みんなが知っているボタンの知識!スーツをオシャレに着こなすためには!?
スーツの「ボタン」にこだわったことはありますか?「スーツのボタンなんて留められればなんでもいいでしょ」「既製品しか買ったことがないし分からない」と思っている方も多いはず。実はボタンには非常に多くの種類があるのをご存じですか?見た目はもちろん、素材や原料、仕上げ方などさまざまなバリエーションがあります。例えばオーソドックスなデザインからハズしたボタンには、ヤシの実のタネを原料にしたカラーバリエーションが豊富な「ナットボタン」や、貝を原料にし、貝が持つ光沢やカラーバリエーションを活かした「貝ボタン」など、今回ご紹介するものだけでも10種類のものがあります。ボタンはスーツのフロントを留めるだけのものではありません。ボタンの見た目は、以外にもスーツスタイル全体に影響を与えているもの。個性的でオシャレな着こなしをするには、ボタンへのこだわりも必要不可欠です。とはいえ既製品のスーツでなかなかボタンにこだわる機会はなく、オーダースーツで初めて選ぶという方も多いはず。そこで今回は、スーツのプロフェッショナル「オーダースーツSADA」のスタッフが、スーツを選ぶ際にチェックしておきたいボタンの種類について解説します。
ビジネスやフォーマルの場など、スーツを着用する機会は意外に少なくありません。日々着用するスーツだからこそ、こだわりを持ってオシャレに着こなしたいものです。
こだわりあるオシャレを楽しむためにはスーツのデザインや色、生地だけではなく、ディテールにも気を配ることが必要となるのです。そこで今回は、スーツを選ぶ際にチェックしておきたいボタンの種類について詳しく解説します。
スーツの着用シーンに合ったボタン選び
スーツのボタンはジャケットの前身頃を留めるという機能的な役割だけでなく、オシャレを楽しむための装飾的な役割も担っています。さまざまな種類があるボタンの中から、どれを選ぶかによってスーツを着用した際の雰囲気が全く異なる場合もあるため注意が必要でしょう。
一言にボタンといっても、使用されている素材はさまざまです。スーツの着用シーンに合ったボタンを選ぶためには、まず素材ごとに異なるそれぞれの特徴についてしっかりと把握しておきましょう。
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こんなにある!ボタンのバリエーション
一言にボタンといっても多くの種類があります。ここでは4種類のボタンを紹介いたします。
味わい深い模様のある「ナットボタン」
ボタンの中でもカジュアルな雰囲気をもった「ナットボタン」はタグワナットという熱帯植物のヤシの実の種を原料としています。南米のエクアドルを原産とするタグワナットの実の種は見た目が茶褐色、実の中は乳白色をしていて、実を切り取ってボタンにしているのです。
元の色をそのままで利用すれば乳白色のボタンとなりますが、染色できるためカラーバリエーションは豊富です。染色すると元々刻まれている年輪のような模様が残り味わいがあるのです。染色だけではなく加工も可能なため、形もさまざまです。
独特の光沢が美しい「貝ボタン」
貝を原料とするボタンもあります。高瀬貝、白蝶貝、黒蝶貝、茶蝶貝、そしてあわびなどの貝をくりぬいて作る「貝ボタン」は、貝自体が持つ光沢感やカラーを活かせる点が魅力です。貝本来の魅力は落ちてしまうものの、必要があればコーティングすることも可能。貝ボタンは原料となる貝の種類によっても特徴が異なります。
ワイシャツなどに使用されることが多い高瀬貝のボタンは、貝ボタンの中で一番お手頃なボタンです。逆に最も高価なボタンは純白な光沢が美しく希少な存在である白蝶貝のボタンでしょう。白蝶貝とは異なる独特な輝きを見せるボタンとして、黒い色の黒蝶貝と茶色の茶蝶貝も忘れてはいけません。
色によって価格が変わる「水牛ボタン」
ボタンの原料としてインドや東南アジアの水牛の角を使用した「水牛ボタン」もあります。水牛ボタンは「本水牛ボタン」ともいわれ、ボタンの種類の中では高級なランクに位置付けられるもの。
部位による分類では、先端の詰まった部分を使った「タツ」と、空洞部分を使った「イタ」があります。「タツ」は角の先端部を輪切りにしたものですが、「イタ」は空洞部を切り開き板状にしたものです。
ワシントン条約があるため、水牛の角そのままの形では輸入できません。そのため、「タツ」や「イタ」のように加工された状態で輸入するのです。
色は透明感のある薄い茶色のものから濃い黒いものまであります。黒に近い色になるほどお手頃な価格となり薄い色になるほど高価であるといわれています。角が原料であるため、耐久性が高いという特徴があるのです。また、水牛ボタンの中には角ではなく骨を原料としたボタンもあります。
また、「水牛ボタン」に非常に見た目が似たボタンとして「水牛調ボタン」があります。
このボタンの材料はポリエステル。遠目には違いがわかりづらいほどキレイに作られていますが、見分け方があります。
「水牛ボタン」は天然素材のため人間の爪のような筋が入っています。この筋の有無が「水牛ボタン」と「水牛調ボタン」の違いです。
加工や染色がしやすい「ラクトボタン」
天然素材ではなく化学的に製造されたボタンとして「ラクトボタン」があります。「練りボタン」とも呼ばれ、合成樹脂素材を使用します。加工や染色がしやすく、丈夫であるという特徴があるのです。
また、木製や金属製、綿を丸めたものを芯として布や編み地などでくるんだボタンもあります。さまざまな原料をくるんで作ることから「くるみボタン」と呼ばれ、安価なものも数多く売られています。
ただし、スーツで使用される場合はスーツと同じ生地でくるまれていることがほとんどで、スーツを作る際に手作業で作られることが通常となっているのです。このような場合は既製品が存在しないため、同じものを手に入れるのは非常に困難です。
その他のボタン
このほかにも、ボタンをレザーで包み込んで作る「レザーボタン」、染色時の発色に優れ耐久性の高い「ポリエステルボタン」、そして金属板をプレスすることで作る「プレスボタン」があります。
また、スーツではありませんが、柔軟性に優れ割れにくくスポーツウェアなどで多く使われる「ラバーボタン」といった種類や、学生服に見られる「カブセボタン」、重厚感のある「キャストボタン」といった金属ボタンもあります。
オーダースーツを仕立てる際に注意!知っておきたいボタンのマナーや留め方を徹底解説!
スーツを着用する上では様々なマナーがあります。中でもジャケットのボタンマナーについてはあまり知られていないため、困った経験がある人が多いのではないでしょうか。この記事ではそんな人のために、スーツの種類や着用シーン毎のボタンマナーについて解説します。
シーン別に見るボタンの選び方
スーツを着るシーンによって選ぶボタンは変わるもの。ここではシーン別に適したボタンを紹介いたします。
フォーマルなシーン
数ある種類のボタンの中から適したボタンを選ぶためには、スーツを着用する目的がポイントとなります。フォーマルなシーンで着るスーツにはくるみボタンや水牛ボタンがおすすめ。特にくるみボタンはタキシードや燕尾服といった、特別な場面で着用する服装に使用されるボタンです。
タキシードのボタンは通常、表面を拝絹(はいけん)またはスーツと同じ生地でくるんでいます。くるみボタンはパーティーや式典などで着る高級感を持った衣装に向いているボタンであると理解しておくとよいでしょう。
一方、水牛ボタンはタキシードの中ではランクの低い、拝絹のないタキシードで使用されるボタンです。高級なスーツでよく見かけますが、一般的なスーツでもラクトボタンとともに多く使われています。
また、オーダースーツのほか、ジャケットやコートでも多用されているボタンです。水牛ボタンを選ぶ場合には、生地とは異なった色合いのものを選ぶとバランスがよくなります。
プライベートなシーン
高級感を持たせたいなら艶のあるボタンを、カジュアル感を高めたいなら茶色のボタンを選ぶといいでしょう。プライベートで楽しむカジュアルな場面でのスーツであれば、ナットボタンが向いています。
カラーバリエーションが豊富なため、スーツの色とのバランスを考えながらいろいろなカラーを楽しめるのも魅力です。ネイビー系のスーツであれば茶色のものを選ぶと馴染みやすくなるでしょう。
個性を表現したいシーン
個性を表現したい場で着るスーツには貝ボタンがよいでしょう。貝ボタンは一般的にはシャツで使用されるボタンです。スーツに付けると原料となる貝独特の輝きで、目に映えやすくなります。このためインパクトを持った個性的な着こなしをしたいという人にはおすすめです。
また、明るい輝きを持った貝ボタンは涼しげな印象を持った夏用のスーツにも適しています。逆に冬用のスーツであれば、温かみを感じさせるくるみボタンやナットボタンがよいでしょう。
シングルとダブルの違い
スーツ(ジャケット)はボタンの配列により大きく2種類にわかれます。
ボタンの配列が1列のシングル
はじめに紹介するのはボタンの配列が1列のシングル(正確にはシングルブレスト)です。
近年のスーツの中ではオーソドックスな形のため、リクルートやビジネスから冠婚葬祭まで幅広く着られるのが特徴。
年齢を問わずに無難に着られる形ですので、はじめてスーツを買うときに迷ったらシングルにしておいて間違いはないでしょう。
ボタンの配列が2列のダブル
次に紹介するのはボタン配列が2列のダブル(正確にはダブルブレスト)です。
シングルよりきちんと感があり、好んで着るのも年配の方や一定以上の役職の方が多い印象です。
日本では「ダブル=偉そう」という印象もあるため、就職活動や転職活動では着ない方が無難。就職後も企業によっては、若い方が着ているとあまり良い印象を抱かれない場合があります。
しかし、日本の文化をそれほど重視しない外資系企業や、若い方が多いスタートアップ企業ではそれほど気にならないことも。
実際、若い方に向けたスタイリッシュなダブルも増えてきているため、これまでの感覚が通用しないこともあるようです。
また、決してダブルの方がシングルより格式高い(シングルはダブルを簡略化したもの)ではありませんので、注意してください。
ボタンの数の違い(シングル)
シングルはボタンの数によって、さらに3種類にわかれます。
後述の3種類以外にも1つボタンがありますが、特にデザイン性の高いスーツでのみ使用されるためここでは省きます。
2つボタン
ラペルの下に2つのボタンがある形で、シングルの中ではもっともオーソドックス。
既製品のスーツも含めると、日本で販売されているスーツの大部分を占める印象です。新卒で就職活動をはじめるときにスーツを買いにいくと勧められるスーツは、ほとんどが2つボタンのシングルでしょう。
後述の3つボタンよりウエストが絞られていてスタイリッシュなため、若い方が着てもフレッシュ感がしっかり出せます。Vゾーンも広いため、ネクタイの色を活かしやすい特徴もあるのです。
オーソドックスな形のため着る人の体型をあまり選びませんが、どちらかというと恰幅がいい方やふくよかな方におすすめです。
Vゾーンが大きく取れるため、全体的な体型とのバランスが取れるためです。また、背が低めな方にも同じ理由で2つボタンをおすすめします。
3つボタン
ラペルの下に3つのボタンがある形で、2つボタンに比べて古いスタイルとなります。
Vゾーンが狭いため首元が詰まって見えたり、ウエストの絞りがゆるいためややスタイリッシュ感に欠ける特徴があります。
しかし、アメトラスタイルが好きな方にはたまらないでしょう。トレンドに従わず、自らのスタイルを貫くという意味では、ステキに映ると思います。
段返り3つボタン
段返り3つボタンは通常の3つボタンと、ボタンの数は同じです。しかし、一番上のボタンがラペルの折り返しの中に隠れているのが特徴。
通常の3つボタンよりはスタイリッシュで、2つボタンよりはきちんとしているといった印象があります。
この形が似合うのは背が高くて細身の方。Vゾーンが浅いため、スラッとした体型の方の方が似合います。
ボタンの数の違い(ダブル)
ダブルもボタンの数によって、さらに2種類にわかれます。
4つボタン
ボタンの数が多く目に留まるポイントも多いため、シングルより重厚感のあるスタイルに。
4つボタンを正面から見たとき、右側のボタンは飾りのため左側のボタンを留めます。
また、右の前身頃にもボタンがあるのがダブルの特徴。これは重なり合う生地の面積が広く、前身頃がずれるのを防ぐためにあります。
6つボタン
4つボタンよりさらに重厚感があるのが6つボタン。
一番上の2つがY字状に開いて配置されるタイプと、3つずつ一列に並んだタイプがあります。これはダブル全般に言えることですが、細身の方の方が似合う傾向にあります。
アンボタンマナーとは?
「アンボタンマナー」という言葉を聞いたことがありますか?
ルールというわけではありませんが、知らないと恥ずかしいスーツのボタンに関する基本的なマナーです。ぜひ覚えておきましょう。
一番下のボタンは留めない!?
結論からいうと、一番下のボタンは留めません。これが「アンボタンマナー」です。
しかし、中にはこのマナーを知った上であえて一番下のボタンを留めていた方もいます。
アメリカ合衆国第35代大統領のジョン・F・ケネディ氏は、あえてアンボタンマナーを守らなかった一人。
理由は、演説中ヒートアップして身振り手振りが大きくなったときに、ジャケットの裾からシャツのお腹の部分が見えることを嫌ったからだといわれています。
一番下のボタンを留めると、どのようになるか?
ためしに持っているスーツの一番下のボタンを留めてみてください。
ボタンを中心に生地が引っ張られるようなシワが、ウエストの前面にできると思います。もちろんボタンの付け根や生地にも負担がかかりますので、生地の耐久性も低くなります。
また、一番下のボタンは飾りという意味もあるため、留めない方が自然でなのす。
ちなみにジョン・F・ケネディ氏のスーツは、一番下のボタンを留めても窮屈にならないように設計されていたそう。アンボタンマナーに従わないデメリットを回避したうえで、目的に合ったスーツを作らせていたのですね。
女性向けスーツのボタンのマナーとは?
女性向けスーツでは、どのような場面でも一番下のボタンを留めます。
すべてのボタンを留めるとキレイに見えるように設計されているため、ボタンを外すとだらしなく見えるためです。
座るときのボタンのマナーとは?
ジャケットのボタンには「アンボタンマナー」以外にもマナーがあります。それは椅子やソファに座るときのマナーです。
ボタンを外してジャケットを全開にする
意外かもしれませんが、座る時はすべてのボタンを外して全開にします。
座るときにボタンを外して、立つときにふたたびさり気なくボタンをつけましょう。
座るときでもボタンを外さないケースとは?
しかし、座るときにもボタンを外さないケースがあります。
一つ目は目上の方がボタンを外さない場合です。ジャケットを全開にするというのは多少なりとも偉そうに見えるもの。
目上の方が座っているときにボタンを外さなければ、あなたも外さないほうが無難です。
二つ目は就職試験や転職試験のときです。
とくに新卒の就職試験では「座るときにボタンを外す」というマナーを知っている学生の方が少ないかもしれません。
面接官に「偉そうだ」と思われないためにも、周りの学生から浮かないためにも座ったときでもボタンは留めたままの方が無難でしょう。
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スーツをオシャレに着こなそう!
スーツを選ぶ際には、目に入りやすい色やデザインだけを注視してしまいがちです。しかしボタンなどのディテールにも気を配り、上手に選ぶことによって着たときの印象を大きく変えて、イメージに近い着こなしができます。
そのためには、まずはボタンの特徴をしっかりと理解することが必要。その上で、自分が求める着用イメージやスーツを着るシーンを想像しながらボタンを選んでみましょう。
ボタンのオシャレを存分に楽しみながら、ワンランク上のスーツファッションを目指してみてはいかがでしょうか。
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今回ご紹介したバリエーション豊富なボタンの種類は4つ。ヤシの実のタネを原料とし、乳白色をベースに染色した「ナットボタン」や、貝の光沢やカラーを活かした「貝ボタン」水牛の角を用いた、ちょっと高級な「水牛ボタン」合成樹脂素材で、加工・染色しやすい「ラクトボタン」の4つを紹介しました。このほかにも「レザーボタン」「ポリエステルボタン」「ラバーボタン」など、それぞれ風合いの違うボタンが多数ありますよ。フォーマルなシーンで着るスーツには水牛ボタンや、ラクトボタンを布や編み地でくるんだ「くるみボタン」がおすすめです。タキシードのボタンは、基本的にタキシードと同じ生地でくるんだくるみボタンが使われていますよ。カジュアルなシーンではナットボタンがおすすめ。カラーバリエーションが特に豊富なため、スーツの色とのバランスを見ながら選びましょう。個性を演出したい場では貝ボタンがおすすめです。貝独特の輝きが個性を放ってくれますよ。涼し気な印象を与えるので、夏用スーツにもおすすめです。ボタンにシーンに合わせた遊び心を加えるだけでも、個性的な着こなしを実現できますよ。ぜひボタンにもこだわってスーツを作ってみてくださいね。