には光沢感のあるシルクで作られた「拝衿(はいけん)」と呼ばれる部位があります。
スーツには拝衿がないため、タキシードと比べると、雰囲気に大きな違いが出てくるのです。首元に光沢感のあるタキシードであれば、パーティーなどの華やかなシーンでも活躍するでしょう。表情を明るくみせる効果もあります。
【襟の形が2種類ある】
タキシードの襟の形には、ピークドラペルとショールカラーの2種類あると紹介しました。一見同じような装いでも襟のデザインによって印象が異なるため、着用シーンや好みに合わせてデザインをチョイスしましょう。
ピークドラペルならカッチリとした雰囲気に、ショールカラーなら優しい雰囲気になります。
【パンツに側章のラインが施されている】
タキシードのパンツの側面には、シルク生地で側章のラインが施されています。このラインが施されていることもあり、タキシードは独自の印象を醸し出します。
タキシードのパンツはトラウザーズとも呼ばれ、非常にフォーマルな仕様に作られています。とは言え最近はカジュアルなものも増えてきつつあり、展開を広げています。
スーツとタキシードの違いは?
スーツとタキシードの違いは、次の通りです。
- ベントの有無
- 襟のデザイン
- ネクタイの有無
タキシードとスーツでは、デザインが全く異なります。それぞれの違いをおさえておきましょう。
ベントの有無
タキシードには、ベントがデザインされていません。ベントとは、ジャケットの背中部分に入っている割れ目を指します。 一般的にはジャケットの着丈1/3程度の長さで、腰の辺りから裾にかけてベントが施されています。
日本人の標準体型着丈は70cmほどですから、ジャケットには23cm程度のベントが施されているということです。また、浅いベントでは15cm前後のタイプもあります。そんなベントですが、スーツの可動域を上げるために、実用性を重視して作られているのです。
しかし、タキシードは、スーツほど実用性が重視されていないため、タキシードにはベントが設けられていません。ベントが施されていないため、少し動きにくさはありますがまとまり感のある装いに仕上がります。
襟のデザイン
スーツとタキシードでは、襟のデザインも異なるのです。
スーツには、ノッチドラペルという、通常のジャケットによくみられるデザインの襟が多く使用されています。
普通襟とも呼ばれており、ほとんどの人がノッチドラペルのスーツを着用しているでしょう。
一方でタキシードの襟は、ノッチドラペルではなく、次の襟のデザインが施されているケースが多いです。
- ピークドラペル
- ショールカラー
それぞれの襟ごとに異なる特徴があります。タキシードの着用を検討しているなら、襟ごとの特徴をおさえておきましょう。
ピークドラペル
ピークドラペルとは、下襟が鋭く尖っているデザインの襟です。タキシードに主に使われている襟デザインで、下襟が尖っていることから「剣襟」とも呼ばれています。
そんなピークドラペルは華やかな印象を与えられます。 しかし、下襟が鋭く尖っているデザインが苦手な人もいるでしょう。
そのような人には、セミピークドラペルがおすすめです。ピークドラペルほど下襟が尖っていないものの、同じく華やかな印象を与えられます。 一口にピークドラペルといっても、種類によって襟の尖り具合が異なります。ご自身の好みに合わせてデザインを選ぶといいでしょう。
ショールカラー
ショールカラーとは、肩掛けをかけた時のようなデザインの襟を指します。その特徴的な形から 「ヘチマ・カラー」とも呼ばれるデザインで、リラックスできるような優しい印象を演出できるのです。
それもそのはず、ショールカラーの起源はリラックスできるシーンの用途だったのです。そのためショールカラーの用途も、リラックスできるようなビジュアルに感じさせるのでしょう。
以上のように、タキシードにはピークドラペルとショールカラーが主に使われています。ピークドラペルは華やかさを演出し、ショールカラーはリラックスできるような印象を醸し出せます。タキシードを購入する際は、着用シーンやご自身の好みに合わせたデザインを選びましょう。
ネクタイの有無
スーツにネクタイを組み合わせるのは、もはや常識というレベルでしょう。クールビズの導入で、スーツにノーネクタイという組み合わせも流行しつつありますが、スーツにネクタイという考えは、未だ根強いです。
しかし、タキシードにはネクタイはせず代わりに「蝶ネクタイ」を付けます。また、タキシードにはクールビズのような制度がないため「タキシードを着用する際に蝶ネクタイをつけない」という選択肢は、基本的にありません。
そのため、タキシードのコーディネートの範囲は、スーツよりも狭いのです。タキシードはネクタイではなく蝶ネクタイです。間違いないように注意しましょう。
格式の高いタキシードの着こなしには蝶ネクタイは必須ですが、結婚式の参列者など少しカジュアルな装いでもいい場合はネクタイも認められます。その際には白やシルバーといったカラーを選びます。
タキシードを着るなら知っておきたいマナー
「タキシードを着ることになったんだけどマナーってある?」とマナーがあることを知らない人も多いはず。スーツは紳士の装いです。もちろんビジネススーツと同じく、タキシードにも着用のマナーがあります。せっかくタキシードを着るならマナーを守って、格好良く着こなしたいですよね。
結婚式やコンサートなどフォーマルな装いが求められる場で、いらぬ恥をかかないためにも着用のマナーはしっかり抑えておきましょう。
例えば、どのスーツにも共通しているのが「サイズ感」。大きすぎず小さすぎないジャストフィットなタキシードを選ぶのもマナーのひとつです。スーツスタイルは、マナーを守ると着こなしのレベルがグンと上がります。1つ1つ紹介していくので、ぜひ実践してみてくださいね。
【タキシードのマナー①】襟
タキシードの襟のマナーは以下の通りです。
【タキシード襟のマナー】
- ジャケットの襟はショールカラーもしくはピークドラペル
- シャツの襟はウイングカラーやレギュラーカラーでフォーマル仕様のものを着用
- 後ろから見てジャケットの襟からシャツの襟を1.5〜2㎝程度出す
基礎知識の方でも紹介しましたがジャケットの襟は、ショールカラーやピークドラペルを着用するのが基本的なマナー。
※ショールカラーとは、へちまの様な形をした1枚襟で織り返りのあるデザインの襟のこと。
※ピークドラペルとは、別名剣襟とも呼ばれる先のとがったデザインが特徴的な襟のこと。
ジャケットの襟は、拝絹と呼ばれるシルク生地やサテンで仕立てられているのが基本です。カマーバンドやベストは、襟の生地を合わせて揃えましょう。
シャツはフォーマル用に作られたドレスシャツ着用がマナー。タキシードでは蝶ネクタイをすることが多いため、蝶ネクタイのデザインを邪魔しない、立て襟の先が少し折り返されたウイングカラーが定番です。見えないところだからいいでしょうと、普通のシャツを着用するのはマナー違反。必ずドレスシャツを着用しましょう。
ドレスシャツとはフォーマル用に作られたシャツの総称で、プリーツ入りやフリル付きなどのシャツがそれに当たります。色は白が基本。タキシードは基本的に黒と白で作るスタイル。袖口はダブルカフスもしくはシングルカフスです。
シャツの襟先は、スーツの襟の下に入れておきます。ウイングカラーであれば襟が立ちあがっているため襟を下に入れる必要はありません。レギュラーカラーのシャツを着用する場合には、襟先はスーツの襟の下に入れること、シャツの襟先はジャケットの上に出ないようにすることを覚えておきましょう。
ジャケット着用時に後ろから見て、ジャケットの襟からシャツの襟が1.5~2㎝程度見えているのがベスト。スーツ全般に言えることですが、忘れがちな後ろ姿にも注意します。ビジネススーツと同じくジャケットの下は半袖では行けません。長袖のシャツを着用します。基本的にスーツスタイルで肌を見せるのはマナー違反となるのです。
【タキシードのマナー②】ポケットチーフ
タキシードのポケットチーフは、白かシルバーグレーが基本マナーです。
素材はシルクもしくはリネンのどちらか。夜間の着用なら光沢のあるシルク生地がおすすめです。
ポケットチーフは、素材ごとに与える印象が異なり、それぞれ以下のような特徴や与える印象があります。
リネン:硬さもありしっかりとした質感。キリッとした男性的な印象を与える
シルク:艶もあり光沢もある、なめらかさもあり上品でエレガントな印象を与える
コットン:パーティー向きではない、温かみやカジュアルさといった印象を与える
ポケットチーフは素材ごとに、以上のような特徴や与える印象を持ちます。よくシルク生地の方が格式高くられますが、実はリネンの方が良いとされます。それはなぜでしょうか?
答えは簡単で、リネンの方が硬くしっかりとした素材のため折り目を作りやすく、胸元を華やかに演出できるからです。
ジャケットが黒以外の場合は、他の色でもOK。カジュアルさを出しても良さそうな場面なら少し柄の入ったチーフでアクセントを出すのもありです。その際には素材は絹でもいいでしょう。
折り方にはいくつか種類があり、タキシードにおすすめの折り方は以下の通りです。
【タキシードにオススメなポケットチーフの折り方】
- トライアングラー
- ツーピークス
- スリーピークス
トライアングラーは、三角に折ったポケットチーフを胸元から覗かせる折り方。
ツーピークスは少しずらした三角を2つ覗かせる折り方。
スーピークスは少しずつずらした3つの三角を覗かせる折り方です。
一番フォーマル度が高いのはスリーピークスで、ツーピークス、トライアングラーと続きます。
簡略化が進みポケットチーフを差さない人もいますが、挿すだけで簡単にドレッシーな印象が高まるため、ぜひ取り入れたいアイテムの1つ。以下で3つの折り方をみていきましょう。
【トライアングラーの折り方】
トライアングラーは、トライアングルのような三角形の一角を覗かせる挿し方。正三角形でなく、少し二等辺三角形ぐらいの方がバランス良くみえ、センスがいいとされます。
- ポケットチーフを四つに折りたたみます。
- 折りたたんだものを少しずらしてひし形の状態に置き、ポケットの幅に合わせて両端を折りたたみます。
- ポケットの深さに合わせて下側を1/3ほど折りたたみます。
- 裏返してポケットに挿し、バランスを整えたら完成。
角度をつけてみたり微調整を行ったりして、自分なりの挿し方のポイントをみつけると、着こなしがグッと華やかになりますよ。
【ツーピークスの折り方】
ツーピークスは、ツインピークとも呼ばれます。三角形を連ねて2つの山を作る方法です。セミフォーマルの装いに似合います。トライアングラーよりもフォーマル度が高いですが、スリーピークスよりはカジュアルな印象に。
- ポケットチーフを広げて、対角線上の角を合わせて2つに折り三角形を作ります。
- もう1度三角形に折りたたみ四つ折りに、合わせる角を少しずらし山が2つできるような状態にします。
- 2つできた三角形の反対側の角を、ポケットの幅に合わせて折りたたみます。
- 2つの山がポケットから2~3.5㎝程度覗くように挿します。長いようであれば底側も折りたたみ調整しながら形を整えて完成。
トライアングルアーとスリーピークスのちょうど中間に位置する、フォーマルさを持つ折り方です。割と簡単な方なのでぜひチャレンジしてみてください。
【スリーピークスの折り方】
スリーピークスは、角を連ねて3つの山を作る挿し方です。最もフォーマル向きとされ、エレガントさも出しつつ貫禄も印象付けます。
- ポケットチーフを広げ、対角線上の角を合わせ三角形に折ります。
- さらに半分に折りたたみ、三角形の四つ折り状態に。
- もう一度折りたたみ八つ折りに。すると、頂点の角に三角の角が3つ出来上がっているので、間隔が均等になるようにずらします。
- ポケットの深さに合わせて底側を折り曲げます。ポケットチーフの先端が2~3.5㎝程度のぞく高さがベスト。
- 余分な横幅を折りたたんで調整し、裏返してポケットにさせれば完成。綺麗に三角が3つ連なっているようにバランスを整えて挿しましょう。
スリーピークスは最も華やかさが出るポケットチーフの折り方です。数回練習すれば問題なくできるようになりますので、本番前に練習しておきましょう。
【ポケットチーフの他にもハンカチが必要?】
結論から言うと、ポケットチーフとハンカチは別物です。そのため、ポケットチーフ以外のハンカチが必要です。ポケットチーフは胸元を飾る装飾専用のもの、通常の汗や涙を拭うハンカチとは違うものだと考えましょう。
ポケットチーフ以外のハンカチとして、タキシード着用場面が結婚式の場合は、「ブライダルハンカチ」というものもあります。結婚式のみで使用されるハンカチで、複数枚用意することが推奨されます。
これには結婚式には感動がつきもので涙が多く流れる場面があること、緊張で普段より多めに汗をかくことが理由にあげられます。
色は白で、シルクやコットン素材のものを用意。タオルハンカチはNGです。色や素材にさえ気をつけておけば価格帯は問われません。一生に一度の想い出として、新郎新婦お揃いで準備をするのがおすすめです。
ところで、昔から紳士はハンカチを2枚持っておくべきだといわれます。
これには1枚は自分用、もう1枚は女性や困っている人など、自分以外の誰かにハンカチが必要になった際に、いつでも差し出せるように予め準備しておく、と言う紳士的心得からそういわれているようです。
思わぬ出会いのきっかけにもなるかもしれません、ハンカチは2枚持っておくといいですね。
【タキシードのマナー③】蝶タイ&カマーバンド
タキシードの蝶タイとは蝶ネクタイのこと、カマーバンドとはタキシードを着用する際に腹部に巻く、帯のようなもののことを指します。聞き慣れない人も多いと思いますので、1つ1つマナーを解説していきます。
【蝶タイ】
蝶タイこと蝶ネクタイは、タキシード及び燕尾服に合わせるネクタイです。別名ボウタイとも呼ばれます。黒の蝶結びのものを合わせるのが、最上級のスタイル。
色柄ものの蝶ネクタイはカジュアル感が出てしまうため、披露宴のお色直しの後や2次会、カジュアルなレストランウエディングなどに向いているでしょう。
蝶ネクタイの種類は4つ、蝶ネクタイの定番バタフライ、もしくはそれを小さくしたセミバタフライが一般的です。その他のストレートエンドやポインテッドなどは、カジュアル感が出るアイテムなので格式の高い場面では着用を控えます。
生地選びには拝絹と揃えた生地を仕様したものを選ぶのがマスト。元からリボンの形ができているクリップ式のものも手軽で便利ですが、味のあるエレガントさやボリュームといったこなれ感は、手結びの方がはるかに上回ります。迷った際にはぜひ手結びにチャレンジしてみてくださいね。
【蝶タイの結び方】
- 襟を立てて蝶ネクタイを首にかけます。表裏がある場合は裏面が表になるように。リボンを作る方を短く、そうでない方を長めにします。ここでは自分から見て表にしたいほうを右側に、そうでない方を左側として解説していきます。
- 左側の長めに取った方を、右の上に来るように重ね下から上に通し一重に結びます。
- .右側をリボンの形になる場所に折ります。ここで柄や表にしたかった部分がきちんとリボンの表面に来ているか確認しましょう。
- 左側をリボンの形の中央に持ってきて、リボンの上の部分に少しの余白を残しつつ巻きつけます。
- 巻きつけた先を余白を残した部分の、左から右に通し形を整えたら完成。
蝶タイの結び方は慣れてしまえば難しいものではありません。しかし、文字でみると理解がしづらく、難しいもののように感じてしまうかもしれません。繰り返しになりますが、蝶ネクタイは手結びが非常に魅力的です。余裕があれば、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
また、タキシードにビジネススーツでも定番である一般的なネクタイで、プレーンノットで結び合わせる人もいます。蝶ネクタイの方が格式高いですが、ネクタイでも問題はありません。色は白やグレーを選び、タキシードとの相性や会場、周囲の雰囲気に合わせた着こなしをしましょう。
【カマーバンド】
タキシードスーツには、カマーバンドもしくはベスト着用がマナー。カマーバンドとは、タキシードを着る際にベストの代わりとして腹部に向く、帯のようなもののことです。ハリウッド俳優や映画などで、見たことあるという人もいるのではないでしょうか。
しかし、なんとなくは想像がつくけど、実際には見たことがないという人がほとんどだと思います。よくカマーバンドの方が格式の高い着こなしだと勘違いされますが、実はベストの方が格式高い着こなしになります。
カマーバンドを着用する際には、上下逆につけないように注意します。上からヒダに指が入る向きが正解です。なぜヒダを上に向けるのか、これは見た目的な問題もありますが、カマーバンドがかつてはポケットの代わりのような役割をしていたという点にあります。昔はコインやオペラのチケットなどをここにしまっていたのだとか。そのためヒダを上に向けるのが正しい着用方法なのです。
【カマーバンドの付け方】
- カマーバンドのひだを上向きにして腰に当てる。
- 大体おへそのある位置に、パンツの上からカマーバンドを巻きつけていく。
- 背面にある留め具で留めて、位置を調整して完成。
カマーバンドの付け方は以上です。
カマーバンドを着用する際のマナーとして、「サスペンダーと一緒に着用すること」、「カマーバンドをする際はジャケットを脱がないこと」があげられます。
ベストはジャケットを脱いでも良いのになぜカマーバンドは脱いではいけないのでしょうか。これには、シャツは本来肌着としての役割であるという考え、ベストはジャケットの代わりにもなり得るという考えがあるためです。カマーバンドはベストが簡略化されたアイテム。そのためカマーバンド単体では、残念なことにジャケットの代わりにはなり得ないのです。
ジャケットが脱げないという点が致命的であり、近年ではベストを着用する形の方が多くみられます。では、バンドではなくベストを着用する場合のマナーもみていきましょう。
【タキシード × ベストのマナー】
- ベストの1番下のボタンは留めない
- VゾーンまたはUゾーンの深いものを着用する
- ジャストサイズを選ぶこと
- 基本は黒、その他の場合はジャケットと揃いの生地のベスト
タキシードにベストを合わせる際には、アンボタンマナーが適用されます。
アンボタンマナーとはジャケットもしくは、ベストの1番下のボタンを留めないというマナーのこと。通常はジャケットの下のボタンを留めないというのがマナーになりますが、タキシードはほとんどのものが1つボタンです。
そのため、ジャケットにはアンボタンマナーが適用されません。
しかし、アンボタンマナーにはもう1つのルールがあります。それは、ベストを着用する際にはジャケットのボタンは留めなくて良いこと、代わりにベストにアンボタンマナーを適用させ、1番下のボタンを留めないことです。
タキシード×ベストにはこれが適用されます。このマナーはかなり重要なのでしっかり頭に叩き込んでおきましょう。
次に、タキシードのベストを選ぶ時は、なるべくVゾーンもしくはUゾーンが深いものを着用します。これは、シャツの面積を増やして白と黒のコントラストを強調し、華やかなタキシードスタイルを演出するためです。
タキシードは、シャツ以外は黒で着こなすのが正式。そのため全体的に暗い印象になりがちに。それを回避するために、シャツも白を多く取りフリルやプリーツの付いたものを着用し、エレガントな装いに仕上げるのです。このことから、ベストは胸元が開いたタイプがおすすめとなります。
黒以外のタキシードのファンシータキシードスーツを着用する場合には、ベストやカマーバンドもジャケットと揃いの生地で用意するのが良いでしょう。まとまりのある着こなしになりますよ。
そして、痩せ型の人はカマーバンドよりベストの方がおすすめ。なぜなら、ベストの方がボリュームを持たせることができるからです。
スーツの着こなし全体に言えることですが、ベストでもサイズ感が非常に重要です。ふくよかな人でもジャストフィットが基本です。大きめのものを選んでしまうと、反対により体型が際立つようになってしまいます。そのため、適切なサイズ感は非常に重要となります。
【タキシードのマナー④】くるみボタン
タキシードのボタンは、くるみボタンが正式です。タキシードのボタンはジャケットを留めてシャツを隠す意味合いの他に、アクセサリーとしての役割もあります。
くるみボタンは2つのパターンがあります。
- ジャケットと同じ生地で仕立てる
- 襟と同じ光沢のある生地で仕立てる
この2パターン。どちらが正しいというわけではないので好きな方で構いません。
基本的にはくるみボタンですが、リゾートウエディングやレストランウエディングなど少しカジュアルなテイストである時は別のボタンでもOK。着用シーンや会場の雰囲気に合わせて選びます。
【ジャケットボタンの留め外し】
ジャケットのボタンには大切なマナーがあります。基本的なタキシードは1つボタン、アンボタンマナーは必要ないのですが、その他に立っている時と座っている時でジャケットのボタンの開け閉めをするというものがあります。
基本的なタキシード着用時のボタンマナーは以下の通り。
【タキシード着用時のジャケットのボタンマナー】
- 立っている時はボタンを留める
- 座っている時はボタンを外す
たったこれだけです。これは国際的にどこでも通用するジャケットのマナーで、スーツを長持ちさせる観点や、座った時にジャケット生地が張ってしまい窮屈そうに見えるとスマートでない、という紳士的考えからです。立っている時はボタンを留めて、座っている時はボタンを外す、単純ですが大切なマナーとなります。
注意点として、これは結婚式やビジネスのシーンのみ適用されるマナーとなります。そのため、葬儀や法事の席では反対にマナー違反となりますので気をつけましょう。
【タキシードのマナー⑤】カフス
カフスは正式名称を「カフリンクス」といいます。直訳すると「袖を繋ぐ役割のあるもの」という意味。
カフスは、シングルカフスが一般的でダブルカフスでもよいというのが元の考えでしたが、近年はダブルカフスが優勢です。ダブルカフスは袖口を折り返して2重にしたもの、シングルはその折り返しが無いものです。
では、なぜ形勢逆転したのでしょうか?
これには、昔のシャツに比べ今のシャツが大きく進化したことが理由としてあげられます。昔は服の汚れを防ぐために、シングルカフスでも糊付けが頑丈にされていたため、現在より硬く仕上げられていました。
しかし、硬く糊付けされたシャツは着にくいものです。そのため洗濯の技術の進化や、身近にクリーニング店が増えたという時代の変化と共に最近では、糊付けが減少。
しかしながら今度は、フォーマルな場での袖口はしっかりしていないと心もとない、シングルでは柔らかすぎる!となりダブルカフスが優勢になったという訳です。どちらが格式が高い、といったルールやマナーはありません。
話は変わり、カフス(袖)ボタンには袖を留めて汚さない意味合い以外にも、袖口を装飾するとしての役割があります。カフスボタンにはいくつか種類があり、タキシードではある程度つける種類が制限されます。それでは、次にカフスボタンの種類について、みていきましょう。
【カフスボタンの種類】
カフスボタンには黒蝶貝やオニキス、スタッズなどがあります。
さまざまな種類がありますがタキシードの場合は、黒のオニキスが一般的です。白蝶貝やシルバーのカフスは昼の礼装に合わせるもので、基本的にタキシードと合わせることはありません。
黒のオニキスには成功や向上などのポジティブな意味合いがあります。別名、瑪瑙(めのう)や黒曜石とも呼ばれます。
カフスボタンは、袖口だけでなくシャツにも付けるのが正式なマナーです。胸元のベストやカマーバンドで隠すことができないボタンに付けます。このマナーにはシャツは肌着という考えが、根本にあるからです。
肌着のボタンを見せるなど、紳士としてありえないということから、他人から見えるボタンに黒のオニキス、もしくはスタッズボタンを付けることが着こなしとしても推奨されています。
【タキシードのマナー⑥】パンツ
タキシードのパンツ(トラウザーズ)は側章が両サイドに付いた、折り返しなしのストレートで、サイズがきちんと合ったものを着用します。ジャケットと同生地であるのが正式で最も格式が高い着こなしです。
裾はシングルで、モーニングカット仕立て。モーニングカットとは裾を後ろ下がりに仕立てた仕様です。
主なものは以下の通りです。
【トラウザーズ着用時のマナー】
- ウエストは腰骨に合わせて履く
- サスペンダーは正式だがベルトでも問題なし
- センターラインをしっかりと付ける
- サイズの合ったものを着用する
- 靴下や足元にまで気を配る
昔からトラウザーズは、サスペンダーを使用して履くのがマナーとされてきました。しかし近年では、ベルトで代用する人も多く、マナー的には問題ないとされるように。けれども本来は、サスペンダーを使用するのが正しい着こなしだという所は覚えておきましょう。
サスペンダーではなくベルトを使用する際には、靴の色と合わせたものを選ぶのもマナーです。靴が黒ならベルトも黒に、これはビジネススーツにも適応されるスーツの着こなしマナーの1つです。
センターラインもしっかりとつけておきましょう。足元をスタイリッシュに長く見せてくれるセンターラインは、トラウザーズをよりエレガントに仕上げてくれます。
そして、パンツやジャケットはサイズ感が非常に重要です。ウエストに手の甲が入るぐらいがベストとされます。大きすぎても緩すぎても、シワや生地の張りでだらしない印象を与えてしまうためです。シワが入ってしまったり、パツパツすぎたりするパンツは非常に不格好に写ります。サイズ選びはきちんと行いましょう。
また、タキシードはレンタルされる人がほとんどだと思います。サイズ選びが重要だと言いましたが、ネットレンタルでは失敗してしまう可能性も否めません。
可能であれば、試着ができるレンタルがおすすめです。もしくはスーツ店で仕立ててしまうという方法も。
オーダースーツSADAでは、税込94,380円からタキシードのお仕立てが可能です。
最後に、合わせる靴下は黒のシンプルなものでスネを見せないのがマナーです。
色柄の派手は控え、膝下まであるロングタイプの靴下がおすすめです。繰り返しにはなりますが、スーツスタイルでは肌を見せない事がマナーです。せっかくの格式高いタキシードスタイルで、いらぬ恥をかかないようマナーはきっちりと守った着こなしをしましょう。
タキシードを着こなそう!自分に合うスタイルは?
タキシードには、「ベーシックスタイル」と「イタリアンスタイル」の2種類のスタイルがあります。タキシード特有の襟や長めの着丈は異なりますが、一般的なスーツスタイルのブリティッシュスタイルとイタリアンスタイルの特徴とよく似ています。
タキシードを格好良く着こなしたいのは山々ですが「自分に似合うのはどっちだろう?」と迷ってしまいますよね。
ここからは、タキシードの【ベーシックスタイル】と【イタリアンスタイル】の特徴やおすすめする人を解説していきます。
【タキシードのスタイル①】ベーシックスタイル
タキシードのベーシックスタイルは、一般的なブリティッシュスタイルのベントを無くし、襟や着丈を変えてタキシード版に仕上げたようなイメージ。ブリティッシュスタイルとは英国の紳士が好んで着用するスーツスタイルのこと。特徴は以下の通りです。
【ベーシックスタイルの特徴】
- しっかりした肩パッドが入っている
- 男らしいシルエットや重圧感がある
- 伝統を重んじるスタイルである
ブリティッシュスタイルに似ているベーシックスタイルは、英国風のカッチリとした重厚感のある着こなしになります。
このスタイルは細身で華やかなイタリアンスタイルと比べて、身体のラインを出さずにゆとりを持って着用できるため、年齢や体型を問わず愛されているデザインです。
ベーシックスタイルがおすすめな人は以下の通りです。
【ベーシックスタイルがおすすめな人】
- 威厳や風格といった雰囲気をまといたい人
- 年齢が40代以上の人
- 体格を良く見せたい人
ベーシックスタイルは全体的にゆとりのあるデザイン。パンツはワンタックもしくはツータックのタック入りで、動きやすさやゆとりを持たせたパンツです。ヒップ周りが気になるといった人にもおすすめで、体型や年齢を問わず着られます。
ジャケットは、肩パッドがしっかり入っており重厚感も出るため、なで肩の人や体格を良く見せたい人にもいいでしょう。肩パッドで立体的な構造が作れるため、小柄な人にもおすすめです。
【タキシードのスタイル②】イタリアンスタイル
タキシードのイタリアンスタイルの特徴は、やわらかい曲線で腰のラインが分かるような細身のデザインが特徴です。
【イタリアンスタイルの特徴】
- 着心地が良くエレガントでスタイリッシュな見た目
- ナチュラルショルダーを採用
- V ゾーンを深く取った仕様
タキシードのイタリアンスタイルは、一般的なイタリアンスタイルを襟や着丈をタキシード仕様に変え、ベントを無くしたイメージです。肩パッドはナチュラルショルダーで、パンツはノータックで縦の線が強調されスタイリッシュさが増します。
【イタリアンスタイルがおすすめな人】
- スマートでエレガントな英国スタイルを楽しみたい人
- 20代、30代の若い世代
- 細身で背が高めの人
やわらかなラインでエレガントな気品が漂うイタリアンスタイルは、若い世代の人に特におすすめするスタイルです。
また、イタリアンスタイルは中世的かつ華やかさも表現できるため、結婚式にもピッタリ。イタリアンスタイルならではの、シルエットの美しさを活かすために生地も柔らかさのあるものを選びます。
華やかな色も良く映えるため、襟の色を違う色に変えるなどの遊び心を取り入れてもいいでしょう。
タキシードを着こなそう!襟の種類で回りと差別化を!
タキシードの襟には【丸みのある形のショールカラー】と【シュッと先のとがったピークドラペル】の2種類があります。
この特徴的な襟は、拝絹(はいけん)と呼ばれ光沢感のある別の布で仕立てられます。
どちらも格式の差は無い基本のスタイルとされているため、好みで選んでOK。与えたい印象や体型に合わせて選ぶのがおすすめです。
タイトル通り襟の種類で周りに差をつけたいなら、特徴や違い、与える印象などの違いを抑えるのがGOOD。以下でショールカラーとピークドラペルについて、特徴や違い、襟ごとにおすすめの人も合わせて詳しく解説していきます。
【襟の種類①】ショールカラー
ショールカラーとは丸みのある襟のことで、へちま状に丸みを帯びたラインが特徴。主にタキシードやスモーキングジャケットに用いられる襟のデザインです。
【ショールカラーの特徴】
- ヘチマのような丸みを帯びた形
- 優しさや温かみのある印象
遠目にみるとショール(肩に掛ける布)を羽織っているように見えることから、名前の通りショールカラーと呼ばれるように。
別名としてへちまの様な形の襟であることから、へちま襟やへちまカラーと称されることもあります。豆知識ですが、タキシードが生まれた当初は、ショールカラーがデフォルトのデザインだったそうですよ。
次にショールカラーがおすすめの人は以下のような人です。
【ショールカラーがおすすめの人】
- 小顔効果や着やせ効果を狙いたい人
- エレガントなイメージを与えたい人
ショールカラーは、襟幅を狭めにすると丸みのあるデザインで全体をスッキリとまとめて、キュっと締まった体型に見せることができます。縦のラインを強調して、着やせ効果を狙えるということです。
さらに、顔周りのボリュームを小さく見せたい人にもおすすめ。中央にかけてラインが広がるデザインのため、胸元に視線を集めることができ顔周りをスッキリと見せれるからです。
ショールカラーのタキシードは、アメリカ式のセミフォーマルウェアの解釈を少し崩したもの。丸みのある襟で、少しのリラックス感を持つエレガントなイメージに仕上げてくれます。それもそのはずタキシードの起源は、リラックスウェアが元となっています。その起源故に、丸みのある襟のショールカラーは、少しインフォーマルな印象を与えてしまう可能性もあります。
【襟の種類②】ピークドラペル
上部にボリュームを持たせ、下にかけてシュッと抜けていくようなスマートなデザイン、襟の先がとがっているものをピークドラペルといいます。
威厳を持たせ、男性的な魅力を高めます。全体に丸みを帯びているのがショールカラー、全体的に角ばっているのがピークドラペルと覚えればOK。
【ピークドラペルの特徴】
- 襟の先が尖っていて角ばっているデザイン
- 威厳や風格のある印象
その見た目から、日本語では剣襟とも呼ばれます。丸みのあるショールカラーとは反対に、角ばったデザインで威厳や風格といった表情も出すことができます。
ピークドラペルがおすすめなのは以下のような人。
【ピークドラペルがおすすめの人】
- 小柄や細身の人
- イギリス式のスタイルでタキシードを着こなしたい人
- カッチリとした正統派な着こなしをしたい人
ピークドラペルは、上部にボリュームがあり下部に向けて細くなっていくデザイン。顔や首元にボリュームを集めて肩回りも協調されるため、一回りカッチリとした体型に見せられます。そのため、小柄な人や細身の人におすすめです。体型にボリュームを持たせたい時はさらに、襟の幅を広く取るとよりたくましく見えますよ。
襟幅は一概に何センチと指定することは個人差もあり難しいので、顔や体型などのバランスを見て襟幅を決めるのが良いでしょう。
ピークドラペルは、イギリス流のセミフォーマルウェアを拝借したもの。
ショールカラーに比べて洗練されたシャープな仕上がりになります。丸みを帯びているショールカラーはリラックス感のあるイメージを与えるのに対し、ピークドラペルはクラシカルなイメージを与えます。
襟の幅が与える印象の差
襟の種類を決めたら幅の調整もしっかりと行いましょう。この襟幅の調整でも与える印象が変わりますよ。そのため、目的にあった襟幅を選ぶことができると、さらにこなれた着こなしができるようになります。以下詳しくみていきましょう。
【襟幅による着こなしの見え方の差】
- 襟の幅を広く取ると、カッチリとした正統派な着こなしに。
- 反対に狭い襟幅を選べば、モダンでエレガントな雰囲気に。
ビジネススーツなら、襟の幅に合わせてネクタイを選びますが、蝶ネクタイの場合はボリューム感で調節すると良いでしょう。
幅が広めの襟ならボリューム感のある蝶ネクタイ。結び方はバタフライもしくはセミバタフライで。狭めの襟なら、小ぶりなセミバタフライの蝶ネクタイを選ぶとまとまりがよくなります。
タキシードに合うシチュエーション
タキシードに合うシチュエーションは、次の通りです。
- 結婚式の新郎
- パーティーや式典
- ディナー
- 海外旅行
上記した4つのタキシードに合うシチュエーションをみていきましょう。
結婚式の新郎
結婚式での新郎は、スーツを着用するものと考えている人もいますが、実際はタキシードを着用するのが基本です。スーツよりもタキシードのほうが華やかさを演出できるため、輝かしい結婚式の新郎にピッタリな装いです。
タキシードはスーツほどコーディネートの幅が広くないため、組み合わせに迷う人もいるでしょう。しかし近年では、スーツほどではありませんが、色やデザインも増えてきました。そのため、新婦のコーディネートに合わせて組み合わせてもいいでしょう。
新郎が略礼装であるブラックスーツでは、格が下がるために来賓の礼装とのバランスが悪くなりますので、控えます。参列者として出席する場合には、タキシードか黒系のスーツが基本です。参列者は、主催者側と同格以上の装いは失礼にあたるため、注意しましょう。
パーティーや式典
パーティーや卒業式などの式典では、主催者側はモーニングを着用することが多いでしょう。しかし、参加者の立場で出席する際には、タキシードが無難です。 また、卒業式などに保護者としての出席であれば、ブラックスーツでも問題ありません。
晩餐会などのパーティーでは、タキシードが基本です。ご自身の立場でコーディネートを変えたり、会場の雰囲気で服装の組み合わせを変えたりして、その場の雰囲気に馴染む装いをしましょう。
ディナー
「いつもより少し贅沢な良いお店を予約して、コーディネートにこだわってディナーに行こう」という時にもタキシードを着用できます。タキシードはフォーマルさがあるものの、華やかな雰囲気も演出するため、良いお店との雰囲気にピッタリです。
夜景の見えるレストランでの食事や、外で食事を楽しめるようなお店でも、タキシードを着用して食事をしているだけで、見栄えが良くみえます。ディナーに行く際には、気合を入れてタキシードで行ってみてはいかがでしょうか。 私服でディナーに行くのも良いですが、タキシードならではの装いが、独特な雰囲気を作り出すでしょう。
海外旅行
海外旅行でもタキシードは着ていけます。むしろ、国内よりも海外のほうがタキシードを着用する頻度は多いでしょう。 アメリカやイギリスなど、海外ではドレスコードが設定されている場所もあります。たとえば、オペラ鑑賞やカジノなどが一例としてあげられます。
こういった場面では、タキシードを着用している人の方が多いのです。また、着用する頻度が多いだけでなく、タキシードでコーディネートし身なりに気を遣っている人は、海外で得をする可能性があります。
たとえば、海外にはその人の服装によって出入りが制限されるお店もあります。いわゆる格式の高いお店などですね。そのようなお店でも、タキシードであれば入れる可能性が高くなります。海外でのタキシードは、着用シーンが多いだけでなくお得になる可能性もあるのです。持って行って損することはないでしょう。余裕があれば海外旅行の際はタキシードを持っていくと、役に立つかもしれません。
礼服としてスーツを着るのはあり?
冠婚葬祭ではマナーや地域の習慣に従うことを求められるケースがあります。結婚式などであれば、前もって知らせが来るため、衣装を用意できる時間は十分にあります。
しかしお葬式は、予定があらかじめわかっているものではなく急に決まるケースが多いですよね。そのため、礼服を所有していない人は礼服を購入しにいく時間を取れない可能性もあります。
そのような場合には、礼服としてスーツを着用するのはありなのでしょうか。
結論、次の条件を満たせば、礼服としてスーツを着用するのはありです。
- 光沢のあるスーツを着ない
- 綺麗な状態のスーツを着用する
- 全身のコーディネートを合わせる
上記の条件を満たしているなら、礼服としてスーツを着用できます。ビジネスマンであればダーク系のビジネススーツなどがそれに当たるはずです。しかし「礼服を所有していない」など、特別な理由がない限り、お葬式には礼服で出席するのが基本。万が一に備えて、礼服としてスーツを着用できる条件をおさえておきましょう。
光沢のあるスーツを着ない
葬儀では光沢のあるスーツを着るのはNGです。仕事で使われるスーツは、若干光沢感のあるものが多いため、礼服の代わりにビジネススーツを着用するのは避けます。 お通夜や葬儀などのかしこまった場面では、礼服を所有していない人はブラックスーツを着用していきましょう。
当たり前ですが、いくら正装だからといってタキシードを葬儀に着用するのは絶対にいけません。タキシードは、結婚式やフォーマルなパーティーなどの祝い事の席で着用する準礼装です。そのため、葬儀などの場で着用することはNGとなります。
綺麗な保存状態のスーツを使用する
礼服は綺麗な状態で着用するのが基本です。よれていたりシワがついていたりする服をお葬式で着用するのは、当然失礼だからです。 ブラックスーツを着用すれば良いだけではなく、綺麗な状態にしてから着用してください。
お葬式まで時間のある人は、ブラックスーツをクリーニングに出すのがおすすめです。クリーニング後は綺麗な状態のスーツを着用してお葬式に参加できるため、少なくとも失礼を与えることはないでしょう。早ければ次の日に仕上げてくれるクリーニング店もあるので、時間に余裕があるならクリーニングをお勧めします。
全身のコーディネートを合わせる
礼服を着用する際は、全身のコーディネートを合わせることが大切です。これは、礼服の代わりにブラックスーツを着用する人も同様です。 たとえば、自分の体型にあったサイズのスーツや、季節に合った生地のスーツなどを選びましょう。
シャツは白で、それ以外の小物は全て黒色のものを使います。 特に、お葬式では些細なポイントまで配慮した装いが大切ですから、コーディネートには細心の注意を払いましょう。
そうすることで、コーディネートのバランスが良くなり、印象アップにもつながるでしょう。お葬式では、故人を偲ぶ気持ちを忘れないように。
タキシードを着る際はベストにも注意が必要?
タキシードを着用する際は、ベストもしくはカマーバンド着用しなければいけません。
これにはシャツは肌着であるという考えがあるためです。タキシードスタイルの際に、シャツと考えられている肌着で人前に立つことは恥ずかしいこととされるのです。
ビジネススーツのようにシャツとジャケットだけではマナー違反となるため、注意が必要です。しかし、ベストは分かるけど「カマーバンドってなに?」という人が大半ではないでしょうか?
それもそのはずカマーバンドとは、タキシードを着用する際にお腹周りに巻く帯のようなもので、タキシードの着こなしで主流とされてきました。逆に言えばタキシードなどの礼装以外で、着用する機会はほぼないアイテムでしょう。カマーバンド、ブラックタイ、カフスは別名3種の神器とも呼ばれます。
タキシードではベストもしくはカマーバンドを着用するルールがあると前述しましたが、正確には以下のようなものが着られています。
- カマーバンド
- ベスト
- カマーバンド風のベスト
上記の3つが主流です。以下で1つ1つ注意点や着こなし方などをあげていきます。
はじめに言っておきますが、カマーバンドとベストに優劣はないため、どれを選んでも構いません。ご自身の着用シーンに応じて最適なものを選ぶと良いでしょう。
カマーバンド
カマーバンドはベストが簡略化されたものです。ブラックタイ、カフス、カマーバンドはタキシードを着る際の3種の神器とされ、色は黒が正式。
起源はトルコの服装、腹部の飾り帯サッシュと呼ばれるもの。
カマーバンドはヒダを上に向けるように着用します。これには理由があり、カマーバンドのヒダは元々ポケットのような役割を果たしていたところから来ているようです。
注意点として、カマーバンド着用の場合はジャケットを脱げません。また、ジャケットのボタンも留めておくのが基本です。冒頭でも書きましたが本来シャツは、肌着という考え方があるためです。
シャツは下着であると見なされるため、ジャケットを脱いでシャツだけになるのは不格好と捉えられるというわけです。格式の高いシーンでは特に注意したいですね。その点でいうと、ベストやカマーバンド風のベストなら気にせずジャケットを脱げますし、何よりジャケットを脱いだ写真の撮影などにも対応できます。どれを選ぶかは着用シーンに合わせましょう。
カマーバンド風ベスト
カマーバンド風ベストとは、カマーバンドとベストの良いとこどりをしたアイテムです。こちらは名前にカマーバンド風と付きますがベストと認識されるため、ジャケットの着脱が可能になります。
大きく胸元が開いた特徴のあるデザインですが、蝶ネクタイをするように設計されたデザインなので黒と白のコントラストが映えて非常にエレガントな着こなしに。普通のネクタイとの相性はあまり良くありません。
カマーバンドだとジャケットが脱げませんし、普通のベストでは胸元がしまっているため、蝶ネクタイとの相性が微妙になってしまうというデメリットを取り払ったアイテムになります。どちらのデメリットも改善し良いとこ取りをしたのがカマーバンド風のベスト。タキシードを着用する際に多く選ばれています。
ベスト
皆さんご存知であろう、ビジネスシーンでもよく用いられる普通のベストです。カマーバンド風ベストに比べて胸元の開きが狭いため、カッチリとした堅実な印象になります。
角ばったデザインの特徴から、ショールカラーよりピークドラペルのジャケットと相性が良いとされます。まとまりの良いエレガントな着こなしができます。カマーバンド風のベストは蝶ネクタイとの相性がいいと前述しましたが、普通のネクタイを着用する場合はこちらのベストを選ぶと相性の良い着こなしができます。
カマーバンド風のベストがエレガントなのに対し、普通のベストは胸元の開きが少ないため、引き締まったコーディネートに。カマーバンド風ベストは普段使いには向きませんが、こちらのベストなら普段使いも可能です。今後の使用用途も考えて選んでもいいかもしれませんね。
タキシードの「トラウザーズ」ってなに?
タキシードのトラウザーズとは、イギリス圏内で使われるイギリス英語で、「パンツ」という意味。日本でスーツのズボンのことをスラックスと呼ぶような意味合いで、イギリスではトラウザーズと呼ばれます。
ジーパンやチノパンなど、パンツの中でも色々種類がありますが、その中でもスラックスが1番トラウザーズの意味合いに近く、簡潔に言うとドレッシーでフォーマルなパンツを指します。
基本的な考えとしては、スラックスと変わらないと思っていいでしょう。
トラウザーと呼ばれることもありますが、トラウザーズとの違いは単に複数形か単数形かの違いです。
・トラウザーズは、複数形で長ズボンを指す
・トラウザーは、単数形で半ズボンを指す
しかし、上記の条件は使う人により実にさまざまであり、トラウザーで長ズボンを指す人もいれば、半ズボンでもトラウザーズと呼ぶ人もいます。なので、トラウザーズまたはトラウザーでもフォーマルのパンツなのだなというイメージで大丈夫。
さてタキシードのトラウザーズは、ジャケットとセットの素材で、側面に側章というシルク地のラインが入っているものが正式とされます。
ベルトをせずにサスペンダーを使用して履くのが正しい着こなし。しかし、近年ではサスペンダーではなくベルトでも構わないといった傾向にあります。サスペンダーの着用ルールは、日本ではあまり重要視されないようです。
また、トラウザーズはイギリス圏内で使われる言葉なので、その他の地域では通じない可能性も。海外に行くような機会がある人は覚えておいた方がいいかもしれません。日本では普通にパンツで問題ありませんので安心してください。
元々はフォーマル衣装にふさわしいパンツだけをトラウザーズと呼んでいましたが、近年ではカジュアルなシーンにも着用できるようなフォルムのものもみられます。
トラウザーズとスラックスとの間に明確な違いはなく、呼び方の違いだと認識しておいてもいいでしょう。カラーバリエーションも豊富で、生地もウールやリネン、ポリエステル、コットン、フランネルなどさまざまなものがあります。
基本的にはフォーマルな仕様ですが、前述したようにカジュアルなフォルムのものも増えているため、他のアイテムと組み合わせて普段使いもできそうですね。タキシードの着用機会がありレンタルで良いかと考えている人は、フォーマルにも普段使いにも対応できるようなトラウザーズを仕立てて、色々なシーンで着用してみるのも楽しいですよ。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
ここまでお読みいただいた人の中には「オーダースーツSADA」が一体どんなところなのか?と気になっている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここからは少し、オーダースーツSADAについてお話をしていきます。
2023年に創業100年目を迎えるオーダースーツ専門店
オーダースーツSADAとは2023年に、創業100年目を迎えるオーダースーツの専門店です。
お客様へオーダースーツを提供するにあたりさまざまなことを心がけていますが、特にオーダースーツSADAが大切にしていることがあります。それはいったい何でしょうか?以下よりご紹介していきます。
オーダースーツSADAが大切にしている3つのこと
オーダースーツSADAではすべてのお客様に、満足してお帰りいただくために以下の3つことを大切にしています。
オーダースーツSADAの3つの心がけ
- ジャストフィットを叶える丁寧な採寸
- 新社会人でも手の届くリーズナブルな価格設定
- 上質な着心地と選べる楽しさの提供
まず1つ目は、丁寧な採寸です。スーツは身体に適度にフィットしている状態が、一番美しく生地やデザインなどの本来の魅力を発揮できます。しかし体型は人それぞれ異なるのが当たり前。だからオーダースーツSADAでは、丁寧な採寸に時間をかけて行なっています。
例えば身長や体重が同じでも、各部位のサイズは違って当然なのです。そのため、既製品で自分にジャストフィットするスーツを見つけるのは、極めて難しいといえるでしょう。
しかし、オーダースーツとなると既製品に比べて値段が跳ね上がり、若いビジネスマンには手を出しにくくなってしまう。オーダースーツSADAが目指すところは、どなたにもオーダースーツの良さを知ってほしい、という点です。そこで価格の問題を解消するために策を練り、オーダースーツSADAは高品質なのに低価格のスーツを実現しました。
その方法は、全工程の機械化です。本来ならば人の手が多くかかるところを全て機械化、少ない人数でもお客様の体に合ったオーダースーツを作成することに成功し、圧倒的なコストパフォーマンスの良さを叶えました。
そう、オーダースーツならではの着心地の良さ、なおかつオーダースーツならではのパーツの選べる楽しさを組み込み、良いとこどりをした最も素晴らしいオーダースーツを完成させたのです。
【大切にしている事①】丁寧な採寸
オーダースーツSADAは、ジャストフィットのスーツをお仕立てするスーツ専門店。大切な採寸は、もちろんベテランの専門スタイリストが丁寧に行います。
採寸を大切にするのには訳があります。オーダースーツSADAでは、一般的に手作業で行われている作業を全て機械化。生地の裁断やボタンの縫い付けまでを、採寸のデータを元に自動で行っています。
ほぼ全工程を機械で行うため、途中で修正をするのは不可能。そのため採寸段階でミスがあると、誰の身体にもジャストフィットしない、残念なスーツが出来上がってしまいます。オーダースーツSADAはお客様へ、最高のスーツをお届けするのが目的。採寸でミスしてしまうと本末転倒。だからこそ丁寧な採寸が欠かせないのです。
【大切にしている事②】価格設定
オーダースーツSADAでは初回お試し価格を設けており、シングル上下スーツを税込21,780円〜のお値段でお作りしています。ネーム代や生地代、加工代込みでこの価格。初回お試し時に同時購入していただく場合、何着でも同じ価格で提供。
スーツは4万円~6万円が相場とも言われますので、どれだけ特価で提供しているのかお分かりいただけるかと思います。それだけ自信があるのです。
オーダースーツSADAが良質なのに、低価格なスーツを提供できるのには理由があります。
良質なスーツを低価格で提供できる理由
- 自社工場直販
- 規模の大きさを活かしたコスト削減
- 人の手を減らし機械化
上記のようにスーツ作成の徹底的な合理化を行い、良質なのに低価格を実現しているのです。
本来であれば職人の手が必要不可欠なパターン起こしや生地の裁断、仕上げまでを全て機械化でコストを削減。
オーダースーツSADAは秦皇島と日本に工場を構え、年間約11万着のスーツを仕立てています。秦皇島に構えるスーツ工場は、海外オーダースーツ専門の工場の中でも世界最大規模を誇ります。その巨大な規模を活かしたコスト削減方法を多く実践し、低価格でのスーツ提供を実現。
さらに、販売まで自社グループ内で完結させそこでもコストを削減。なぜここまでコスト削減にこだわるのでしょうか。答えは、オーダースーツの良さを多くの人に知って欲しい想いから。
オーダースーツSADAの目標は「オーダースーツの上質な着心地と、楽しさを知ってもらう」ことです。スーツはビジネスマンの戦闘服とも言われます。毎日身に付けるものだからこそ、スーツの重要性を多くの人に伝え、日本のビジネス界を盛り上げていきたいのです。
【大切にしている事③】着心地と選べる楽しさ
繰り返しになりますが、オーダースーツSADAは注文を受けたスーツを自社工場で制作し、本来なら複数の企業や人が関わるポイントをほぼ機械化。受注から販売まで全て自社内で完結させています。
それにより、本来なら高額になってしまう高品質な着心地の商品を、価格を抑えて提供することができているのです。お客様に、オーダースーツならではの着心地や楽しさを組み込み、選べる生地やパーツにこだわりを詰め込んでもらえるように試行錯誤した結果です。
色や柄、ブランドはもちろん、100種類以上の生地素材から自分だけのオリジナルスーツがお仕立て可能。無料のオプションも豊富にありますが、実用性に優れた有料のオプションも多数ご用意。お客様に満足していただける、本当のオリジナルスーツを仕立てていただけます。
万が一ご満足いただけない場合は、着用後でも全額返金いたします。それだけ自信がある商品です。
※全額返金サービスにつきましては、ご利用条件があります。詳しくはホームページをご覧ください。
公式HP:https://www.ordersuit.info/
オーダースーツSADAのタキシードは税込94,380円
タキシードは、フォーマルな仕様になるため頻繁に着用する機会がないことでしょう。そのため、量販店での品揃えは多くはありません。残念なことに、着こなしが制限されてしまいます。
結婚式の会場などでレンタルという方法もありますが、タキシードのレンタルは約2~3万円と意外とかかります。便利なネットレンタルもありますが、手軽にネット上でレンタルが完結してしまうメリットの反対に、サイズ感を合わせるのが困難になることや、実際に見てみたら思っていたデザインと違うなどのトラブルにもなりかねません。
今後結婚式などの式典、パーティーへの参加が2回以上予測されるなら、自分用のタキシードを仕立ててみるのもおすすめです。オーダーメイドのタキシードなら、ご自身の体型に合わせてジャストフィットのスーツを仕立てあげられます。そのためサイズが合わない、思っていたデザインと違うなどの不満もおきません。確実に自分の満足のいくタキシードスーツが出来上がります。
本記事で解説してきたタキシードを、オーダースーツSADAでお仕立ていただいた場合「上下1着 税込94,380円」より提供できます。
タキシード1着の値段
上下一着 94,380円~
(内訳例:生地素材39,380円+55,000円=94,380円)
※スーツの価格は店舗や時期により異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
特別な日を華やかに飾るタキシードですが、通常のスーツとは異なり特別な裁縫が必要です。
そのため、納期は約2か月いただいています。ぜひ余裕を持ってお越しください。また、店舗により対応ができないところがあるため、ご利用予定の店舗がお決まりでしたら事前に確認をお願いします。
万が一ご利用予定の店舗で対応していない場合には、別の店舗のご案内をさせていただきます。
【まとめ】タキシードスーツのマナーと知識
スーツとタキシードでは、襟のデザインからネクタイの有無など、さまざまなポイントが異なります。そしてタキシードには、スーツにはない特徴もたくさん。パーティーだけでなく着用シーンの多い海外旅行に出かける時にも、タキシードを持っておくと何かと役に立つ場面もあることでしょう。
オーダースーツSADAは、タキシードだけでなくビジネススーツやカジュアルジャケット、レディーススーツの取り扱いもあります。 ワンランク上のスーツで周囲との差をつけたい人は、オーダースーツSADAまでお越しください。 低価格でありながら高品質のスーツをお仕立ていたします。既製品のスーツではご満足いただけない人でも、SADAのオーダースーツならきっとご満足いただけるでしょう。
また、お客様のご希望に沿ったスーツをオーダーするためにも、お悩みには親身になってご対応いたします。 スーツに関するお悩みがあれば、まずはオーダースーツSADAまでご相談ください。シーンや好みに合わせてスーツを着こなし、よりファッションを楽しめるご案内をいたします。
簡単な相談や、オーダーメイドのタキシードに興味がある人でも歓迎です。スタッフ一同、お客様のお越しをお待ちしております。
タキシード着用のマナーは実にさまざま。夜間の凖礼装タキシードの基本の着こなし方として、ジャケットの襟は「ピークドラペル」もしくは「ショールカラー」ベントは無し。シャツは「白のドレスシャツ」を袖はシングルもしくはダブルで着用します。ネクタイには拝絹と揃いの生地で仕立てた黒の蝶ネクタイ。ベストもしくはカマーバンドは必須。トラウザーズとも呼ばれるパンツは、両サイドに側章が入っているものをサスペンダーを使用して履くのが正式です。裾はシングルで後ろ下がりに仕立てられたモーニングカットを着用します。靴は、黒のオペラパンプスが王道です。迷ったらオペラパンプスを選べば間違いありませんよ。胸元のポケットチーフは、簡略化の影響で省いてしまう人も少なからずいます。しかし、胸元のポケットチーフはタキシードスーツの着こなしを、ワンランク上のエレガントに仕上げてくれる重要なポイントとなるので、ぜひ取り入れていきましょう。タキシードは着用の機会が少ないため、レンタルで考えられる人がほとんどです。しかし、ここはせっかくオシャレなタキシードを着る機会があるのだからと、オーダーメイドで好みのものを仕立てるのもオススメです。自分の体型や好みにピッタリなタキシードスーツを身に付けると、特別な日をより快適に満足度を上げて過ごせますよ。分からないことがあれば是非本記事を読み返してみてくださいね。