シックな色・柄と暖かみのある素材が魅力の秋冬スーツ
軽やかで爽やかな春夏スーツとは一変し、シックな色・柄や暖かみのある素材が中心の秋冬スーツ。クラシックなデザインも多く、大人の男性を知的で落ち着いた印象に演出してくれることが特徴です。そこで今回は、秋冬スーツで人気の色・柄や素材について紹介します。
秋冬のトレンドはブラウン系
大人の魅力を引き立てるシックなブラウン系は、秋冬だからこそおしゃれに着こなせる色です。春夏にはやや重い印象を与えるダークブラウンも、秋冬ならワンランク上のセンスをアピールできます。
着こなしが難しいと思われがちなブラウン系ですが、落ち着きのある色味は意外と器が大きく、ホワイトシャツだけではなくブルーやピンク系のストライプシャツとも相性抜群です。同系色のギンガムチェックシャツを合わせれば、小粋にカジュアル感もプラスできます。
シャツやネクタイとのコーディネートによって、ベーシックにも個性的にもスタイリングできることがブラウン系スーツの強みです。また、ブラウン系の中でもキャメルやベージュなど明るめの色を選べば、柔らかい印象を与えることもできます。
着こなしやすいネイビー&グレー系
多くの人が着こなしやすいネイビー&グレー系のスーツは、秋冬も引き続き人気です。ホワイトシャツですっきりとスタイリングするのはもちろん、カラーシャツともコーディネートしやすいため、1着あるとさまざまなシーンで活躍してくれます。
また、ネイビーやグレーは地味になりがちですが、さりげなくおしゃれを楽しめるのが織り柄生地のスーツです。代表的な「シャドーストライプ」をはじめ、「シャドーチェック」や「ヘリンボーン」などは一見すると無地でありながら、近くで見ると柄が入っていることがポイントです。ネイビーやグレーは濃淡によっても印象が大きく変わるため、ベーシックでありながら多彩な表情を楽しめます。
クラシカルテイストのチェック
英国のクラシカルテイストが魅力的なチェックのスーツは、知的で優しい雰囲気が肌寒い秋冬に似合います。チェックの中でも特に王道の柄なのが、ブラックとホワイトを配色した「グレンチェック」。時代や年齢を問わず、定番として愛されて続けているチェックです。グレンチェックはハウンドトゥースチェック(千鳥格子)やヘアラインストライプなどによって構成され、小さな格子柄の集合体が大きな格子柄を描いています。
若い男性が身に付けるとファッショナブルである一方、年齢を重ねた男性が着こなすと重厚感のあるスタイルを演出します。アクセントカラーのラインが入っているタイプなら、控えめに自分らしさもプラスできます。そして、グレンチェックよりもややカジュアルで新鮮さを感じさせるのが「ウィンドウペン」です。これは、窓のような四角いラインが並ぶシンプルなチェックです。ネイビー×ライトブルーやチャコールグレー×ライトグレーなど同系色で配されているものが一般的ですが、レッドなど明るい色のウィンドウペンはより個性的です。
ラインが太くなるごとに、カジュアル感も高まります。チェックのスーツは上下セットとしてだけではなく、ジャケットやパンツを単品で使用することも可能です。ほかのアイテムと組み合わせることで、スマートカジュアルとしても楽しめます。工夫次第で幅広いコーディネートが楽しめるため、とても人気の高い柄です。
スタイリッシュなストライプ
ストライプのスーツはラインの太さやその間隔によってイメージが異なることが特徴です。ビジネスシーンやフォーマルシーンはもとより、華やかなパーティーシーンなどにも活用できます。基本的にはラインが細く間隔も狭いものほど上品で繊細、逆にラインが太く間隔も広いものほど個性的で活動的な印象です。
スーツに使用されるストライプの種類としては、かすれたラインがチョークで描いたように見える「チョークストライプ」や、小さい点を縦に連ねた「ピンストライプ」などが代表的です。この2つはブラックやネイビー、グレーなど、暗めのベースカラーに用いられることが多いストライプとなっています。
チョークストライプはフランネルのような柔軟で温もりのある生地と相性が良いため、秋冬にも最適です。秋冬スーツは生地の厚みによって野暮ったくなりやすい特質もありますが、縦のラインを強調するストライプによって、すっきりとスマートに着こなすことができます。
目安となるのは“260グラム”
秋冬スーツに求められるのは、季節に合った色・柄だけではありません。防寒着として選ぶ上での目安としては、「目付(めつけ)」と呼ばれる生地の重さが参考になります。
目付とは生地1メートルあたりの重さを表す数値で、生地見本やタグなどに「300g/m」のような表記がされるもののことです。一般的に秋冬物は260グラム以上とされており、素材はウールやカシミア、コットンなど、保温や防寒に優れたものが好まれます。
また、同じ素材であっても、織りの種類によってその質感や表情は実にさまざまです。例えば、太めの紡毛糸を織り上げた「ツイード」は、ウール素材の粗い手触りが素朴な生地です。ざっくりとした素材感なので、カジュアルスタイルのスーツに適しています。ツイードの仲間である「ホームスパン」は、ツイードよりもさらに暖かみのある風合い。
その理由は不均一な毛糸を用いていることにあり、元来は手紡ぎ・手織りで作られていましたが、現代では多くが機械によって作られています。そして密に織られた美しい光沢と耐久性に優れた「ギャバジン」は、しなやかな肌触りが魅力で、フォーマルスーツに最適です。秋冬物としてはウールが中心ですが、コットンや混紡糸で織られた生地もあります。
秋冬ならではのスーツスタイルを楽しむ
秋冬スーツで人気の色・柄や素材を紹介しました。スーツをコーディネートする楽しさは、スタイルに一定の枠がありながらも、シャツやネクタイの組み合わせは無限大であること。チェック×ストライプやストライプ×ストライプなど、普段の洋服ではなかなかできない柄と柄の組み合わせも、スーツだとおしゃれに格好良く決まることが魅力です。
また、同じスーツでもネクタイ1本、あるいはシャツ1枚で印象がガラリと変わることもスーツスタイルの面白さのひとつです。そして、シーンやライフスタイル、好みに合わせて、ベーシックにも個性的にもスタイリングが可能です。ワードローブに秋冬ならではのスーツがあれば、よりコーディネートの楽しさが広がるでしょう。