カットソーとは?定義と襟・素材の種類、ビジネスシーンでの着用術まで解説- オーダースーツSADAのアイキャッチ画像
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カットソーとは?定義と襟・素材の種類、ビジネスシーンでの着用術まで解説- オーダースーツSADA

ビジネススーツにはシャツを合わせるのが基本ですが、近年は職場によってオフィスカジュアルが認められ、カットソーでもOKというケースが増えています。しかし、いざカットソーを取り入れようと思っても『どんなアイテムならビジネスの場にふさわしいのか』『きちんとした印象を与えられるのか』と悩んでしまうこともあるでしょう。
特にカットソーは一歩間違えるとラフすぎる印象になり、周りに不快感を与える可能性があるので注意が必要です。

カットソーをスーツに合わせるときの正しいマナーから、失敗しないコーディネート例、さらにスーツ着用時の基本ルールまで解説します。これらを押さえておけば、安心してオフィスカジュアルを楽しめるようになりますよ。

カットソーとは?

カットソーとは、本来「布を裁断(カット)して縫製(ソー)した衣服」の総称で、Tシャツやポロシャツ、ワンピースなど幅広いアイテムを含むファッション用語です。

ただし日常的な会話やビジネスシーンでは、「カットソー=Tシャツやカジュアル寄りのトップス」を意味することが多いです。そのため、多くのファッション情報では、トップスを中心に「カットソー」として紹介されています。

スーツやジャケットに合わせるカットソーは、トップスとしての意味で理解しておくとよいでしょう。

カットソーの種類

カットソーとひと口にいっても、襟の形や素材によって印象や着こなし方は大きく変わります。特にビジネスシーンでは、清潔感やきちんと感を意識した選び方が大切です。

ここでは、カットソーを選ぶ際に押さえておきたい「襟型」と「素材」の違いについて紹介します。

襟型

カットソーにはさまざまな襟型があり、それぞれで印象が変わります。ビジネスシーンに取り入れるなら、性別やシーンに合わせて選ぶのがおすすめです。

【男性におすすめ】
クルーネック:最もベーシックな丸首。清潔感があり、ジャケットとの相性も抜群
Uネック:クルーネックより少し深め。柔らかい印象をプラスしたいときにおすすめ
モックネック:首元が程よく立ち上がるデザイン。上品できちんとした印象を演出

【女性におすすめ】
Uネック:顔まわりをやわらかく見せ、上品な印象を演出
Vネック:首元が開くことでスッキリ見え、シャープさと女性らしさが両立
ボートネック:首元が横に広く、鎖骨のラインに沿ったデザイン。上品で落ち着いた印象

素材

カットソーの素材は、見た目や着心地に大きく影響します。代表的な素材と与える印象は以下の通りです。

コットン(綿):肌触りが良くナチュラルで清潔感がある。カジュアル寄り
ポリエステル:シワになりにくく光沢がある。フォーマル寄り
レーヨン:滑らかで上品な印象。女性らしい雰囲気
ウール:保温性があり柔らかい。高級感がある
シルク:光沢があり滑らか。特別なシーン向け

素材選びは、TPO(時・場所・場合)に合わせて行うことが重要です。ビジネスシーンでは、ポリエステルやウールなどのフォーマルな印象を与える素材が適しています。

一方、オフィスカジュアルでは、コットンやレーヨンなどのナチュラルで柔らかい印象の素材がおすすめです。

ビジネスシーンでカットソーの着用はあり?

近年、ビジネスシーンでもカットソーを取り入れるケースが増えてきました。

ただし、職場や業種によって許容度は異なります。顧客対応や信頼感が重視される職場では制約が厳しいこともあるため注意が必要です。

ここでは、カットソーが認められる場合と控えるべき場合を具体的に紹介します。

常識の範囲内でOKとする会社が多い

服装規定が緩やかで私服勤務が認められている職場では、カットソーも問題なく着用できるケースが多く見られます。特にIT系やゲーム業界、ベンチャー企業などでは一般的です。

ただし「何を着ても良い」わけではありません。奇抜すぎるデザインや清潔感に欠ける服装は、同僚や取引先に不信感を与える可能性があります。

第一印象が評価を大きく左右する以上、好印象を与えるためにも身だしなみには十分配慮しましょう。

誠実さを重要視している職業では難しい

スーツの本来の目的は「信用を得ること」です。この観点からすると、カットソーはカジュアルな印象を与えやすく、誠実さや信頼感が求められる職種には不向きといえます。

具体的には、公務員、銀行、証券、ホテル、保険といった業界では、個人情報や公的機関の情報を扱うため、高い誠実さが必要です。そのため、基本はシャツとスーツの組み合わせが望ましいでしょう。

このように、信頼感を重んじる場面でカットソーを着用すると、ラフな印象とのギャップからマイナスに受け取られるリスクがあります。

ビジネスにおすすめのカットソーの選び方

カットソーがOKな職場だからといって、どんなカットソーでも良いわけではありません。ここでは、安心して着られるカットソーのマナーや選び方を紹介していきます。

白色が無難で派手な色や柄物はNG

カットソーの色は、シャツと同じように白色を選んでおくのが無難です。白色には、信頼感や清潔感といったクリーンなイメージを与える心理効果があり、ビジネスの場にふさわしい印象を与えられるからです。

一方で、派手な色や強い柄物はスーツとのバランスを崩し、必要以上にカジュアルに見えてしまいます。

場合によっては「仕事にふさわしい服装ではない」と不信感を持たれることもあるため注意が必要です。

裾や袖が長すぎるのは許容範囲外

一般的に、カットソーはパンツやスカートの中に入れて着るのがマナーです。そのため、裾が長すぎると腹部にごわつきができてしまうため、スマートな着こなしになりません。パンツの場合はベルト着用を前提に、すっきり収まる丈を選びましょう。

また、袖が長すぎるとスーツの袖からはみ出し、だらしない印象になります。スーツを着たときに手首の関節より下に袖口が下がらないのが理想です。カットソーが1~2cm程度見える分には許容範囲ですが、それ以上は避けるのが無難です。

透けなく胸元まで開いていないもの

カットソーを着る際に避けたいのは、インナーが透けてしまうことです。

カットソーは本来、一枚で着てもきちんと見えるように作られているため、肌着が透けてしまうと清潔感を損ねてしまいます。

また、首回りのデザインには、丸襟のものやVネックなどさまざまなデザインがありますが、胸元が深く開いたものも避けるようにしましょう。挨拶などで頭を下げた際に、胸元が見えてしまうと、相手に不快感を与える可能性があります。

季節を問わずジャケットを脱ぐことを想定して長袖

クールビズの普及もあって、暑い時期にはジャケットを脱いで働くスタイルも一般的になっています。その際、ジャケットの下が半袖だと、ビジネスシーンではややカジュアルすぎて頼りない印象を与えることがあります。

さらに、スーツに直接肌が触れるような着こなしは、ビジネスシーンでは清潔感に欠ける印象を与えかねません。季節を問わず、ジャケットを脱ぐことを想定してカットソーは長袖のものを選ぶと良いでしょう。

カットソーを使ったビジネスコーデ

ここまで、ビジネスでカットソーを着る際の基本的なマナーを見てきました。

では実際に、どのような組み合わせならビジネスシーンにふさわしい「きちんと感」と「快適さ」を両立できるのでしょうか。

ここからは、カットソーを使ったビジネスコーデの具体例をご紹介します。

白のクルーネック×グレーのスーツ

白のクルーネックカットソーは、最もベーシックで清潔感のあるアイテムです。グレーのスーツと合わせることで、柔らかく落ち着いた雰囲気を演出でき、ビジネスの場でも違和感なく馴染みます。白が持つクリーンさと、グレーの上品さが調和するため、誠実さや信頼感を与えたいシーンに最適な組み合わせといえるでしょう。

黒のクルーネック×ベージュのチノパン

黒のクルーネックカットソーとベージュのチノパンを組み合わせると、シンプルながら落ち着いた印象のビジネスカジュアルスタイルが完成します。

黒のカットソーがフォーマル感を保ちながら、ベージュのチノパンで柔らかさと親しみやすさをプラス。比較的服装の自由度が高い職場に適したコーディネートです。

ただし、合わせるチノパンはあまりカジュアルすぎるものやシワが目立つものは避け、きちんと感を意識しましょう。ジャケットを脱いだ場合でも違和感なく、清潔感を損なわないようにすることがポイントです。

ダークグリーンのモックネック×ブラックスーツ

ダークグリーンのモックネックは、落ち着きのあるカラーでありながら個性を演出できるアイテム。ブラックスーツと組み合わせることで、シックな雰囲気に程よいアクセントを加えられます。

首元に高さのあるモックネックは、シャツよりも柔らかく、タートルネックほど重たさを感じさせない点が特徴です。

シンプルながらも知的で洗練された印象を与えられるため、ビジネスカジュアルな場面や、少しおしゃれを取り入れたいシーンに適しています。

ボートネック×フレアスカート

ボートネックは鎖骨がきれいに見える上品なデザインで、女性らしい柔らかさを演出できます。フレアスカートと組み合わせることで、動きが出て華やかさもプラスされ、オフィスカジュアルとしても適したバランスの良いコーディネートになります。

全体的に落ち着いた色味でまとめれば、清楚でレディライクなコーディネートになり、オフィスでも好印象を与えられるでしょう。ビジネスシーンで女性らしさをさりげなく演出したいときにおすすめの組み合わせです。

クルーネック×テーパードパンツ

クルーネックのカットソーはシンプルで清潔感があり、どんなボトムスとも合わせやすいアイテムです。スタイルアップや足長効果が期待できるテーパードパンツと組み合わせることで、すっきりとしたシルエットをつくり、きちんと感のあるビジネスカジュアルスタイルが完成します。

シンプルなデザインと上品なラインのパンツの組み合わせは、オフィスでの印象を損なわず、程よく親しみやすさを演出できるため、幅広い職場で活用しやすいコーディネートです。

ボートネック×ベスト(ジレ)

ボートネックのトップスにベスト(ジレ)を重ねることで、シンプルながらもレイヤード感のある上品な印象を演出できます。

首元がすっきり見えるボートネックは女性らしさを保ちつつ、ジレをプラスすることでコーデに立体感が生まれ、きちんと感とおしゃれ感の両立が可能です。

ボトムスをテーパードパンツやスカートと合わせれば、オフィスでも適度に華やかさを加えながら、清潔感や落ち着きのあるビジネスカジュアルスタイルにまとめることができます。

ビジネスコーデにカットソーを上手に取り入れよう

カットソーを職場で着用する際は色やデザイン、袖丈などに配慮することが重要です。カットソーを正しく選び、場面に合ったコーディネートを意識することで、カジュアルになりすぎず、スマートで洗練されたビジネススタイルを実現できます。

この記事を参考に、自分に合ったカットソーの着こなしを見つけてみてください。

(構成・編集/yoko)