スーツの見栄えはベントの有無で異なる!スーツの後ろ姿のチェックポイントは2つある
見栄えが大切なスーツですが、後ろ姿を気にしている人は少ないのではないでしょうか。
鏡で見える姿は前部分だけなので、後ろ姿を気にしない人がいても納得がいきます。
しかし、ビジネスシーンはカジュアルな場ではありませんから、後ろ姿も考慮して身なりを整える必要があるのです。
とはいえ、スーツの後ろ姿で気にすべき箇所を知らない人は多いでしょう。
今回は、スーツの後ろ姿のチェックポイントや、ベントについて解説します。
人から見られている「スーツの後ろ姿」
自分で身なりをチェックする際に多くの人は正面と側面のみをチェックし、後ろ姿はあまり意識しないですが、スーツの後ろ姿は意外と見られているものです。しかし、正面と背面両方を日頃からチェックするのは難しく、自分の姿を全体的に正しくとらえるのも同様に難しいのが現状です。
後ろ姿でスーツのどこが合っていないかが分かる
スーツの後ろ姿を見ると、着た人とスーツのどこが合っていないかがわかります。スーツを選ぶ時、多くの人は肩幅と胸囲などを重点的にチェックしていますが、それだけではスーツをかっこよく着こなすことはできません。スーツの後ろ姿で確認すべきポイントを紹介します。
スーツの後ろ姿のチェックポイント・その1
ジャケットの後ろ姿で目に入るのは、首から肩にかけてのラインとウエストから腰にかけてのラインです。スーツの後ろ襟が首筋から肩のラインに美しく沿っているかどうかはなかなか自分ではチェックしにくい部分でしょう。
スーツの後ろ姿のチェックポイント・その2
ウエストから腰のラインも注意が必要なポイントです。スーツの肩幅と襟のラインが体に合っていても、ウエストから腰のラインを疎かにしていては見栄えが台無しになるからです。
スーツの着丈が短くて腰が中途半端に露出していたり、逆に長過ぎてだらしない印象を与えたりしていないかに注意しましょう。
後ろ襟が首筋から肩に綺麗なラインで流れているか、スーツの着丈がちょうど良い長さか、この2点をチェックし、自分のスーツの後ろ姿のどこが合っていないかを確認することが大切です。
スーツのサイズだけじゃない!姿勢が悪いとつくシワ
スーツを利用する人が抱えている悩みで特に多いのはスーツのシワではないでしょうか。スーツの内側に着るシャツには形状記憶タイプのものがあるので、シャツのシワに悩む人が少なくなった中、スーツのシワの悩みは昔も今も変わりません。
シワができにくい生地で作ったスーツでも全くシワができない訳ではないので、悩みが解消することはありません。しかし、悩みの解消は難しくても悩みの軽減を図ることは可能です。どんな姿勢の時にスーツのどこにシワがつくのかを正確に把握し、姿勢を正すことでシワを減らせるのです。
ツキジワ
まず、スーツにできやすいシワを上から順に見ていきましょう。スーツの後ろ姿で特に目立つシワは、スーツの襟の下にできるシワ、スーツ用語で言う「ツキジワ」です。ツキジワはいかり肩の人のスーツによく見られます。
腕のシワ
次に目立つのは腕部分のシワです。腕部分はどんな業種でも必ずシワができるので、肘のあたりのシワは気にする必要はありませんが、上腕部の内側にできるシワは見苦しく見られてしまいます。この部分のシワができるのは猫背の人や巻き肩の人です。
背中のシワ
続いて気になってくるのは、背中から腰にかけてのシワです。背中や脇の部分にシワが寄ってしまうのは、直立の姿勢で腰が反りお尻が突き出してしまう体型の人に多く見られる現象です。
スーツのシワを防ぐには
これらのシワができにくいようにするには、普段から自分がどんな姿勢をとりがちなのかを把握した上で姿勢を正すようにしましょう。姿勢ではなく持ち前の体型でシワができやすい人は、スーツを買う時に店員に相談して、体型にあったスーツを選ぶことが大切です。
スーツの背中の仕付け糸、何のために付いているの?
スーツを購入した時、背中やポケットなどが目立つ色の糸で縫われていることがあります。これは仕付け糸です。仕付け糸というのは、衣装の裾やヒダなどが広がることで、型くずれを起こさないように処置するための糸です。
取り忘れのないように目立つ場所に目立つ縫い方で施されていることもありますが、背中についている仕付け糸は見落とす人もいるでしょう。仕付け糸が主についている場所や、取り除き方などを紹介します。
スーツの背中の仕付け糸
スーツの裾あたりをバッテンの形で縫ってある場合はすぐ見つかるのですが、ベントの内側を仕付けている場合には見落としがちです。ベントについては次の項で解説します。
ベントの仕付け糸は一瞥しただけではわからない場所にあるので、そのまま着続けている人を散見します。スーツを購入した店で取ってくれることもありますが、多くの店ではそのまま販売するため、購入者が気付かないまま、スーツを着続けてしまうのです。
仕付け糸の取り除き方
こういった事態を防ぐためには、スーツを購入する際にお店に仕付け糸をすべて取るようにお願いするか、購入後に自分でチェックして取るようにしましょう。
仕付け糸を取るのに最も適した道具はリッパーという裁縫道具ですが、一般家庭に必ずあるようなメジャーなアイテムではありません。自宅にない場合には、ハサミなどでスーツの生地を切らないように注意しながら仕付け糸を取り除いていきましょう。
仕付け糸のチェック
仕付け糸が付いていることが多いのは、正面では肩と胸ポケットの部分、背中ではスーツの裾の中央あたりです。ここに仕付け糸がついたままだと、直立姿勢なら目立ちませんが、体を動かした時に仕付け糸が付いたままなのがわかります。スーツの裾がすぼまったままの状態になるからです。
スーツをかっこよく着こなすためには、背中側の仕付け糸をチェックすることも忘れないようにすることが大切です。縫い付けてある糸が仕付け糸かそうでないか判断がつかない場合には、購入したお店などに確認するようにしましょう。
スーツの「ベント」って何?
ベントというのは、スーツの背中の裾あたりに入っている切込みのことです。乗馬をする時などに動きやすくするために考案されたデザインで、昔のスーツにはベントがありませんでした。
ベントが綺麗に広がることで、スーツの後ろ姿のかっこよさを更に引き立たせることができます。また、スーツのシワや突っ張りを防止する働きも期待できるのです。切り込みの位置によって名称が異なるベントの種類を見てみましょう。
センターベント
最初にご紹介するのはセンターベントです。センターベントはスーツの背中の裾の中央に入っているベントを表します。上半身の可動域を広げる効果があり、ベントの中では最もポピュラーと言えるもので、現在は多くのスーツがセンターベントを取り入れています。
ベントが乗馬をするために考案されたデザインを前述しましたが、センターベントにはその由来に即した「馬乗り」という別名があります。
サイドベンツ
2番目にご紹介するのはサイドベンツです。サイドベンツはスーツの両脇の裾に入っている切り込みを指し、ダブルベンツとも呼びます。センターベントよりも動きやすさを重視したサイドベンツは、騎士が武器を抜きやすいように考案されたデザインで、その由来から「剣吊り」という名称もあります。
スーツの裾が着ている人の動きや風などによってふわりと広がる様子が美しいことで定評があり、クラシックなブリティッシュスタイルのスーツやイタリアンスタイルのスーツがサイドベンツであることが多いです。
フックベント
3番目にご紹介するのはフックベントです。センターベントの変型とも言えるフックベントは、切込みの上部が鍵状になっていることからその名前が付きました。アメリカントラッドスタイルのスーツにはフックベントが多く採用されています。
ノーベント
最後にご紹介するのはノーベントです。ノーベントはその名前の通りベントがないデザインのスーツです。最も古いタイプのベントで、現在では動きやすさに配慮する必要がない礼服やタキシードやフォーマルスーツなどに使われています。
自分で見えないからこそスーツ店で確認してもらう
スーツの後ろ姿は、自分で見えないからこそスーツ店で確認してもらう必要があります。スーツをより良く着こなすために必要なチェックポイントを確認してみましょう。
チェックポイントは、次の3つです。
- 正面からの見栄え
- 着心地
- 後ろ姿
それぞれ見ていきましょう。
正面からの見栄え
最初に確認するべきなのは正面からの見栄えです。つい好きな色とデザインを選んでしまいがちですが、好きな物と似合う物が一致しているとは限りません。冷静なプロである店員の目で似合う色とデザインを選んでもらうのが最も無難な手段です。
着心地
次に確認するべきなのは着心地です。サイズが合っていても生地の肌触りを心地よく感じないとお気に入りのスーツにはなりません。どんなタイプの生地が好きなのかを店員に伝え、相談しながら着心地の良いスーツを見つけましょう。
後ろ姿
最後に確認するべきなのは、この記事の中で解説してきた後ろ姿です。意外と見られているスーツの後ろ姿を意識している人としていない人では、スーツの着こなしレベルがかなり違ってきます。スーツの型が体に合っていないためにシワが寄りやすくなっていないかも再度チェックしてみましょう。
仕付け糸の処理が心配な場合には、購入時に店員に取り除いてもらうことをおすすめします。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
オーダースーツSADAとは、店舗数が国内で一番多い(2022年8月時点)オーダースーツ専門店です。
オーダースーツSADAでは、スーツの前部分のみならず後ろにこだわってオーダーいたします。
そのため、後ろ姿からも上品な装いを演出できます。
ワンランク上のスーツをお探しなら、オーダースーツSADAまでご相談ください。
お客様のご希望に添えるよう弊社スタッフが親身になってご対応いたします。
スーツ姿は背中にも気を抜かない
スーツを着用する際に見落としがちなスーツの後ろ姿をより良く見せるポイントをまとめました。自分の体型に合った色・デザイン・サイズのスーツを選んだ上で、シワができやすい姿勢を取らないことに注意です。
更にベントのタイプにも配慮することで、あなたのスーツスタイルの完成度を大幅に向上させていくことができます。スーツを着る上でのチェックポイントを頭に入れて、スーツを着こなしていきましょう。