スーツのお直しはできるの?スーツが着られなくなったときの対応をジャケットとスラックスにわけて解説します
新社会人になってはじめて買ったスーツ。はじめは体に合っていたかもしれませんが、同僚や上司との付き合いで外食が増えたり、忙しくて運動する時間が確保できないと少しずつ太ってき、いつかそのスーツが着られなくなる日が来るでしょう。そのようなとき、「スーツのサイズが調整できる」(お直しできる)と知っていれば、間違ってスーツを捨てたり、すぐにスーツを新調したりと、焦って行動することがありません。スーツは一般的な(カジュアル)な洋服と異なり、一定範囲内で寸法を直せます。ただし、部位によっては小さくすることしか出来なかったり、そもそも調整が難しいこともあります。このような部位については、購入時にきちんとサイズを確認するようにしましょう。また、お直しで対応できるサイズは一定の範囲内で決まっています。つまり、体重の増減幅の範囲内でしかお直しができません。それを越えた場合は新調する必要があるのです。この記事ではどの程度の体重増減までならお直しで対応可能か解説しています。また、お直しをするのは体型の変化があったときだけではありません。ほかにどのような理由でスーツのお直しをするのか、ぜひ本文を読んで答えを探してみてください。
新社会人になったときや、会社で昇進したときなど、節目にスーツを買うことが多いのではないでしょうか?あるいはそれまで着ていたスーツが何らかの理由で着られなくなったときに買い替えるでしょう。
スーツのサイズは購入時の体型を基準に決めます。しかし、長い会社員人生の中ではさまざまな理由により体型が変わることもあるでしょう。2kgや3kgほどの体重増減ならよくあるかもしれませんが、人によっては10kgや20kg以上も体重が変わることもあります。
そうした体重増減(体型変化)があったとき、以前着ていたスーツが着られなくなることもあります。そのようなとき、どのように対応すればよいのでしょうか?
この記事では、体型変化によりスーツが着られなくなったときの対応について解説しています。気に入っていたスーツが着られなくなって困っている方や、新しいスーツを買うお金がなく、しかし古いスーツはきつくて入らないという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
スーツが着られなくなったらどうする?
スーツが着られなくなったらどうすればよいのでしょうか?諦めて捨てるしかないのでしょうか?
一定範囲なら「お直し」で対応可能
スーツは一般的な(カジュアルな)洋服とは異なり、一定の範囲内でサイズを調整できるようになっています。たとえば、スラックスには調整代があるため、その範囲内で大きくすることも小さくすることも可能です。反対にジャケットの袖などは、短くすることは可能でも伸ばすことはできません。ただし、ウエストサイズは増減のどちらも考えられますが、成人してから腕が長くなることはあまり考えられません。そのため、体型変化によってサイズが大きくなる部分だけプラスマイナスどちらの調整にも対応できれば問題ないのです。
スーツの各寸法のチェック方法
スーツを購入するときは、スーツが自分の体にフィットするか確認することが大切です。一般的には次のようなサイズ感であれば問題ないといわれています。
ジャケットのチェックポイント
- パッドの位置が肩にあっており、指で軽くつまめるほどの余裕がある
- 肩周りのラインがまっすぐ伸び、シワができていない
- 胸元のVラインがすっと伸びている
- 襟元(首の後ろ)に余計な隙間がなく、シャツの襟が自然に見えている
- 背中に余計なシワができていない
- 前身頃のボタンを留めたとき、不自然なシワができない
- 脇の下(後ろ側)にシワがない
- 袖口から1cm程度シャツの袖が見えている
上記はあくまで目安です。しかし、上記の状態と著しく異なる場合は、そのスーツはあなたの体に合っていないということです。そのときはオーダースーツを選ぶようにしましょう。
既製品のスーツは身長とウエストによって分けられたサイズをもとに作られています。さまざまな体型や年齢の人に合わせるため、このような仕様になってしまうのは仕方ありません。しかし、人間の体は身長とウエストだけで決まるわけではありません。同じ身長・ウエストでも腕の長さが異なる人もいます。そのため、より細かいフィット感を得たい場合にはオーダースーツがおすすめです。
スラックスのチェックポイント
- ウエストに指2本が入る程度の余裕がある
- 腰付近のプリーツが自然に走っている
- ポケットの口が不自然に開いていない
- プレスラインがまっすぐになっている
- お尻や太もも、ふくらはぎなど足回りに自然なゆとりがある
- 内ももの布がダボッとしていない
- 裾の長さは靴に軽くかかり、シワができない長さ(ハーフクッション)
上半身に比べて下半身は可動範囲が広く、歩行時などの足を動かすことも多いでしょう。また、仕事中は座っていることが多いため、ウエストまわりのゆとりもきちんと確保しておかないと、息苦しくて仕事に集中できない恐れがあります。
スーツのお直し箇所
スーツのお直しといっても、具体的にどのような箇所のお直しができるのでしょうか?一つずつ解説していきます。
ジャケット
肩幅
肩幅のお直しは非常に難しいもの。対応できる店舗は少なく、「お直しできます」と謳っていても肩幅のお直しには対応していない店舗もあるようです。また、肩幅は小さくすることはできても、大きくすることはできません。そのため、購入時には試着したときの着心地を確認するのはもちろんのこと、家族や店員の方にもきちんと見てもらいましょう。特に肩から腕にかけて不自然なシワがよっていないか確認してもらって下さい。
ジャケットの肩幅が大きすぎると野暮ったくだらしない印象になります。反対に小さいと背中にシワができたり、肩から腕にかけてシワができたりしてしまいます。いずれにしても自分の体型を理解できていないという印象になるため、好印象を持たれることはありません。
着丈
着丈は短くすることが可能ですが、長くすることはできません。購入前にきちんと試着して、ジャケットの裾とピップの位置を確認しましょう。ヒップが完全に見えていると裾が短く、完全に隠れると野暮ったい印象になります。ピップの半分程度、あるいは上から2/3程度が隠れているのが適切な長さです。
袖丈
袖丈も調整可能です。短くすることはもちろんのこと、短くするとき生地を切らずに調整すれば、長くすること(元の長さまでの範囲まで)も可能です。一般的にジャケットの袖からシャツの袖が1cm程度見えているのが適切な長さといわれています。しかし、人間の腕は左右で長さが異なることがあり、調整が必要なほど差がある人もいます。そのため、袖の長さが合わないと感じたら購入時でも調整してもらうようにしましょう。
袖丈が短いと子供っぽい印象になり、反対に長いとスーツに着られているような印象になります。そのため、年齢が高くなればなるほど、袖丈を含むスーツのサイズ感を気にする必要があるのです。
身幅・脇
身幅や脇は詰めることで3cm〜4cm程度まで小さくできます。特にアームホールが大きいと腕を挙げたときにジャケットの布が引っ張られてしまいます。反対に小さいと窮屈で腕を動かしづらくなるでしょう。また、ウエストは体のラインに沿ってサイズを調整する必要があり、それを怠ると不自然なシワが入ってしまいます。前身頃のボタンを留めた状態で、右手がさっと胸ポケットに入る程度の余裕があるとよいでしょう。
オーダースーツは比較的調整しやすくなっています。しかし、規制品はあまり調整代がないこともあり、大きく直してしまうとシルエットが崩れる可能性もあるため注意が必要です。
スラックス
ウエスト
縫製方法や調整代の長さにもよりますが、ウエストは概ね3cmから4cm程度調整可能です。ただしポケットの位置は調整できません。また、ウエストを調整するとベルトループの位置が一緒に動いてしまいます。ウエストを調整するときはこれら2点に注意して下さい。
太もも(ワタリ)
太ももは2cm程度詰められるといわれています。膝から少しずつ詰める「幅詰め」と、
全体を詰める「渡り詰め」があり、それぞれで印象が異なります。ジャケットとの相性や全体的なバランス・着こなしを考えて、どちらの方が自分に合っているか選びましょう。
ヒップ(尻囲)
ピップもウエストと同様に3cm〜4cm程度小さくできます。ただし、ポケットの位置は変えられないため、全体のシルエットやバランスが崩れない範囲での調整になります。
裾
生地の折り返しの量にもよりますが、1cm〜3cm程度の範囲で調整できるといわれています。腕と同様、左右で足の長さが異なる人もいるため、購入時でも一度計測してお直しの必要があるか確認した方がよいでしょう。ただし、裾の長さを調整すると膝の位置が変わることがあります。全体のシルエットを崩さないように気をつけて、調整をお願いするようにしてください。
オーダースーツでもお直しできる?
オーダースーツが既製品のスーツかに関係なく基本的にお直しが可能です。スーツのお直し専門店もあるかもしれませんが、まずは購入した店舗に相談してみましょう。
とはいえ、お直しはそれほど頻繁にするものではありません。それでは、そのようなときにお直しをするのでしょうか?
太ったとき
残念ながら太って体重が増えてしまった場合には、お直しが必要となることがあります。たとえば、体重が1kg増えるとウエストは1cm大きくなるといわれています。そのため太ったときに、スラックスのウエストのお直しで対応できるのは3kg〜4kg程度です。
反対にジャケットはもう少し余裕がありますが、さすがに10kg程度体重が増えると対応できなくなります。また、太った状態でジャケットを着ると前身頃に不自然なシワができます。そのため、調整してどうにか着られたとしても、スマートな着こなしはできないかもしれません。
ジャケットとスラックスは基本的にセットで着用するため、3kg〜4kg以上太ったときは、スラックスとセットでジャケットも新調した方がよいかもしれません。
痩せたとき
痩せたときは太ったとき以上に調整可能です。しかし、全体的なシルエットが変わるほど、大幅に痩せたときは店舗に相談した方がよいでしょう。物理的には小さくできたとしてもシルエットが崩れてしまい、スーツとして美しい状態を保てなくなるかもしれません。
昔のスーツを今風に仕立てるとき
体型変化以外にもスーツのお直しをすることがあります。それは昔仕立てたスーツを今風にお直しすることです。スーツを着る人の中には、長年体型をキープしており、10年以上前に購入したスーツを大切に着ている方もいるでしょう。しかし、昔のスーツは現在のものよりゆったり着られる設計でした。そのため、同じ体型の人を想定したスーツでも、昔のスーツの方が細部の寸法が大きかったのです。
そういった仕立て方の違いを現代風に直すために仕立てることもあります。
自分のサイズに合ったスーツを着るメリット
スーツはサイズ感が命といわれています。自分の体に合ったスーツを着ることに、どのようなメリットがあるのでしょうか?
体にフィットするスーツがスマートに見える
一つ目のメリットは、スマートにスーツを着こなせることです。前述の通り、体にぴったりフィットしているスーツは、その人の体型をキレイに見せてくれます。「ぴったり」というのは体のラインが分かるほどタイトというわけでなく、余計なゆとりがなくスッとした印象を与える程度のタイトさのことをいいます。
スーツのサイズが体より大きいと野暮ったくなり、そしてスーツに着られている印象になります。反対にスーツの方が小さいと明らかに不自然なラインが出来てしまい、「無理してスーツを着ている」といった印象を与えてしまうのです。
自分の体型を管理できるという印象を与えられる
社会人になると、さまざまな人との付き合いなどで外食する機会が増えるでしょう。また、仕事のストレスなどでお酒の量が増えたり食事の量が増えたりする人も多くいると思います。もちろん、休日にはきちんと運動して体を絞る方もいると思いますが、年齢とともに新陳代謝が低下することもあり、基本的には年齢とともに太りやすくなる方が多い傾向にあります。
そのため、昔に購入したスーツをそのまま着ようとすると、前述のように余計なシワができてカッコ悪くなってしまいます。それにも気付かずそのまま着用していると、「見た目に無頓着な人」あるいは「自分の体型すら管理できない人」という印象を与えてしまうでしょう。一方、きちんと体型をキープしていると非常にスマートに見えて「自分の体型を管理できる人」という印象を与えられるのです。
ファッションセンスがあるという印象を与えられる
スーツをきちんとお直しして着ていると、常に自分の体型に合ったスーツを着られます。すると、周囲の人から「ファッションセンスがある」と思われるのです。ファッションセンスとは、ある意味細かい部分に気がつく力であり、細かい部分を大切にできる力ともいえます。そのため、ファッションセンスがよい人は「仕事でも細かい部分を大切にしそう」という印象を持たれることがあるのです。ほかにも、自分の見た目に気を遣える人という印象を与えるため、清潔感も保たれるでしょう。
オーダースーツSADAでできること
オーダースーツSADAでは、専門の教育を受けたスタイリストがお客様の体の約20か所の寸法を計測してオーダースーツの寸法を決めます。そのため、購入時点でお客様の体にぴったり合ったスーツを提供できるのです。
もちろんお直しにも対応しています。腕を動かしにくい、パンツの丈が長いなど違和感を感じたときには、お仕立て後1か月以内なら、無料でサイズ調整が可能です。また、ウエストの調整は半永久的に無料です。オーダースーツSADAのスラックスは、おおよそ3cm〜4cmの範囲で調整できるように設計してあるため、その範囲内なら無料で調整できます。
体の採寸データも5年間無料で保管するため、次回スーツを作るときにも、体型が変わっていなければ(体重が増えていなければ)そのまま活用できます。
まとめ
この記事では体型の変化によりスーツを着られなくなったときの対応について解説しました。スーツは一定範囲内ならお直しにより対応できます。ジャケットは基本的に小さくすることしかできませんが、スラックスは小さくすることも大きくすることも可能です。もし、着ているスーツが体に合わないと思ったら、お直し価格を含めてまずは購入店に相談してみて下さい。
また、オーダースーツSADAではそもそも購入時にベストフィットのオーダースーツを提供しています。ぜひ一度、オーダースーツSADAのフィット感を体験してみてください。
この記事ではスーツが着られなくなったときの対応について解説しました。スーツが着られなくなっても一定の範囲内でお直しが可能です。しかし、そもそもお直しが難しかったり、できたとしても小さくする方向にしか調整できない部位があったりします。そのため、まず購入時に、スーツが自分の体に合っているか確認しましょう。ジャケットでいうと肩幅は肩パッドの位置が合っているか、背中に余計なシワができていないか確認する必要があります。一方スラックスでは、ウエストに指2本程度入る余裕があるか、ポケットの口が不自然に開いていないかなど確認しましょう。お直しできる場所は細かく決まっています。たとえばジャケットであれば着丈、袖丈、身幅・脇など、スラックスであればウエスト、太もも(ワタリ)、ヒップ(尻囲)などです。一般的に体重が1kg増えると、ウエストが1cm大きくなるといわれています。スラックスはおおよそ3cm〜4cmの範囲で調整できるため、体重が4kg以上増えると調整できないかもしれません。ジャケットの場合はそれ以上に体重が増えても着られますが、基本的にはスラックスとセットで着用するため、スラックスが履けなくなればジャケットも着られないでしょう。