【スーツの深掘り】イタリアのスーツスタイルはなぜ人気?特徴やこだわりのディティール、個性的な色使いから解説
イタリア人が着用するスーツは非常にスタイリッシュで、男性であれば一度は憧れるスーツスタイルではないでしょうか。
そんなイタリアスーツには一人一人が美しく着こなせるように、細やかなディティールのこだわりが詰め込まれています。
そこで本記事では「イタリアスーツの特徴や仕立て方法、特有のディティール」についてご紹介します。
また、イタリアスーツを着こなすうえで参考となる「イタリアスーツ特有の色使い」についても解説しますので、イタリアスーツに興味がある方はぜひ最後までお読みください。
イタリアスーツの特徴
イタリアのスーツは、スーツの元祖である「ブリティッシュスーツ」から、イタリアの風土やイタリア人のファッション嗜好に合わせて変化し続けてきました。
そのため、「イタリアスーツと言えばこのデザイン」と言われる特徴があります。
こちらでは「ブリティッシュスーツ」との違いを踏まえ、「イタリアスーツの特徴や魅力」についてご紹介します。
イタリアスーツの魅力は「生地とシルエット」にあり
イタリアスーツの大きな特徴として、「男性らしいボディラインを美しく魅せられる、曲線美の美しいシルエット」が挙げられます。
具体的には、イタリアのスーツは丸みを帯びた柔らかい印象の「肩周り」と、男性らしさを感じられる逆三角形の体型を強調するように絞られた「ウエストライン」が特徴的です。
このようなシルエットの特徴もあり、イタリアスーツの「着心地の良いフィット感」を好む日本人のビジネスマンも少なくありません。
また、艶やかで男性のセクシーさが感じられる見た目にするために、スーツの素材には「ドレープが美しく出る柔らかみのある生地」が多用されています。
「薄手で軽い生地」のチョイスは見た目だけでなく、イタリアの比較的温暖な気候に合わせて、機能性も考慮されています。
このようなイタリアスーツの軽やかな生地感や、カジュアルなデザインから、イタリアにおける「スーツをおしゃれ着として着こなす文化」が感じられます。
なお、後述にて「イタリアスーツのディティール」を詳しくご紹介しますので、併せて参考にしてください。
実は「北イタリア」と「南イタリア」でスーツの特徴が異なる
先ほど「イタリアスーツ」とまとめてご紹介しましたが、ミラノを中心とする「北イタリア」と、ナポリを中心とする「南イタリア」とでは、それぞれの地域柄や歴史的背景の影響などから、スーツスタイルが少し異なります。
以下の表にて「ミラノスタイル」と、「ナポリスタイル」の特徴を簡単にまとめましたので、それぞれの特徴を比較してみましょう。
スーツスタイル名(地域名) | ミラノスタイル(北イタリア) | ナポリスタイル(南イタリア) |
スーツスタイル | 上品でブリティッシュスタイル寄りの厳格な雰囲気 | カジュアルで遊び心あり |
仕立て方 | 大量生産のマシンメイド | サルト(仕立て屋)によるハンドメイド |
ディティール | ・引き締められたウエストシェイプ ・張りのあるスクエアショルダー |
・肩にギャザーを寄せる袖付け技法「マニカカミーチャ」 ・袖口のボタンが外れる仕様の「本切羽」 ・胸ポケットが船底のようにカーブしている「バルカポケット」 |
上記の表より、ナポリスタイルの方が手作り感の強いデザインとなっており、日本人が持つイタリアスーツのイメージに近いものと言えます。
イタリアスーツをオーダーする際には、どちらのスーツを取り扱っているのか確認すると良いでしょう。
ブリティッシュスーツとの違い
元々イギリスの貴族が着用することをメインとして仕立てられてきた背景もあり、「ブリティッシュスーツ」は生地が厚く直線的なシルエットが特徴的です。
イギリス人は伝統的なスタイルを重んじることから、イタリアスーツとは異なりフォーマルさを重視されたデザインとなっています。
このような違いから、ブリティッシュスーツは重要な商談や結婚式、イタリアスーツはオフィスカジュアルやデート用といったように、シーンやTPOに合わせた着こなしが楽しめます。
イタリア特有の色使いを解説
イタリアを代表するサッカーチームに「青色」が用いられているように、イタリア人にとって「青」は特別な意味を持ちます。
こちらでは「イタリアスーツに用いられる特有の色使い」について、青を中心に以下の3つをご紹介します。
- アズーロ・エ・マローネ(青×茶色)
- アズーロ・エ・ロッソ(青×赤)
- アズーロ・エ・グレージオ(青×グレー)
イタリアスーツの洗礼されたスーツスタイルを語る上で欠かせない「色使いや色の組み合わせ方」について、詳しく見ていきましょう。
イタリアスーツの代表色「アズーロ・エ・マローネ」
1つ目のイタリアスーツに用いられる特有の色使いは「アズーロ・エ・マローネ」です。
「アズーロ」は日本語で「青」という意味であり、「マローネ」は「茶色」という意味です。
ブリティッシュスタイルの同系色を良しとする正統派の文化に対して、自由なファッション性を好むイタリア人は正統派より少し崩した色使いのスーツスタイルを好みます。
スーツにおける「青と茶色」の組み合わせは、スーツの定番色である「ネイビースーツ」に対して、シンプルな無地の「ブラウンタイ」で表現されます。
収縮色である「ネイビー」と、膨張色である「茶色」の組み合わせは、単なるコントラストだけでなく奥行きのあるコーディネートに仕上がります。
「アズーロ・エ・マローネ」を参考にすれば、さまざまなシーンに合わせてイタリアスーツを上品に着こなすことができるでしょう。
コントラストが美しい「アズーロ・エ・ロッソ」
2つ目のイタリアスーツに用いられる特有の色使いは「アズーロ・エ・ロッソ」です。
「アズーロ・エ・ロッソ」を直訳すると、「青と赤」という意味になります。
前述した色使い同様に、こちらもコントラストがハッキリとした美しい色使いとなっています。
「赤」は国旗にも用いられているように、イタリア人にとって特別な意味を示すため、勝負着に用いられる色使いです。
「アズーロ・エ・ロッソ」は、重要な会議やデート着としてスーツを着る際に参考にすると良いでしょう。
シックな印象を醸し出す「アズーロ・エ・グリージオ」
3つ目のイタリアスーツに用いられる特有の色使いは「アズーロ・エ・グリージオ」です。
「アズーロ・エ・グリージオ」は、日本語で「青とグレー」という意味です。
これまでの色使いとは異なり、落ち着いた色味でシックにまとめる際に用いられます。
日本のビジネススタイルにもマッチしやすい色使いと言えるため、イタリアスーツを気軽に着こなしたい方にもおすすめです。
イタリア特有のディティールとは
先ほどご紹介したように、イタリアスーツのシルエットの美しさの理由は、細やかなデザインのこだわりがあるからと言えます。
こちらでは「イタリアスーツ特有のディティール」について、以下の7つのパーツからご紹介します。
- ゴージライン
- Vゾーン
- ウエストライン
- ショルダー
- ボタン
- 袖
- パンツシルエット
イタリアスーツをご購入する際や、オーダースーツ店にて注文する際の参考としてご覧ください。
イタリアスーツのディティール1:高めのゴージライン
1つ目のイタリアスーツにおけるディティールは「高めのゴージライン」です。
「ゴージライン」とはジャケットの上襟と下襟(ラペル)を縫い合わせるラインのことで、位置の違いによりジャケットの全体の表情が大きく変わります。
イタリアスーツにおいては高めのゴージラインにすることで、ウエストシェイプを強調しシャープな印象を意図的に作り出しています。
イタリアスーツのディティール2:深めのVゾーン
2つ目のイタリアスーツにおけるディティールは「深めのVゾーン」です。
胸の露出が広がるデザインとすることで、大人の色気を表現しています。
深めのVゾーンによりインナーがよく見えるようになるため、イタリアスーツを着こなすためには、ジャケットの中のインナーとネクタイにもこだわらなければなりません。
イタリアスーツのディティール3:強めのウエストライン
3つ目のイタリアスーツにおけるディティールは「強めのウエストライン」です。
先ほども解説したように、イタリアスーツではウエストラインを絞るデザインが採用されます。
強めのウエストラインによってヒップラインが強調され、シルエット全体がセクシーに仕上がります。
イタリアスーツのディティール4:ナチュラルショルダー
4つ目のイタリアスーツにおけるディティールは「ナチュラルショルダー」です。
イタリアスーツにおけるショルダーは軽やかさを追求するために、肩パットが省かれる場合や、「薄めのソフトな肩パッド」が使用される場合など、細めのショルダーラインとなっています。
こうすることで筋肉の曲線が美しく見えるようになり、男性らしい色気を醸し出すデザインとなっています。
イタリアスーツのディティール5:重ねボタン
5つ目のイタリアスーツにおけるディティールは「重ねボタン」です。
重ねボタンはその名からイメージできるように、ボタンの配置を狭めて重なるようにボタンが取り付けられています。
ブリティッシュスタイル等のボタンは間隔を開けて配置されるため、重ねボタンにより遊び心がプラスされこなれ感が増します。
イタリアスーツのディティール6:段返り3つボタン
6つ目のイタリアスーツにおけるディティールは「段返り3つボタン」です。
「段返り3つボタン」とは、ジャケットの第1ボタンが下襟の裏に隠れた仕様のデザインのことです。
このデザインによりウエストラインとの立体感が生まれ、スタイリッシュな印象を演出できます。
イタリアスーツのディティール7:本切羽の袖
7つ目のイタリアスーツにおけるディティールは「本切羽の袖」です。
重ねボタンと同様に、本切羽仕様もナポリスタイルによく見られるデザインです。
「本切羽」の袖とは、袖口のボタンが飾りではなく実際に開ける仕様を指します。
ジャケットの袖をまくりあえて着崩したスタイルができるように、遊び心を添えています。
イタリアスーツのディティール8:細身のパンツシルエット
8つ目のイタリアスーツにおけるディティールは「細身のパンツシルエット」です。
これまでにご紹介したように「細身でセクシーさが強調されるジャケット」には、ダボっとしたパンツよりも細身のパンツが似合います。
ジャケットの持つ雰囲気に合わせたパンツシルエットを選ぶことも、イタリアスーツを着こなすうえでのポイントと言えるでしょう。
イタリアスーツの仕立て方法
イタリアスーツにおける一般的な仕立て方は「ソフトテイラリング」と呼ばれる方法です。
ソフトテイラリングはその名の通り、軽やかで柔らかい生地が用いられ、着る人それぞれのナチュラルなシルエットの美しさを引き立てます。
着心地の軽さに加え、艶やかな見た目を実現しています。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
今回は「イタリアスーツの特徴やディティール、特有の色使い」について解説してきました。
「オーダースーツ SADA」では、今回ご紹介したような「イタリアスーツ」や「ブリティッシュスーツ」のお取り扱いがあります。
「オーダースーツ SADA」で扱うイタリアンスタイルの特徴
「オーダースーツ SADA」にて取り扱うイタリアンスタイルの特徴は、以下の通りです。
- 少しだけ高めに設定された「ゴージライン」
- 重ねボタン
- 段がえりの3つボタン
- フロントカットは大胆に大きめの「カッタウェイ」仕様
また、自然な肩回りとすっきりとしたシルエットで、ストレスなく着用できるスタイルとなっています。
イタリアの上質な生地を用いたスーツ
当店では、「CANONICO(カノニコ)」「REDA(レダ)」「Ermenegildo Zegna(ゼニア)」の3種類を取り扱っております。
簡単に以下の表にて「それぞれの特徴と、当店での商品価格」をまとめましたので、オーダーする際の参考としてご確認ください。
生地ブランド名 | CANONICO | REDA | Ermenegildo Zegna |
特徴 | ・発色の良さが売り ・世界的有名アパレルに生地を提供実績あり |
・ソフトな生地感 ・高い品質を安定した価格で提供 |
・高品質で希少なウールのみを使用 ・イタリア最高峰の服地メーカー兼プレタブランド |
商品価格 | 税込75,900円 | 税込64,900円 | 税込140,800円 |
イタリアスーツをオーダーする際には、上記のなかからご自身の求めるスタイルと、希望の価格帯に合わせてお選びください。
イタリアスーツスタイルをクールに決めるなら「オーダーシャツ」もおすすめ
前述したように、イタリアスーツのデザインはシャツやネクタイも見せるスタイルとなっています。
そのため、イタリアスーツをオーダーする際には、イタリアスーツに合う「オーダーシャツ」もご一緒にご検討ください。
今回の記事をきっかけにイタリアスーツに興味を持たれた方は、まずはお気軽に当店のご来店予約をお待ちしております。