スーツがカビてしまう主な原因とは?対策法を理解して大切なスーツを長く着用しよう!
スーツを保管していたらカビが生えてしまっていたなんて経験をした方も多いのではないでしょうか。スーツを保管する際に気を付けなければならないのが「湿気対策」です。スーツは普通の服とは違って、簡単に自宅で洗濯できないことも多いため、湿気対策は非常に重要といえます。日本は高温多湿で湿気が溜まりやすい国ということもあって、気が付いたらカビが発生してしまっていたということも少なくありません。特にクローゼットの中は湿気が多く、何も対策をしていないとすぐにカビが発生してしまうということも考えられます。
「着ようと思っていたスーツにカビが生えていた」
「カビを発生させないための保管方法を知りたい」
「カビてしまった場合、どう対処したらいいのだろうか」
とカビについて悩まれている方のためにこの記事では
カビたらどうしたらいいのか
スーツを湿気から守る方法
湿気に強いスーツの素材などを紹介していきます。是非、カビ対策の参考にしてみましょう。
スーツは湿気に弱い!カビの原因とは?
スーツを衣替えをすると、クローゼットの奥にしまって次のシーズンが始まるまで眠り続けてしまうといったことも珍しくありません。何も考えずにクローゼットで保管してしまっていると、カビが発生してしまうことも多いです。
ここではカビの原因でもある
- 湿気
- 湿度
- 素材
- 汚れ
の4つを解説していきます。
湿気
カビの発生で最も大きな原因が「湿気」です。
カビは湿度が60%を超えると活動し始めるといわれており、洗面所やお風呂場などは湿気も多くカビが発生しやすい状態となっています。
カビは湿度が高い場所で繁殖しやすくなる特徴を持っているため、高温多湿という日本の気候は非常にカビを繁殖させやすい環境であるといえます。特に、湿気の多い梅雨の時期はカビが最も繁殖するシーズンといえるのです。
気象庁のデータでは、2023年の東京では3月〜11月の9ヵ月間で相対湿度が60%を超えており、特に5月〜9月は70%を超える湿度を記録しています。(出典:気象庁HP)
カビを発生させないためには、しっかりとした予防が必要です。
温度
カビの発育温度は5℃〜40℃といわれており、カビの繁殖速度が急激に上がるのが20℃〜30℃となっています。人間が居心地いいと感じる温度はカビにとっても最適な温度ともいえるのです。
最近では気密性の高い住宅が多くなったことで、室内の温度が一定に保たれるようになっています。温度が一定でカビの居心地も良くなってしまっているのでしっかりとしたカビ対策が重要といえるでしょう。
素材
スーツで使用される「素材」もカビが発生する原因のひとつです。
スーツの素材として使用されることの多いウールは、カビが繁殖する栄養源となってしまいます。温度や湿度などの条件が揃ってしまうと、栄養が豊富なスーツにカビが付着してしまうことも多いので、条件を揃わせないようにする工夫が必要です。
汚れ
カビが発生する原因として「汚れ」も挙げられます。
カビの栄養源は、服の素材や着用した際に付着した汚れなどです。着用した際にかいた汗や皮脂汚れ、食事をした際の食べカスや油汚れはカビの栄養源になってしまいます。
カビの発生を防ぐためには、クローゼットにしまう前にあらゆる汚れを綺麗にしておくことが重要です。
湿気のある場所に置いておくとどうなる?
スーツを湿気の多い場所に置いておくとどうなってしまうのか知っておくことはスーツを長く着用するためにも非常に重要です。
ここでは湿気の多い場所で保管してしまったときにスーツはどうなってしまうのか紹介していきます。
カビが生えてしまう
当たり前のことですが、湿気のある場所や湿気を含んだ状態で保管してしまうとカビを発生させてしまいます。カビが発生してしまうと、害虫を呼び寄せたり、身体に悪影響を及ぼしたりなど、さまざまな悪影響を及ぼしてしまうのです。
また、スーツの素材として使用されることの多いウールは動物の毛を使用しており、水分を含むと獣臭を発生させてしまう特徴を持っています。
異臭の発生や身体への悪影響など、多くのマイナス要素があるので湿気の多い場所への保管は細心の注意を払うようにしましょう。
パッカリングが起こってしまう
パッカリングとは、スーツの表面が凸凹と波打ってしまうことを指します。
パッカリングは温度や湿度の変化による繊維の膨張率の違いが原因です。パッカリングを引き起こしてしまうと、元に戻すのが難しくなってしまうので、スーツが湿気を含んでしまった場合は早めの対処を行いましょう。
衣類に生えるカビの種類
衣類に生えるカビは一種類だけというわけではなく、いくつか種類があります。カビの種類によって生えやすい状況や生えやすい箇所が異なるため、それぞれの特徴を知っておくことが重要です。
衣類に生えるカビには
- 黒カビ
- 白カビ
- 緑カビ
- 茶カビ
- 赤カビ
の5つが挙げられます。それぞれ解説していきますので特徴などを理解しておきましょう。
黒カビ
室内に存在するカビで最も代表的なカビが「黒カビ」です。
名前の通り黒い見た目をしており、奥まで根を生やすと簡単に落とすことができないタイプのカビとなっています。室内で見かけることが多く、主にエアコンや窓のサッシ、浴室など高温多湿で栄養が豊富な場所で発生しやすくなっているのが特徴です。
住居だけに生えるなら大丈夫というわけでもありません。衣類にも黒カビが発生することが多く、繊維の奥まで根を張ってしまうのです。一度衣類に黒カビが発生してしまうと、繊維の奥に根を張ったカビは取り除くことが困難になってしまうため、カビの発生を抑えることが重要といえます。クローゼットなど湿度が高い場所には除湿器や除湿剤などを活用して、カビ対策をすることがおすすめです。
表面だけを綺麗にしても根まで取り切らないと再繁殖してしまうので、根こそぎ除去するのがポイントです。黒カビは喘息やアレルギーの原因ともなるため、黒カビを発見したら早急に取り除くようにしましょう。
白カビ
黒カビと同様に、室内で多く見かけるのが「白カビ」です。
うっすらとホコリのような白い見た目をしているのが特徴で、湿度が高い下駄箱やタンス、押し入れなどで発生しやすくなっています。
白カビ自体が軽いため、ものを動かしたりするだけで宙に舞ってしまい、衣類などに付着して繁殖してしまうことも多いです。衣類に付着した白カビを放置していると、ダニや害虫を呼び寄せてしまうことがあるため、白カビが付着していないか定期的に確認しましょう。
また、喘息や鼻炎などの身体に対して悪影響を及ぼすこともあるのでしっかりと対策していくことがおすすめです。
緑カビ
「緑カビ」は基本的に地中に存在していることが多いカビです。屋外に存在するカビのため、衣類などに発生するケースはそこまで多くありません。
しかし、なにかの拍子で衣類に付着してしまい、繁殖をしてしまうということも考えられます。付着したままにしていると、喘息やアレルギーを引き起こす可能性もあるため、定期的なメンテナンスは欠かすことのないようにしましょう。
茶カビ
カビが酸化し、茶色く変化したものが「茶カビ」です。
通気性の悪い環境で長期保管していることで発生しやすくなり、シミに似ているため判断が難しいカビといえます。シミやサビ、皮脂汚れなどとも間違われやすいため、衣類に発生した場合にはクリーニング屋に相談するのがおすすめです。
赤カビ
お風呂場などで見かけることの多いカビが「赤カビ」です。
高温多湿な浴室や洗面所などといった水回りに発生しやすいですが、稀に衣類に発生することもあります。衣類に発生すると、ピンク色に変色したり異臭が発生したりするのが特徴です。
汗をかいたまま放置したシャツの襟元などに発生することもあるので、汗をかいたときには洗濯をする、湿気を飛ばすなどしてカビの発生を抑えるようにしましょう。
カビた時に自宅で対処できる?
スーツがカビてしまったときはどうしたらいいのでしょうか。
ここではカビてしまったときに自宅でできる対処法を紹介します。
濡らしたタオルを固く絞って叩く
カビが少し生えてしまった程度であれば、ぬるま湯で濡らしたタオルを固く絞って叩くと取れることがあります。
こすって取ろうとすると、スーツ生地を傷めてしまうことがあるので、軽くたたく程度に留めておきましょう。
お湯につける
40℃くらいのお湯に浸けて、固く絞ったタオルで軽く叩くようにしましょう。お湯で浸けていることもあり、カビ自体が柔らかくなって取れやすくなります。
取り除いた後は完全に乾かし、しばらく陰干しをしてから保管することが大切です。カビは40℃以上で死滅するといわれているため、それ以上の温度のお湯に浸けて、生地を傷めないように素早く行うのがおすすめです。
消毒用のエタノールを使う
お湯だけでカビを落としきれない場合は消毒用エタノールを使うのがおすすめです。
表面を軽くブラッシングしてカビを落とし、歯ブラシなどの毛先に消毒用エタノールを染みこませてカビの部分を軽く叩きます。カビが目立たなくなったら、タオルでしっかりと水分を取り除き、当て布をしてアイロンをかけるかドライヤーで完全に乾かすことが大切です。
消毒用エタノールは生地の素材によって色落ちしてしまう場合もあるので、裏地や股下など目立たないところで確認してから行うようにしましょう。
ハッカ油を使う
エタノールでもカビが取れない場合は、さらに殺菌力の強いハッカ油がおすすめです。
ハッカ油はそのまま使うのではなく、空のボトルに水90ml、エタノール10ml、ハッカ油10滴を混ぜてスプレーとして使用します。カビに直接吹きかけ、歯ブラシなどで軽く叩くように落としましょう。
カビが取り除けたら、完全に乾燥させて完了です。
スーツが雨に濡れた時の対処法
スーツを着用していると雨に濡れてしまうこともあります。濡れたままの状態でクローゼットに入れてしまうとカビが発生し、スーツが着れなくなってしまう可能性が高いです。適切なケアを行って長く着用できるようにしましょう。
ここでは雨に濡れたときの対処法を紹介します。
タオルで水気を取る
スーツが濡れてしまったり、水滴がついてしまったらタオルでしっかりと水気を取ることが重要です。水滴が繊維の奥まで染みこむ前に拭き取るようにしましょう。
泥などがついてしまったときは上から押さえつけるように拭いてしまうと、繊維の奥まで汚れが入り込んでしまいます。表面を軽く拭き取るようにして、乾いてからブラッシングで汚れを取り除くのが望ましいです。
ハンガーにかけてしっかりと干す
水気を取ったらハンガーにかけてしっかりと乾かすようにしましょう。
湿気の多い場所を避けて、風通しのいい場所で干すのがベストです。この際、肩部分に厚みのあるジャケット専用のハンガーと挟んで干すことができるパンツ専用のハンガーを使用することが重要といえます。
専用ハンガーを使うことで型崩れを防止することができるのでおすすめです。
スーツを湿気から守るためには?
スーツを購入したのに、カビが生えて着用できなくなってしまったということは避けたいところです。
ここでは、カビの原因でもある湿気からスーツを守る方法を紹介します。
クローゼットの換気をこまめに行う
カビが発生する大きな原因は湿気です。クローゼットの中の湿度が高いと保管しているスーツやその他衣類にカビが発生してしまう恐れがあります。
湿気をこもらせないようにクローゼットを定期的に換気するようにしましょう。換気だけでは心配という方は除湿剤を置くことでさらに湿気の対策になります。
クローゼットに服を入れすぎないようにする
クローゼットに隙間なく衣類を入れてしまうと、風の通り道ができずに湿気だけ溜まっていってしまいます
さらに衣類同士が近いとカビが発生してしまった衣類から別の衣類にうつってしまうこともあるため、余裕を持って保管することが大切です。
毎日同じスーツを着用しないようにする
毎日同じスーツを着ることは避けましょう。
皮脂や汗、油などの湿気が溜まってしまい、カビの原因となってしまいます。1日着用したら2日休ませるようなイメージで複数着を着まわすことがおすすめです。
湿気に強いスーツの素材
カビの発生が心配であれば湿気に強いスーツ素材を選ぶことが重要です。どのような特徴を持っている生地がおすすめなのか紹介していきます。
速乾性の高い生地
自然に乾燥するスピードが早いため、雨に濡れてもすぐ乾きます。また、湿度が高くても乾きやすい性質を持っているのでおすすめです。
具体的には
- ポリエステル
- ナイロン
です。
これらの素材は、雨の日にスーツが濡れてしまってもハンガーにかけておくことで簡単に乾かせます。ジメジメした時期や湿気の多い場所で快適に着用できるのでおすすめです。
通気性が良い生地
通気性が良い生地であれば、湿気をこもらせることなく場は湯させてくれるのでカビが発生しにくくなります。
具体的には
- リネン
- 綿
などです。これらの素材は通気性が良いため、クローゼットに保管していてもカビにくい特徴を持っています。
カビにくいだけであってカビないというわけではないので、カビ対策はしっかりと行いましょう。
この記事ではスーツのカビについて見てきました。
スーツがカビてしまう原因やどんなカビが発生してしまうのかを理解しておくことで、日頃の対策も効率よくできるようになります。
もし、カビが発生してしまった際には早急に取り除くことが重要です。放置したままにしてしまうとカビが広がって、取り返しのつかないことになってしまいます。
せっかく購入したスーツを長く着用するためにもカビ対策はしっかりと行っていきましょう。