スーツのポケット、基本の「キ」。フラップは出す・出さない?
スーツの「ポケット」マナーは押さえていますか?
スーツを着用する際、ポケットのマナーまで気を配れていない方が多く、なかにはポケットにマナーがあるということも知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
ポケットのマナーを知らずに着用し続けてしまうと、マナーがわかっていないと思われる場合や、最悪の場合は相手に不快な思いをさせてしまうことも考えられます。
そのため、しっかりとマナーを覚えておくことが大切です。
「ポケットのマナーなんて気にしたことがなかった」
「ポケットのマナーを理解して、社会人としてしっかりとした人間に見られたい」
「これからスーツを着る機会が増えるからスーツに関するマナーを知っておきたい」
など、スーツのポケットに関するマナーを知らないという方も多いでしょう。そういった方のためにこの記事では、スーツポケットの基本、ポケットの種類、ポケットのマナーなどを、スーツマナーの専門家「オーダースーツSADA」のスタッフが解説していきます。
社会人として、スーツに関連するマナーはしっかりと把握してスーツスタイルを取り入れていきましょう。
スーツには多くのポケットが存在します。例えば、ジャケットには、胸ポケット、腰ポケット、内ポケットがあり、6つのディテールが存在します。スーツの「通」となるための内容になっていますので、是非、参考にしてください。
スーツのポケット、基本の「キ」
スーツのポケットは、主に「胸ポケット」「腰ポケット」「内ポケット」「パンツポケット」の4つがあります。
それぞれ、使い方やルール、マナーが違うため、しっかりと把握しておくことが重要です。周りを見ると、多くの方が間違えているので注意しましょう。
例えば、胸ポケットには、ペンを入れている方や名刺入れを入れている方、携帯を入れている方など、さまざまな使い方をしている方が多いです。
しかし、本来は胸ポケットには「何も入れない」のが正解とされています。
胸ポケットは「ポケットチーフ」を入れる装飾的な役割を持っているため、実用を想定して作られてはいません。役割と違った場所に物を入れてしまうと、重みでスーツが型崩れを起こし、劣化に繋がります。
ポケットは、箇所によって役割が異なるため、そのポケットの役割をしっかりと把握したうえで使用することが大切です。
このように、ポケットによって役割が違うことを把握できていない方も多いので、是非この機会に覚えてしまいましょう。
ジャケットポケットの種類と役割を知る
ジャケットにはフロント部分に「胸ポケット」や「腰ポケット」、内側に「ペンポケット」や「タバコポケット」などがあります。
スーツは歴史あるアイテムですので、ポケットにもさまざまな仕様があり、ポケットのディテールが多いジャケットには、伝統的なデザインやルールが存在します。特に気になるのが、フラップと呼ばれる腰ポケットのフタです。
例えば、フラップを出すのか、出さないのか、悩んでしまったという人も多いのではないでしょうか。そんなフラップのルールも含め、ジャケットのポケットについて解説します。
胸ポケット
スーツの左胸につけられたポケットが「胸ポケット」です。
胸ポケットは、ポケットチーフがきっかけで誕生しました。当時の貴族の間でポケットチーフが流行し、ポケットチーフをいれるためのポケットが必要だという流れから付けられるようになり、そのまま現代へ受け継がれています。
胸ポケットは物などを入れずに、装飾品であるポケットチーフを入れる場所として使用しましょう。
ここでは2種類の胸ポケットを紹介します。
1.ウェルトポケット
ウェルトポケットとは、ジャケットの胸の位置に切り込みを入れ、へりの当て布を縫い付けたものです。ヘリの部分が箱形になっていることから、箱ポケットとも呼ばれています。
ウェルトポケットは、もっともオーソドックスな仕様で、既成のビジネススーツのほとんどが、このウェルトポケットを採用しているのが特徴です。
2.バルカポケット
ウェルポケットによく似た仕様で、縁がジャケットの脇に向かって、船のへさきのように尖っていることから、バルカポケットと呼ばれています。
バルカとはイタリア語で船を意味しており、イタリアンスタイル、ブリティッシュスタイルと相性のいいデザインです。胸板の厚みを強調する立体的なシルエットなので、ガッチリした体型の人に、よく合うデザインとなっています。
腰ポケット
腰ポケットはサイドポケットとも呼ばれ、5種類の仕様があるので、それぞれ紹介していきます。
1.フラップポケット
スーツのポケットですぐにイメージするのが、このフラップポケットではないでしょうか。フラップという切り込みにフタが着いている仕様で、ビジネススーツのほとんどが、フラップポケットです。
フラップとは、「ヒラヒラとなびく」様子を表す単語で、フラップポケットのディテールをよく表しています。
フラップは屋外の時は出しておくのが基本です。元々が、ホコリや雨粒がポケットに入らないようにするポケットの機能のひとつでした。昨今では、スーツの基本スタイルとなっています。
一方で、屋内ではポケットから出さないのが基本です。近年では、そこまでこだわる人が減っていますが、スタイルをスッキリ見せるテクニックとして、おぼえておくといいでしょう。
【スーツ フラップ】スーツのポケットのフラップは出したままでも大丈夫?日本独特のマナーと海外事情
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2.スラントポケット
フラップが前に傾斜したスタイルのポケットです。ブリティッシュスタイルに多く取り入れられており、英国調の生地によく馴染むデザインになっています。
フラップの先端が、3センチほど下がっているデザインがスタンダードですが、ブリティッシュスタイルなどは、それよりも傾斜をつけたデザインもみられます。フォーマルスーツに取り入れても問題ありません。
3.チェンジポケット
チェンジポケットは、フラップポケットを上下につけたデザインで、ブリティッシュスタイルに多く取り入れられています。チェンジは小銭を表す単語で、欧米のチップを渡す文化の中で生まれたディテールです。
日本ではチップを渡すという文化はありませんので、実用的ではありませんが、ウエスト部分が引き締まった印象を与えるデザインとして残されているディテールです。
4.パッチポケット
ポケットをスーツに貼り付けた(縫い付けた)デザインで、カジュアルなジャケットに取り入れられることが多いディテールです。
ポケットを実用的に使うためにできたディテールで、激しい動きをしても中身が落ちない仕様になっています。ツイードなど厚手の素材との相性がいいポケットです。
5.玉縁ポケット
フラップがなく、切り口の上下に同色の生地を使ったフチがついたディテールで、この切り口の仕様を玉縁(たまぶち)と呼ぶことから、この名前が付いています。
玉縁はジャケットのシルエットをスッキリとさせ、上品なスタイルを作れるのでフォーマルスーツのほとんどは玉縁ポケットです。
内ポケット
スーツのポケットには、なにも入れないというのがファッショ通の常識ですが、内ポケットだけは別という人もいます。
内ポケットには、主に4つのディテールがあり、ペンやタバコ、小銭などを入れるポケットとして利用する方が多いです。
最近では、スマートフォンを入れている人を見かけます。落として壊してしまうリスクを下げる意味では有効な使い方ですが、重さのあるものを入れるとフロントのシルエットを崩してしまうので、控えた方がいいでしょう。
1.インサイドポケット
最も使用する機会が多い胸前の内ポケットが「インサイドポケット」です。
スーツにとって胸前の内ポケットが、物を入れてもスーツのシルエットが崩れにくいため、薄い財布なども入れることが可能となっています。
2.ペンポケット
胸前内ポケットのすぐ下にある、4〜5センチくらいの切り込み幅があり、入り口の小さいペン用のポケットがスタンダードな仕様となっています。
同じ位置に、切り込み口が8センチほどの切り込み口があり、スマートフォン入れとして使われることが多いです。
3.チケットポケット
胸に縦の切り込みで作られたポケットを指します。
表生地の見返しと裏地の境目に有り、ポケット口が縦であるため、右手でスムーズな出し入れができるのが特徴です。
タバコポケット
ジャケットの下側にある、タバコサイズのポケットが「タバコポケット」です。
近年は禁煙の場所が増えたことで、自宅以外で吸う人が減ったこともあり、もっぱら小銭入れとして使われています。
本来は、チップを払う時のために、小銭を入れるポケットですが、日本にはチップの文化がないこともあり、一般的にはタバコポケットとして使用されているのが特徴です。
ジャケットポケットまとめ
ジャケットのポケットのディテールデザインを紹介しました。ジャケットのポケットでもっとも大事なことは、「物を入れないということ」です。ポケットに物を入れてしまうと、シルエットが崩れてしまうだけでなく、生地をいためてしまうリスクがあるため、避けるようにしましょう。
特にサイドポケットは、ウエスト部分のシルエットを左右するディテールですので、絶対に避けるべきです。また、胸元の内ポケットもシルエットを崩してしまうのでなるべく入れないようにすることが大切です。
薄手の財布や名刺入れ、スマートフォン程度にし、そのほかはバッグの中に入れておきしょう。
スーツのポケットはどう使うのが正解?種類や必要性、マナーについて解説!
スーツにはさまざまなポケットがあり、財布などの必需品を入れている方も多いでしょう。しかし、スーツのポケットは物を入れることを考慮したものではありません。この記事ではポケットの使いこなしやマナーについて解説します。
パンツポケットの種類
ここではパンツのポケットを紹介します。
サイドポケット
パンツの横部分にあるポケットが「サイドポケット」です。
ポケット口が若干前に傾斜して付けられたものがフォワードセットポケットと呼ばれており、少しカジュアルな雰囲気になります。
パンツの横の縫い目(サイドシーム)に沿った、傾斜がないポケットを「バーティカルポケット」と呼び、フォワードセットポケットよりも格式高い雰囲気が特徴です。
ピスポケット
スラックスのお尻部分についているポケットが「ピスポケット」です。
フラップがあるフラップポケットと、フラップがない玉縁ポケットがあります。ヒップポケット、あるいは鉄砲隠しという別名で呼ばれることもあることを覚えておきましょう。
ビジネススーツではフラップなしのデザインが多く、ボタンで止める仕様になっています。
フォブポケット
ウエストに沿ってつけられた、懐中時計を入れるためのポケットです。
近年では、懐中時計を持ち歩くシーンが少なくなっていますが、かつてはマストなポケットでした。 カジュアルなジーンズにみられる、サイドポケットの内側にある小さなポケットです。チップを渡すための小銭入れとして使われています。
ポケットにもマナーがある
胸ポケットにはチーフ以外のモノは入れない
胸前の外ポケット(ウェルトポケット)はチーフを入れる時のみ使用します。チーフ以外の物、ボールペンなどは入れないようにしましょう。特にボールペンはスーツを汚してしまうことにもなりませんので、避けた方が無難です。
左胸の内ポケットは、仕事中に自然な動作で使えるポケットです。ビジネスで重要な名刺入れは、このポケットに入れます。クライアントの名刺をスラックスのポケットに入れるのは失礼にあたりますので注意が必要です。
スーツの内側のペンポケット(切り口の広いもの)に入れるか、カバンの中にしまうのがマナーです。胸元のペンポケットに入れてしまえば間違いありません。
ペンポケットは前ボタンを留めると、防犯や大切なものを落とすリスクが少なくなりますので、スマートフォンやカードケースなどを入れるのに適しています。
スーツのポケットは、本来なにも入れないのが基本です。スタイルが乱れてしまったり、型崩れの原因になるからです。小さな鍵程度のモノなら、さほど問題ありませんが、できるだけカバンに入れるように工夫した方がいいでしょう。
パンツポケットにモノを入れるのはダメ
パンツポケットには、モノを入れないというのが基本です。
夏場など気温が高い時期に、ハンカチ程度を入れるなら問題ありませんが、それ以上重いものや大きなものは、シルエットを崩したり、形崩れや生地を痛めてしまうリスクがあります。
ただ、カジュアルなジーンズでは、アクセントに長財布をチェーンにつけて、ピスポケットに入れるコーディネートも馴染みます。
ポケットのディテールによって、全体のシルエットが変わります。特にジャケットはスタイルによって、定番のディテールがあります。ブリティッシュスタイルやアメカジスタイル、またイタリアスタイルなど、スタイルごとに定番のディテールがありますので、基本を押さえておきましょう。
スーツのポケットにもマナーがある!知っておきたいマナーを詳しくご紹介。
スーツの「フラップ」とはどの部分?
フラップとは腰ポケットにあたる部分です。
腰ポケットは両サイドに1つずつ設置されており、その腰ポケットの上部分についている長方形で角が丸みを帯びたヒラヒラしたフタのことをフラップと呼んでいます。
腰ポケットは種類が豊富に存在しますが、その種類の多くにフラップポケットがついているのです。
基本的にどのスーツでもフラップが採用されており、非常によく見かけます。
商談や就活などに使うビジネススーツや冠婚葬祭やパーティー会場で使うフォーマルスーツでもフラップがついているので、装飾的な意味合いが強いです。
フラップは何のためについているのか
なんのためにフラップがついているかを解明するには、日本独自の呼び方を知るとよくわかります。
日本語ではフラップの別名を「雨蓋」という名称で呼んでいます。
その名の通り、スーツのポケットに雨水や埃が入るのを防ぐフタの役割があるのです。
そのため、外で着用する際に使う機能となっています。
また、フラップはスーツの全体的なバランスを統一する役割も担っています。
フラップの幅とラペルの幅はほとんど同じ長さで構成されており、とてもバランスがよいです。ラペルとは下襟とも呼ばれており、相手がよく見える部分に配置されています。
この両者の長さが同じだとスーツの見た目が綺麗に映り、相手によい印象を与えるのです。
しかし、現代では汚れがポケットに入ることはそう多くありません。
多くのスーツがフラップをつけていますが、機能的な面よりもデザインとしての意味合いが強くなっています。
フラップを出す・出さないはその場のルールに従えばいい
フラップを出す・出さないは、人によって「厳守するべき、どちらでも良い、出したままでいい」と、意見が分かれることを考えると、失敗できない就活など重要な場面なシーンではルールに従うことが無難です。
ビジネスのシーンでは、相手に合わせる、相手を不快にさせない配慮も大切となります。昨今では1日にいくつもの場所に移動することが多いため、フラップを出すか出さないかにこだわるのは現実的ではありません。
とはいえ、だらしない身だしなみでクライアントに不快な思いをさせてしまうと、仕事にも支障が出てしまうため、清潔感のある身だしなみをすることが重要です。フラップを出した方がいいのか、出さない方がいいのかは、状況によって柔軟に対応することがおすすめです。
また、社会人は知人の結婚式やパーティーなど、正装をするシーンも多くなってきます。そんなシーンで恥をかかないように、日頃からスーツのマナーには気をつけましょう。
【スーツ フラップ ポケット】スーツを着る時に重要!少し気を付けるだけで劇的に変化するフラップポケットの活用法
ビジネスで見かけるスーツのフラップ。あなたはただの飾りだと思っていませんか?フラップには独自のマナーがあり、そのマナーを知らないと恥をかいてしまいます。この記事ではそのようなマナーや胸・内・腰ポケットの特徴について解説します。フラップをビジネスシーンで活用したい方はご一読ください。
【シーン別】フラップの「出す・出さない」
フラップを出した方がいいのか、出さない方がいいのか迷ってしまうというかたも多いはずです。
ここではシーンごとにどうしたらいいのかを解説していきます。
就活シーン
就活する方は主に大学生が多くなります。大学生のほとんどは、入学式以外にスーツを着た経験がないという人も多いはずです。
とはいえ、就活の時にはリクルートスーツを着なくてはならないので、基本的なマナーを押さえておく必要があります。
そこで重要になるのは、スーツのフラップを出すか出さないか、の違いを理解しているかです。面接官は、そこまで見ないだろう、と思っているかもしれませんが、意外とそういった細かいマナーを見ているのです。
では、ポケットについているフラップは出すか、出さないか、どちらでしょうか。
結論からいうと、「屋内では出さない、屋外では出す」が正解です。
その理由は、フラップの機能を考えると理解できます。
フラップはポケットの中に、ホコリや雨粒が入らないようにするためについています。ですから、ホコリの少ない屋内ではフラップを出さないのがマナーです。逆に屋外では、ホコリや雨が降ってくることがありますので、フラップは出しておきます。
就活の面接は、屋内でおこなわれることが多いのではないでしょうか。その場合は、フラップはポケットから出さないのが正統なマナーです。こうした細部に渡ったマナーを身につけておけば、採用の可能性も高くなるでしょう。
ビジネスシーン
ビジネスシーンでは、重要な会食や会議などでは、基本ルールに従ってフラップを出すか出さないか判断します。普段のオフィスでは、出したままで大丈夫です。ただ、フラップのルールを守るかどうかは、その時のシーンによって違います。
例えば、新人研修や講演会など、それぞれのシーンで出す、出さないの認識に違いがあり意見が分かれているのが実際です。
多忙なビジネスのシーンでは、それほど厳格に決められていないことが多いようです。海外ドラマなどを観ると、フラップを出している人は少数派にみえます。近年では、フラップは本来の目的でつけているというよりも、デザインとしての面が強くなっているためです。
スーツはシルエットが崩れないように、ポケットには何も入れないのが基本です。そのため、ポケットのフタを出すか、出さないかにこだわってもしょうがない、という意見もあります。
スーツは、その成立過程から細かなディティールが受け継がれている、非常に稀有な衣服です。その時代には必要だったポケットも、近年では不要になっているというものもあります。
前述の通り、ピスポケットは拳銃を入れるためのモノ、フォブポケットは懐中時計を入れるモノなどが代表的な例といえます。
古くからのルールが残っていたりマナーが多いのも、世界中で男性の仕事服として進化を続けてきたことに原因があります。そのためスーツのルールを守らないと、失礼だと感じる人も多いのです。
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【メンズスーツ】スーツのポケットの正しい使い方・種類名称について詳しく紹介
【メンズスーツ】スーツのポケットの正しい使い方・種類名称について詳しく紹介
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