オーダースーツの裏地はどう選ぶ?基本の選び方からおしゃれに着こなすコツまで解説
オーダースーツの専門店で購入する際に、裏地選びで悩む方もいるでしょう。裏地は素材から織り方、付け方までさまざまなので、選ぶだけでもかなりの時間がかかります。またスーツの裏地選びでは色や柄も重要です。スーツの裏地の基本的な知識と選び方を理解しておきましょう。
本記事では、スーツにおける裏地の重要性から使われている素材、おしゃれなスーツの裏地の選び方まで紹介しています。メンズレディースにかかわらずオーダースーツを購入予定の方には、必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。
スーツの裏地ってなに?
スーツ選びで重視する要素は、人によっても異なります。ファッション性にこだわる方もいれば、着心地を優先する方もいるでしょう。スーツの裏地は一見すると見えづらい箇所なので、あまり意識せずに決めてしまうケースが多くなっています。
しかし、スーツの裏地にも、ファッション性や機能性を高めるなど、メリットがいくつもあるのです。従って、オーダースーツを購入する際は、裏地にもこだわった方が良いといえます。
特にスーツのファッション性にこだわる方は、裏地選びまで妥協せずに行ってみてください。バリエーション豊かな色と柄から組み合わせられるので、あなた好みの1着を入手できます。ぜひスーツにおしゃれな裏地を付けて、ワンランク上の着こなしをしてみましょう。
スーツの裏地はなぜ重要なのか?
スーツの裏地には、ファッション性や機能性の向上以外にも複数の役割があるのです。以下では、スーツの裏地の重要性について役割別に紹介します。
ファッション性が高まる
スーツの裏地は、さり気なくおしゃれさをアピールできる上で非常に意味のある重要なものです。
確かにスーツの裏地は、表地のように常に見える箇所ではありません。たまに見えるからこそ、おしゃれな人はこだわっておきたい部分ともいえるでしょう。
特にオーダースーツなら、色や柄の組み合わせも自由に選べるので、自分のファッションセンスもしっかり主張できます。スーツにファッション性を求める方は、裏地選びにもこだわってみてください。
着脱しやすくなる
スーツの裏地には着脱しやすくなる効果もあります。スーツのジャケットは着脱する機会が多く、着脱時に背中や袖が引っかかりやすいため、ストレスに感じている方もいるでしょう。
スーツの脱ぎ着がうまくいかない場合は、スーツに裏地を付けてみましょう。スーツの裏地にはシャツとジャケットの摩擦を軽減する効果があるだけでなく、着心地が良くなる効果も見込めます。スーツを着脱する機会が多い方は、裏地を忘れずに付けましょう。
スーツの変色や汚れを防ぐ
スーツの裏地には変色や汚れを防ぐ機能もあります。
梅雨時期はスーツの裏に湿気がこもりやすく、繊維が傷みやすくなるのです。せっかくのスーツが変色したり汚れたりしては、もったいありません。スーツの変色や汚れを防ぎたい方は、裏地の生地選びに注力してみましょう。
特に通気性・吸湿性・放湿性の高い素材がおすすめです。冬場に着用するスーツを選ぶ際には、静電気防止加工の素材を選びましょう。
ジャケットが透けなくなる
スーツの裏地には透け防止機能も備わっているのです。表地しかないスーツだと、シャツとジャケットがこすれ、生地が傷むスピードも速まります。生地が傷めばジャケット自体も透けやすくなってしまうので注意が必要です。
せっかく綺麗に仕立てたジャケットが透けてしまっては台無しですので、スーツには裏地を付けて、綺麗な見た目を損なわないように注意しましょう。
表地を補完・保護してくれる
スーツの裏地には表地を補完・保護してくれる役割もあります。
表地しかないスーツと裏地まであるスーツを比べた場合、前者は生地の薄さから少し安っぽく見えてしまいます。
反対に後者では、生地全体の厚さや重さが増すので、スーツの外観も格段に良くなるのです。
また、見た目だけでなく形態の安定性も補完してくれるので、型崩れする心配もありません。スーツの見た目を意識しつつ長く着用したい方には、やはり裏地を付けることをおすすめします。
色柄の選び方
裏地の色
裏地の色はスーツの表地と同系色が無難です。
ビジネスであれば、失礼にならないダークカラーが安心。
ネイビー系スーツには、チャコールグレー(知的)やダークブラウン(お洒落)。
グレー系スーツは、ブラック(上品)、濃淡の違うグレー(落ち着き)、ネイビー(爽やか)。
ブラック系スーツであれば、相性の悪いブラウンを避けて、ネイビーやチャコールグレーが合います。
華やかなパーティーシーンでは、明るいカラーの裏地も素敵ですが、どうしても着用場面が限られてしまいます。
パーティーシーン以外でも着回しができる裏地としては、ワインレッドのような暗めのボルドーカラーがオススメです。
ブラック、ネイビー、グレー、ブラウンなどのスーツカラーに合います。
また、裏地の光沢感でシルバーに見えるライトグレー、シャンパンゴールドのように見えるベージュ、ゴールドに見える明るめのブラウンなども、上品な華やかさになります。
また、濃い目の緑や濃い目の紫はかなり個性的で、差し色として目を引く色です。
裏地の柄
表地を主役にシンプルにまとめるなら無地がオススメ。
ビジネスシーンで上着を脱ぐ際も気になりません。
カラフルな大柄や迷彩柄、ボタニカルの植物柄などはパーティーシーン向き。
着こなしやすいことから人気の裏地は「織柄」です。
ストライプや、ハウンドトゥース、マイクロチェックなど種類も豊富。
しかし、断然オススメはペイズリーの織柄です。
クラシックな柄は現在大活躍中。
角度によって艶やかに輝くペイズリーの織柄は、非常に高級感があります。
また、無地に小紋のように柄を配した生地も同様の効果があり、糸の濃淡で柄を入れたものは、控えめだからこそセンスが光ります。
逆に、少しカジュアルな雰囲気や柔らかさを求めるなら、はっきりとしたチェックやドットがオススメです。
ネクタイ同様、ドットは大きくなるほど親しみやすい雰囲気になります。
より個性を出せる派手でおしゃれな裏地もある
「もっとスーツに個性を出して、おしゃれに着こなしたい」そんな方のニーズにも対応できる「派手柄」の裏地もあります。そんな派手な裏地の一部をご紹介しましょう。
ペイズリー柄
ペイズリー柄は高級感を前面に押し出せる、非常に人気のある派手柄です。ベージュやグレー系の落ち着いたカラーに取り入れて「さりげないおしゃれ」として楽しむもよし、レッドなど派手なカラーと組み合わせてさらに派手に演出するのも良しです。思いのままに組み合わせてみましょう。
迷彩柄
カジュアル感を数段引き上げる迷彩柄も、昨今のオフィスカジュアルでは人気を集めています。スーツの表地と同系色でまとめて、チラッと見えるギャップを演出するのがおすすめ。迷彩柄自体は非常に派手ながらも、色を合わせることで外しすぎないコーデが実現できますよ。
さらに派手な裏地もある
先ほど紹介したペイズリー柄や迷彩柄は、派手柄のなかでも比較的落ち着いたデザインの裏地です。
例えば「ドクロ柄」や「人物」「風景画」など、もはや「柄」とは言えない裏地まで非常にバリエーションはさまざま。オーダースーツブランドによっても取り扱える裏地の種類が大きく変わるのもポイントです。さらに個性的に着こなしたい方は、自分のイメージに合った派手な裏地を選んでみてください。
おしゃれな表地と裏地の組み合わせとは
ファッション性を高める効果もある裏地。スーツの表地との色柄を上手に組み合わせれば、周りに差をつけたおしゃれなコーデが実現できます。後半で解説しますが、どんなシーンでも間違いないのは表地と同系色の裏地を選ぶ方法です。
とはいえ色柄を同系色にするのは、個性を出したおしゃれとは言えませんね。そこでまずはおしゃれに個性を出していける「表地×裏地」の色柄の組み合わせから紹介します。ぜひ参考におしゃれなスーツを作ってみてくださいね。
ネイビー×グレー:上品さをアピールしたい方向け
非常にシンプルな組み合わせながらシックな雰囲気を前面に押し出し、上品で小洒落た雰囲気をアピールできる組み合わせです。
「大人のおしゃれ」感を出していきたい方におすすめ。派手なカラーではないので、ビジネスでも問題なく使えるスーツです。
ネイビー×オレンジ:カジュアルで陽気な雰囲気を出したい方向け
ネイビー与える知的さや真面目さを和らげ、オレンジの明るく陽気な印象をプラスできる組み合わせです。
カジュアル感が強くなるので、オフィスカジュアルや内輪のパーティーシーンなどにおすすめ。「夏の太陽」のようなイメージを彷彿とさせるので、真夏にジャケットを着なければいけないシーンに取り入れるのもおすすめです。
ネイビー×ブルー柄物:統一感を持たせつつおしゃれに
同系色を合わせて、統一感のあるおしゃれを実現できる組み合わせです。ブルーの裏地にはストライプやチェックなどの柄を入れることで、ただ統一感のある地味なコーデに収まらない工夫ができます。
またブルーはネイビーの濃度に合わせて、濃いものを選ぶのがおすすめです。カラー自体は定番と言えるので、ビジネス・カジュアルいずれにも対応できます。
ブラック×レッド:落ち着いたブラックに華やかさをプラス
シックで地味めな印象をどうしても与えてしまうブラックスーツに、レッドの裏地で華やかさをプラス。まさに「おしゃれでエレガントな男性」感を彷彿とさせる大人な組み合わせです。
あくまでベースはブラックスーツのため、結婚式などに着て行くのも良いでしょう。レッドは情熱・熱意を感じさせるカラーで、日々の営業活動のワンシーンで取り入れても違和感なしです。
グレー×淡いピンク:スタイリッシュさとおしゃれさを両立
どんな濃度のグレースーツともピンクの裏地は相性抜群です。チャコールグレーと合わせれば、落ち着いた印象を抑えて、スタイリッシュながらも穏やかさを感じられるおしゃれを演出できます。
ミディアムグレーと合わせれば、ほどよい知的さと落ち着きを合わせた印象に。
ライトグレーと合わせれば全体が明るくなりパッと見はカジュアルながらも、ビジネスでも十分に使えるバランスを保てます。
いずれもビジネス・カジュアル両用できるハイセンスな組み合わせです。
ミディアムグレー×ブラウン:ナチュラルに馴染むおしゃれな組み合わせ
グレーの中でも中間と言える濃度のミディアムグレーは、ブラウンの裏地と組み合わせるとナチュラルに馴染みます。なおかつジャケットをめくり、相手に裏地を見せた時のインパクトはキープ。
ブラウンは落ち着いた印象かと思いきや、裏地として取り入れるとおしゃれ感を全面的に押し出せるカラーなのです。チェックなどの柄物を取り入れ、さらなるおしゃれをアピールしてみるのもいいでしょう。
チャコールグレー×ボルドー:まさに「大人の男性」
ビジネススーツの定番ともいえるチャコールグレー。どうしても地味な印象に落ち着きがちですが、ボルドーの裏地を組み合わせるとその印象はガラッと変わり、チャコールグレーの重厚感は維持しつつ大人っぽい色気のある印象を与えられます。
表地・裏地ともに柄は取り入れず、シンプルにまとめるのがポイントです。「大人の男性」のイメージを前面に押し出したい方は、ぜひこの組み合わせにチャレンジしてみましょう。
ブラウン×グリーン:ナチュラルに馴染みおしゃれを演出
「自然色」ともいわれるブラウンスーツには、同じく自然なカラーのグリーンを合わせるのがおすすめです。ナチュラルに馴染んで、違和感のないおしゃれ感を演出できます。
グリーンはどちらかというと「モスグリーン」寄りの濃いめのカラーがおすすめです。
表地、裏地のどちらかをチェック柄にするとよりハイセンスなおしゃれに。カジュアルに着こなせるシーンなら、裏地を少し派手柄にしてみるのも良いでしょう。
キャメル×ボルドー:秋におすすめのカラーリング
ブラウンの中でもひときわ明るいカラーのキャメルには、ボルドーを合わせるのが非常におしゃれでおすすめです。キャメル・ボルドーともに、「紅葉」「落葉」のようなイメージを彷彿とさせるので、秋におしゃれに着こなすのに最適。
派手になりがちなキャメルのスーツを、ボルドーで少し抑える効果もあります。派手な印象になるのは避けつつ、こだわりや遊び心を感じさせる秋におすすめのカラーリングです。
おしゃれな裏地を取り入れる際の注意点
おしゃれな裏地を取り入れる際には、2点ほど注意点があります。個性を出したおしゃれをすることにとらわれ過ぎて、周りにマイナスの印象を与えないよう注意しましょう。
派手柄だらけのスーツにするのは避ける
表地がすでに派手な柄の場合には、裏地まで柄にするのは避けた方が良いでしょう。
「柄×柄」の組み合わせは、非常に見た目がうるさくなりマイナスの印象を与えてしまうこと間違いなしです。
どうしても両方とも柄にしたいのであれば、「ストライプ×小紋柄」のような比較的落ち着いた印象の柄同士を組み合わせてみてください。
着用シーンにそぐわない派手柄は避ける
おしゃれな裏地を取り入れる際には、自分が着用したいシーンに本当に合っているかを再度確認しましょう。
例えば営業で取引先を訪問した際、派手な裏地が見えたら相手はどう思うでしょうか。
少なくとも、「真面目」「誠実」といった印象は与えられませんね。あくまで着用シーンをベースに、本当にその裏地で良いか考えながら選んでみてください。
スーツの裏地の種類
スーツの裏地を付ける範囲には、総裏・半裏・背抜きの3種類があります。以下では各裏地の服の付け方の特徴について紹介します。
総裏
ジャケットの内側全体に裏地がついた仕様のことです。特に型崩れを防いだり、表地を守ったりする機能に優れているのがメリットといえます。
また、温度と湿度の調整ができるのも強みで、主に春・秋・冬向けのスーツにおすすめの裏地の付け方といえます。暑さを感じやすいのがデメリットといえるでしょう。
背抜き
背中から裾にかけて裏地がない仕様のことを指します。背抜きのメリットは涼しく、ジャケット自体が軽くなる点です。
夏場のスーツの裏地に選ぶと、快適に着こなせるようになるでしょう。なお、背抜きは型崩れしやすく、表地が傷みやすくなるなどのデメリットもあります。
半裏
背抜きの状態から更に背中と脇の下から裾までの部分に裏地がない仕様のことです。
一番裏地の面積が少なくなるので、通気性と軽さが向上するのがメリットといえます。夏真っ盛りに着用するのがおすすめです。総裏と比べると裏地面積が約3分の1まで縮小するため、その分機能性が落ちてしまうデメリットもあります。背抜き同様に、夏用のスーツの場合におすすめの裏地の付け方といえるでしょう。
パンツの裏地
あまり注目されないパンツの裏地ですが、重要な役割があります。ズボンで最も摩擦を感じる部分は膝です。歩行、階段、着席の際にスムーズに生地が移動するように膝周辺に裏地をつけます。
パンツの前側半分にウエストから膝下まで裏地を入れると、充分な快適性が得られます。
その他にも、透け防止や着脱をしやすくする、保温効果がアップなどさまざまなメリットがあります。
保温効果に関しては、夏の暑い時期には蒸れて逆効果となるため、裏地無しのものを選ぶなどジャケット同様にスラックスに関しても季節や状況に合わせたチョイスが重要になります。
裏地は薄手の生地が使われているため、表地よりも先にダメになるケースが多いものです。そのため、裏地飲みを交換するというケースが出てきます。
そのタイミングで、色や素材、また背抜きから総裏に変更するなど裏地を変えてみるというのもおすすめです。
「裏地があるからスーツが苦手」という人はどうすればいい?
なかには裏地が苦手、スーツを着るのが苦手という人もいるでしょう。
そんなときはまず「自分は裏地、スーツのどこが苦手なのか」を考えてみると解決できるかもしれません。苦手だからスーツを着ない職場を選んだはずなのに、取引先や外出時にスーツを着なくてはならなくなったという場合は、ストレスなく快適に過ごすためには何が苦手で、どんなものなら良いのかを自分なりに考察してみましょう。
どんなスーツがほしいのか店員に相談するときにも真意を正確にくみ取ってもらえます。なにより自分に合ったスーツが見つかるかもしれませんし、ファッションの幅もより広がるでしょう。
例えば、裏地はカサカサして苦手、蒸れるから苦手という場合、理由は裏地の素材がポリエステルか、総裏仕立てのスーツかもしれません。
夏や秋にジャケットを着るのが苦手というときも半裏や背抜きを試してみると良いですし、多少カジュアルなスーツが許されるのであればニット素材を使ったジャケットのスーツなどもあります。ニットであれば裏地のまったくないタイプもあり、カジュアルなため楽に過ごせるようになるでしょう。また、夏の時期には涼しく着られるのでピッタリです。
スーツを着ると暑い・寒いと感じる場合は、裏地の生地の厚さに注目して薄いか肉厚かを見てみましょう。薄めの生地であれば裏地からみて表地が透け、肉厚であれば触り心地でわかります。肉厚さが感じられればより保温効果があるので冬に着るようにしましょう。
スーツの裏地はこんな素材が使われています
スーツの裏地選びは、素材も重要です。以下では、合成繊維・再生繊維・天然繊維の特徴の違いについて紹介します。
合成繊維
ポリエステルを代表とした合成繊維は、スーツの裏地にも一番多く用いられています。
合成繊維のメリットは、価格の安さと丈夫さ、耐久性に優れている点です。こまめなメンテナンスが不要な点もポイントが高いでしょう。
通気性や吸湿性に劣る点はデメリットといえます。冬場は静電気の原因にもなるので、気になる方は避けた方が良いでしょう。
天然繊維
シルクに代表される天然繊維は、繊維の中でもデリケートで高級な素材です。
吸湿性に優れ、肌触りが良く、静電気が起こりにくいのがメリットです。高い吸湿性があるため、梅雨時期や湿気の多い夏場も快適に着こなせます。
逆に、耐久性の弱さと価格の高さはデメリットといえるでしょう。
再生繊維
レーヨンに代表される再生繊維は、天然繊維を加工したものです。吸湿性の高さや肌触りの良さ、そして静電気の起きにくさが特徴といえます。また、再生繊維は耐久性にも優れていることから、上述の合成繊維と天然繊維の良いとこ取りのような特徴をしているのです。
キュプラも再生繊維の1つで、レーヨンと似た特徴を持っています。
綿(コットンリンター)を原料とする繊維であるため、静電気を抑えるというメリットがあります。
また、シルクのような高級感のある艶と滑らかさ持ち、吸湿性、放湿性に優れています。
ただし、濡れるとシワになりやすい点は気を付けましょう。雨の日には他のジャケットを着用するなどの対策を行ってみてください。
現在、一般的に広く使用されている裏地素材はキュプラとポリエステルです。
特別な日のスーツに快適さを求めるならキュプラ。
実用性重視、強度と扱いやすさを選ぶならポリエステル。
どちらの長所も必要であれば、キュプラとポリエステルの混紡がオススメです。
スーツの裏地の織り方
スーツの裏地の織り方は5種類あります。以下では、各織り方の特徴について紹介します。
①平織り
経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を1本ずつ交互に交差させる織り方のことを指し、主に羽二重やジョーゼットに使われています。
平織りのメリットは丈夫で摩擦に強くなる点です。また、プリントや加工がしやすくなるのも特徴といえます。
②朱子織
2本または3本の経糸と、1本の緯糸をずらしながら織る手法のことです。厚みと滑りの良さからスーツ以外でも、コートやジャケットにも使われている織り方となっています。
メリットは伸縮性が高く、シワになりにくい点です。
デメリットとしては、摩擦に弱い点が挙げられます。
③綾織
経糸と緯糸を5本以上組み合わせて交互に織る方法のことです。ボリューム感が出せるので、主に厚手のコートに使われています。
表面がほぼ経糸になり、光沢感と滑らかさが出せるのがメリットです。また、最近では透け防止の役割としても活用されています。
ただし、朱子織と同じく摩擦には弱い点がデメリットといえるでしょう。
④甲州織
甲斐絹(かいき)の産地の山梨県で織られた生地のことです。立体感があって軽かったり、複雑な文様や柄ができたりするのが特徴といえます。
⑤ジャカード織り
前もってジャカード織機を使い、生地にデザインを織り込む手法のことです。
デザインにも自然と立体感と高級感が生まれるのがメリットといえます。
スーツの裏地の選び方
スーツの裏地はどんな基準で選ぶのかいくつかのシーンに分けて説明していきます。
きっと自分が望んでいるポイントが見えてくると思いますよ。
【季節別】裏地の選び方
季節を基準に裏地を選ぶ時は、春夏は背抜き・秋冬は総裏のタイプを選ぶことをおすすめします。
もちろん機能面や型崩れ・シャツの透けなどを気にすると夏場も総裏のタイプを選ぶことがおすすめです。
ただ、災害級に暑い最近の日本の夏は無理をすると熱中症になりかねません。
そんな時は我慢せず背抜きのスーツで快適さを選択することも大事なポイントです。
秋冬の季節は総裏のタイプを選ぶことで、保温性もあり少しでも暖かく過ごしていただけますよ。
季節によってスーツの表地の素材も選ぶように裏地のスタイルにも気を配ってみましょう。
【素材別】裏地の選び方
お手頃価格で耐久性のあるポリエステルか着心地や快適さ重視のキュプラか、はたまた高級感のあるシルクか。素材の選択は悩むポイントですよね。
選ぶ素材によって値段も変わってくると思います。どこの部分を優先するか自分の中で決めておくといいでしょう。
また、オーダーメイドでスーツを作成する場合はどのブランドも色柄を選べることはもちろんですが、素材も選択できる可能性が高いです。
知識豊富な店員さんに相談して、自分に合った選択をサポートしてもらうのもいいでしょう。
【シーン別】裏地の選び方
普段がっつり見える瞬間はない裏地ですが、ジャケットの着脱時、椅子にかける時や風でなびいた時などに目にはいることがありますね。シーンによってマナーに合わせて選択することをおすすめします。
⚫︎ビジネスシーン
ビジネスシーンではダークカラーのスーツが基本ですよね。
そんな場面ではスタイリッシュでシンプルな柄を選択することをおすすめします。
リクルートスーツにもシンプルなものを選ぶのが無難です。
基本はネイビーやグレー系のスーツには同系色のグレーや濃紺の裏地をおすすめします。また、ブラウンの裏地もダークカラーのスーツには相性もよくモダンでおしゃれですよ。
柄は控えめのデザインを、キャラクターものやカラフルなものはやめておいた方が無難でしょう。
ビジネスの場では赤や黄色・目立つ柄などのデザインの裏地を選択することは向いているとはいえません。
また、ダークカラーのビジネススーツには相性が悪くちぐはぐな印象を与えます。
シンプルにスタイリッシュなデザインを選択して大人のメンズスタイルでスーツを着こなしましょう。
⚫︎フォーマルシーン
結婚式などのフォーマルなシーンではビジネス同様派手な柄は控えましょう。
黒やダークカラーのスーツに裏地をホワイトやオフホワイトにすることで清潔感を与え、お祝いの場にはふさわしいといえるでしょう。
同系色のものであれば柄がはいっていても素敵かもしれません。
お葬式の場では装飾性はNGです。
無柄で濃いネイビーやグレーの無難な裏地を選択するべきでしょう。
⚫︎カジュアルシーン
カジュアルシーンではどんな裏地を選択しても自由です。
ペイズリー柄やチェック柄・キャラクター柄などに挑戦してみるのもいいでしょう。
特徴のあるデザインを選択することで会話が膨らむきっかけになることもありますよ。
カジュアルなシーンでは色や柄の選び方にも決まりはありませんが、悩んだ方はスーツの色と同系色のタイプを選ぶといいでしょう。
また、スーツの色と反対色を選択すると個性的な雰囲気を楽しめますよ。
自由度の高いカジュアルなシーンでは気分が上がるような選び方をすることがおすすめです。
カジュアルなパーティシーンでも盛り上がること間違いなしですよ。
裏地に求めるのは機能性か、デザインか
結論として、裏地には機能性とデザインどちらも求めることがベストです。
裏地にこだわることでスーツの着心地は全く違うものになりますよ。
スーツを選ぶ最重要ポイントには裏地はなかなか候補に上がらないかもしれませんが、裏地の知識をつけておくことで自分は機能性かデザインか価格か、どこを重視するかで今後スーツ選びがしやすくなるかもしれません。
とはいえ既製品のスーツで、素材やデザインが自分の希望にぴったりあうものを見つけることはなかなか難しいです。
その点をオーダーメイドのスーツなら叶えてくれますよ。
既製品とそこまで変わらない値段で、丁寧な採寸で自分に合ったサイズのスーツに加えて裏地の素材で色柄デザインまで自分好みに選べるブランドが増えてきています。
選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
オーダーでオンリーワンの裏地選び
上着を脱いだ時、チラ見えする高級感のある裏地。普段見えない部分のお洒落は好印象です。
特に裏地は、お洒落だけでなく肌触り、袖通りと着心地に関わる部分なので、実際に触れてじっくりと選びたいところ。
織柄の角度による見え方、スーツとの色バランス、ボタンや細かな付属との組み合わせを考えながら、自分だけのスーツを作る楽しみは格別です。
裏地選びは、かなり個人の好みやセンスが出る部分。
是非、お気に入りのスーツ裏地を見つけて下さい。スーツに一層愛着が湧く事間違いなしです。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
オーダースーツを買う際は、細かな点までこだわれる反面、選ぶ作業に時間がかかるものです。スーツの裏地には、スーツの機能性を高める効果があるだけでなく、ファッション性を高める役割もあります。
おしゃれな裏地を選ぶには、スーツの表地と裏地の色の組み合わせ、色に合う柄選びが重要です。裏地の色と柄の組み合わせは、本記事で紹介した事例も参考にしてみてください。
オーダースーツSADAなら、低価格でかつ高品質なオーダーメイドスーツが購入可能です。裏地の場合は無料であれば約20色、有料であれば100色以上から選べるので、汎用性の高いカラーを好む方も個性的なカラーを好む方も、きっと満足できるでしょう。
ぜひオーダースーツSADAで、おしゃれな裏地のスーツを作ってみませんか。