高級スーツ生地ブランド8選!世界のおすすめブランドや価格についても紹介-オーダースーツSADAのアイキャッチ画像
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高級スーツ生地ブランド8選!世界のおすすめブランドや価格についても紹介-オーダースーツSADA

高級スーツは仕立ての技術が高いことはもちろん、上質な生地にこだわっていることも重要な要素です。高級スーツブランドと呼ばれるブランドやメーカーでは、ほとんどの場合、世界中でよく知られる高級生地が使われています。この記事では、世界的に有名な高級生地ブランドの特徴や価格帯についてご紹介します。「高級スーツを作ってみたいけれど選び方が分からない」とお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。

高級スーツ生地とは?特徴と魅力

高級スーツ生地とは?特徴と魅力

そもそもスーツの高級生地とはどのような生地を指すのでしょうか。まずは、高級生地の特徴や、価格帯の目安を詳しく解説します。

初心者でも分かる高級スーツ生地の特徴と魅力

高級生地は高品質な素材が使われているため、見た目に光沢感や艶があるのが特徴です。高級感があるだけでなく、肌触りや着心地が良いこともポイントです。

スーツ用の高級生地を取り扱うブランドは主にイギリスやイタリアにあり、それぞれ異なる特徴があります。イギリス生地はハリやコシがありしっかりした質感、イタリア生地はしなやかで柔らかい質感が特徴です。

高級スーツ生地の格付けとは?価格帯の目安と比較

スーツの高級生地にはそれぞれ提供するブランドがあり、ブランドごとに格付けされています。例えば、イタリアの高級生地ブランドのゼニアやロロ・ビアーナは、中でも上位ランクに位置するブランドです。

高級生地を使ったスーツの価格は、ブランドや選ぶ生地によって異なります。目安として、パターンオーダースーツが2〜6万円、イージーオーダースーツが5〜20万円、フルオーダースーツが20万円以上と考えておくと良いでしょう。

ただし、価格の高いスーツが必ずしも高品質であるとは限りません。オーダースーツSADAでは、高級生地を使ったオーダースーツが7万円程度からと、比較的リーズナブルな価格帯で仕立てることが可能です。

世界で人気の高級スーツ生地ブランドランキングTOP 8選

世界で人気の高級スーツ生地ブランドランキングTOP 8選

世界的に有名な高級生地ブランドを、ランキング形式で8つ紹介します。それぞれの代表的なシリーズや人気の理由も併せて解説するので、ぜひ生地選びの参考にしてください。

Ermenegildo Zegna(クロス・エルメネジルド・ゼニア)/イタリア

高級スーツ生地ブランド8選!世界のおすすめブランドや価格についても紹介-オーダースーツSADA

ゼニアは1910年に北イタリアのトリヴェロで生まれました。原料はオーストラリアにある契約農場から仕入れています。その中でも肩と脇の毛でしか糸を作らないことが、ゼニアの品質に対するこだわりです。

ゼニアの生地の特徴は、最高品質のツヤと程よくヌルっとした触り心地です。羊毛の脂が光って出る生地表面の光沢感は、上質な羊毛でないと出せるものではなく、ゼニアの高品質さを物語っています。

ゼニアの生地は細い糸の製品が主力ですが、一般的な糸が細いだけの生地とは違い、クリンプと呼ばれる波状のちぢれを持つ糸を使用して耐久性を持たせています。

このようなゼニアの生地は世界各地で人気を集め、1950年頃には、それまで世界一であったイギリス生地の売上を抜くほどに成長しました。世界各国で数々のスーツブランドに生地を供給しており、国家元首や世界の起業家などに愛用されています。

ゼニアの代表的なスーツ生地として、「Loop(ループ)」や「Electa(エレクタ)」などが挙げられます。オーダースーツSADAでは、ゼニアのフルオーダースーツを16万2,800円から仕立てられます。

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Loro Piana(ロロ・ピアーナ)/イタリア

Loro Piana(ロロ・ピアーナ)/イタリア

ロロ・ピアーナは1924年にクアローナで創業されました。カシミヤやビキューナなどは、数ある高級素材生地の中でも世界トップシェアを誇ります。高級ウールも扱いますが、カシミヤとビキューナには特にこだわっているブランドです。

ロロ・ピアーナは、高級カシミヤの産地である中国に独自の研究開発施設を設立し、最高品質のカシミヤを安定的に供給しています。高級カシミヤの世界シェア30%は、ロロ・ピアーナが占めているといわれています。また、ビキューナにおいては、ペルー政府から公式に認定された数少ないメーカーの一つです。

ロロ・ピアーナの生地は、イタリアらしい柔らかさと光沢感、美しいドレープ感をあわせ持っていることが特徴です。

ロロピアーナはビキューナを使った生地を生産するだけでなく、乱獲により絶滅危惧種になったビクーニャ(ビキューナの原料となる毛を持つ動物)を保護する自然保護区『フランコ・ロロ・ピアーナ保護区』を設立し、原料の調達だけでなく、原料となる動物の保護にも力を入れています。

ロロ・ピアーナの代表的なスーツ生地には、「FOUR SEASONS(フォーシーズンズ)」や「SILKAIR(シルキーエアー)」などがあります。オーダースーツSADAでは、ロロ・ピアーナのフルオーダースーツを14万800円から作成可能です。

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Scabal(スキャバル)/ベルギー

Scabal(スキャバル)/ベルギー

スキャバルは、1938年にベルギーのブリュッセルで誕生しました。創業当時6名のスタッフで営む商社兼生地サプライヤーであったスキャバルは、現在では最高級服地ブランドとして世界中で多くのファンの支持を集めています。

スキャバルの生地はイギリスで製造されており、ベルギーのブランドでありながら英国生地の特徴が反映されています。耐久性に優れ、シワができにくく、艶が控えめな点が大きな特徴です。

また、Super100’sからSuper200’sまでのウールをはじめ、カシミヤ、シルク、生地などを含めて5,000種類以上の生地を取り揃えていることも魅力です。好みや着用シーンに合わせて生地を選べる楽しさがあります。

代表的なスーツ生地は「Big Ben(ビッグベン)」や「 Image(イマージュ)」など。オーダースーツSADAでも、スキャバルのフルオーダースーツを14万800円から仕立てられます。

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Dormeuil(ドーメル)/フランス・イギリス

Dormeuil(ドーメル)/フランス・イギリス

1842年にマーチャントとして事業をスタートしたドメール。世界最古の服地商社として発展し、現在まで世界各国に高品質な生地を提供するメーカーとして名を馳せています。

ドメールはパリに本社を置くフランスのブランドでありながら、イギリス生地を主力商品としているブランドです。イギリスの格式の高さにフランスの洗練されたファッション感性が加わることで、機能的なだけでなく優雅な雰囲気もまとった生地を提供しています。

ドメールの生地は、ストレッチ性や柔らかさに加え、英国らしいクラシカルさとコシのある光沢感が特徴です。価格帯の幅が広いため、初心者から上級者までさまざまな層から支持されています。

ドメールのコレクションには「TONIK WOOL (トニックウール)」や「 EXEL (エクセル)」などがあります。オーダースーツSADAでは、ドメールの生地を11万8,800円から制作可能です。

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CANONICO(カノニコ)/イタリア

CANONICO(カノニコ)/イタリア

カノニコは1663年にビエラで創業されました。歴史の長さは他のブランドに比べても圧巻で、現在はオーストラリアに自社工場を保有しています。

カノニコの生地の特徴は、ウールながら、シルクのような光沢と発色の良さを持つことです。ウールにはゴワゴワした肌触りの生地もある中、カノニコの生地は柔らかい手触りを実現しています。

また、カノニコの生地は軽さも特徴的で、ダブルスーツであっても見た目ほどの重さを感じず快適に着用できます。

カノニコの代表的なスーツ生地には、「Perenial(ペレニアル)」「 Prunelle Twill(プリュネルツイル )」などがあります。オーダースーツSADAでは、カノニコのフルオーダースーツを9万7,900円から仕立てられます。

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ANGELICO(アンジェリコ)/イタリア

ANGELICO(アンジェリコ)/イタリア

アンジェリコは、1955年に北イタリアのビエラで生まれました。イタリア生地ならではの発色の良さやなめらかな肌触りに加え、強いハリとコシをあわせ持っていることが特徴です。

アンジェリコでは、ウールの中でも特に高級素材といわれているメリノウールのうち、Super100’SからSuper 150’Sまでの原毛を使用することにこだわっています。また、ウールにシルクやモヘアなどを混紡した生地も、世界中で高評価を得ています。

アンジェリコは高品質でありながら、紡績から織り、染色までを自社で対応することによって価格を押さえていることも人気の秘密です。オーダースーツSADAでも、人気のSUPER100’Sコレクションを使ったフルオーダースーツを8万6,900円から仕立てられます。

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REDA(レダ)/イタリア

REDA(レダ)/イタリア


レダは1865年にビエラで創業されました。ニュージーランドにビエラ最大のミルである自社牧場を持っており、原料の調達から仕上げまでを一貫して製造しています。製造工程では、最先端の織機と伝統的な職人による手作業を使い分け、それぞれの良い部分を融合させることで高品質な生地を効率的に仕上げています。

また、染料を分解してから自然に返したり、一部の電力を太陽光による自家発電でまかなったりするなど、自然環境保護に力を入れていることも特徴です。

レダの生地は、発色が良く高品質の光沢を放つなど、気品あふれる質感が特徴です。品質が高いだけでなくコストパフォーマンスにも優れたレダの生地は、数々の有名スーツブランドにも採用されています。

オーダースーツSADAでは、夏におすすめの「ICESENSE(アイスセンス)」と、シルクのような艶感を持つ「Silky Effect(シルキーエフェクト)」の2種類を取り扱っています。高級生地の中でも手の届きやすい価格の7万5,900円からお仕立てが可能です。

JOHN FOSTER(ジョン・フォスター)/イギリス

JOHN FOSTER(ジョン・フォスター)/イギリス

ジョンフォスターは、1819年にイギリスのウェストヨークシャー州、ブラッドフォード郊外クイーンズベリーで創業されました。創業当初は生地を仕入れて販売するマーチャントでしたが、その後工場を設立してミルとなります。

イギリスの生地は英国紳士の伝統を受け継いだハリやコシがあるものが多い中、ジョンフォスターの生地はイタリアの柔らかさを持ち合わせるなど、伝統だけに捕らわれない独特の魅力があります。また、ジョン・フォスターはウールだけでなくモヘアメーカーとしても高い評価を得ており、モヘア100%の夏用服地は世界中で人気があります。

定番生地として、オールシーズン向けの「Twill(ツイル)」や夏用の「Tropical(トロピカル)」などがあります。オーダースーツSADAでは、7万5,900円からジョン・フォスターのスーツを仕立てることが可能です。

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高級スーツおすすめ生地一覧|一流ブランドの特徴まとめ

高級スーツおすすめ生地一覧|一流ブランドの特徴まとめ

各高級生地ブランドの中でも、特に押さえておきたい生地を3つご紹介します。

ゼニアの高機能清涼生地『COOL EFECT(クールエフェクト)』

特殊なトリートメント加工により、太陽光を80%反射し、表面温度を10℃下げる効果があります。高級生地でありながら、年々暑さが厳しくなっている日本の夏に対応できる機能性抜群の生地です。

ただし、機能性に重きを置いているため、ゼニアで最も有名な『TOROFEO(トロフェオ)』のような光沢はなく、他の高級生地と同様にシワになりやすい点には注意が必要です。

ロロピアーナが品質と耐久性を両立『TASMANIAN(タスマニアン)』

細い原糸を使いながら耐久性や防シワ性を持つ、高機能素材です。

高機能素材の中には見た目の品質が少し落ちるものもありますが、タスマニアンにはなんとも言えない光沢があります。また、重量の最大約30%の吸水性・発散性も持つので着心地も抜群です。

レダの高機能生地の『ICESENSE(アイスセンス)』

レダにも前述のクールエフェクトと同様の機能を持つ生地があります。

アイスセンスには赤外線の吸収をおさえ、太陽光の反射を促進する機能があります。これらの機能により一般的なウールより体感温度を8℃下げる効果が期待できます。

スーツの高級生地の選び方のポイント2つ

スーツの高級生地の選び方のポイント2つ

生地にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、どんな環境でも使える万能な生地は残念ながら存在しません。

この章ではスーツの生地を選ぶ際の大切な2つのポイントについて解説します。

スーツを着る季節はいつか?

日本は四季がはっきりしており、年間を通して気温の差が大きいため、着用する時期によって選ぶ生地を変える必要があります。

中にはオールシーズン向けの生地もありますが、海外ブランドの場合は「その国のオールシーズン」に適しているという意味なので、日本の気候に合うかは別途確認したほうが良いでしょう。

どのような場面でスーツを着るか?

ビジネスシーンでも、使われる場面は多種多様です。一日のほとんどをデスクで過ごす人と、外回りで歩くことが多い人とでは生地に与えるダメージの度合いが異なります。

一般的には、高級生地になるほどデリケートのため激しい動きには向きません。しかし、高級生地ブランドでも適切なシリーズを選ぶことで、ある程度の動きに対応したスーツを作ることは可能です。

国によって特徴が違う?各国の生地メーカーを紹介!

ここでは、スーツの生地で有名な「イタリア」「イギリス」「日本」の特徴を見ていきましょう。

イタリア:軽やかで鮮やかなスーツ

イタリアは日本と同様に四季があるものの、地中海性気候のため、夏でも湿度が低くカラッとした気候です。

また、陽気で開放的な性格や、ファッションが好きな国民性によって、スーツにも自由度やしゃれさを求める傾向にあります。

細い糸でも強くて高級な生地を作る定番の「Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)」、カシミヤやビキューナなどの高級素材に強い『Loro Piana(ロロピアーナ)』、自然環境保護に積極的でコストパフォーマンスも高い「REDA(レダ)」、歴史の長さとコストパフォーマンスの高さに驚く「Vitale Barberis Canonico(ヴィターレ・バルべリス・カノニコ)」などの生地が有名です。

イギリス:歴史と重厚感を感じるスーツ

スーツ発祥の地であるイギリスは、北海道より気温が低く、年間を通して曇りや雨の日が多い国です。そのため、厚みがあって温かく着られるスーツが古くから着用されてきました。

また、伝統を重んじるイギリス人の国民性から、ベーシックな形状のスーツが多く、イタリアのスーツよりウエス卜がタイトに作られていることも特徴です。

伝統的な中にもイタリアのエッセンスを取り入れる「JOHN FOSTER(ジョンフォスター)」や希少性の高い生地まで幅広く取り揃える「HOLLAND SHERRY(ホーランドシェリー)」が代表的です。

日本:手の届きやすい価格帯のスーツ

日本は四季が比較的はっきりしており、夏は暑く冬は寒いという特徴があります。湿度が高いことから、夏は気温以上に暑く感じやすいことも特徴です。そのため、季節に合わせた生地ラインナップが展開されています。

スーツはデザインよりも機能性を重視しており、色・形ともにベーシックなスタイルが好まれます。日本の生地は、イタリアやイギリスの生地に比べて安価な傾向にあり、スーツも手の届きやすい価格帯のものが多く提供されています。

昔ながらの織機と品質を守り続ける「葛利毛織工業(くずりけおりこうぎょう)」や糸一本まで他人には任せられないこだわりをもつ「御幸毛織(みゆきけおり)」が有名です。

高級生地は織りの種類に注意

高級生地は織りの種類に注意

スーツで使用される生地にはいくつかの織り方が存在しています。織り方によって特徴が異なるため、しっかりと把握して生地選びの参考にしましょう。

代表的な生地の織り方は3種類あり、それぞれ紹介していきます。

平織(春夏スーツ生地)

縦糸と横糸を交互に組み合わせた織り方です。

縦糸と横糸を交互に組み合わせるため厚みは出ますが、糸が交差する部分に隙間ができることから通気性のいい生地に仕上げられます。模様は左右対称になることが多く、摩擦に強く、丈夫でツヤが出にくいことが大きな特徴です。

綾織(秋冬スーツ生地)

縦糸と横糸を2本ずつ抜かして織られた織り方です。

生地の表面に斜めの畝(うね)が表れるデザインが大きな特徴です。平織りに比べると、耐久力は落ちますが、しなやかで光沢のある生地に仕上がる織り方です。

糸同士の密度を高めて織ることができるので、厚みやストレッチ性の優れた生地に仕上がります。シワになりにくい生地を作る際に最適の織り方です。

繻子織り(フォーマル生地)

縦糸と横糸のどちらかが5本以上あり、4本飛んで1本下に潜るような織り方がなされているのが繻子織りです。

交差する箇所が少なく、縦糸か横糸のどちらかが表面に表れないため、滑らかな肌触りと光沢のある見た目が大きな魅力です。

交差する箇所が少ないこともあって、シワになりやすかったり、型崩れしやすい一面を持っているため、普段使いの服装というよりはドレスなどのフォーマルシーンで着用する服装に向いています。

高級生地の主な素材

スーツの生地にはウールなどの天然素材から、ポリエステルなどの化学繊維まで幅広い素材が使われています。化学繊維は比較的安価な生地に使われますが、高級生地は天然素材100%が基本です(天然素材同士の混紡はあります)。

ここでは高級生地に使われる天然素材と特徴を解説します。

ウール

ウールとは羊の毛で作られる天然素材です。主な産地はオーストラリアやニュージーランドです。ウールには夏は涼しく冬は暖かく着られるという特徴があります。

その秘密は熱伝導率が低いため、外気の影響を受けにくいことです。そのため、夏は暑い外気を遮断して涼しく、冬は冷たい外気を遮断して温かく着られます。

他にも染料に染まりやすく色落ちしにくい、型崩れしにくいといった特徴があります。型崩れしにくいのは糸の耐久性が高いためであり、シワになりにくいです。また、シワになったとしてもスチームを当てるとすぐに元に戻るため、長持ちさせたい時に扱いやすい生地です。

水洗いすると縮んで硬くなるという性質もあるので、取り扱いには注意が必要です。

シルク

シルクは蚕の繭から紡いだ糸で作られる天然素材です。かつては日本国内でも多く生産されていた生地のため、日本人にとっては馴染みのある生地です。

シルクは吸湿性、保温性、放湿性など天然素材に共通した特徴を持っています。また、静電気を帯びにくく、光沢が強いことも特徴です。特に強い光沢はスーツの見た目の品質を高めてくれるので、光沢を出したい時にウールとシルクの混紡を使用することがあります。

しかし、ウールよりもデリケートで摩擦や熱に弱く、縮みやすいという性質があるため、取り扱いには注意が必要です。

上品なシルク素材で作るスーツの魅力は?メリットや費用、価格について解説-オーダースーツSADAのアイキャッチ画像
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カシミヤ

カシミヤは、中国北西部やイランなどに生息しているカシミア山羊の毛を使用した高級素材です。素材の特徴は、美しい光沢やツヤ、しっとりとした肌触り、軽さなどが挙げられます。ウールと比べると繊維が細いため、耐久性が低く、摩擦などの刺激に弱いことが特徴です。

カシミヤのみで使用する場合もありますが、耐久性を上げるために、ウールと混ぜて生地に仕上げることが多くあります。耐久性が低い分、着用頻度が多いスーツには不向きのため、ここぞというときの勝負スーツとして持っておくと箔がつくでしょう。

その他

高級スーツに使われる生地には、上記の他にも以下のような種類の生地があります。

・モヘア

南アメリカやトルコなどに生息しているアンゴラ山羊の毛を使用した素材です。シャリっとした肌触りがあり、熱がこもりにくい通気性の良さが特徴です。独特のきらきらとした光沢が高級感を演出してくれます。

・ビキューナ

ビキューナはアンデス山脈に生息するビクーニャと呼ばれる動物の毛で作られる天然素材です。動物の毛を原料にした糸の中では最も細く、弾力性に富みます。ゴールドを彷彿とさせる光沢があることも特徴です。

・コットン

コットンは綿を紡いで作られる天然素材です。吸水性や発散性に優れているため、サラッとした着心地を実現します。また、化学繊維と違い静電気を帯びにくいので、秋や冬など空気が乾燥する季節でも身に着けやすいという特徴があります。

・リネン

リネンはフラックスと呼ばれる麻の茎で作られる天然素材です。コットンと同様に、吸水性や発散性に優れている特徴を持っています。肌に密着しないので、日本のような湿度の高い夏でもサラッと着ることができるのが大きな魅力です。

高級生地の三つの表記を確認

高級生地の三つの表記を確認

スーツのタグには生地(糸)の仕様を表す三つの表記があります。ここではその三つの表記について解説します。

Super ○○○s’

Superで表される表示はその糸の原糸の細さを表しています。数字が大きくなるほど原糸が細くなります。Super 110s’〜Super120s’が一般的であり、これより数字が大きくなるとより高級になります。

Superの数字が大きくなるほど生地が柔らかくなるので、デリケートになり、着るシーンを選ぶようになります。

番手

Superは原糸の細さを表しますが、糸にした状態での細さは番手を使って表します。だいたい60〜80番手が一般的です。番手はSuperとある程度比例します。

目付

単位長さあたりの生地の重さを表すのが目付(めつけ)です。

幅150cmで長さ1mの生地の重さを表します。例えば生地の重さが240gの場合は「240g/m」と表されます。日本では季節ごとに目付の目安があり、春夏は240g/m以下、秋冬は260g/m以上とされています。

スーツブランドと生地ブランドの違い

スーツブランドと生地ブランドの違い

あなたがもし車好きだとしましょう。「このメーカーの車がほしい。でも、エンジンはこのメーカーのものを載せたい」車の場合、自動車メーカーがエンジンを作っている場合が多いので、そんなチョイスはできません。

しかし、スーツの場合はどうでしょうか?「このスーツメーカーのスーツがほしい。でも、生地はこのメーカーのものを選びたい」スーツならそんなこだわりを持ったチョイスが可能です。ここでは、なぜそんなことができるのか?という疑問を解説していきます。

スーツブランドと生地ブランドの違い

スーツのタグにはブランド名が二つ記載されていることがあります。一方はスーツブランド、もう一方は生地ブランドです。

「スーツブランド」とは、生地を仕入れてスーツを作っているブランドです。百貨店などへ行くとショップを目にすることも多いでしょう。

「生地ブランド」とは、スーツブランドに生地を供給するブランドです。生地ブランドでも一部ショップを構えているブランドがありますが、こちらはあまり目にする機会はないかもしれません。

ミルとマーチャントの違い

生地ブランドには「ミル」と「マーチャント」の二種類があります。

「ミル」は生地のデザインや生産などを行うメーカー機能を持った生地ブランドです。ミルの中には紡績を行っている生地ブランドや、自社牧場を持っている生地ブランドもあり、業務範囲の広さはさまざまです。

一方、「マーチャント」は生地のデザインや生産などを外部委託する、メーカー機能を持たない生地ブランドです。商社だと考えれば分かりやすいかもしれません。

ミルは自社で行う工程が多いため、生地が比較的安く手に入るという特徴があります。

しかし、マーチャントは自社以外の会社がデザインや生産をした生地を扱うので、生地の幅が広く、流行りをいち早くキャッチできるという特徴があります。

高級生地のお手入れ方法

高級生地のお手入れ方法

高級生地を使った世界中に一着しかないスーツを少しでも長持ちさせる方法をご紹介します。

ハンガーにかける

スーツをハンガーにかける目的はシワを伸ばすためです。そのため、ポケットに入っている小物を出したり、薄い形状のハンガーではなくスーツの形状にあった肩部分が立体的なハンガーを使ったりすることが大切です。

パンツは二つ折りにしてスーツと一緒にかけるのではなく、パンツ専用のハンガーがあります。

同じスーツを毎日着るのではなく、三着程度のスーツを着回すのも長持ちさせる秘訣です。

ブラッシングをする

ブラッシングをする目的は繊維の間に入ったゴミやホコリを落とし、毛玉やテカリを防止することです。また、毛が長めの生地であれば毛並みを揃えるという効果もあります。

洋服ブラシは馬の毛のブラシを使用し、最低でも三回着るごとに一回程度はブラッシングをするようにしましょう。

クリーニングに出す

スーツを長持ちさせる場合は定期的にクリーニングに出すことも大切です。

汗をよくかく夏は二週間に一回程度、冬はシーズンごとに一回程度で構いません。また、油性ペンなど油性の汚れか、食べ物や飲料など水性の汚れかによって適したクリーニングの種類が異なります。

油性の汚れの場合はドライクリーニングに出し、水性の汚れの場合はウエットクリーニングに出しましょう。

しかし、スーツによく使われるウールは水を含むと縮んで硬くなる性質があるため、ウエットクリーニングに出す場合は信頼できるクリーニング店に相談してからにしましょう。また、クリーニング後はビニールのカバーを取り、生地同士が擦れないように隣のスーツと2cmほど間隔を開けて保管することをおすすめします。

高級生地スーツはどこで仕立てる?オーダーのすすめ

せっかく高いお金を払って高級スーツを手に入れるなら、自分の体型にぴったり合ったオーダーメイドスーツを作るのがおすすめです。既製品のスーツは身長とウエストだけでサイズが決まっていることや、あらゆる年代の体型をカバーしなくてはならないことから、ある程度の幅を持たせた設計となっています。

そのため、既製品のスーツではあなたの体にぴったり合うスーツはないと言っても過言ではありません。スーツをオーダーすれば、あなたの体のサイズを正確に測ってくれるだけでなく、部分ごとに「ここはラフに、ここはタイトに」など細かく要望を伝えることができます。

もちろん生地選びの相談にも乗ってくれるので、安心して任せることができるでしょう。

まとめ|高級スーツ生地は「価値ある自己投資」。まずはお気軽に相談を

高級スーツ生地は、見た目に高級感があることはもちろん、耐久性や着心地が良く、長く着られることが特徴です。また、高級生地は上品でエレガントな装いを実現できるため、信頼を得やすくなることもメリットといえるでしょう。

オーダースーツSADAでは、高級生地を使ったオーダーメイドスーツの無料カウンセリングや無料採寸を行っています。ここぞという場面にぴったりの高級スーツを作ってみたい方は、ぜひお近くのオーダースーツSADAまでご来店ください。

スーツの高級生地は、品質・着心地・デザイン性に優れ、長く愛用できる価値ある素材です。本記事では、世界の人気ブランドや価格帯、特徴を初心者にも分かりやすく紹介しました。こだわりの一着を作るなら、この記事を参考にしてオーダースーツで自分だけの一着を仕立ててみてくださいね。