スーツのインナーって意外と重要!コート嫌いは着込むべしのアイキャッチ画像
スーツのインナーって意外と重要!コート嫌いは着込むべしのアイキャッチ画像

スーツのインナーって意外と重要!コート嫌いは着込むべし

コートが嫌いな方、朗報です。最近は、シャツの下に着る「インナー」でも十分に防寒対策ができるようになっていますよ。「いちいちコートを着たくない!」という方、お気持ち分かります。コートひとつあるだけで、荷物が一気に増えてしまいますよね。コートに関する「室内持ち込む時は内側を表にして畳め」みたいなマナーも面倒で、できれば考えたくないのが本音かと思います。お客さん先に訪問する営業マンなどの職種であればなおさら、コートを持ちたくありません。そんな方は、インナーに一工夫加えた防寒対策を始めてみましょう。とはいえ、インナーは暖かければなんでも良いというわけでもありません。丈の長さや首回りのタイプ、素材についても知っておかないと、ビジネスにそぐわない身だしなみになってしまう可能性があります。快適性と身だしなみの両方を意識したインナー選びが大切です。そこで今回は、そんなインナーの選び方をスーツの専門家である「オーダースーツSADA」のスタッフが解説します。専門家の意見だから、この記事を読めばインナー選びのポイントはバッチリ押さえられますよ。ぜひ、インナーを駆使した防寒対策にチャレンジしてみてくださいね。

朝晩冷え込み、いよいよ冬本番に差し掛かろうとしている今日この頃。

皆さんは防寒対策始めていますか?

まだコートは早いけど、スーツだけでは寒いなんて方、インナーをきちんとしたものに変えるだけで格段に防寒できますよ。メンズだけでなくレディースにも対応した内容ですので参考にしてみてください。

インナーといっても、ワイシャツやカットソー、ブラウスの話ではありません。それらのさらに下に着る、防寒を目的としたインナーの話を述べています。春先や秋口などまだまだ寒い季節に、このようなインナーは大活躍します。

体温をあげるなら脇をあたためる

ピチッとしたインナーにシャツを重ねると動き辛いという理由で長袖のインナーが苦手という男性の方、案外多いんですよね。

そんな方には半袖タイプのインナーがおすすめ。

脇を温めると体温が上がる、温存できるためしっかり脇までカバーされた半袖が◎

また、半袖丈なら寒暖差によるムレを解消し、シャツに汗染みができるという問題も解決してくれます。

なぜ脇を温めるのか?

体温を上げるなら脇を温めればよいと言われています。その理由は何でしょうか?

動脈の通り道がある

脇の下には動脈が通っています。動脈とは心臓から送り出された血液が通る場所。つまり、これから足先など末端に送られる血液が通っているのです。そのため、脇を温めると動脈の血液が温められ、その血液が末端まで送られることにより手足が温かくなるのです。

反対に考えた時、身体の中で冷えやすいのは手足など末端の部分です。これらの部分が温かいということは、全身が温かい状態であるともいえます。そのため、脇を温めると全身が温かくなるのです。

神経の通り道がある

脇の下には神経も通っています。そして、神経の中には体温調節を司るものもあります。一方、神経の動きを鈍くさせることの原因の一つが冷えです。脇を温めることにより神経のはたらきが正常になり、全身の体温調節も適正に行われます。そのため、脇を通る神経を温めることが大切なのです。

リンパ節がある

脇の下にはリンパ節もあります。リンパ節とはリンパ管をつなぐ直径2〜3mm程度の球状の器官で、リンパ液に入り込んだ細菌やウイルスを排除して、身体を外敵から守るはたらきをするものです。脇を温めることでリンパ液の流れが促進され、免疫効果が向上します。そのため、身体が温かくなるのです。

インナーは丈の長いものを選びましょう

インナーにも種類によって着丈があります。

その中でも冬に着用するインナーはできるだけ丈の長い物がお勧めです。

スーツのパンツにしっかりインできる腰あたりまであるインナーだと動いたはずみでインナーが外に出る心配もなく体温を逃さないからです。

またインナーがベルトあたりにもたついてしまうと、ジャケットなしで過ごしていると時は特にだらしない印象になります。

そのため、寒さ対策だけではなく、身嗜みという面でも長めを選ぶと良いです。

インナーの丈が短いとどうなる?

インナーの丈が短いと腰の部分が十分温められず、次のような症状を引き起こすことがあります。

筋肉の緊張と痛み

腰が冷えると体温が下がり、筋肉が収縮します。それにより筋肉が緊張して硬くなり、腰が痛くなることもあります。普段は腰が痛くならないのに寒い時期に痛くなるという方は、腰回りの冷えを疑った方が良いかもしれません。

防寒性のあるインナーを着ていても腰が十分温められない場合、腰以外の部分の体感温度の差により、余計に腰が冷えているように感じるかもしれません。

血行不良

腰が冷えると腰を流れる血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。そうなると血液中の酸素や栄養分が運ばれにくくなり、体内組織に悪影響を与える可能性があります。

Vネックを選ぶと使いやすい

冬場は重ね着も増えタートルネックやVニットなど様々な衣服を身につけると思います。

そのためUネックに比べVネックをチョイスすると首回りがすっきりするため息苦しくないです。

さらにトップスやシャツからインナーが見えることも防ぐ事ができるため、ワイシャツのボタンを2つ以上外している時でも見える心配はありません。

インナーはフィット感も大切

防寒性の高いインナーは一般的な下着とは異なり、肌にフィットしたものが多くあります。このようなインナーを着ると、あたかも肌の上に新しい皮膚ができたように寒さを軽減してくれるのです。

しかし、肌とインナーの間に隙間があると、冷たい空気が侵入してきます。肌とインナーの間には冷たい空気を入れず、インナーの素材の中に含まれている空気が体温で徐々に温まっていく。そのため、インナーは肌に密着しているものの方が温かく感じるのです。

目立たない色のインナーを

せっかくインナーを着て保温しても、インナーがシャツから透けて表に見えていては、よさが半減してしまいます。多くのビジネスマンは白いシャツ、あるいは淡いブルーなど薄めの色のシャツを着るでしょう。このようなシャツを着たとき、インナーの色がシャツから透けないようにすることが大切です。

インナーは白、あるいは肌に近いベージュなどの無地が良いでしょう。白いシャツを着ている場合、シンプルにインナーも同色であれば透けにくいでしょう(あるいは透けても問題ありません)。同じくベージュのインナーなら透けても肌の色に近いため不自然ではありません。反対に黒やネイビーなど濃い色の場合は、インナーがワイシャツの上から透けて見えてしまいます。

このように、インナーを選ぶ際には基本的な保温性はもちろんのこと、色にも気を遣う必要があるのです。インナーを上品に着こなすために必要なことです。

素材にとことんこだわる

肌に直接触れるインナーだからこそ、素材にとことんこだわりましょう。

ゴワゴワとした肌触りが苦手な方や肌が敏感な方にはコットン素材がおすすめ。

保温性、吸湿性が高いだけでなく肌触りがよく”着ている感”とコットンならではの”優しい温かさ”を感じる事ができるため◎です。

防寒力を重視したい方におすすめなのが化繊100%のインナー。

スポーツウエアにも使われている素材で体へのフィット感がとっても良いのが特徴です。

しっかりと密着してくれるからこそ、体温を逃さず、冷たい風を入れない最適な素材なんです。

防寒素材としてのコットンの特徴

コットンとは綿花にできる綿のことで、種子毛(しゅしもう)とも呼ばれます。防寒素材の観点からコットンを見たとき、どのような特徴があるのでしょうか?

保温性

コットンは見た目の通り、非常に繊維が集中しており密度が高い状態になっています。そのため、集中した繊維の中に多くの空気を含みます。断熱や保温の基本は空気の層を作ること。コットンが保持する空気が着る人の体温に温められ、その空気が逃げづらくなるためコットンのインナーは保温性が高いと言われているのです。

これは羽毛布団やダウンジャケットと同じ原理です。温かい羽毛布団や温かいダウンジャケットは、それそのものの厚みによって温かさを保持しているわけではありません。羽毛布団やダウンジャケットの中には数多くの羽毛が入っており、一つひとつの羽が空気を保持します。この空気があるからこそ温かいのです。

吸湿発散性

寒い時期とはいえ、通勤や営業の外回りで長い時間歩いた後、電車の車内など温かい場所に行くと汗をかくことがあるでしょう。上昇した体温を下げるために汗は必要な機能ですが、汗が身体の表面についたままだと、たちまち身体が冷えてしまいます。そこで役立つのがコットンのインナーです。コットンは水分を吸収しやすい性質があるため、肌の表面に残った汗を吸収してくれます。吸収するだけだと不快ですが、コットンは吸収した汗を放出する性質があるため、汗をかいても肌を快適な状態に保ってくれるのです。

通気性

吸湿発散性とも重複する部分がありますが、コットンは通気性が高いという特徴があります。この特徴により空気の循環が促されるため、余計な湿気が溜まることなく快適な状態を保てます。

肌触り

コットン(種子毛)は見た目の通り、非常に柔らかいもの。手で触るとふわふわしていることが分かります。そのため、コットンのインナーが肌に触れても、チクチクするような感触はありません。肌にやさしくフィットするため、より温かみを感じられるのです。

防寒素材としての化学繊維の特徴

コットンと並び防寒に使われる素材として有名な化学繊維。同様に防寒素材の観点から化学繊維を見たときに、どのような特徴があるのでしょうか?

保温性

従来、化学繊維は天然繊維の代替品として開発されてきました。そのため、天然繊維と同等以上の性能(性質)を持ちながらも、安いコストで安定的に供給できる必要があるのです。

ポリエステルやナイロンは十分な保温性を持っているといわれています。保温の原理はコットンと同様。より多くの空気を包み込み、離さないような繊維構造になっているのです。

速乾性

衣類に使われる化学繊維の中には天然素材と同等以上の速乾性を持つものがあります。寒い時期でも身体を動かしたり、暖房の効いた室内にいると汗をかくこともあるでしょう。そのようなとき、肌の表面にある汗やこもった湿気を素早く逃がしてくれるのも化学繊維の特徴です。

軽量性

化学繊維の特徴の一つに軽さがあります。暖かいインナーというと、どうしてもゴワゴワする印象があります。一方、スーツを着た状態でも歩いたり電車のつり革につかまったり、意外に身体を動かすことは多いもの。そういったときにインナーがゴワゴワしなければ、身体を動かすときにストレスを感じにくいでしょう。

防寒インナーではありませんが、化学繊維で作られたスポーツウェアを想像すると分かりやすいかもしれません。スポーツウェアは非常に軽量で、着る人の動きを邪魔しません。また、前述のような速乾性があることもスポーツウェアの特徴です。

このように化学繊維には、天然繊維と同等以上の性能があるのです。

耐久性

洗濯に強いのも化学繊維の特徴。たとえば、前述のコットンは水で洗濯すると縮みやすくなり皺がつきやすくなります。そのため、洗濯するときはネットに入れたり、特に大切な衣服の場合は他の洗濯物と分けて洗濯する必要があります。しかし、化学繊維は比較的耐久性が高いため、そのようなケアは必要ありません。

まとめ

今回は寒い冬を乗り切る、スーツ着用時におすすめなインナーの特徴をピックアップしてご紹介しました。

いかがでしたか?

見えないインナーでも、素材感やデザインを配慮するだけで快適に過ごせます。

是非皆さんも参考にしてみてはいかがでしょうか?

防寒対策において長袖インナーはかなりの暖かさを保てますが、人によっては動き辛くなってしまう点、汗染みができやすくなる点がネックです。はじめから長袖を着る前提でスーツを買っておけばいいのですが、なかなかそういう訳にもいきませんよね。押さえておきたいのは脇を温めること。半袖でも脇パッドが入ったインナーは、汗染みを抑えつつしっかり脇を温めてくれますよ。より暖かさを高めたい場合には、インナーの素材は化学繊維100%のものを選んでくださいね。ビジネスシーンで着用するインナーに関してもうひとつ押さえておきたいのは「はみ出ない着丈と首周りのデザイン」です。しっかりパンツに入れられる長さと、シャツから見えない「Vネック」などのデザインを意識してインナーを選びましょう。これらのポイントをバッチリ押さえておけば、ある程度の寒さまではコートなしで切り抜けられるはず。インナーを駆使して快適に秋冬の寒さを乗り越えましょう!オーダースーツSADAでは、秋冬にピッタリな暖かいスーツ生地のラインナップを取り揃えています。インナーもそうですが、スーツそのものでも防寒対策できますよ!ぜひオーダースーツも試してみてくださいね。

大久保一雄