本切羽ってなに?スーツのおしゃれを演出する本切羽について解説
本切羽(ほんせっぱ)という言葉をご存知でしょうか。あまりなじみのない言葉ですが、本切羽とは、スーツの仕様の一つです。これからスーツを着る機会がある方は、本切羽などの仕様の種類を覚えておくといいでしょう。本切羽の特徴を理解し、上手くスーツスタイルに取り入れることで高級感のあるスタイリッシュな印象を与えることができます。普段スーツを着慣れていない方やスーツのおしゃれを楽しみたいと考えている方は、本切羽の特徴やメリットを押さえておくとコーディネートに活かすことができるはず。また、オーダースーツの購入を検討している場合には、本切羽はオプションでの依頼となります。スーツをおしゃれに着こなすために、個性を演出できる本切羽にこだわってみると、コーディネートの幅が広がり、今までとは違ったおしゃれを楽しむことができるかもしれません。そこで今回は、本切羽とはどういうもの?本切羽の歴史やメリット・デメリットをはじめ、本切羽仕様の種類や着こなす上でのポイントなどを紹介します。本切羽について知りたかった方やオーダースーツで本切羽を取り入れたい方は、ぜひ参考にしてみてください。知っておくだけでも、他と差をつけられるはずです!
本切羽(ほんせっぱ)という言葉を知っていますか?本切羽とは、スーツの仕様に関するものです。あまりなじみのない言葉ですが、スーツをおしゃれに着こなしたい人は知っておきたいポイントです。本切羽とはどういったものなのでしょう。またオーダースーツを作る場合は、こだわるべきなのでしょうか。この記事では、本切羽について詳しくご説明します。
本切羽とは?
本切羽とは、スーツの袖口についているボタンのデザインのひとつです。スーツには、袖口のところに3?4つのボタンがついています。このボタンがただの飾りではなく、下の写真のように開け閉めできるようになっているものを本切羽といいます。
逆にボタンが開け閉めできず、ただの飾りとしてついている仕様を開き見せ(あきみせ)といいます。一般的に既製品のスーツは開き見せになっていて、本切羽はオーダースーツのオプションとして扱われることがほとんどです。
なぜ袖口にボタンがついているのか?
そもそもなぜ袖口にボタンがついているのでしょう。ウソか本当かは不明ですが、考えたのはフランスの革命家ナポレオンと言われています。
ナポレオンの軍がロシアへ進軍していた時の話です。ロシアのあまりの寒さに隊員たちは鼻水をたらし、制服の袖口で拭いていました。それを見たナポレオンは制服が汚れてみっともないと感じ、鼻水を拭きにくくするために袖口にボタンをつけたのが起源とされています。
昔はボタンとして機能していた
今では飾りになっている袖口のボタンですが、昔はちゃんとボタンとして機能していました。
ボタンの開け閉めができる本切羽は、英語で「surgeon’s cuffs(外科医の袖口)」といいます。19世紀初頭、お医者さんが手術をするとき、汚れないように袖をまくる目的でボタンを開け閉めできるようにしたそうです。
袖をまくらずにジャケットを脱げばいいと思いますが、当時と現在では服装に関する考え方に違いがあります。
19世紀初頭は、シャツはインナーとして扱われていました。そのため人前でジャケットを脱ぐことはなく、手術の際は袖をまくる必要があったので、当時の時代背景に合わせて作られた機能が本切羽なのです。
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本切羽仕様のスーツのメリット
スーツを本切羽仕様にすることで、以下のようなメリットがあります。
- おしゃれを演出できる
- 高級感がある
- 通気性が良い
本切羽は機能としてではなく、ファッションとしての評価が高いデザインです。それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
おしゃれを演出できる
本切羽のボタンを外すことで、おしゃれを演出することができます。
ただボタンを外すだけでもいいですが、袖を折ったりまくったりすることで、よりおしゃれな着こなしになります。
おしゃれのポイントは手首です。腕時計やブレスレットをつけることで、大人の雰囲気を身につけることができます。
ジャケットを着ていると、手首が袖で隠れてしまうものです。本切羽のジャケットなら、ボタンを外して袖をまくることで手首が露出されます。こうすることで腕時計やブレスレットが強調され、カッコいい着こなしになるでしょう。
高級感がある
本切羽のジャケットには高級感があります。それは本切羽仕様になっているスーツは、オーダーメイドや高級ブランドのものがほとんどだからです。
多くの紳士服ブランドが販売している既製品は、ほとんどがボタンの開け閉めができない開き見せになっています。最近では、本切羽は機能としてではなくファッションのひとつとして扱われることが多いです。そのため値段を安く抑えたい既製品では、作るのに手間のかかる本切羽は採用されることが少なくなっています。
つまり本切羽のスーツは、開き見せのものに比べて高級感を演出することができます。この部分の違いはスーツ事情に詳しい通の人にしか伝わりませんが、細かい部分にこだわるのもおしゃれには重要なことです。
通気性が良い
本切羽のスーツは通気性に優れています。
スーツの弱点は通気性の悪さです。近年はクールビズで夏場はジャケットを着ないで仕事をする職場も増えています。スーツの通気性が悪いので、夏場にジャケットを脱ぎたくなるのも当然です。
本切羽ならボタンを外して袖をまくことができるので、開け見せのスーツに比べて夏場でも快適に過ごせます。
ジャケットを脱いだほうが涼しいのはもちろんですが、シャツ1枚よりもジャケットを着ている方が間違いなくおしゃれです。通気性とおしゃれのどちらも捨てたくない、そんな人は本切羽のスーツを選ぶのがおすすめです。
正しい袖丈がポイント!スーツをかっこよく着こなすための袖先の選び方を解説
スーツを選ぶとき、着丈を気にして選ぶことは多いと思いますが、それと同じくらい重要なのが袖丈です。袖丈とは、肩先から袖口にあたる腕のくるぶしまでの長さのことです。袖丈は、短すぎるとジャケットからワイシャツが大きく出ていてバランスが悪いですし、長すぎてもだぼっとしてスーツに着られている感が出てしまいます。背丈や体格は人それぞれであるため、一人一人に合った袖丈があります。自分にはどのくらいのものが合うのかを正しく把握したうえで、しっかりとフィットするものを選ぶことで、かっこよくスマートに着こなすことができます。
本切羽仕様のスーツのデメリット
おしゃれで高級感があって通気性もいい本切羽ですが、デメリットもあります。
- 値段が高い
- ボタンの穴に引っかかる
- 袖丈の調整が難しい
本切羽が既製品としてあまり出回っていないのにも、これらの理由が原因になっているためです。それぞれ詳しくご説明します。
値段が高い
本切羽のスーツは、開き見せのものに比べて値段が高くなります。
紳士服ブランドで販売している既製品は、ほとんどが開き見せになっています。これは開き見せの方が作るのに手間がかからないためです。
本切羽のボタンはただの飾りではなく、ちゃんと機能するように作られています。そのため開き見せよりも手間がかかるため、値段が高くなってしまいます。
現在では本切羽も開き見せも機械で作ることができますが、それでも本切羽の方が手間がかかるものです。そのため多くのブランドでは開き見せが主流になり、本切羽はオプションとして追加料金がかかってきます。
ボタンの穴に引っかかる
本切羽は袖口にボタンを通す穴(ボタンホール)が開いています。そのボタンホールに物が引っかかりやすくなるのもデメリットのひとつです。
ボタンを外していると、ボタンホールが開いている状態になります。そんな時にボタンホールに何かが引っかかったら大変です。
例えばテーブルの上に置いてある飲み物が引っかかったら、こぼしてスーツが汚れてしまいます。歩いているときに道端にある木の枝に引っかかったら、スーツが破けてしまうかもしれません。
「注意すれば大丈夫でしょ?」と思うかもしれませんが、トラブルは気を抜いた時に起こります。本切羽のボタンを外すときは、引っかからないようにする工夫が必要です。
袖丈の調整が難しい
本切羽のスーツにとって1番のデメリットは、袖丈の調整が難しいことです。袖にボタンホールが開いている本切羽では、開き見せのように調整が簡単にできません。特に袖を短くする直しが難しくなります。
袖口からの調整が難しい場合、腕を入れるところ(アームホール)から袖丈を直すやり方もあります。ただし、アームホールはジャケットの見た目の良さを決定づける部分です。アームホールからの袖丈直しには高い技術が必要になるため、その分料金も高くなります。
袖丈の調整が難しい本切羽のスーツを選ぶなら、はじめからジャストサイズで仕立てることが重要です。
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本切羽仕様の種類
ボタンの開け閉めができる本切羽と、できない開き見せがあるとご紹介してきました。さらに本切羽には並べボタンと重ねボタンという2種類があります。この並べボタンと重ねボタンの違いについてご説明します。
並べボタンと重ねボタンの違い
並べボタンはその名の通り、袖口にボタンが並んでついているデザインです。
重ねボタンは、ボタンが少し触れるくらいに重なってついているデザインです。重ね付けボタンやキッスボタンと呼ばれることもあります。
重ねボタンは並べボタンに比べて技術を必要とする仕様です。かつてイタリアのスーツ職人が、自分の技術力をアピールするために作り出したのが起源とされています。以前は手作業でしか作れないデザインでしたが、今では機械で作ることも可能になりました。
最近のスーツは並べボタンが一般的なので、あえて重ねボタンにすることで、おしゃれをアピールすることができるでしょう。
本切羽スーツの着こなし方
本切羽のスーツにすることで、着こなし方にバリエーションが生まれます。スーツ全体から見れば小さなことですが、意外とこういった細かい所は人から見られている重要なポイントです。着こなしにちょっとした変化を加えて、ほかの人とは一味違った個性を演出してみましょう。
ボタンを外す
本切羽のボタンを外すだけでも、おしゃれな着こなしができます。
スーツには少し堅苦しさがあります。仕事着としては堅苦しさも必要かもしれませんが、普段着にはあまり向いていません。しかし袖口のボタンを外すだけで、スキができて堅苦しさが弱くなるものです。
スパイ映画007の主人公ジェームズボンドも、作品の中で袖口のボタンを外しているシーンが何度か出てきます。ほかにもヨーロッパのサッカー選手の私服や、数年前に流行ったちょい悪おやじの服装を見てみると、多くの場合袖口のボタンを外しているのが分かります。
ただボタンを外すだけですが、おしゃれな印象を与えることができます。
インナーを折って出す
インナーのシャツを折ってスーツの外に出す着こなしもあります。
おしゃれのポイントとして、3つの首(首・手首・足首)を露出するというものがあります。3つの首を露出すると、大人の色気やセクシーさを演出することができます。インナーのシャツを折って手首を見せることで、おしゃれな着こなしになります。
インナーを見せることも、上手なおしゃれのポイントです。例えば黒いジャケットに白のシャツを外側に折って見せることで、ちょっとした違和感が生まれます。このちょっとした違和感によってほかの人と差別化されて、おしゃれな印象になるでしょう。
腕時計やブレスレットを身につけて、さらに大人らしさを演出してみるのも良いかもしれません。
袖をまくる
インナーのシャツを折って、さらに肘のあたりまで袖をまくる着こなし方もあります。
男性の袖まくりは女性に人気があると言われています。スーツにおいても、袖まくりは女性に好印象を与えるカッコいい着こなしになるでしょう。
しかしスーツの袖まくりは個性的な着こなしのため、一歩間違えるとカッコ悪くなってしまう危険なファッションです。インナーやパンツとの組み合わせや、身につけるアクセサリーによって印象は大きく変わってきます。
ファッション誌などを参考にして、上手な袖まくりスタイルを探してみましょう。
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オーダーメイドスーツならではの本切羽
オーダーメイドでスーツを作る場合、本切羽はオプションになります。開き見せに比べると値段が高くなってしまいますが、スーツをおしゃれに着こなすためには、こだわりたいポイントでもあります。ここからは、オーダーメイドスーツならではの本切羽の特徴をご説明します。
ボタンの数を選べる
オーダーメイドのスーツなら、本切羽のボタンの数を選ぶことができます。
袖口のボタンの数は、3?4個ついているものが多いです。しかしオーダーメイドなら、ボタンを5個つけることも可能です。6個以上つけることも可能かもしれませんが、多く付けすぎると不自然になってしまいます。最大で5個くらいがいいでしょう。
一般的に、ボタン3個は礼服のスーツによく使われて、4個はビジネス用スーツに使われることが多いです。
しかしボタンの数に明確な決まりはありません。スーツを着る人の好みに合わせて選んで大丈夫です。
自分好みのボタンにできる
オーダーメイドスーツなら、ボタンの数を選べるのと同じように、色や大きさも自分好みのものにすることができます。
袖口のボタンは、黒やグレーのような落ち着いた色のものが使われるのが一般的です。ボタンの色を変えるだけで、みんなの目を引くおしゃれを演出することができます。
ボタンそのものの色だけでなく、縫い付ける糸の色も変えることも可能で、より個性的なスーツに仕上がります。
本切羽仕様のスーツを作ろうとすると、どうしても値段が高くなってしまいます。そこでおすすめなのが、低価格でオーダーメイドスーツを作れる「オーダースーツSADA」です。
オーダースーツSADAとは?
オーダースーツSADAは、2023年に創業100周年を迎える歴史のあるスーツメーカーです。生地の仕入れから縫製・販売までを自社で行うことで商品の低価格化を実現し、あなたのスタイルにピッタリのオーダーメイドスーツをリーズナブルな価格で提供することを可能にしました。2022年6月現在、関東を中心に全国に50の店舗があります。
オーダースーツSADAをはじめて利用する人なら、初回特典としてジャケットとパンツのスーツセットが19,800円+税?で購入できます。
もちろんオプションとして、本切羽を選ぶことも可能です。本切羽は2,000円+税で利用できます。こちらの料金は2022年6月時点での価格です。販売時期や店舗によって、価格が変わる場合があります。詳しい価格は店舗や店員さんにお問い合わせください。
全額返金保証サービスあり
オーダースーツSADAでは、購入した商品の全額返金保証サービスを行っています。スーツのサイズが合わなかったときや、実際着てみたら違和感を感じるなどの自己都合でも、購入から1か月以内であれば全額返金の対象になります。本切羽のオプションをつけたときも返金対象です。
全額返金保証サービスには、以下の条件があります。
- 購入した店舗にて「返金明細」の記入が必要
- 対象のスーツを購入店に返却する
- 保証期間は商品を受け取ってから1ヶ月以内
全額返金保証サービスには対象外の商品もあります。詳しくはホームページでご確認ください。
袖口のおしゃれポイントである本切羽。既製品のスーツではあまり使われていないので、本切羽にするだけで人とは違う個性を出すことができます。袖口の開け閉めができない開け見せに比べて、高級感があっておしゃれを演出することも可能で、さらに通気性も良いのが特徴です。
オーダースーツSADAなら、本切羽のオプションが2,000円+税で付けられます。他の人とは一味違うおしゃれな着こなしをするために、オーダースーツSADAで本切羽のスーツを作ってみてはいかがでしょう。
意外と見落としがちなスーツの袖丈。正しい袖の長さとおしゃれに魅せるポイントをご紹介!
スーツ選びで最も重要なサイズ感。その中でも、肩幅や着丈に比べて、見落としがちなのが袖の長さです。特に、ジャケットとシャツを組み合わせた際のバランスにまで、こだわれているでしょうか。良い印象を与えるために欠かせない袖丈について、今回は適切な長さや、周りと差をつけるためのテクニックをご紹介します。
いかがでしたでしょうか。今回は、本切羽の歴史やメリット・デメリットをはじめ、本切羽仕様の種類や着こなす上でのポイントなどを紹介してきました。本切羽とは、スーツの袖口についているボタンのデザインのひとつです。袖口のおしゃれポイントである本切羽ですが、既製品のスーツではあまり使われていないので、取り入れたい場合にはオーダースーツを検討しましょう。オーダーメイドのスーツなら、本切羽のボタンの数を選んだり色や大きさも自分好みのものにすることができるため、華やかさを演出し、他と差をつけられるはずです。また、ボタンが飾りではなく開け閉め可能なため、通気性が良く高級感を演出できるというメリットがあります。開き見せに比べると値段が高くなりますが、オーダースーツを作りたいと考えているのであれば、本切羽を選ぶことも検討してみてはいかがでしょうか。オーダースーツSADAでは、専門のスタッフがしっかりサポートするため、フルオーダーの楽しさ、快適さ、フィット感はもちろんのこと、着回しの相談や着こなしに関しての些細なお悩みにも親身にお答え致します。オーダースーツSADAでその魅力を体験してみてはいかがでしょうか。