女性用スーツのボタンの数や留め方のマナー、おしゃれな着こなし方を紹介
女性用スーツは、ボタンの数によって印象が変わります。また、ボタンの留め方は男性と女性でマナーが異なるため、それぞれの違いを理解することが大切です。
この記事では、女性用スーツのボタンの数ごとの特徴を詳しく解説します。TPOに合わせた選び方やコーディネートのポイント、男性用スーツとの比較についてもまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
【種類別】女性用スーツのボタンの数

女性用スーツは、大きく分けて1つボタン・2つボタン・3つボタンの3種類があります。まずは、それぞれが与える印象や、どのようなシーンに合うのかを解説します。
女性らしさが演出できる1つボタン
女性用スーツは2つボタンが主流ですが、1つボタンのものも多く出回っています。すっきりした印象の1つボタンは、女性らしく華やかな印象です。
ウエストラインがシャープで女性らしさを演出
1つボタンのジャケットはウエストラインが強調され、女性らしいシルエットになります。丸みのある女性の体に合わせたメリハリがきいたデザインで、くびれが出て華やかな印象です。ファッション性やデザイン性が高く、こなれた雰囲気になるのが特徴です。
個性やセンスが求められる業界に最適
1つボタンのスーツは、個性やセンスが求められるファッション業界や、革新的なIT業界などにぴったりです。華やかな雰囲気があるため、パーティーやセレモニーなどにも適しています。ややカジュアルな印象を与えるので、就職活動では避けるのが無難です。
定番の2つボタン
2つボタンは、女性用スーツで定番のデザインです。初めてスーツを購入するときは、ベーシックな2つボタンを選べば間違いありません。
全体的にスリムな印象
2つボタンは、1つボタンよりもフォーマルな印象です。全体的にスリムでスタイリッシュに見えるシルエットが、ビジネスシーンによく合います。1つボタンよりも直線的でシャープなラインになるため、きちんとした印象を与えられます。
2つボタンは胸元の開きのバランスがちょうどよく、フォーマル感と女性らしさが両立したデザインです。オーソドックスで着回ししやすく、さまざまなインナーやボトムスとの組み合わせを楽しめます。
注意点は、1つボタンよりも胸元の開きが狭いため、窮屈に感じる人もいることです。気になる人は購入前に必ず試着し、慎重にサイズを選びましょう。
面接・ビジネスシーンに最適
かっちりした印象の2つボタンは、面接やビジネスシーンに最適です。男性用のスーツでも2つボタンは主流で、古くからビジネスマンに親しまれてきた形です。さまざまなビジネスシーンにおいて、業種やシーンを問わずオールマイティーに着用できます。就職活動や冠婚葬祭にも対応可能です。
クラシカルな印象の3つボタン
女性のスーツは1つボタンか2つボタンが多いものの、中には3つボタンのものもあります。
堅実な印象
3つボタンは2つボタンよりもさらに胸の開きが狭くなり、誠実や堅実、真面目といった印象を与えられます。
人によっては、3つボタンは古臭いという印象があるかもしれません。実際に、ひと昔前までは3つボタンというとシルエットが太く、どこか野暮ったい印象もありました。しかし、最近では3つボタンでもスマートに着こなせるおしゃれなデザインのものが登場しています。
3つボタンは格式高さがあり、流行や時代に左右されない安定感のあるスーツといえるでしょう。
誠実が求められる職業に最適
3つボタンは、公務員や銀行員、医療関係といった堅めの職業の人におすすめです。
ただし、面接で着る場合は少し注意が必要です。誠実や堅実といった印象を与えられるものの、堅すぎるという印象になってしまうと、融通がきかなさそうと思われるかもしれません。悪い評価につながらないよう、表情や話し方でカバーするのがよいでしょう。
ボタンの位置で印象が変わる
女性用スーツは、ボタンの数だけでなく位置も重要です。高めのボタンは目線を上に集め、すっきりとしたシルエットに仕上がります。ウエストラインを強調したいなら、高めの1つボタンもしくは2つボタンが効果的です。
一方、ボタン位置が低いデザインはクラシカルで落ち着いた印象を演出できます。Vゾーンに余裕のあるデザインが多く、インナー次第で雰囲気を自在に変えられるのも、低めボタンの特徴です。
業界・シーン別のおすすめボタン数とは
業界によって求められる印象は異なるため、ボタン数の選び方も変わってきます。教育、医療、金融など、きっちりとした着こなしが好まれる業界では、2つボタンもしくは3つボタンで堅実さを示すのがよいでしょう。
広告、アパレル、ITなど、トレンドやセンスを大切にする業界では、1つボタンで個性をアピールするのがおすすめです。
就職活動でスーツを着用する場合は、もっともスタンダードな2つボタンを選ぶのが無難です。就活では「清潔感」「素直さ」などが重視されるため、おしゃれで個性的なファッションよりもシンプルで自然体な装いの方が好印象を与えやすくなります。
女性がスーツをおしゃれに着るポイント

女性用スーツには、ビジネスにふさわしいきちんと感を保ちながら、自分らしさやおしゃれも楽しめる自由度があります。
ただ、少しの選び方や着こなし方の違いで、印象が大きく変わるのも事実です。この章では、ブラウスやカットソーの選び方から、ボトムスの丈感、スーツのサイズ感、フラップのマナーまで、女性がスーツをおしゃれに着こなすために押さえておきたいポイントを具体的に紹介します。
インナーの色柄だけでなく種類も気にする
スーツに合うインナーの色や柄はどのように決めればいいの?
ブラウスの色や柄を決めるときは、とても迷うもの。しかし、色柄だけでなく気にしてほしいポイントがあるのです。それはインナーの種類。レディーススーツのインナーには、主にブラウスとカットソーがあるため、それぞれの特徴について解説します。
ブラウス
ブラウスカラーやスキッパーカラーなど襟がついていると、きちんと感が出ます。ブラウスカラーとは、一般的な襟のついたブラウスのことです。男性用のブラウスと似たような形で、フォーマル感ときちんと感があります。迷ったときでも無難に着られるので、ぜひ持っておきたい一枚です。
スキッパーカラーはブラウスカラーより胸元が開いていて、ゆったり着られるのが特徴です。襟の形に広がり感があるので、女性の華奢な首元を華やかに見せる効果もあります。ブラウスカラーよりもカジュアルで、明るい印象を与えたいときにおすすめです。
このほか、丸みのついたデザインは、女性ならではの優しさを演出してくれます。着られる職種を選ぶかもしれませんが、フリルやギャザーがついたインナーであれば、より華やかさやかわいらしさをプラスできます。
女性用スーツのいいところは、おしゃれや着こなしの幅が広いところです。ぜひ、いろいろなインナーを試して、あなたに似合うスタイルを探してみてください。
カットソー
カットソーにもいくつか種類があります。
Vネックは、カットソーの中で最もフォーマルな印象を与えられます。ビジネススーツにもテーラードジャケットにも合う優れものです。
ラウンドネックは首元が丸いので柔らかく、そしてVネックよりカジュアルな印象を与えられます。ビジネスの場で表現できる女性らしさを求めるなら、ラウンドネックがいいかもしれません。
スクープドネックはラウンドネックよりさらに胸元が開いてカジュアルな印象を与えることができます。肌の露出があまり好ましくないビジネスの場では、着るのがむずかしいかもしれません。
ジャケットのボタンを留める場面・外す場面を意識する
女性用スーツのボタンは、「すべて留めて着る」が基本的なマナーです。ボタンをすべて留めることで、スーツ本来の美しいシルエットが浮かび上がり、洗練された着こなしとなります。しかし、周りの状況に合わせて「ボタンを外した方がよいケース」というのも存在します。
たとえば、着席時や食事のときは、ボタンを一時的に外しても問題ないとされています。取引の相手や目上の女性が、着席時にボタンを外していたら、同じように外すことで相手との信頼関係が築きやすくなります。
ただし、ボタンを外して着席した際は、再び立つときに留め忘れないよう注意しましょう。立ち姿でボタンを外していると、全体のシルエットが崩れてしまい、だらしなく見えてしまう可能性があります。
インナーとボタン数の相性を考える
スーツスタイルをおしゃれに見せるためには、インナーとボタン数の相性を考えることも大切です。
Vゾーンが深い1つボタンは、ボリュームのあるブラウスを合わせると華やかな雰囲気に仕上がります。また、服装の自由度が高い職場なら、薄手のニットやカットソーをコーディネートすることで抜け感を演出できます。
2つボタンは、ブルー系統のシャツやシンプルなブラウスで清潔感を強調してみるのもおすすめです。3つボタンは、襟付きブラウスなどのクラシカルなアイテムを合わせると、ファッションの完成度が高まります。
ボトムスの丈を気にする
パンツかスカートかを選べるのは女性用スーツならではの特徴です。どちらを選んでも丈には気をつけたいもの。それぞれ適正な丈の選び方をご説明します。
パンツスタイル
スーツをパンツスタイルで決める場合、パンツの裾がパンプスに少しかかるくらいにしましょう。長すぎると裾が地面に当たって汚れたり、場合によっては擦り切れてしまったりします。反対に短すぎるのも考えもの。アンクル丈など短すぎる場合にはカジュアルな印象を与えてしまいます。
スカートスタイル
スーツをスカートスタイルで決める場合も、同様に適正な丈が決まっています。スカートは膝丈にするのが適切と言われています。
長すぎるとパンツ同様に引きずるおそれや、階段でスカートの裾を踏んで躓くと、転倒だけでなく転落のおそれもあります。清潔感が損なわれるおそれがあるだけでなく、危険な行為ですので気をつけてください。
反対に短い場合は肌の露出が多くなり、ビジネスの場には適さなくなるので気をつけましょう。
ボタン数とボトムスの相性とポイント
1つボタンは、細身のパンツと合わせると大人っぽく洗練された雰囲気に仕上がります。2つボタンは、パンツにもスカートにも合わせやすく、さまざまなスタイルが楽しめます。3つボタンは、フレアスカートやストレートパンツとの相性がよく、落ち着いた印象を演出できます。
コーディネートに自信がない場合は、ジャケットとボトムスのセットアップアイテムを購入すると、簡単におしゃれな着こなしが実現できるでしょう。
フラップのマナーを知っておく
スーツのポケットには、「フラップ」と呼ばれるフタが付けられています。もともとはゴミやホコリ、雨からポケットを保護する役割がありましたが、現在は装飾的な意味合いが強まっています。
ただし、その名残から「フラップは屋外では出し、室内ではしまうのがマナー」とされています。ボタンのマナーほど厳格ではありませんが、屋外・屋内での違いを知っているだけでも、ビジネスシーンでの印象がよくなります。
スーツのポケットの正しいマナーは?使い方の基本のフラップは出す・出さないの理由も紹介-オーダースーツSADA
スーツのポケットには基本的に何も入れないのがマナーです。ビジネスや結婚式、カジュアルなパーティーまで印象よくスーツを着こなすためのポケットマナーを紹介します。
サイズに合ったスーツを選ぶ
スーツ選びでもっとも気にしなければならないのが、サイズ感です。どれだけ高級な生地を使っても、身体にフィットしていなければ台無しになってしまいます。
サイズをチェックする際は、肩まわりやウエスト、ヒップだけでなく、ボタン部分にも注目しましょう。ボタン部分にシワが寄ったり、引っ張られる感覚があったりする場合はサイズが合っていない証拠です。とくに、レディーススーツはシルエットの崩れが目立つため、細かいところまでしっかりと確認してください。
【マナー】女性用スーツのボタンはすべて留める
女性用スーツは、ボタンの数に関わらず、「すべて留める」が基本となります。ただし、以下の場合は例外としてボタンを外しても問題ありません。
- 着席時
- 動作が多くシワが気になるとき
- タイトなデザインで歩きづらいとき
上記に当てはまらない場面でも、ビジネスシーンでは周囲の雰囲気や状況に合わせて柔軟に対応していきましょう。
男性用スーツのボタンの数は?

男性用スーツは、ボタンの列数によって「シングルスーツ」「ダブルスーツ」の2種類に大別されます。シングルスーツでは、女性と同様に2つボタンが定番です。ダブルスーツは主に4つボタンと6つボタンがあります。
女性用スーツはボタンをすべて留めるのがマナーですが、男性は一番下を外して着用するのが基本となります。この違いを理解しておくと、ボタン数の意味がより分かりやすくなるはずです。ここでは、シングルスーツのボタンの種類と特徴を解説します。
タキシードや礼服に多い1つボタン
実は男性用スーツにも1つボタンがあります。しかし、それは礼服やタキシードなど着るシーンを限定するスーツ。礼服など以外でも1つボタンのスーツはあるようですが、ドレッシーな印象となるので着られるシーンは少ないはずです。
スーツの定番である2つボタン
スーツの定番が2つボタンであるのは、女性用スーツも男性用スーツも同様。迷ったら2つボタンを選ぶようにすれば間違いありません。とくにリクルートは、ボタンの数で個性を出す必要はありません。無難に2つボタンを選びましょう。
保守的な印象を放つ3つボタン
3つボタンは英国紳士が好むクラシカルなデザインです。胸元が引き締まるので、全体的に堅めのスラッと感を演出できます。誠実や堅実といった印象、それに伝統を重んじるといった雰囲気も。女性用スーツと同様に、堅めの職業の方に向いているスーツです。
3つボタンスーツにも2つの種類があります。正面から見たときにボタンが3つ並んでいるタイプと、一番上のボタンがラペル(襟)に隠れている「段返り」と呼ばれるタイプがあります。段返りの場合は一番上のボタンは留めないので要注意。一番上のボタンの役割は装飾です。
カジュアルな印象の4つボタン
あまり多くは見ない4つボタン。カジュアルなスーツで一部取り入れられています。やや個性的なスーツですので、リクルートなど無難に攻めたいときには向きません。着るシーンを選びますが、オシャレに個性を出したいときなどは周りと差をつけられるかもしれません。
【マナー】男性用スーツのボタンは一番下を開ける
男性用スーツのマナーは姿勢で変わります。まずは立っているときのマナーから。
立っているときは「アンボタンマナー」といって、一番下のボタンを開けるのがマナーです。その理由は、一番下のボタンを開けたときにきれいなシルエットになるようにデザインされているため。
座ったときはボタンを留めずに全開にするのがマナーです。すべてのボタンを留めてしまうと余計なシワがついてしまい、シルエットがきれいでなくなるのです。しかし、リクルートのときは気にしなくてかまいません。面接のときにいちいちボタンを留めたり外したりしていては、あなたも面接官も集中できないでしょう。
アンボタンマナーは男性用スーツにだけ適用されるマナーなのです。
スーツのアンボタンマナーとは?女性や喪服の場合などシーンに合わせて紹介
スーツを着こなす上で意外と見落とされがちな「アンボタンマナー」。本記事では、ジャケットのボタンに関する基本ルールや歴史、男女別のアンボタンマナーの違いを分かりやすく解説します。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?

オーダースーツなら、ボタン数はもちろん、ボタン位置、襟の形、シルエットなどを自由にカスタマイズできます。
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【総まとめ】女性スーツのボタンマナーを理解して好印象に

スーツのボタン数は、第一印象を左右する重要な要素です。男性の場合は「アンボタンマナー」と呼ばれる作法がありますが、女性用スーツには当てはまらない点にも注意しましょう。
女性用スーツはすべてのボタンを留めた状態がもっとも美しくなるようデザインされています。ボタンマナーの違いを理解し、シーンに合わせた着こなしを意識することで、相手からの評価も高まります。インナーやボトムスとのバランスも考えながら、自分らしいコーディネートを追求してくださいね。
女性用スーツは、ボタンの数や留め方ひとつで印象が大きく変わります。1つボタンは華やかで個性を演出しやすく、2つボタンは就活やビジネスシーンで万能、3つボタンは誠実で落ち着いた雰囲気を与えるなど、それぞれに適した場面があります。さらに、女性用スーツは「すべてのボタンを留める」のが基本マナーである点も押さえておきたいポイントです。インナーの種類や首元のデザイン、ボトムスの丈感、サイズ感まで意識することで、きちんと感と自分らしいおしゃれを両立できます。
自分の体型や働く環境に合ったスーツを選ぶなら、細かな調整ができるオーダースーツもおすすめです。オーダースーツSADAなら、ボタン数や位置、シルエットまで相談しながら仕立てられるため、見た目の美しさと着心地の良さを両立できます。ボタンマナーを理解したうえで、自分にフィットする一着を選び、より好印象なスーツスタイルを目指しましょう。