チョッキとベストの違いとは?スーツにおけるベストのNG例・着こなし方を解説
「チョッキ」とは何かご存知でしょうか?
スーツスタイルにおけるチョッキとは、ベストと同じく、ジャケットを羽織る前にシャツの上に着る衣服です。
「おしゃれな感じだから着てみたいけど、どうやって着こなしたらいいかわからない…」という人も多いのではないでしょうか。
また、チョッキとベストは何が違うのか、気になっている人もいるでしょう。
この記事では、チョッキとベストには違いはあるのかについて解説します。
スーツスタイルにおけるチョッキの着こなしについても紹介するので、一段上のおしゃれなスーツコーディネートの情報が欲しい人はぜひ参考にしてください。
そもそもチョッキってどういう意味?
チョッキとは、ジャケットの下・シャツの上に着るものです。 直接着るという意味から「直帰」が語源と言われています。 つまり由来は外国からのものではなくカタカナ、日本語だったのですね。 元々はヨーロッパで「ベスト」と呼ばれていた衣服を、日本独自の呼び名にしたのが「チョッキ」です。 インナーのシャツとアウターのジャケットの間に着ることから「中衣」と呼称されます。 チョッキとは、ベストを日本の言葉にしたものなのです。ベストってどういう意味?
ベストには様々な意味がありますが、スーツスタイルでのベストは、ジャケット・パンツと同じ生地で揃えたスリーピースの一つがそう呼ばれます。 一昔前のスーツスタイルは、ジャケット・ベスト・シャツが揃ったスリーピースが主流でした。 現在では簡略化され、ジャケットとシャツを着用するスタイルが主流となっています。 ベストを間に着用したスリーピースは、現在はクラシックな印象を与えるスーツスタイルの選択肢の一つです。 ベストは国によって意味合いが異なり、例としてイギリスでは袖なしの肌着(タンクトップ)を意味するので注意が必要です。 イギリスではジャケットとシャツの間に着る衣服は「ウェストコート」と呼び、差別化されています。 国によって意味合いが変わるベストですが、日本ではチョッキと同じくスーツとシャツの間に着るものです。チョッキとベストの違い
チョッキとベストの違いは、日本ではとくにありません。 呼び方が異なるだけで、意味は同じです。 他にも「ジレ」という用語がありますが、こちらもチョッキやベストと同じ意味合いとなります。 ささやかな違いとしては、チョッキは年配の人が使うイメージがあるので、ベストやジレの方が今風で、おしゃれに感じやすい点が挙げられます。 日本では意味が同じ「チョッキ・ベスト・ジレ」ですが、国によってはベストが別の意味になったりと使い方に注意が必要です。 チョッキはベストと同じ意味で、日本では使い分けの必要がそこまでありません。チョッキとベストの歴史
チョッキとベストの起源は、17世紀頃にはヨーロッパで広がりを見せていた、袖なしの男性用上着「ダブレット」とされています。 防寒具として使用されていたダブレットですが、段々と着丈・袖丈が短くなり、上着から現在のような中衣の役割にシフトしていきました。 18世紀頃には、現在に近いベストがすでに出来上がっていたそうです。 現代ではジャケットとシャツのツーピースが主流ですが、ベストを加えたスリーピースも秋冬を中心に人気があります。 ジャケットを脱いでも寒さを緩和できるよう調整したり、コーディネートの幅を広げる衣服として、ビジネスパーソンに取り入れられるアイテムです。スーツに合わせるチョッキってあるの?
スーツスタイルに合わせるチョッキは、ジャケット・チョッキ(ベスト)・シャツを統一したスリーピーススタイルが主流です。 スーツの種類には「シングル」「ダブル」「スリーピース」の3つが存在。 同一の生地で仕立てたスリーピースは、スタイリッシュさ、クラシックな印象を着用者に与えます。 スリーピースのメリット一覧は以下の通りです。- スーツスタイルに統一感が生まれ、おしゃれさがアップ
- ジャケットを脱いでもきちんとして見えるので便利
- シャツの上にベストを着込むので冬でも暖かく、温度の調整が可能
スーツに合わせるチョッキのスタイル
次に、スーツに合うチョッキのスタイルについて解説します。 フォーマルなスタイルで人気のチョッキを着込むスタイル・スリーピースですが、TPOを考えた使い分けが必要です。 スリーピースは以下のようなスタイルに分けられます。- ビジネススタイル
- カジュアルオフィススタイル
- フォーマルスタイル
- パーティスタイル
ビジネススタイル
スタイリッシュで格調高いスリーピースは、ビジネスで使用できます。 グレーやネイビーなどのシックなカラーで揃えれば、上品な大人らしさを演出可能。 もう少し個性を出したい場合は、ストライプ柄などを取り入れれば、チョッキのスタイリッシュさが際立ちます。 チョッキは暖かい素材(ウール系など)を用いれば防寒具になるので、温度調整にも使用できる便利なアイテムです。 外回りの多いビジネスパーソンには頼りになるスタイルとなるでしょう。 クラシックで正統派な装いのスリーピースは、かしこまったシーンでの着用や、寒さ対策に適しています。カジュアルオフィススタイル
カジュアルなオフィススタイルには、ジャケットを脱いだ状態でもチョッキのあるスリーピースが活用できます。 クールビズでノーネクタイが普及している現在ですが、出来るだけキッチリとした好印象は残したいところです。 先に述べた通り、ビジネスシーンでシャツだけのスタイルは失礼にあたり、だらしない印象を与えてしまいます。 それを避ける方法として、チョッキをシャツの上から着用しておけばマナー違反となりません。 空調の効きすぎで肌寒い室内で温度調整できる利点もあるので、チョッキの着用はカジュアルなオフィススタイルでもメリットが多いです。フォーマルスタイル
チョッキはフォーマルなシーンで着用されることが多く、とくに結婚式などで活用されるスタイルです。 同じ生地で揃えたスリーピースは、上品さ、落ち着いた雰囲気でフォーマルシーンに良く合います。 結婚式でチョッキを着用する場合は、主役である新郎よりも目立たない控えめな色柄を選んだ方が良いでしょう。 式の中で挨拶や、乾杯の音頭をとる役割で大勢から注目されることも考えられます。 かしこまったスリーピースは、フォーマルな場面に適していると言えるでしょう。パーティスタイル
華やかなパーティーの場では、個性を出したスタイルにチョッキを合わせたコーディネートがおすすめです。 フォーマルな印象を与えるチョッキにチョウタイを合わせれば、かしこまったスタイルからおしゃれなパーティスタイルに早変わり。 かしこまりすぎないカジュアルなパーティでは、いつもより個性を全面に出したスタイルに、チョッキを合わせるとおしゃれで上品なファッションスタイルになります。スーツとチョッキのNGスタイル
スーツとチョッキを合わせる際の、NGスタイルについて解説します。 チョッキを着用する場合は、以下のような点に注意しましょう。- チョッキのボタンの一番下は留めない
- ビジネスシーンではモノトーンでまとめる
- 就職活動や葬式ではスリーピースはNG
スーツとチョッキをオシャレに着るコツ
スーツとチョッキを合わせて、おしゃれに決めるコツを紹介していきましょう。 シャツとジャケットの間に加えるとおしゃれ感をアップさせられるチョッキですが、以下の点を考慮すればよりスタイリッシュな着こなしができます。- 自分に合ったサイズ感を選ぶ
- 「Vゾーン」の見え方に気を付ける
- チョッキに合う小物を活用する