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今さら聞けない!スーツとジャケットの6つの違いを徹底解説

男性が上着として使用する代表的なものとしてスーツやジャケットがあげられます。スーツやジャケットの購入を検討している人は、これら2つの違いをよく理解しておくことが大切です。それぞれ特徴が違いますので、購入に際しては利用シーンなどを想定して適切な方を選ぶ必要があります。そこで、スーツやジャケットの特徴や違いについてご紹介します。

スーツとジャケットって同じもの?

スーツとジャケットの違いを把握する前に、それぞれスーツ、ジャケットと呼ばれるようになった経緯を理解しておくことが大切です。実は、スーツ上着とジャケットは元々同じものでした。スーツの上着はテーラードジャケットといわれることがあります。しかし、スーツとほとんど同じ形のジャケットは、より気軽に着られることを目指してカジュアル向きに進化を始めます。スーツとは異なる生地を使うようになり、さらに色や形もカジュアルに変化していきました。その結果、スーツの上着とは区別する必要が生じてきたのです。 
カジュアルなジャケットで、スーツとほとんど同じ形のものがテーラードジャケットと呼ばれるようになり定着します。カジュアルなジャケットがテーラードジャケットと呼ぶようになると、スーツの上着をテーラードジャケットと呼ぶことは混乱の原因になります。実務上、区別する必要が生じました。そこで、スーツの上着はスーツと呼ばれるようになったというのが経緯です。ただし、アメリカやイギリスなどの英語圏の国ではスーツとジャケットを区別せずに、どちらもテーラードジャケットと呼んでいます。カジュアルジャケットについては、スポーツジャケットと呼んで区別する方法をとっています。

 

【スーツとジャケットの違い1】素材

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スーツとジャケットの違いを理解するうえでは、6つのポイントに注目するとよいでしょう。1つ目の違いは、素材です。大雑把な見分け方としては、ツヤの有無を見る方法が効果的です。スーツに使用される生地はウーステッドと呼ばれています。スーツ以外に使用されることがほとんどないということが特徴です。ビジネススーツは素材が薄いことが多く、表面がツヤツヤしています。もちろん、一部のビジネススーツはツヤがほとんどないものもありますし、ジャケットにもツヤがあるものもあります。しかし、ほとんどの場合は、このツヤの違いを見分けるだけでスーツかジャケットかを判断できるでしょう。 
2つ目は、ジャケットはカジュアルな素材を使う傾向があることです。カジュアルのテーラードジャケットの代表的な素材としては綿や麻、ツイードやフランネルなどがあげられます。いずれも起毛素材ですので、ツヤツヤして見えることはありません。また、スーツで使用されることが多いウールでも、シルクや麻との混紡タイプであればカジュアルジャケットとして使われています。スーツとジャケットを見分ける方法として、素材に注目する方法は有効です。しかし、万能ではないことも知っておきましょう。例えば、ウール100%の素材で作られているものは絶対にスーツというわけではなく、テーラージャケットとして使えるものも存在します。最終的に判断は柄や雰囲気を含めて判断することがポイントです。

 

【スーツとジャケットの違い2】着丈

スーツとジャケットの違いに関するポイントの2つ目は、着丈の長さです。着丈は、襟から裾までの長さを表します。スーツとジャケットは形が非常に似通っていますが、着丈に関しては微妙な違いが存在します。ジャケットの場合は、着てみると「丈が短めだな」と感じる状態になります。お尻が全部隠れない程度の着丈であることが特徴です。一方、スーツの着丈はジャケットよりも長めに作られています。スーツの場合は、上着を着た状態であればお尻まで隠れることが特徴です。 
同じサイズの上着の場合、具体的には、ジャケットの方がスーツよりも着丈を2~3センチメートル短くデザインするのが一般的だといわれています。ジャケットがあえて着丈を短くデザインしている理由は、与える印象を変えるためです。着丈が短くなってお尻が半分出るぐらいになると、軽快な雰囲気を出しやすくなります。スーツがビジネスシーンで多用されるのとは対照的に、ジャケットはカジュアルなシーンで使用されることが多いため、軽やかなイメージになるように着丈を短くしているのです。スーツかジャケットか判断がつかないときは、羽織って着丈を確認してみると簡単に見分けられます。

 

【スーツとジャケットの違い3】パンツ

スーツ・ジャケットの違いの3つ目は、パンツがセットかどうかです。スーツは、上下がセットで販売されているのが一般的です。パンツが2本付く、上着だけ購入できる場合があるなど、変則的な販売方法もありますが、基本的には上下セットになっているものをスーツといいます。一方、ジャケットは上着のみで販売されています。こちらも、ジャケットとパンツをセットで販売するなどの例外は見られますが、基本的にはジャケットは上着だけで販売しているのが一般的です。 
また、セットアップと呼ばれるものもありますので注意が必要です。セットアップは「上下揃いの服」という意味があります。そのため、ジャケットであっても、同じ素材を使ったパンツをセットで販売するセットアップもありえます。こういったものは、スーツとジャケットの中間に相当するものだといえるでしょう。セットアップで販売されているものの多くは、ラフでカジュアルな雰囲気の服です。そのため、セットアップの上着はジャケットとして利用できます。最終的には、すでにご紹介した素材の違いや着丈の長短も含めて判断することになりますが、上着だけの単体で販売されているものはジャケット、上下セットで販売されているものはスーツと理解しておけば、ほとんどの場合、問題ありません。

 

【スーツとジャケットの違い4】ポケット

スーツとジャケットの違いの4つ目は、ポケットです。スーツの上着やジャケットには、胸の部分や両サイドの部分にポケットがついているのが一般的です。ポケットがあること自体は同じですが、そのポケットの状態などに違いがあります。 
1つの違いは、スーツは表面の生地に切れ込みを入れてポケットがついているのに対して、ジャケットはポケットが外側から縫い付けられているという点です。ジャケットの場合は、ポケットもデザインの一部として機能している点が特徴になります。もう1つの違いは、ポケットの上蓋があるかどうかです。スーツの場合、両サイドのポケットには上蓋が付いているのが一般的です。一方、ジャケットの両サイドにあるポケットには、上蓋がないものが多いです。上蓋がないほうがよりカジュアルな印象になるため、ジャケットには上蓋が施されていないケースが多いといわれています。また、ジャケットのポケットは、デザインだけのためについており、使えないようになっているものも珍しくありません。ポケットの違いに注意することでも、ジャケットとスーツの上着は区別できるということを知っておくとよいでしょう。

 

【スーツとジャケットの違い5】肩パット

スーツとジャケットの違いを見分ける5つ目のポイントは、肩パットです。肩パットとは、上着を着た状態で両肩が盛り上がるように見せるために肩の部分に入れられているパットのことです。肩パットが入ることにより、胸を張った印象を作り出し、美しい立体的なシルエットを実現する効果が期待できます。パットが入っていない上着とは、見た目に大きな違いが生じます。 仕立屋が作るテーラードスーツには、伝統的に肩パットが使用されていました。肩パットを入れることで立体的なフォルムに仕上げることが一般的だったからです。そのため、その名残があるスーツには肩パットが入っています。一方、ジャケットは、肩パットが入っていないものが主流です。肩パットを入れないことによって堅苦しさがとれ、気楽に着られるようになることと、シルエットもカジュアルな雰囲気になることが理由だといわれています。ただし、肩パットをあえて入れないスーツや肩パットを入れてあるジャケットもあります。肩パットが入っていないスーツの名称は、アンコンストラクテッドスーツです。「肩パットで立体的な構造を作らない」という意味があります。このタイプのスーツの上着は、ある程度カジュアルな場所でも着ることができるでしょう。

 

【スーツとジャケットの違い6】使用シーン

スーツとジャケットを区別する違いの6つ目は、使用シーンの違いです。スーツとジャケットでは、どんなときに着用するかに大きな違いがあります。一般的には、スーツは公式な場所で着ることが多い服装です。ビジネスではスーツ着用が基本になります。スタートアップ企業などの場合、スーツは堅苦しいということでスーツを着用しないことも多いですが、伝統的にビジネスの場ではスーツを着ることがマナーだという傾向があります。また、冠婚葬祭や公式行事などではスーツを着るのが一般的です。かっちりした印象のスーツを着用しておけば、相手に失礼にならないということで、冠婚葬祭や公式行事ではスーツが着用されています。ただし、ドレスコードで正装が指定された場合は、ブラックスーツではなくモーニングや燕尾服を着るようにしましょう。 
ジャケットの使用シーンの中心は、プライベートになります。普段着として利用することが多いです。カジュアルな雰囲気が出せるだけでなく、着心地も楽だというメリットがあります。また、カジュアルなパーティーでもジャケットを着用することがあります。仲間内の気楽なパーティーなどでは、ジャケットを1着持っていれば重宝するでしょう。大人の男性であれば、使用シーンでしっかりスーツとジャケットを使い分けたいものです。

 

スーツの上をジャケットとして使うのはあり?

ジャケットは持っていないが、スーツは持っているという場合、スーツの上着をジャケットとして使用してもよいのではないかと考えている人もいるでしょう。ジャケットの用意がなく、カジュアルなパーティーの招待を受けた場合は、とりあえずスーツの上着で間に合わせようという気持ちになるのは無理もありません。スーツの上着をジャケットとして使用できるかどうかは、そのスーツのデザインによります。スーツにもさまざまなタイプがあります。カジュアル向きのデザインスーツであるモードスーツであれば、上着をジャケットの代わりにするということも可能でしょう。カジュアルの雰囲気を保つことができれば流用可能です。 
しかし、一般的なデザインのスーツは、堅苦しい印象になってしまいます。そのため、カジュアルな雰囲気の場にはそぐわない可能性が大きいです。基本的には、スーツの上着をジャケットとして使用するのは避けたほうがよいでしょう。カジュアルの場で上着を着る機会が多い人は、スーツの上着を使いまわすのではなく、カジュアル向きのジャケットを購入しておくことをおすすめします。

 

ジャケットの着こなし方って?

ジャケットは、カジュアルなシーンで重宝する上着ですので、着こなし方を知っておけば、さまざまな場面で活躍してくれます。ジャケットの着こなしのポイントは、コーディネートです。おしゃれに着こなすための主なコーディネートを5つご紹介します。1つ目は、中にニットシャツを着るコーディネートです。例えば、ダークカラーのジャケットに同系色のニットを組み合わせると、カジュアルな雰囲気に加えて少しフォーマル寄りの雰囲気を出すことができます。また、インナーとしてきれいめなサマーニットを組み合わせると大人っぽい雰囲気になるでしょう。2つ目は、インナーをTシャツにするコーディネートです。きれいな雰囲気のジャケットに白のTシャツを合わせると、ジャケットが引き立ちます。また、ボーダーのTシャツを合わせるとアクセントが生まれますので、おすすめです。 
3つ目は、スラックスと合わせるコーディネートです。スラックスはフォーマルやビジネスのシーンでしか使えないというわけではありません。ジャケットとスラックスを合わせると、立派な私服になります。4つ目は、チノパンとのコーディネートです。ベージュやマスタード色のチノパンを合わせることで、カジュアルな感じを演出できます。チノパンは気楽ではきやすいので普段着としても適しています。5つ目は、デニムパンツと合わせるコーディネートです。ジャケットならではのしっかりした印象とデニムのカジュアルな感じがよくマッチするでしょう。

 

スーツとジャケットは似て非なるもの!

スーツとジャケットの形状はとても似ています。しかし、細かい部分を見ていくと肩パットやポケット、素材などに違いがあるため、混同しないように注意しましょう。また、使用シーンにも大きな違いがあります。スーツを着るべきシーンでジャケットを着てしまうと浮いてしまうことになりかねません。また、カジュアルな場所でスーツを着ていると周りの雰囲気とマッチせず、居心地が悪い時間を過ごすことになってしまうでしょう。スーツとジャケットは似て非なるものですので、しっかり使い分けることがポイントです。