サスペンダー(ブレイシーズ)とは?種類や選び方・着こなし方をわかりやすく紹介!
サスペンダーとは何かご存じですか?
イギリスでは「ブレイシーズ」と呼ばれ、イギリス伝統のクラシカルスタイルを上手に着こなすための必須アイテムともいえます。たとえば、シンプルな黒や紺のサスペンダーをビジネススーツに合わせたり、上質な素材のサスペンダーを選んだりすれば洗練された印象を演出できるでしょう。
サスペンダーは普段のビジネススーツにモダンなアクセントを加えたいときに活用できるアイテムですが、どのように取り入れたらいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、サスペンダーの種類や選び方のポイント、サスペンダーを使うメリットやデメリット、おすすめの着こなし方などについて解説します。ぜひ参考にしてください。
サスペンダー(ブレイシーズ)ってどういうもの?
端をズボンに取り付け肩でつりさげる形でズボンを固定するベルトのことをアメリカでは「サスペンダー」、イギリスでは「ブレイシーズ」と呼びます。
クラシカルスタイルのスーツを着こなす際に欠かせないアイテムのひとつがサスペンダーです。
イギリスでは、サスペンダーというと女性用のストッキングをつる「ガーターベルト」の意味になり、一方アメリカでブレイシーズというと「歯の矯正器具」を意味になることがあります。
国や地域によって呼び方が変わってくることもあるため、両方の呼び名を覚えておくとよいでしょう。実用性が高く、アメリカでは作業服やジーンズに使われることが多いサスペンダーは、日本ではカジュアルなイメージでとらえている人が少なくないようです 。
しかし、イギリスでは伝統的に正装用のズボンつりとして用いられてきました。ベルトが主流となっている現在では、お腹周りが太めな人や小さな子どもが使うものと思われがちですが、ブレイシーズならではの良さもあります。
例えば立ったり座ったりしてもウエストを高い位置で維持しやすい点。
さらにセンタークリース(ズボンの縦ライン)をきれいに見せられるという点はブレイシーズを用いるメリットといってよいでしょう。
装飾品として扱われることの多いブレイシーズですが、ズボンのウエストからシャツがはみ出るのを防ぐことができるため、実用性も高いアイテムです。
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サスペンダーの歴史と語源
サスペンダーの歴史は18世紀のフランス革命時代にまで遡ります。この時期は、人々のファッションスタイルも大きな変化を遂げていました。
当時のズボンはかなり股上が深いデザインでした。そのため、人々は肩から紐状のものでズボンを吊るすことでズボンがずり落ちるのを防ぎ、体型に合わせた調整を効かせるようになったのです。
このアイデアがサスペンダーのルーツであるといわれています。19世紀に入ると、さまざまな型や素材が登場しました。次第に、実用性に加えてコーディネートにアクセントを加えるファッションアイテムとして、サスペンダーは人気を博していったのです。
サスペンダーという言葉は、英語で「吊るす」を意味する「suspend」から派生したもの。なお、イギリスで用いられる「ブレイシーズ(braces)」には「支える」という意味が込められています。
サスペンダーの種類
サスペンダーにはいくつかの種類があり、タイプによって使い勝手が異なります。以下のような種類があるので、特徴を見ていきましょう。
- H型
- X型
- Y型
- ホルスター型
それぞれのタイプを詳しく解説します。
H型
H型は身体の横2点で留めるタイプです。ベルトが前後に2本ずつ付いたデザインとなっており、留め具の部分がクリップ式は4点留めのタイプ、レザー式のタイプは先端が2つに分かれるため、8点留めのものが一般的です。
H型はサスペンダーの中で最も歴史が古いタイプとなっています。縫製した背中の4つのパーツがそれぞれ動くようになっており、身体にフィットするのが特徴です。機能性を重視した作りになっているので動きやすさを重視したい方に向いています。
X型
X型は後ろ部分で交差しており、前2点、後ろ2点で留めるタイプです。左右対称の留め方によりパンツの折り目をきれいに表現できます。また、H型よりも安定したパンツの吊り下げが可能です。
後ろ部分には調整金具が付いており、ある程度の体型に合わせられる作りとなっているのが特徴です。体格のいい人に向いているデザインといえるでしょう。
Y型
Y型は後ろ1点、前2点の計3点で留めるタイプです。日本ではサスペンダーと聞いてこの型を想像する人が多いのではないでしょうか。
背中のベルト部分がYの形になるように着用するタイプのため、すっきりとした見た目に仕上がります。X型は4点で留めるため安定的な機能重視という側面を持っていますが、Y型は機能面よりも見た目を重視したタイプのサスペンダーです。
Y型は、ビジネスシーンでサスペンダーを取り入れたいと考えている人におすすめのデザインです。
ホルスター型
ホルスター型はH型と同じく、身体の横2点で留めるタイプです。たすき掛けのように着用するため、肩からずり落ちる心配がありません。
刑事ドラマで拳銃のホルスターを取り付けているサスペンダーがこのタイプです。2点留めなので、クリップを外すだけで着脱でき、着替えも簡単にできます。ほかの人とは違ったサスペンダーを使いたいという人に向いているデザインです。
サスペンダーを調整する方法
サスペンダーの調整は、着用する人の体型に合った快適なフィット感とスタイリッシュな見た目を実現するために欠かせません。ここでは、サスペンダーを調整するポイントについて詳しく解説します。
たとえば、外国製のサスペンダーは長めに作られていることが多く、体型によってはフィットしにくいことがあります。そのため、調整金具の位置を自分の体型に合わせることでバランスがよくなります。
また、どのようなタイプのサスペンダーであっても、サスペンダーが肩にかかる位置を前もって調節するとずれにくくなり、見た目が整います。なで肩の人はとくに意識しておくとよいでしょう。
さらに、ウエストサイズに注意することで、スーツがしっかりと支えられ、長時間の着用でもずれにくくなります。シャツの納まりやサスペンダーの留め具の存在を考慮し、ベルトを着用したときよりも2cm程度の余裕を持たせることをおすすめします。
サスペンダーの調整を正しく行うことが付け心地の快適さにつながります。ぜひ試してみてください。
サスペンダー選びのポイント
おしゃれアイテムとしてサスペンダーを使う場合、選ぶポイントを理解できていないとどのようなものを購入したらいいのか迷ってしまうかもしれません。
そこで、ビジネスシーンでサスペンダーを選ぶ際のポイントを詳しく解説します。以下のポイントについて詳しく見ていきましょう。
- 色柄
- 素材
- 留め具
- パンツの種類
色柄
サスペンダーの色柄は、シャツやネクタイと合わせます。
ビジネスシーンでは基本的に白のシャツを着用するので、サスペンダーを対照的な黒にするとおしゃれ感が増します。紺のネクタイには紺のサスペンダーを合わせるなど、ネクタイと同系色のものを選ぶのも統一感が出ておすすめです。
柄については「無地」がやはり無難といえます。柄ものはビジネスシーンにはあまり向いていないので、カジュアルなシーンで使用しましょう。
ビジネスシーンに派手な色のネクタイは向いていません。同じように派手な色のサスペンダーも向いていないので、避けたほうが無難です。TPOに合わせてサスペンダーを着用するようにしましょう。
素材
サスペンダーの素材には以下のようなタイプがあります。ビジネスで利用するなら、伸縮性のあるゴム素材を選ぶのがおすすめです。
- ゴム(エラティック)・・・伸縮性があり、付け心地が良く、価格も安い。ただし他の素材より伸び縮みで消耗しやすい
- リボン(リジット)・・・伸縮性はないが、長持ちする。ゴムよりも華やかさがあり、エレガントな印象を与えられる
- 革(レザー)・・・上品な質感と経年による変化でおしゃれ感を出せる。水・湿気などに弱く、取り扱いに注意が必要
機能性を重視するなら伸縮性のあるゴム、風格のあるビジネスマンの雰囲気を出したければ革(レザー)、カジュアルシーンでおしゃれを楽しむならリボン(リジット)がおすすめです。
留め具
サスペンダーの留め具には、「ボタン留め」と「クリップ留め」の2種類があります。
ビジネスシーンでは正統派の留め方であるボタン留めがおすすめです。2つの違いについて詳しく見ていきましょう。
①ボタン留め
ボタン留めは、サスペンダーの基本的なタイプです。パンツに縫い付けたサスペンダー用のボタンに、サスペンダーを引っ掛けて使用します。
ボタン留めの利点は外れにくく、安定感があることです。パンツにボタンが取り付けてあるので、生地を傷めることもなく、安定したシルエットを維持できます。古くからある伝統的なタイプなので、クラシックな装いに最適です。
②クリップ留め
パンツにサスペンダー用のボタンがなくても取り付けられるのがクリップ留めです。わざわざサスペンダー用のパンツを用意しなくていいので、気軽に取り入れることができます。
注意するべきなのは、ボタン留めと違って、サスペンダー専用の留め方ではないので、パンツの生地を傷める可能性がある点です。
クリップでサスペンダーを留める際は、生地を傷めないよう注意しましょう。クリップ留めを使うのであれば、傷みにくい丈夫な生地のパンツを選ぶのがおすすめです。
パンツの種類
サスペンダーを付けるパンツは「サスペンダー専用のパンツ」がベストな選択肢です。一般的なパンツでは、サスペンダーのメリット、シルエットの良さを十分に活かすことができません。
基本的にパンツにはベルトを通す「ベルトループ」が取り付けられています。サスペンダーを付けるとベルトを装着する必要がなく、シルエットがスッキリするメリットがあるのですが、ベルトループがあると存在を主張してしまいます。
シルエットの良さを強調したいのであれば、主張が強いベルトループのあるパンツではなく、ベルトループなしのサスペンダー用のパンツを用意するのがおすすめです。
サスペンダーを使うメリット
サスペンダーはズボンがずれないようにするアイテムです。その中でもとりわけ相性が良いのがスーツとの組み合わせです。ここでは、スーツスタイルのときにサスペンダーを使うメリットを厳選して4つ紹介します。
パンツの長さを保てる
スーツスタイルの際にはズボンベルトを使ってパンツを締めることが多いですが、長期間外勤などで動いた場合パンツの位置にずれが生じる可能性があります。そのようなときには、サスペンダーでパンツの長さを保つのがおすすめです。
外勤ではかばんを手に持つことが多く、手が塞がってしまうケースがあります。手が塞がった状態ではパンツのずれを直すことが難しくなるため、手を空けられる状態を作り出せるサスペンダーはおすすめです。
パンツの折り目を美しく保てる
スーツ着用の際にベルトを締めていた場合、バックルが変な場所に来てしまったり、上着の裾からバックルが変に見えたりすることがあります。そうなってしまってはだらしなく見えてしまい、周囲に悪い印象を与えることとなるでしょう。
サスペンダーを上手に使いこなすことによって、パンツの折り目を常に美しい状態を保ち、周囲に清潔感を与えられます。
ブランド物の小物を身に付けることやおしゃれな組み合わせを意識することも大切ですが、まずは美しい状態を維持し続けることこそが第一条件といえるでしょう。
ベルトの締め付けを避けられる
当然ですが、スーツスタイルではベルトをすることが美しく着こなす最低条件であり、ベルトなしのスーツスタイルは考えられないという人も多いはずです。
スーツスタイルの際に、長い時間ベルトを締め続けていると、締め付けられている部分が痛くなり、仕事に支障をきたすことが多々あります。ベルトの代わりにサスペンダーを使えば肩に吊るして固定できるため、腰回りの負担が改善されるでしょう。
また、ベルトを締めたときにできる「服装のずれ」が起こらないため、きれいで快適な着こなしが可能です。
足長効果を得られる
サスペンダーは、足が長く見える効果があることが特徴です。
というのもパンツをベルトで固定している場合、少しずつパンツが下に落ちていき、周りから足が短いと思われてしまう可能性があります。ウエストの近くだった場合、センタークリースが変形することによってかっこ悪く見えることもあるので注意が必要です。
サスペンダーを使えば、パンツの折り目が曲がらずに見え、パンツラインをきれいに見せられます。それによって足が長く見える効果があるため、足の短さがコンプレックスとなっている人はサスペンダーを使った方がいいでしょう。
カジュアルスタイルではあえて見せることが多いサスペンダーですが、スーツスタイルのときは、ジャケットなどを脱いだときに初めて見えるくらいがちょうどよい状態です。
スーツでサスペンダーを用いるときは、パッと見たときに隠れて見えないような位置に装着するのが基本です。スリーピースならベストの下に、ツーピースであればジャケットの下に着用してください。
サスペンダーの初心者が付け心地を試すならスリーピースを選び、ベストの下に着用すれば多少動いても簡単には見えないでしょう。サスペンダーはさりげなく着用するのがおしゃれな着こなしです。
サスペンダーを使うデメリット
サスペンダーは便利でスタイリッシュなファッションアイテムですが、場合によっては使いにくいこともあります。そこで、スーツスタイルでサスペンダーを使用する場合のデメリットとその対策について、詳しく解説します。
持っているパンツに対応できないことがある
大柄な体型の人は、サスペンダーを使用する際に手持ちのパンツと合わないことがあります。お腹を避けて腰骨あたりで前下がりにベルトを締めている場合、現在のスーツのサイズや形状が合わない可能性があるからです。
また、サスペンダー用のボタンが付いていないスーツの場合、ボタンを縫い付ける必要があります。
これらの問題を解決するためには、オーダースーツを検討するとよいでしょう。オーダースーツとサスペンダーの組み合わせなら、体型に合わせたフィッティングが実現します。
サスペンダーが外れやすいことがある
なで肩の人がサスペンダーを使用すると、肩からずれ落ちやすくなります。また、クリップが緩んでいる場合、歩いたり座ったりするたびに外れてしまうことがあります。
快適に着用するには、しっかりとフィットするサスペンダーを選び、クリップやボタンをしっかり固定することが重要です。また、Y型やX型のサスペンダーなら、肩からのずれを防ぐのに効果的です。さらに、調整可能なタイプのサスペンダーを選ぶと、自分の体型に合わせて調整できるので、ずれにくくなります。
肩が凝ることがある
サスペンダーは肩に圧力をかけるため、長時間使用すると肩が凝ることがあります。また、サスペンダーの長さが適切に調整されていない場合、圧力が均等にかからず、肩こりの原因になることも。
対策として肩にかかる圧力を分散できる幅広のサスペンダーを選ぶのも一つの方法です。サスペンダーの長さはゆとりを持たせ、肩に過度な負担がかからないようにしましょう。
自分に合ったサスペンダーを選び、正しく使用すれば快適でスタイリッシュな着こなしを実現できます。
【スーツ別】サスペンダーを用いた着こなし
サスペンダーを取り入れる際、着こなし方を理解しているのとしていないのとでは、相手に与える印象が大きく異なってきます。
ここではサスペンダーとスーツの合わせ方を解説します。
サスペンダーと合わせるスーツスタイルの基本は、ベストを着用する「スリーピーススーツ」がおすすめです。
一方で、ジャケットとシャツのツーピーススタイルでも、サスペンダーを着用することはあるので、スーツスタイルとの合わせ方を見ていきましょう。
スリーピースの場合
スリーピーススーツとサスペンダーを合わせる際は、ベストの下にサスペンダーを付ける「隠す(見せない)スタイル」が基本です。
サスペンダーでパンツをしっかりと固定した、安定感のあるシルエットとなります。
基本的にサスペンダーはベストとシャツの間で使用して、人前には出さないようにしましょう。
ツーピースの場合
ツーピースの場合も基本的にはサスペンダーは隠す(見せない)アイテムです。
しかし、スリーピースと違いベストを着用しない分、着方によっては少し見える可能性があります。
サスペンダーが少し見えることを利用した、さりげないおしゃれ感や大人の色気を意識しましょう。
シャツオンリーの場合
カジュアルシーンでは、シャツ一枚にサスペンダーを付けるスタイルもあります。
サスペンダーを使用することで、クラシックな雰囲気を手軽に出せるためです。職場によっては、オフィスカジュアルとして使用できる場合もあります。
ただし好ましくないと考える人もいるため、オフィシャルな場では控えるなど、着用するシーンには気を付けましょう。
【シーン別】サスペンダーを用いた着こなし
サスペンダーはさまざまなシーンで用いられるものの、いつでも同じサスペンダーをすればいいというわけではありません。
シーンごとに適したサスペンダーを見ていきましょう。
ビジネスシーン
ビジネスシーンでは「ホルスター型」のサスペンダーを用いるのが適しています。というのも、ビジネスシーンではなるべく仕事に集中できるように動きやすいサスペンダーが好まれており、ホルスター型はまさに動きやすいことで定評があるからです。ホルスター型はたすき掛けになっているため、肩からのツッパリ感がなく、負担を感じることがほとんどありません。
また、ベルトのきつさが嫌でサスペンダーを使っている人も多いですが、従来のサスペンダーでは腰の痛みは軽減できても、肩への締め付けが残ってしまうのが一般的です。
しかし、ホルスター型のサスペンダーは他のサスペンダーよりも比較的肩への負担が少なく、圧迫感もないため、ビジネスパーソンから多くの支持を集めています。
フォーマルシーン
フォーマルなシーンでは、Y型のボタン留めのサスペンダーがおすすめです。
Y型はサスペンダーが誕生した1800年代初頭に初めて生み出されたものであり、サスペンダーの中では一番古いタイプとなっています。ベルトが生み出されたのは戦後であり、サスペンダーと比べて比較的遅いです。
このような歴史的経緯により、Y型サスペンダーは一番フォーマルなサスペンダーとなっており、モーニングスーツや結婚式で着る用のスーツなどは全てY型サスペンダーとなっているのです。
留め具に関してはクリップ留めとボタン留めの2種類がありますが、フォーマルなシーンの場合はボタン留めが正しいスタイルとなっています。
色は白や黒の一色、もしくは白黒の縞柄がデフォルトであり、他の色はフォーマルな場所では使われないことが一般的です。
カジュアルシーン
ビジネスシーンやフォーマルシーンでのサスペンダーにはかなり細かいルールがあるものの、カジュアルシーンで着用する際のルールはありません。コーディネートや好み、全体の雰囲気を意識しながら自由にサスペンダーを楽しみましょう。
たとえば青のデニムに白のシャツといったシンプルなスタイルにインパクトの強い色や柄のサスペンダーを取り入れた場合、おしゃれな雰囲気を醸し出せます。
また、ギンガムチェックのシャツにサスペンダーを加えた場合、クラシカルな雰囲気になり、格式の高さを印象付けることが可能です。
このように、サスペンダーを用いることで紳士的なコーディネートが楽しめます。
おしゃれ上級者の中にはあえてサスペンダーを肩にかけずに外して垂らすことがあります。外しアイテムとしてサスペンダーをファッションに取り入れるためです。その場合はベルトを使うと不格好になってしまうため、ウエストから落ちてこないパンツを選ぶことがポイントです。
ベルトの幅に関しては、1.5cmほどのものから5cmほどのものまで幅広く売られていますが、2.5cmから3cmの長さが一般的です。
フォーマルな場所では3cm前後のサスペンダーが適していますが、カジュアルな場所ではさらに太いサスペンダーを使うのもおすすめです。太いサスペンダーは安定感と主張が強くなるため、個性をアピールできます。
サスペンダーの色柄選びにコツはある?
サスペンダーにはさまざまな色や柄があります。
スーツに用いるときはほとんど隠れてしまうため、どの色や柄のサスペンダーを選んでも問題ないように思えますが、どのようなものでもよいわけではありません。
サスペンダーは、ネクタイやシャツの色柄に合わせて選ぶのが基本です。柄物と柄物を合わせてしまうとチラッと見えたときにしつこく感じられます。
フォーマルならサスペンダーの色はドレスシャツに合わせて白か黒ですが、ビジネススーツならもう少し違った色も選べます。シャツやネクタイとの相性を考えた色選びをしましょう。
たとえばストライプのサスペンダーは柄の太さによってはカジュアル感が出てしまいます。ストライプのシャツにストライプのサスペンダーを合わせると品のない印象になってしまうでしょう。
ビジネス用のサスペンダーなら、シャツと同系色のグラデーションやネクタイと同系色のものにすると落ち着いて見えます。
チラッと見えたときに自然でなおかつ粋に見えるようにするなら、スーツの裏地の色に合わせるとよいでしょう。
素材や形選びは?
サスペンダーの素材は伸縮性のある素材が全体に使われているものと、背中など一部のみに使われているものの2種類があります。
どちらがよいかは好みによりますが、安定感があるのは一部のみに伸縮素材が使われているタイプです。
しかし全身を動かす機会が多いのであれば全体が伸縮性に富んでいるサスペンダーを選んだ方が楽かもしれません。
形はH型、X型、Y型がありますが、ビジネススーツで用いるならY型がよいでしょう。後ろから見たときにスッキリとしたシルエットになります。もし、肩が落ちやすいのであればX型を選ぶと安定するでしょう。
サスペンダーは幅が細いものから太いものまでありますが、あまり太すぎるとカジュアルっぽくなってしまいますし、細すぎると安っぽくなってしまうことがあります。スーツスタイルに用いる場合は4cm前後の幅を選ぶとよいでしょう。
パンツへの固定方法は?
サスペンダーには「ボタン留めするタイプ」と「クリップ留めするタイプ」があります。
ボタン留めするタイプを用いるときは先にウエスト部分にボタンを縫い付けておきましょう。自分で縫い付けることもできますが、スーツを購入するときにお店でサスペンダー用のボタンを付けておいてもらうのがおすすめです。
H型やX型なら8カ所、Y型なら6カ所のパンツのウエスト部分にボタンが必要です。ボタンを縫い付けなくても使えるという点ではクリップ式が便利かもしれません。
さまざまな用途に使える、ボタン式とクリップ式の両用になっているタイプもあります。それぞれの用途に合うものを選びましょう。両用タイプのサスペンダーは、ボタンを引っ掛ける部分を取り外せるようになっています。クリップ式として使うときはループ部分を取り外して端にクリップがくるようにしてください。なお、昔からあるのはボタン留めタイプです。
クリップ式はクリップ部分の造りによって安っぽく見えてしまうという面があるので注意が必要です。クリップでパンツの生地を傷めたくない人や、おしゃれに着こなしたい人にはボタン留めタイプを選ぶとよいでしょう。
サスペンダーを活用してモダンなおしゃれを楽しもう
サスペンダーにはさまざまな種類や素材、選び方のポイントがあります。サスペンダーはパンツとの合わせ方が重要です。
サスペンダーを用いる場合は腰回りにプリーツ、正面にくっきりとしたセンタークリースが入っているパンツを選びましょう。ウエストの位置が少し高めになるように調整すれば、センタークリースがきれいに出るため足長効果が期待でき、おしゃれでスタイリッシュに着こなせます。
普段のスーツやパンツスタイルにサスペンダーを取り入れ、いつもと少し違ったおしゃれを楽しんでみませんか。
サスペンダーはスーツをモダンに着こなしたいときにおすすめのアイテムです。サスペンダーの色や柄はネクタイやシャツに合わせてチョイスしましょう。ネクタイやシャツを柄物にするなら、サスペンダーはシンプルな無地を選ぶと上品にまとまります。フォーマルシーンでは白か黒のサスペンダーがおすすめです。ビジネスにはシャツと同系色でグラデーションを作ったり、ネクタイと合わせたりすると良いでしょう。ブレイシーズは背中の形が3種類ありますが、ビジネスではY型がおすすめです。肩が落ちやすい体型の方はX型を選ぶと良いでしょう。ズボンへの固定方法は「ボタン」と「クリップ」の2パターンがありますが、ズボンにボタンを縫い付けることなく使えるクリップ式が便利です。おしゃれ感を優先したい方はボタン留めタイプもおすすめ。ぜひサスペンダー選びと着こなしをマスターして、英国紳士のスタイルを実現してくださいね。