80年代流行のスーツスタイルがリバイバル!スーツとスニーカーの着こなしを解説
スーツスタイルにもトレンドがあるのはご存じですか?現在では「2つボタンのシングルスーツ」が一般化しており、その中に「スリーピーススーツ」や「ダブルスーツ」を着る方がチラホラみられる、というのがスーツのトレンドです。時代によってさまざまな背景があり、スーツのトレンドは大きく変化します。最近では「オフィスカジュアル」の浸透により、どんどんスーツスタイルのカジュアル化が進んでいますね。ですが、実は今よりもカジュアルな着こなしが普通に蔓延っていた時代もあったことを知っていますか?例えば1960年代には、若者の間で細身のスリーピーススーツスタイルが流行。あわせて流行していたのが、ボタンダウンシャツにブレザーを着て、コットンパンツとローファーを合わせた「アイビールック」でした。現代の「クールビズ」でカジュアルに着用されるボタンダウンシャツも、当時は当たり前に着用されていたのですね。1980年代にはホワイトスニーカーを合わせたスタイルもトレンドに。そしてこのスタイルは、令和のこの時代に再流行の兆しを見せています。今回はそんな「1980年代コーデ」について、「オーダースーツSADA」のスタッフが解説します。
スーツのトレンドの歴史
どんなものにもトレンド(流行)があり、これまでのトレンドの歴史があります。スーツも長い歴史の中で、さまざまなトレンドがあり、今と昔では大きく異なるスタイルやデザインがありました。これまでのスーツのトレンドを知ることで、流行りのスタイルだけでなく、自分の目指すスタイルが見つかるかもしれません。これまでそんなスーツが流行ってきたのか、ご紹介します。
1960年代
1960年代は、それまで主流だった英国のブリティッシュトラッドスタイルから、2つのスタイルに変化していきます。それは、アメリカ発祥の「アイビースタイル」とイギリス発祥の「モッズスタイル」です。
「アイビールック」という言葉を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。アイビールックは、アンリか西海岸の名門大学の総称「アイビーリーグ」に所属する学生やOBを中心に、1950年代に流行したファッションスタイルのことです。日本では1960年代に流行しました。ボタンダウンシャツにブレザー、コットンパンツとローファーのコーディネートが、アイビールックの定番スタイルと言われています。ジャケットはボックスシルエットで、3つボタンが特徴でした。
その頃、イギリスでは「モッズスーツ」が流行します。1950年~1960年代にかけて、音楽を中心としたファッションスタイルが誕生し、モダニズムやモダンジャズという言葉の派生から「モッズ」という呼び方が生まれました。このモッズスタイルはイギリスの若者たちに人気が高く、その中でもモッズスーツは人気のスタイルです。モッズスーツは細身のスリーピーススタイルで、狭いVゾーンが特徴です。日本でも1960年代に若者の間で流行になりました。
1970年代
1970年代はストリートファッションが大流行します。ヒッピー文化を反映した、カラフルで派手な柄や色使いが特徴的です。スーツはラペル部分が大きく、肩回りからシェイプされて裾に向かって広がる独特のシルエットが誕生しています。ジャケットのボタンも2つボタンが主流となりました。これはレディースをメインに手掛けて生きたデザイナー達がメンズスーツにレディースのエッセンスを取り入れて、新たなテーラードスタイルを生み出したことで、これまでにはないスーツスタイルが誕生したのです。
1980年代
1980年代はミラノスタイルが流行します。1970年代のレディースファッションのエッセンスを取り入れたスーツスタイルを引き継ぎながらも、さらにレディースの持つやわらかさを取り入れたソフトでリラックスしたスーツスタイルが主流となります。このソフトスーツは、ジャケットのボタン位置もこれまでにないほど低くつけられており、一目でこれまでのスーツスタイルとの違いを感じさせます。またスラックスも股上が深く、タックを多く入れた裾に向かって細くなるテーパードシルエットが特徴です。メンズスーツの概念を超えた、新たなスーツスタイルが誕生した年代と言えます。
80年代の着こなし
これまでのスーツスタイルを一気に変えた1980年代。スーツの着こなしもこれまでにはないものを取り入れていました。今すぐ取り入れたい、おしゃれな着こなしはどんなものがあったのでしょうか。
Tシャツにダブルスーツ
ダブルスーツのエレガントのドレープ感を楽しむために、インナーにTシャツを入れるスタイルはこなれたファッションスタイルです。80年代の女性らしいラインのスーツスタイルは、ビジネスシーン以外にもスーツを着こなしてこそのもの。やわらかなソフトスーツを着崩して生まれるシワもエレガントに楽しみましょう。80年代の着こなしは、ドレープ感が大切です。
着丈の短いショートブルゾン
着丈の短いショートブルゾンも80年代の着こなしの一つ。腰から胸周りの上半身にボリュームを出す、ドレープ感ある着こなしが楽しまれていました。素材もコットンやリネンといった、軽やかな生地や、薄手のナイロンのジャンパーなどの軽くて爽やかな印象となる生地も流行しました。ソフトスーツに代表されるように、やわらかく柔軟性を感じさせるスタイルが80年代の着こなしのポイントです。また色合いもナチュラルでクリーンな色調、淡いベージュやグレーといったカラーが流行しました。レディースファッションを取り入れた流れから、70年代までのメンズらしいダークカラーから抜け出し、フェミニンなカラーも増えていたのが80年代の特徴でもあります。
粋なゆったりシルエットを楽しむ
80年代、ダブルスーツと並んで人気があったスタイルが、ニットベストにワイドパンツのコーディネートです。ニットベストはざっくりとしたコットン素材の厚手のものがメインで、クルーネックのデザイン。ニットのざっくりとした重さが腰回りに溜まり、そのドレープ感がおしゃれとして楽しまれていました。ワイドパンツ合わせることで、やわらかなリラックスしたスタイリングとなります。肩の力の抜けた、小粋なおしゃれが流行した80年代はスマートカジュアルの基礎となるような、テーラースタイルにカジュアルを落とし込むのが上手なファッションですね。
クラシックスーツを小襟に
80年代は広いVゾーンのボタン位置の低いシングルスーツが人気のスーツデザインでした。伝統的なスタイルよりもドレッシーなスーツスタイルが好まれていたので、合わせるシャツも小襟がすっきりとしたコーディネートです。70年代はワイドカラーが流行したので、ここでもガラリと80年代でスタイルが変わったと言えます。首元をすっきりさせる、「ダブルカラーシャツ」も流行しました。ダブルカラーとは、左右の襟つなぐ紐が施されている襟のデザインを言います。ネクタイを締めた後に、下から左右の襟を紐でつなぐことで、襟をコンパクトにまとめ、またネクタイに立体感を出すことができます。シングルスーツの良さを引き立てる、すっきりと着こなしが叶います。
知的さとリラックス感を表現
「バンドカラーシャツ」を合わせるスーツスタイルも80年代に流行したスタイルです。バンドカラーシャツとは、三角形の襟が付いたシャツとは異なり、襟の折り返しのないスタンドカラーシャツの一種で、襟の形が首元を包み込むように丸い帯状になっています。シャツのきちんと感がありながらも、やわらかな印象を与えるデザインです。バンドカラーシャツは、ノーネクタイでも首元がだらしなく見えないのも良いポイント。オーバーサイズのジャケットに、バンドカラーシャツのコーディネートは、清潔感や知的さを感じさせ、また肩の力の抜けたリラックス感も同時に演出できます。80年代のこなれた着こなしは、今の時代にもぜひ取り入れたいですね。
小物も軽快に
アクセサリーは主張の少ない、あっさりとしたものが好まれた80年代。靴はこれまでの英国スタイルのがっしりとしたレザーソールのものより、軽快さを感じさせるスウェードレザーのラバーソールといった具合に、軽やかに流れるようなコーディネートが好まれました。リラックス感のあるワイドパンツに合わせる靴にも、柔軟性が必要だったのでしょう。ラバーソールの靴をスーツスタイルは80年代に始まったのです。スーツにスニーカーを合わせるスタイルは、この80年代の流れからきています。バッグも軽やかに動けるショルダーバッグがこの時代に流行します。この軽やかな80年代スタイルは、今の時代にも人気のスタイルと言えます。
「スーツ×スニーカー」
最近定番になりつつある、スーツ×スニーカーのコンビネーション。
通勤も楽な上、スーツをカジュアルダウンさせスポーティーに仕上げてくれるため若い年代には特に人気のスタイルです。
80年代に流行したこのスタイルが、現代にも人気のスタイルとしてリバイバルしていますが、どのようなスニーカーを合わせると現代らしいスーツスタイルになるのでしょうか。
New Balance「ML574 BH2」11,990円(税込)
引用元:https://outlet.newbalance.jp/shop/g/gML574BH2?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=LS_1029&utm_term=1073&utm_content=2084
クッション性とグリップ性に優れたソールに定評があるNew Balanceのスニーカーは80年代に流行し、今もなお人気のシューズです。
特に88年代に誕生した「576」のオフロードシューズのデザインを引き継いだ「ML574 BH2」は、80年代のデザインと現代の快適な履き心地を兼ね備えたニューデザインが特徴です。
「ナイキ エア フォース 」¥11,000
引用元https://www.nike.com/jp/t/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%AD-%E3%82%A8%E3%82%A2-%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%B9-1-07-%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA-J16CJp/CW2288-111
人気のバスケットボールシューズのオリジナルモデルに新しいテイストを加えたデザイン。
オールホワイトでシンプルですが、適度な光沢で、個性を際立たせてくれます。
ホワイトカラーはどんなカラーのスーツとも合わせやすく清潔感のある印象に仕上がるので初心者さんも挑戦しやすいです。
リーボック「GL 3000」¥8,789
引用元https://reebok.jp/products/GZ0962/
80年代の”レトロランニング”スニーカーをコンセプトにしたリーボックの新モデル「GL 3000」も今大注目されているアイテム。
様々なコーディネートに合うような素材とカラーリングで再構成したモデルで、スエードをはじめ、ナイロン、メッシュなど異素材を組み合わせているため、幅広いコーディネートに馴染みます。
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ホワイトスニーカーに合わせたいスーツ
ホワイトスニーカーはどんなカラーのスーツに合わせてもかっこよくスポーティーに着こなせますが、なりたい印象に合わせてチョイスするのがオススメ。
爽やかなヘルシーな印象を与えたい方は断然ネイビー。
ホワイトシャツとホワイトスニーカーで爽やかなブルーをより引き立てましょう。
スタイリッシュかつ落ち着いた印象に仕上げたい方は濃いめのグレーと合わせると◎
ぼやっとした印象になるのを防ぐためスーツはボディーラインにフィットしたものを選ぶとなお良いでしょう!
今回ご紹介したスーツは、2つとも「SADAのオーダースーツ」です。
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まとめ
今回はスーツのトレンドの歴史と、80年代のきこなしについてご紹介しました。80年代のスーツスタイルは現代にも引き継がれている、おしゃれなスタイルです。80年代の着こなしのポイントは5つ。
・ゆったりとしたジャケットでリラックス感を出す
・上半身にボリュームを出す
・パンツはワイドパンツを選ぶ
・コンパクトなインナーで清潔感を出す
・靴はスニーカーやラバーソールを選ぶ
スーツにスニーカーを合わせる際は、80年代の着こなしを参考に清潔感のある、リラックスした着こなしを意識してみましょう。
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1980年代には、スーツにスニーカーを合わせるスタイルが流行。そのほかにも「Tシャツにダブルスーツ」を合わせるコーデや、「着丈の短いショートブルゾン」などのカジュアルスタイルが流行しました。1970年代にはワイドカラーの大きい襟が主流だったところ、1980年代には小さい襟が流行したのも大きな変化です。そしてこの「スーツにスニーカーを合わせるスタイル」は、最近人気のスタイルとして若者に流行し始めました。当時特に人気だったのがホワイトスニーカーで、現代でもホワイトスニーカーが特に人気です。特に人気なのは80年代チックなデザインと、現代的なクッション性・グリップ性に優れたNew Balanceの「ML574 BH2」や、オールホワイトでシンプルにスーツと合わせやすいナイキの「エアフォース」のほか、まさに80年代のモデルを回帰させたリーボックの「GL 3000」などのスニーカーです。ホワイトスニーカーにはネイビーのスーツが相性バツグン。シャツも白を合わせるのが良いでしょう。スタイリッシュにまとめたいなら濃いめのグレーもおすすめです。ぜひ80年代風に着こなして、オシャレなコーデを再現しましょう!