世界のトップリーダーに学ぶ、各国首脳のスーツ着こなし
ビジネスシーンや冠婚葬祭など、時と場合に応じて着用するスーツを変える必要があります。なぜなら、その場にふさわしい色柄・スタイルのスーツでなければ、相手や周囲の人々に不快な印象を与えてしまう恐れがあるからです。「マナーだからそうすべきだ」という考え方ももちろんありますが、「マナーだから」と思考停止してスーツを選ぶよりも大切なことがあります。それは、相手や周囲にどのような印象を与えるのか想像し、思いやりと気遣いをもってスーツを選ぶ方が、大人の立ち居振る舞いとして正しいのではないかということです。この“立ち居振る舞い”については、世界各国のリーダーたちから学び取ることができるでしょう。首相や大統領、ファーストレディといった権威ある方々は、公務や公式訪問、就任式などのさまざまな場面で適切な服装をすることが求められます。国を代表する人物として、国のイメージをも同時に背負う必要があるのです。この記事では、世界数か国のリーダーたちが着用しているスーツコーデに焦点を当てつつ、見栄えよくスーツを着用するコツについて紹介します。シーン別の着用におけるヒントや、マスク着用との関係性についても紹介するので、TPOに合わせたスーツの着こなしに興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
冠婚葬祭などのフォーマルな場へ参加する際、どのような服装をすれば良いか迷うことがあるでしょう。そんな時に参考となるのが各国のリーダーのスーツ姿かもしれません。各国のリーダーが、経験してきた業種などでどのようなデザインを好んだり、着こなしを行っているのか、次の記事で詳しく説明します。
世界のリーダーのスーツの着こなし
各国を代表するリーダーの方々の着こなし方には、学べるところが多くあります。各国のリーダーはどのようなスーツを着用しているのか、例と共に見ていきましょう。
ジョー・バイデン大統領・・アメリカ
アメリカの第46代、ジョー・バイデン大統領は就任式の際、落ち着いた雰囲気を醸し出す意味でラルフ・ローレン(RALPH LAUREN)のスーツを着用していました。1967年に開業した、アメリカ発祥のオーダーブランドの1つで、アメリカの象徴的なブランドとして歴史があります。大統領が着ていたネイビー色は、公式の場にふさわしいカラーコーディネートとしてお手本になるかもしれません。
ファーストレディに就任したパートナーのジル・バイデン氏は、ニューヨークを中心に展開するマルカリアン(MARKARIAN)というブランドのセルリアンブルーでツイード素材のアンサンブルスーツを着用していました。セルリアンブルーはバイデン陣営のイメージカラーであり、信頼や自信、安定を示す色とされます。落ち着きと華やかさの中間ほどの明るめの色でありながら、公式の場に合わせた控えめの印象を兼ね備えているのが特徴です。
なお、マルカリアンは日本にも2022年7月に初上陸しており、日本国内でも女性向けの服装として注目されています。
ジャスティン・トルドー首相・・カナダ
カナダの第29代首相、ジャスティン・トルドー氏は、ジーンズからスーツまでさまざまな着こなしを取り入れていることから「世界で最もさまざまなファッションが似合う首相」ともいわれています。公式の場においてのスーツは、ブルーのスーツに青や赤のネクタイを着用しており、これが彼の定番スタイルなのかもしれません。正統なスーツスタイルにまとめつつもシューレースの色味で「ハズシ」のポイントを加えることもあり、ファッションへのこだわりの強さが伺えます。
トルドー首相のパートナーであるソフィー・グレゴワール氏の服装も、色合いや着こなしが参考になります。公の場にメイド・イン・カナダのブランドの服を着用することで「ソフィー効果」とよばれる程に各ブランドが注目を集めているのです。数あるブランドのなかでも、カナダの新進かつ多文化を代表するデザイナーのブランドを選んでいます。ソフィー氏のプライベートとフォーマル、両方の控えめな服装は見る人のお手本になるでしょう。
ナレンドラ・モディ首相・・インド
インドの第18代、モディ首相の服装からは「二刀流」を意識した着こなしが伺えます。自信のファッションを「神からの授かりもの」と評しており、民族衣装にベストを着用して公の場に登場することが多いようです。
自分の信念を貫きつつも、相手国に配慮した服装もうまく取り入れています。例えば意味の強い冠婚葬祭に参加する場合、スーツの色合いがシックになっています。明るい色でありながら公式の場に適応する色合いは、複数の着こなし方をする上で参考になるかもしれません。
岸田文雄首相・・日本
日本の第100代、岸田文雄首相のスーツの着こなしも、落ち着いた第一印象を醸し出しています。濃紺を基調とし、ネクタイもストライプや青を基調とし「公の場」にふさわしい落ち着いた色が多いようです。また、岸田氏の目元のメガネにもセンスの良さが伺えます。リンドバーグ(LINDBERG)というデンマークブランドのメガネを愛用しているとのことです。
3週に1度はメンテナンスに店舗を訪問するほどメガネへのこだわりがあり、一般的な黒の濃い縁でなく、薄いフレームのメガネは顔のパーツの一部として自然となじんでいます。はずす時の仕草をさりげなく演出できる意味でも、このようなフレームは「トップリーダーらしさ」を与えてくれるのかもしれません。
ファーストレディとなった、パートナーの岸田裕子夫人の服装も、各国の首脳に合わせた気遣いの色合いがとても上手といえます。首相官邸で来賓として各国の首相夫人などを迎え入れた時は、シックな白を基調とした色合いの服装になっており、明るめの色でありながら派手さを感じさせない点は、公式のイベントに参加する上での女性ファッションとして、素晴らしいお手本になることでしょう。
エマニュエル・マクロン大統領・・フランス
フランスのエマニュエル・マクロン大統領の服装は、質素でありながら派手さを感じさせない色合いが、リーダーという雰囲気を醸し出しています。大統領就任式に着用していたスーツも4万円程のもので、「庶民的すぎる」ことでも話題となりました。それでも若さゆえの端正な体型をいかし、隙間を感じさせないフィット感あふれるスーツ姿で登場しています。
パートナーのブリジット・マクロン夫人が、就任式で着用していた公式のスーツも、ラベンダー色が明るすぎず暗すぎない色で適度な華やかさを演出しています。ブリジット氏の上品活個性が光るファッションセンスの高さは、流行にとらわれないフレンチシックスタイルとして高く評価されているようです。
リシ・スナク首相・・イギリス
2022年10月、イギリスの新首相にリシ・スナク氏が任命されました。チャールズ国王から任命を受けたスナク氏は、伝統あるスタンフォード大学に留学し、ゴールドマン・サックスなどの金融業での経験があります。落ち着きのあるネイビーのスーツに対しブルーのネクタイによるコーディネートが、堅実さが求められる雰囲気を出しているでしょう。
パートナーのアクシャタ・ムルティ氏はアクシャタ デザインズ(Akshata Designs)というファッションブランドのオーナーでありながら、華やかさとは違った質素な着こなしを好みます。ファッションをこよなく愛していながらも、服そのものの本質をとらえているのかもしれません。
ジョルジャ・メローニ首相・・イタリア
イタリア初の女性首相、ジョルジャ・メローニ首相も華美すぎず質素すぎないスーツを着用しています。公式行事の時はシックな濃紺のスーツとなっていますが、就任式や各国を訪問する際には明るい白のスーツも着用しており、イベント等に応じて上下の組み合わせが上手に着こなせている印象があるでしょう。公式インスタグラムに投稿される画像からは、ベージュなどのアースカラーを中心としたコーディネートの頻度が多いようです。
アンソニー・アルバニージー首相・・オーストラリア
オーストラリア第31代首相、アンソニー・アルバニージー氏も、2022年5月に組閣された新首相です。ネクタイの色が明るめのゴールドに近い色から、シックなワインレッドに近い色とセレモニーに応じて分けている点は、TPOに慎重な首相としての姿勢をカラーで感じさせています。
日本の岸田首相と並んでもう一人のメガネをかけた首相としても、メガネの演出がスーツの色ともフィットしているのが特徴的です。岸田首相に比べますと縁がやや濃い印象もありますが、細い目に対してのバランス配分が濃淡を上手に見せています。岸田首相を含め、日本の方には大きい目を持った方も多いので、薄いメガネがよりリーダーらしさをアピールできるのです。しかしアンソニー・アルバニージー首相のような細い目の方は、黒縁のバランスがリーダーとしての賢さを演出しているといえます。
ジャシンダ・アーダーン首相・・ニュージーランド
ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、ニュージーランドにおける初の女性首相です。世界のリーダーとしては史上初、産休を取って子育てにも力を入れている首相で、現代に沿った先進的なライフスタイルを構築しているリーダーのローモデル、ともいえるでしょう。外交面においても世界のリーダーのなかでも、多様性に寄り添ったスマート外交を展開しており、服装にもその色が反映されていることが伺えます。
カナダのジャスティン・トルドー首相と同じようにカジュアルからフォーマルまで着こなしているところは、レディースのスーツでも参考になる点があるかもしれません。選挙など、情熱の意味を持つ公務には赤い服を、公式訪問など通常の公務では紺のシックなスーツと自由自在に取り入れているのが伺えます。
スーツとマスクの配色
COVID-19以降、各国の首脳もマスク姿で公の場に登場しています。あれから3年経ち、各国の対応も変わることで、解除にした国もあればマスクの色をファッションのスーツと組み合わせることで、印象につなげた国もあります。
白マスク
日本の岸田首相が、記者会見など公式の場で白以外のマスクを着用しているところは、見かけないことが多いかもしれません。公職をしている意味で、白以外のカラーが印象を下げてしまうことが考えられます。白は日本古来の「純白さ」を表す色で、日本人には比較的好まれる色です。マスクの白に対してスーツの色が印象を引き立てているのは、日本人のまじめさを表しているともいえます。
色付きマスクとスーツ
一方、カナダのジャスティン・トルドー首相やアメリカのジョーバイデン首相は、公式の場でも黒のマスクを着用しています。それでも印象が崩れないのは、異なった意味でスーツが配色バランスを保っているからといえます。黒が荘厳なイメージを出していることで、厳かな式典としてのイメージに黒のマスクが選ばれているのかもしれません。
各国首脳のように、見栄えよくスーツを着るには?
ここまで、各国首脳やパートナーの公式の場においての着こなし方には、着こなす際のヒントを記述しました。どういった点がそのヒントになるか、シーン別に見ていきたいと思います。
シーン別1・・通常の公務
通常の公務、例えば地域の公立や民間の学校などを訪問する際のファッションとしても、トップの服装が参考になることがあるでしょう。例えば、教職の経験があるカナダのジャスティン・トルドー氏は、首相になってからも実際に教育機関を訪問する際に、子供たちにも親しみやすい明るめの色を着用しています。
彼のスーツの色は黒・紺が主流ですが、このようにスーツ以外でもさまざまな年齢の方と接する際に相手に合わせた色を着用できるのは、相手の立場を思いやるが故の配慮かもしれません。
シーン別2・・冠婚葬祭
公式行事である冠婚葬祭において、スーツだけでなくネクタイなどの小物にいたるまで、色選びは重要です。結婚式や宴会の披露宴といったお祝いの行事には、若干明るさを入れたネイビー、就任式など厳かな式典などの行事には荘厳さを与えるダークトーンのネイビーが好ましいとされています。例えばアメリカのジョー・バイデン氏が着用していたラルフ・ローレンのスーツですが、就任式においてのネクタイとスーツの配色がネイビーと、落ち着きを見せるような配色です。
一方葬式やお別れ会といった「喪に服す」行事に参列、参加する場合は格調高い黒が基本となります。
シーン別3・・公式訪問
出張などで企業や諸外国を訪問する際、服装選びに迷う方も多いと思います。このような時、公式訪問を公務として行っている方の服装から、参考になる点がいくつかあるかもしれません。例えば日本の岸田首相のように公務のキャリアをメインとしてきた方であれば、黒や紺のスーツの着方が参考になるでしょう。
またイギリスの新首相、リシ・スナク氏のように、金融関係の経験をお持ちであれば、仕事で培った清楚なネイビーのスーツの着こなしも参考になります。さまざまな公式訪問の際、スーツの色合いを意識することで、相手に与える自分の第一印象を高めてくれる効果があります。結果的に迎える側も自分へ信頼感を持ちやすく、安心して迎え入れてくれるでしょう。
オーダーメイドスーツなら「オーダースーツSADA」にご相談を
各国のリーダーがさまざまなシーンでの服装を見せるなか、日本の岸田首相が着用しているスーツは、広島で90年以上続く老舗の洋服屋さんに仕立ててもらっています。このように、1つのお店で長く仕立ててもらうことで、サイズや形状、サイドの靴や靴下などや色合いを細かく決めていくことができます。
オーダースーツSADAは、業界でも老舗のオーダースーツ専門店です。多くの著名人やスポーツ選手に選ばれてきた実績もあり、生地やデザインの種類も豊富に取り揃えています。着用が難しくなってしまったスーツを下取りに出すことで、生地の再利用などでSDGsにも積極的に取り組んでいます。既製品では得られないような優れた着心地のスーツを手に入れるため、スーツSADAを利用してみてはいかがでしょうか。
各国首脳の着こなしに基づき、時と場面に応じてスーツが相手や周囲に与える印象について解説しましたが、普段のビジネスシーンやフォーマルな場において参考になる例はあったでしょうか。ほとんどの公的な場面にふさわしいネイビーのスーツや、葬儀に参列する際に着用するブラックスーツと黒ネクタイなどは、多くの方が既に知っているマナーだったでしょう。一方、民族衣装やカジュアルな衣服を合わせるなど、独自の「色」を演出しつつTPOから外れない着こなし方もあり、必ずしも型にはまったスーツファッションが良しとされるとは限らない点は新たな発見といえます。TPOだけに縛られず、自らのナショナリティや社会的属性に応じたスーツコーデを考えることも、アイデンティティを確立する上で重要なのです。これは各国のリーダーに限った話ではなく、一般のビジネスシーンや冠婚葬祭の場面でも同様といえます。自分に合ったスーツコーデを作り上げたいと希望するのであれば、確かな実績を持つオーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」で、知識が豊富なスタッフに相談してみるのと良いでしょう。創業してから長年培われてきたノウハウを基に、一人ひとりに適したのオーダースーツを仕立ててくれます。