ポリエステルスーツの特徴とは?生地の種類やメリットなどを紹介
皆さんはスーツを選ぶとき、どの点に着目していますか?価格?見た目?着心地?いずれも重要なポイントですが、これらを決める重要な要素は「生地」です。価格も見た目の印象も着心地も、ベースとして使われている生地が何かで大枠が決まります。生地にも「化学繊維」と「天然繊維」があり、扱いやすく安価なのが化学繊維、機能性に優れていて高級感があるのが天然繊維といった形で棲み分けがされていますよ。今回ひとつのおすすめとして紹介させていただくのは、化学繊維の「ポリエステル」でできたスーツ。ポリエステルは「石油」をベースに作られる、ペットボトルの原料としても使われる素材です。ポリエステルは安価ながらも、「耐シワ性」「耐久性」「色落ちのしにくさ」「暖かさ」などのメリットを備えています。もちろん、そんなポリエステルで作ったスーツはメリットがたくさんあり、一着持っておけば忙しいビジネスマンの強い味方になってくれることでしょう。ただしポリエステル素材にあるのはメリットだけではありません。デメリットも押さえておかないと、「大人しくウールにすればよかった…」と後悔することになりますよ。そこで今回は、スーツのプロ集団「オーダースーツSADA」の現役スタッフが、ポリエステルのメリット・デメリットを解説します。
スーツは見栄えが大切ですが、同様に生地に使われている素材も重要です。
素材によっては機能性が異なるからです。
中でもおすすめする素材は、ポリエステルです。
今回は、ポリエステルスーツの特徴や生地の種類などを紹介します。
新しくスーツを購入するか検討している人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
忙しいビジネスマンの味方!ポリエステル生地の魅力
まず、ポリエステルとは石油から作られる素材の一つです。ペットボトルの原料としても使われ、軽量かつ耐久性が高い繊維です。そんなポリエステル生地の魅力は以下の4つです。
- シワになりにくい
- 強度が高く水に強い
- 色落ちがしにくい
- 裏地にポリエステルが使われているスーツは暖かい
それぞれ見ていきましょう。
シワになりにくい
ポリエステルの生地は石油を原料とし、麻や綿などの天然繊維よりも組織が固く反発力が高いです。そのためシワになりにくい素材となっています。ほかの繊維の場合、長時間座るだけでもスーツにシワがつきますが、ポリエステルの場合、長時間座ってもシワになりにくく、また洗濯を家庭でおこなっても、型崩れを起こしにくいのでお手入れが簡単です。そのため工場などの現場系の仕事や、外に出て歩き回るような方におすすめです。また洗濯後のアイロンも、シワになりにくいポリエステルスーツであれば、手軽に済ませられるでしょう。忙しい方や一人暮らしの方にとって、シワになりにくいのはとても魅力的です。
強度が高く水に強い
ポリエステルの生地は、強度が高く水に強くなっています。とにかく丈夫で、縮みや型崩れが起きにくいです。湿気をあまり吸い込まないため水に濡れても乾きやすく、水をこぼした時や洗濯後もすぐに水を吸収し早く乾きやすいです。また、水だけでなく夏にも強いです。乾燥機や直射日光、アイロンをかけても生地が傷んだり変色したりしにくいです。ただ、原料が石油ですから燃えやすく、火に弱い繊維です。
色落ちがしにくい
ポリエチレンは染色自体が130度以上と高温の状態で行われ、脱色もこの温度にならなければできないとされているため、色落ちがしにくいです。そのため洗濯でもほかの繊維よりも、色褪せや色落ちが少ない繊維となっています。ただ、洗剤の相性によっては色落ちをしてしまう場合もあるので、気をつけましょう。具体的には酸素系漂白剤の場合は、確認が必要です。
裏地にポリエステルが使われているスーツは暖かい
裏地にポリエステルが使われているスーツは、暖かいという特徴もあります。裏地は通気性に優れていないため、熱を逃しません。そのため、冬場などの寒い時期には活躍間違いないでしょう。
シャツも素材がしっかり作られているものを選べば、冬は快適に過ごせるかもしれません。
まずはスーツの素材の特徴を紹介!
スーツに使われる素材は、大きく「天然繊維」と「化学繊維」に分かれます。天然繊維が使われているスーツが代表的です。とはいえ、天然繊維と化学繊維の種類はさまざまです。
まずは天然繊維から紹介します。
天然繊維
スーツに使われている天然繊維は、主に次の4つです。
- シルク
- カシミヤ
- ウール
- コットン
それぞれの特徴をおさえると、自分にあった素材を選びやすくなります。
シルク
シルクは触り心地が柔らかで、光沢感のある見た目が特徴です。また、吸湿性や放湿性に優れていたり、静電気が起きにくかったりするというメリットもあります。そのため、パーティー用などの特別な日のジャケットやスーツに選ばれています。加えて、スーツを高級感のあるツヤを楽しみたい方におすすめです。
しかし、シルクにはデメリットもあります。それは、耐久性が低いということです。摩擦で痛みやすいため、ほかのスーツよりも丁寧に扱う必要があります。また、水に濡れると縮みやすいため、急な雨には注意しましょう。
一度縮んだ生地を元に戻すのは難しいため、シルク素材のスーツを着用する日には、傘が必需品になります。
カシミヤ
カシミヤの生地には光沢があるため、高級感を演出できます。また、肌触りがなめらかで防寒性もあるため、マフラーなどの冬用のアイテムに使われているケースが多いです。
そんなカシミヤにもデメリットがあります。それは、毛玉ができやすいということです。カシミヤは生地の中でも高価とされており、費用はお手頃ではありません。それでいて、毛玉ができるとスーツの見栄えが落ちるため、何回も買い直すのはかんたんではありません。
カシミヤは、着用頻度が高いと毛玉ができる恐れがあるため、計画性を持って着用してください。
ウール
ウールでできたスーツは、天然素材かつ機能性が高い一番メジャーであるのが特徴です。吸湿性や保温性、着心地や汚れにくさなど多くの性能があります。また織り方や糸の細さなどによっても、雰囲気が大きく異なります。スーツを初めて購入する方におすすめです。
そんなウールにもデメリットがあります。それは、水に濡れると縮みやすいということです。一度縮んだ生地を元通りにするのは難しいですから、急な雨には気をつけましょう。
コットン
コットンでできたスーツは、ビジネスからプライベートまで幅広く使えるのが特徴です。春夏用や秋冬用、オールシーズンなどにも幅広く対応しており、カラーバリエーションも多いです。お手入れが必要なスーツではありますが、価格帯がリーズナブルなので、費用をおさえたかったり、幅広いシーンでスーツを着こなしたい人におすすめです。
ただし、コットンが使われているスーツは、少しカジュアルさがでます。そのため、ビジネスシーンでは控えたほうが良いケースもあります。たとえば、フォーマルさが求められる会議や商談などには、コットン素材のスーツはおすすめしません。オフィスカジュアルが認められている企業であれば、問題なく着用できるでしょう。
また、シワがつきやすいというデメリットもあります。仕事から帰宅すると、スーツをハンガーに掛けない人もいるでしょう。コットン素材のスーツを雑に扱うと、比較的シワができやすいため、スーツの寿命を縮める原因になります。
オールシーズンに対応していながらカラーバリエーションも豊富なコットン素材ですが、着用シーンをわきまえてコーディネートしたり、着用後のケアを大切にしたりしましょう。
化学繊維
化学繊維が使われているスーツは、全般的に機能性が高いため、外回りの多い営業マンなど活動レベルが高い人におすすめです。とはいえ、化学繊維の種類もさまざまです。スーツに使われている化学繊維の素材はさまざまですが、今回は次の2つを紹介します。
- ポリエステル
- レーヨン
それぞれ特徴が異なるため、頭に入れておきましょう。
ポリエステル
ポリエステルでできたスーツは、強度と速乾性があり価格帯もお手頃であるのが特徴です。そのため外回りが多い営業マンなど、活動レベルが高い人におすすめの素材です。加えて、価格もリーズナブルなものが多いため、お手軽に購入できます。
また、ポリエステルの中でも、ウールが使われているスーツもあります。ポリエステルとウールの混紡スーツは光沢感もあるため、ビジネスの場に置いて着用シーンを選びません。
しかしポリエステルにもデメリットがあります。それは、吸湿性が低いということです。湿気が溜まりやすくなっているため、ニオイが発生する恐れがあります。
そのため、定期的なケアが欠かせません。仕事から帰宅した際には、雑菌スプレーなどでスーツをケアしましょう。
レーヨン
レーヨンは、木材パルプなどを原料として作られています。触り心地がなめらかで、品のある光沢感が特徴です。また、通気性に優れているため、スーツの裏地によく使われています。
しかし、レーヨンにもデメリットがあります。それは、水に弱いことです。そのため、ケアする際には、水がかからないよう注意しましょう。また、雑菌スプレーや消臭スプレーでも水の割合が多いものだと、スーツを痛める原因になりかねません。そのため、ケアする際は、クリーニングに持っていくのが無難です。
水がかかってしまうと、光沢感が弱まったり生地が縮んだりする恐れがあります。
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コスパ抜群!ポリエステル生地のスーツのメリット
ポリエステル生地のスーツは実用性があると人気のスーツ生地です。ポリエステル生地のスーツのメリットは、次の5つです。
- 速乾性がある
- 洗濯しやすい
- シワがつきにくい
- 色落ちしにくい
- 耐久性が高い
それぞれ見ていきましょう。
速乾性がある
ポリエステルの特性上、速乾性がほかの生地よりもあります。水をこぼしてしまったり、雨に打たれた時もすぐに乾きます。理由としては、ポリエステルは繊維自体に水分を吸わないため、糸や生地の隙間に一時的に水分を取り込むだけであり、内部まで浸透しません。そのため早く乾きやすくなっています。
洗濯しやすい
ポリエステルはほかのスーツに使われる生地と比べると、洗濯しやすい生地です。シワになりにくく型崩れしにくい、縮みにくく色移りや色落ちがしにくいといった特徴があります。家庭用洗濯機で脱色する130度以上の温度での洗濯は、ほとんどないため洗濯ができます。そのため、1着を着まわしたり自宅で洗濯しようと考えている方には、取り扱いやすくなっています。洗濯表示を確認してみましょう
シワがつきにくい
ポリエステルはシワがつきにくいことでも知られています。仕事で活動レベルが高い人の悩みには、「スーツにシワがつきやすい」ということが挙げられるのではないでしょうか。たとえば外回りの営業が多い人は、ジャケットとパンツにシワができます。しかし、ジャケットやパンツの中には洗濯できない素材がありますから、アイロンに時間をかける必要があるでしょう。
そのため、出勤前の貴重な時間をアイロンに奪われてしまいます。しかし、ポリエステルのスーツであれば、たとえ活動レベルが高くてもシワがつきにくいため、アイロンの時間を短縮できます。
また、活動レベルの高い人に限らず、デスクワークに励んでいる人にもポリエステルのスーツはおすすめです。デスクワークをしている人は、スラックスのお尻部分に深いシワができやすいでしょう。深いシワをアイロンでとるのは時間がかかるため、面倒と感じる人は多いはずです。ですが、ポリエステル生地であれば、長時間椅子に座ったとしても、深いシワができにくいです。
ポリエステルスーツは、多くのビジネスマンの必需品といえます。
色落ちしにくい
ポリエステルは耐候性があるため、色落ちしにくいです。たとえば、耐候性のないスーツを着用して外で仕事をしていると、色落ちしてきます。色落ちしたスーツは見栄えが良くないため、スーツを新しく購入する必要があるでしょう。
スーツが色落ちするたびに新しいスーツを購入するのはもったいないです。しかし、ポリエステルスーツであれば、外で仕事をしていても色落ちがしにくいため、スーツを購入する頻度を減らせます。
以上のことからポリエステルスーツは、営業マンなどの外で仕事をする人にはとくにおすすめです。
耐久性が高い
化学繊維全般に当てはまることですが、中でもポリエステルスーツは耐久性が高いです。長く着用しても生地が縮んだり型崩れが起きたりするケースが少ないため、寿命が長いのです。
また、高温にも耐えられるため、手軽にアイロンを掛けられます。生地によってはアイロンをかけると焦げますから、身支度に手間がかかる場合もあります。しかし、ポリエステルはアイロンをかけても問題ないため、スムーズに身支度できるでしょう。
デメリットは化学繊維特有の「吸湿性の低さ」「静電気」
ポリエステル生地のデメリットは、次の2つです。
- 吸湿性が低い
- 静電気が起こりやすい
デメリットをおさえずに、ポリエステル製のスーツを購入すると、後悔する恐れがありますよ。デメリットを見ていきましょう。
吸湿性が低い
ポリエステルは、吸湿性が低いことでも知られています。吸湿性が低いと、湿気が溜まりやすく、ニオイやカビの発生原因になります。とくに夏場にポリエステルの生地を使うのは避けましょう。夏場は汗をかきやすいですから、湿気が溜まりやすくなっています。
ポリエステル製のスーツを着用している際に汗をかくと、ニオイがより強くなります。時間が経てばニオイは増す一方でしょう。そのため、夏場にポリエステル製のスーツを着用するのは避けたほうがいいでしょう。
静電気が起こりやすい
ポリエステルは、静電気が発生しやすいことでも知られています。とくに髪の長い人がポリエステル製のスーツを着用すると、静電気により髪が逆立つでしょう。スーツの身なりが整っていても、髪が乱れていると本末転倒です。
スーツは見栄えが大切ですから、髪の長い人がポリエステル製のスーツを着用するのは避けましょう。逆に髪が短い人であれば、身なりにほとんど影響を及ぼしません。
光沢感を手に入れたいならウール×ポリエステル混紡
前述しましたが、ウールとポリエステルの混紡は独特な光沢感を演出します。そのため、フォーマルさが求められるビジネスシーンには、ピッタリな装いです。また、ウールだけでも光沢感はありますが、水に一度でも濡れると乾きにくいため、スーツ自体が重くなります。
しかし、ポリエステルに含まれる速乾性が相まって、ウールのデメリット(水に弱い)を軽減してくれるのです。
そのため、混紡のスーツを選ぶなら、ウール×ポリエステルを検討するのも1つの手です。
コスパと耐久性で生地を選ぶなら
コスパと耐久性のポイントを重視するなら、ポリエステルスーツがおすすめです。ポリエステルは耐久性が高いため、スーツの消耗が早い外回りの営業マンにおすすめです。とはいえ、営業マンはお客さんや取引先の人と会う機会が多いですから、ある程度高級感溢れるスーツを着用したいですよね。
しかし、外回りの営業マンは、スーツの寿命が短い傾向にありますから、スーツを何度も購入するとなると費用がかさみます。
そこでポリエステルスーツがおすすめです。費用がリーズナブルなうえ、耐久性のあるポリエステルスーツであれば、長く愛用できるでしょう。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
耐久性の高いスーツをお探しなら、オーダースーツSADAまでご相談ください。
オーダースーツSADAでは、一からスーツの素材やデザインを決めていただけるため、お客様のご希望に沿ったスーツを提供いたします。
スーツの消耗が早い方や、光沢感のあるデザインをお求めの方も、SADAのオーダースーツであればご満足いただけるはずです。
スーツに関してのお悩みやご希望がございましたら、オーダースーツSADAまでご相談ください。
お客様のご希望に添えるよう、親身になってご対応いたします。
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まとめ
ポリエステルスーツの特徴で、「シワになりにくい」「強度が高く水に強い」などを紹介しました。また、ビジネスマンにはポリエステルスーツがおすすめですが、素材にこだわりたい人には天然繊維を選ぶのも1つの手です。
素材ごとに異なる特徴があるため、特徴をおさえておくと自分に合ったスーツを選びやすくなります。
スーツを購入する際は、素材にも気を遣って選びましょう。
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ポリエステルで作ったスーツのメリットは、速乾性があり多少の雨に打たれても問題ないこと、家庭用洗濯機でシワ・色落ちしないので洗濯しやすいこと、シワがつきにくいので外回りで着やすいこと、色落ちしにくいので購入頻度を減らせること、耐久性が高いので寿命が長いことの5つ。メリットを理解して着れば、機能性を最大限に活かして着こなせますよ。デメリットは吸湿性が低いのでニオイ・カビが発生しやすいことと、静電気が発生しやすいので、髪が長めの人が着ると髪が乱れやすいことです。特に夏場に汗をかきやすい人は、ニオイやカビが発生しやすくデメリットが目立ちやすいので注意しましょう。とはいえコスパと耐久性を重視するのであれば、ポリエステルスーツはメリットだらけです。特に外回りの営業マンなど、動きが多くスーツの寿命が短くなりがちな職種の方は、購入費用を抑えられます。またポリエステルのデメリットを打ち消すには、ウールとポリエステルの混紡スーツを選ぶのもポイント。ウールの水に弱いデメリットと、ポリエステルの吸湿性の低さ、静電気の発生しやすさを打ち消し合ってくれます。ぜひポリエステルを取り入れたスーツスタイルで、快適なビジネスライフを手に入れてくださいね。