レディースのコートにはどのような種類がある?基本から着用シーンまで幅広くご紹介のアイキャッチ画像
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レディースのコートにはどのような種類がある?基本から着用シーンまで幅広くご紹介

寒くなると着たくなるコート。パンツスーツにもスカートスーツにも似合うコート。ビジネスや冠婚葬祭でのシーンでも重宝するアイテムでしょう。しかし、ビジネスや冠婚葬祭では同じ場にいる人に不快感を与えるような場にそぐわないコートを着る訳にいきません。そもそもビジネスや冠婚葬祭で着られるコートはある程度決まっているため、そのコートを選びさえすれば大きく失敗することはありません。間違ってもプライベートで着用しているコートを、そのままビジネスや冠婚葬祭の場で着用するのはいけません。コートの種類が決まったら、色選びにも注意が必要です。ビジネスシーンではスーツと同様に、ブラック、ネイビー、グレーなどのコートが好まれます。これらのダーク系の色はシャープな印象となるため、ビジネスシーンに相応しい色だと言えるでしょう。また、女性に限ってはベージュやライトベージュを選ぶこともできます。ベージュ系の色の方が、ダーク系の色より女性らしさを表現できるでしょう。一方、冠婚葬祭(特に葬儀)の場ではほぼブラック一択です。どうしても用意できない場合でもグレーやネイビーなどダーク系の色を選びましょう。この記事ではおすすめのコートを紹介しています。あなたも自分に似合うコーディネートを見つけてみてください。

レディースコートの種類

一口にレディースコートと言ってもその種類はさまざま。ここでは代表的なレディースコートを7種類解説いたします。

トレンチコート

トレンチコートはイギリスのミリタリーコートに起源を持ち、ダブルブレストやウエストベルトなどオーセンティック(信頼感の有る)なコートとして有名です。コートの中でも特に人気が高く、ビジネスシーンで着るコートとしてはオーソドックスでしょう。

ベージュなど明るい色を選ぶと女性らしい温かみを表現でき、ブラックやネイビーなどを選ぶとシャープな印象を与えられます。また、ライトベージュのトレンチコートは春先にも使えるため、トレンチコートは秋冬と合わせて3シーズン使えるものなのです。ただし、春先はライナー(裏地)を取り外したりして、調整する必要があります。

スタンドカラーコート・ステンカラーコート

襟が勇ましく立っておりメンズのイメージが強いスタンドカラー。しかし、レディースコートでもライトベージュやライトグレーを選べば女性が着用しても問題ありません。着丈が長いと野暮ったくなり、短いとカジュアルな印象になるため、スーツに合った着丈のコートを着る必要があるでしょう。トレンチコートと同様にライナーの付け外しで春先にも対応できるタイプもあります。

スタンドカラーコートと似たようなコートにステンカラーコートがあります。スタンドカラーコートの襟に折り目をつけて、テーラードジャケットのように折り返したのがステンカラーコート。名前は似ていますが、襟の形状はまったく異なりますので注意が必要です。

チェスターコート

チェスターコートの特徴は首元がはっきり見えること。そのため、ストールと合わせたり、タートルネックのニットと合わせたりすると、首元にアクセントを付けられるのです。色はさまざまですがダーク系の色ならクールな印象に、温かい色なら季節感や女性らしさを表現できるでしょう。チェスターコートの素材もさまざまですが、ウールで作られたストレートシルエットのコートなら、見た目がオーセンティックで良いでしょう。

ちなみにチェスターコートの正式名称は「チェスターフィールドコート」。ビジネスだけでなくカジュアルまで幅広く使えるのが、最大のメリットです。

Pコート

トレンチコートと同様にイギリスの軍隊(海軍)の軍服が起源。船上でも寒さを感じにくいように生地の密度が高い「メルトン生地」を使用したり、左右どちらの身ごろを前にしても着られたりする特徴があります。左右の前身ごろのうち、どちらを上にしても着られるのは軍服の名残。海上では360°どの方向から風が吹いてもおかしくありません。左右どちらから風が吹いてもコートの中に風が入ってこないように、前身ごろを左右どちらを上にしても留められるようになっているのです。また、フォーマルなアウターや学生服の指定コートとして着用される場合もあります。

男性らしい背景を持つPコートですが、ライトグレーを選ぶと女性らしさを表現できるでしょう。ほかにも定番の色としてネイビーやブラックもあるため、このように暗い色を使えば引き締まって見えるでしょう。ただし、Pコートはカジュアル感の強いコート。ビジネスシーンでの着用にはあまり向かないかもしれません。

ダッフルコート

ダッフルコートとはボタンの代わりにトグルと呼ばれる棒状のパーツと紐が付いており、トグルに紐を引っ掛けることで前身ごろを留めるスーツのことです。ダッフルコートもカジュアル寄りのコートのため、ビジネスの場で着用するときには、注意が必要でしょう。ダッフルコートはもともと、漁に出た漁師が船上で寒い思いをしなくて良いために作ったコート。そのため防寒の機能は高いですが、フォーマルの観点から見たとき、カジュアル過ぎてビジネスシーンでは使えないかもしれません。色はキャメル、ダークグレー、それにネイビーがあり、作りたい印象やご自身の希望により選ぶと良いでしょう。

ダウンコート

生地の中にアヒルやがちょうの羽毛を入れたものをダウンコートといいます。Pコートやダッフルコートと同様にカジュアルな印象があるため、ビジネスシーンでダウンコートを着るのは「冬の通気中のみ」などと使用するシーンを決めるのも良いかもしれません。華美な色だとパーティー要素が強くなるため、ビジネスではダークカラーを選ぶのが良いでしょう。防寒性はきちんとあるため、冬場に屋外を歩くときには最適のコートです。

コートを選ぶ時のポイント

コートもスーツと同様に、どのような場面でどのようなコートを選ぶのが適切か?という疑問があるでしょう。大きく次の2つのことに気を付けながらコートを選びましょう。

場の雰囲気に合っているか

一つ目は場の雰囲気に合っているか?ということです。フォーマル度の高い場所にジャケパンスタイルで行くのはふさわしくないでしょう。スーツと同様に、コートにも着ていくのに相応しい場所があります。たとえば、ビジネスシーンに着ていくには、普段着ているような派手なデザインのコートは向きません。スーツを着る目的は、同じ空間にいるビジネスパートナーを不快にさせず、信頼を得ることです。コートにも同じ意味合いがあるため、場の雰囲気に合わないコートを着るのはやめましょう。ちなみに人の印象は3秒で決まるといわれています。はじめの印象が悪ければ、その印象を払拭するのはなかなか難しいもの。見た目だけで判断されるのはもったいないことなので、基本中の基本である見た目をきちんと整えましょう。

サイズ感が合っているか

その場の雰囲気に合ったコートを選ぶことも大切ですが、コートのサイズ感を合わせることも大切です。たとえば、ビジネス用のコートを試着してから買うとします。このとき、面倒でも実際に使っているスーツを着用した状態で、コートを試着するようにしましょう。スーツには肩パッドが付いているため、普段着の上に同じ様にコートを羽織る間隔だと、肩周りは窮屈になってしまします。

着丈についても同様です。長いと野暮ったくなり、短いとカジュアルな印象を与えてしまうのです。コートの種類にもよりますが、膝からふくらはぎ前の間の着丈のものを選びましょう。足首まで隠れるような長いコートの場合、階段などで裾を踏まれる、あるいは自分で踏んでしまい転倒だけでなく、そのまま階段から落ちてしまうリスクすらあるのです。

【シーン別】おすすめコート~ビジネスシーン~

コートの種類

ビジネスシーンでおすすめのコートはトレンチーコートやチェスターコート、それにスタンドカラーやステンカラーコートも向いているでしょう。いずれのコートを選ぶにしても、少しゆとりのあるデザインやサイズを選び、肩周りの余裕を保つようにしましょう。肩周りの余裕がないと見た目にも窮屈ですが、実際に肩を動かしづらくなります。

コートの色

コートの色はスーツ同様にブラックやネイビーやグレー、それに温かいベージュやライトベージュなどがあります。ブラックやネイビー、それにグレーはスーツの色としても採用されているため、自然な印象を与えるでしょう。ベージュやライトベージュは女性らしさを表現する色です。同時に季節感も出るため、このような色のコートを一着持っておくと便利でしょう。

もし、コートを購入するときに色で迷ったらブラックやグレーを選んでおきましょう。幅広いスーツに対応できるため非常に便利です。

コートの素材

ビジネスシーンで使用するコートは毛羽立ちが控えめなウールや、生地にハリのあるコットンがおすすめです。ガウンコートやダッフルコートのようなカジュアルな印象の生地はあまりビジネスシーンに相応しくありません。

【シーン別】おすすめコート~冠婚葬祭~

コートの種類

葬儀で着るコートはシンプルなものが良いでしょう。葬儀は故人への敬意を示すための場であり、目立つ服装は相応しくありません。装飾性のない無地のものが相応しく、襟やポケット、それにボタンもシンプルなものが良いでしょう。

他にもファーが付いているなら外す、金具が付いている場合は目立ちにくいデザインのものを選ぶなど、とにかく目立たないようにする必要があります。他にもダウンコートやダッフルコートはカジュアルな印象があるため、葬儀の場には向きません。

コートの色

葬儀の場では喪服と同様にコートの色もブラックが基本です。しかし、葬儀は急にあるもの。ブラックのコートが用意できない場合もあるでしょう。そのようなときは濃紺でも構いません。あくまでも濃い目で暗めの色を選びましょう。ブラウンやグレーなどダーク系の色が許容される場面もあるかもしれません。しかし、その場の雰囲気に合わせて着るコートを変えるのはなかなか難しいもの。葬儀に着用するコートの色選びで悩んだら、ブラックを選択すれば間違いありません。

コートの素材

コートの素材としてはウールやカシミヤが良いでしょう。これらの素材は見た目の高級感があるばかりでなく、保温性にも優れています。特に冬に行われる葬儀では、寒い中屋外で長時間待つことも想定されます。そのようなとき、保温性の高いウールやカシミヤのコートを着ていれば少しでも寒さを低減できるでしょう。ウールは保温性とコストパフォーマンスに優れている一方、カシミヤは肌触りが軽いが高価であるというデメリットもあります。予算に合わせて適切だと思うコートを選びましょう。

コートを着るのにマナーやルールはある?

コートを着るのに厳格なルールはありません。これはスーツも同様です。しかし、基本的にはその場にいる他の人と服装の雰囲気が合っているか?ということが大切になります。

たとえばビジネスシーンではトレンチコートやスタンドカラーコートを着る人は多くても、ダッフルコートやボア素材のコートを着る人はなかなかいないでしょう。また、冠婚葬祭(特に葬儀)で動物の殺生を連想させる「ファー」がついてコートを着る人もなかなかいないでしょう。コート選びでは防寒性も大切ですが、その場の雰囲気を壊さないデザインのコートを選ぶことも大切なのです。

この記事ではビジネスや冠婚葬祭(特に葬儀)の場で着用可能なレディースコートについて解説しました。レディースコートの種類としてはトレンチコート、スタンドカラーコート、ステンカラーコート、チェスターコート、Pコート、ダッフルコート、ダウンコートなどがありました。トレンチコートやスタンドカラーコート、それにステンカラーコートやチェスターコートはビジネスシーンで使えますが、他のコートはカジュアルよりの印象になりビジネスシーンでは使えない、あるいは使えたとしても通勤用となります。冠婚葬祭ではシンプルなコートが求められ、特に動物の殺生をイメージするファーはたとえフェイクであっても嫌悪されることがあります。ビジネスシーンで着るコートを選ぶ際には素材も気にしましょう。オーソドックスな素材はウールとカシミヤです。ウールは保温性とコストパフォーマンスが高い傾向にあり、カシミヤは肌触りが軽いですが価格が高い傾向にあります。着丈にも注意が必要です。コートの種類にもよりますが、基本的には膝からふくらはぎの間のロングコートを選びましょう。足首まで隠れるほど長いコートの場合、裾を踏まれて歩行時に転倒したり、階段を上り下りするときに転倒・転落の恐れがあります。着用するシーンに合ったコートを選んで着こなし、あなたに似合うコーデを楽しみましょう。

大久保一雄