ネクタイの色・柄選びはシーンに合わせてスマートに|場面で印象を使い分けよう
近年ではオフィスカジュアルという言葉をよく聞くようになりましたが、以前と変わらずスーツで働いている方も多いですよね。
スーツスタイルに欠かせないアイテムのひとつに「ネクタイ」があります。ネクタイは、コーディネートの出来を大きく左右するアイテムのため、選び方が重要になります。
また、TPOに合わせて選ばないと、場にそぐわないことや派手すぎて悪印象を与えてしまうということもあり得ます。
そのため、状況に合ったネクタイを選ぶことが大切です。
しかしながら、ネクタイの選び方をしっかりと理解できていない方も多く、場違いなネクタイを着用してしまっているというケースも見受けられます。
「どんなネクタイを選んだらいいのかわからない」
「好印象を与えられるネクタイの色ってあるの?」
「ネクタイを締める際にシャツはなんでもいいのだろうか」
などネクタイに関する疑問を持っている方のために、この記事ではネクタイの種類、ネクタイの色で与える印象、シーン別おすすめのネクタイなどを解説していきます。
是非ネクタイ選びの参考にしてください。
そもそもスーツにはなんでネクタイをするの?
スーツを着用する機会が増えたことによって、ネクタイを日常的に身に着けるようになったという人、あるいは学生服がブレザーだったという人もいるでしょう。ネクタイをきちんと締められていないと、マナー違反だと注意されたり、だらしない締め方だと注意されたりすることも大いにあります。
“そもそもどうしてスーツにはネクタイをするのでしょうか?”
元をたどれば、ネクタイは近代西洋の男性の服飾に必須の要素として定着していたためです。男性服においてネクタイを締めないということは、最後の仕上げができていないといわれていました。
ネクタイは最初から装飾のためのもので、何かを留めるなどの実用的な意味はなかったようです。現在に至るスーツの原型は、19世紀にできたと考えられていますが、ネクタイが西洋に普及したのはもっと古く17世紀からといわれています。
西洋のネクタイについては、次の章で解説します。
スーツは基本的に保守的な服装なので、現在でも近代西洋のスタイルを受け継いでネクタイを締めるのだといえるでしょう。
ネクタイとは
ネクタイとは装飾のために首周りに巻く布であり、近代西洋において男性服の要素として定着し、様々に発展してきたものです。
由来は諸説ありますが、17世紀にフランスで流行したクラバット(フランス語でネクタイのこと)が西洋中に広まったとされています。一説には、クロアチア兵が首に巻いていたスカーフがクラバットの原型とされ、ネクタイの起源はクロアチアにあるともいわれています。
当時の人々は最新の流行ファッションとして、幅広のスカーフを首に巻いていたようです。
こうしてヨーロッパ中に広まったネクタイは、その時々の流行や合わせる服装などを反映して発展していきました。現代のスーツスタイルでは「ジャガードタイ」と呼ばれるネクタイが主流とされています。
ネクタイのデザインとして、色と柄は特に多彩で目を引くものが多いです。元より装飾のためのものなので、人々の感性や流行などから多種多様なデザインが生み出されてきました。それだけでなく、服装の格式、人の所属、主義主張などの社会的背景によってもネクタイは使い分けられてきました。
もはやネクタイのデザインは、個人の趣味では収まらず、社会的な意味づけが伴うものという認識が強いです。時にはネクタイの選び方ひとつでその人の育ちから社会に対する態度まで判断されてしまうことさえあるため、ネクタイ選びは非常に重要とされています。
ネクタイを選ぶとき、基本的には色や柄で選ぶことになると思いますが、着用する場面にふさわしいかどうかは必ず考えるようにしましょう。
ネクタイの種類にはどんなものがある?
ネクタイには素材や縫製方法、デザインそれぞれに数多くの種類があり、組み合わせは膨大です。ここでは、代表的なネクタイの種類を8つ紹介します。
ジャガードタイ(ダービータイ)
よく目にする最も一般的なネクタイが、ジャガードタイです。
ジャカードタイはさまざまあるネクタイの種類の中でも、特に基本的なタイプで、大剣の幅は7cmから9cmが主流とされています。
ちなみに、「ジャカードタイ」は「ダービータイ」と呼ばれることもあり、イギリス貴族のダービー卿が、競馬を楽しむ際に「ジャカードタイ」を用いていたことが理由です。
ナロータイ
「ナロータイ」は、大剣の幅が4cmから6cmほどのネクタイです。
「ジャガードタイ」と比べても幅が細く、洗練された雰囲気を感じられます。そのため、スタイリッシュなネクタイを探している方にはぴったりな存在です。
ただし、カジュアルな雰囲気も感じられることから、ビジネスシーンではあまり向いていません。
もし「ナロータイ」を利用したいのであれば、パーティーといったカジュアルシーンに取り入れるのがおすすめです。
ニットタイ
ニット素材のざっくりと編み込まれたニットタイは、立体的な生地感で他のネクタイにはない、おしゃれな雰囲気を醸し出しています。
先端がまっすぐにカットされたスクエアエンドの形になっているのも特徴的です。ビジネスにもカジュアルにも使える汎用性の高いネクタイといえるでしょう。
ニットタイをビジネスシーンで使用する際は、ネイビーやグレーを選ぶとスーツスタイルによくマッチするのでおすすめです。保管する際は、他のネクタイのように吊るすと伸びてしまうので、丸めて保管しておくようにしましょう。
フレスコタイ
薄めの生地と凹凸感のある織りで、透け感の美しいネクタイがフレスコタイです。
フレスコ(Fresco)とは、イタリア語で「新鮮」「涼しげな」などの意味を持つ言葉で、夏に着用したくなる、シャリ感のある素材が特徴的なネクタイとなっています。
また、薄い生地を使用しているので、締めているのを忘れるほどの、軽やかさも大きな魅力のひとつです。
リネンタイ
夏に気持ちの良い素材、リネン(麻)を使ったネクタイです。
吸水力と速乾性を持つリネンは、さらさらとした風合いが心地よく夏におすすめの素材といえます。リネンタイは他の素材のネクタイと比べ、生産数が多くないため、手に取る機会は少ないかもしれません。
なお、リネンは丈夫という特徴を持っているものの、シワになりやすい素材のため、着用した後のお手入れはかかさずにおこなうことが重要です。
ウールタイ
ウールは温かみのある素材のため、秋冬に取り入れたいネクタイです。
ウールタイを着用するだけで、コーディネートに季節感を取り入れることができるので、1本持っておきたいネクタイのひとつといえます。
ハリのある素材でシワになりにくいので、手入れが簡単というのもおすすめポイントです。フランネルスーツと合わせることで、季節感を出した秋冬のコーディネートが完成しますので、ぜひ取り入れてみましょう。
セッテピエゲ
1枚の生地を7つに折って作られるネクタイがセッテピエゲです。
ネクタイの最高級縫製といわれるほど、手の込んだ縫製方法が特徴で、スカーフから派生した初期のネクタイのスタイルを継承するものともいわれています。
セッテピエゲは、重厚感のある見た目ながら、柔らかさとしなやかさも兼ね備えたネクタイで、通常のネクタイの約2倍の生地を使用しているのが大きな特徴です。作れる職人が少ないこともあり、希少性の高いネクタイとしても有名です。
ボウタイ(蝶ネクタイ)
ネクタイの中で最も歴史が古いネクタイが、ボウタイです。
フォーマルシーンで着用されることが一般的ですが、近年ではビジネスシーンでも着用されることが増えてきています。
ボウタイをサラリと着用できれば、スーツスタイルの印象もグッとゴージャスに仕上げられるので、チャレンジしてみてください。
ネクタイの太さはシーンに合わせて選ぶ
続いては、ネクタイの太さ別におすすめのシーンをご紹介していきます。
1,定番のレギュラータイ
大剣の幅が7~9cmのものであり、ネクタイの定番デザインのレギュラータイは、ビジネスシーンや就職活動、またフォーマルシーンなど幅広い場面で着用されています。
レギュラータイは最もオーソドックスなデザインであることから、スーツとの相性も抜群です。ネクタイの太さに迷ったらレギュラータイを選べば間違いありません。
2,ナロータイ
さきにネクタイの種類の中でご紹介したナロータイは、細いデザインのネクタイです。4~6cm幅で、レギュラータイと比較すると、その幅の細さをご理解いただけるでしょう。
細身のネクタイは細身のシルエットのスーツとの相性が良いです。スタイリッシュでスマートな雰囲気にまとまります。
おしゃれ度が高いナロータイはより格好良くネクタイを締めたいという方におすすめである一方で、カジュアル度が高まるというデメリットがあります。
したがって、TPOに合わせて選ぶ必要があります。
就職活動では選ばないほうが間違いないですし、ビジネスにおいても状況によってはNGであるため、着用の際にはシーンにふさわしいかどうかを確認しましょう。
具体的に、ナロータイがおすすめのシーンはパーティーシーンやオフィスカジュアルの着こなしです。
オフィスカジュアルスタイルの基本は、ノーネクタイですが着こなしにアクセントを加えたい、びしっと決めたいという場合に合わせてみるのはいかがでしょうか?
3,ワイドタイ
大剣の幅が10cm以上であるワイドタイは一気にネクタイの存在感が増します。ビジネスシーンで着用することは一般的ではありませんが、周りと差をつけたネクタイを選びたいという場合や、個性を演出したいパーティーシーンなどにおすすめです。
存在感のあるワイドタイを選ぶ際には、あまり派手な色やデザインはインパクトが強くなりすぎてしまう可能性があります。合わせるスーツやシャツとのバランスを考えて選びましょう。
ネクタイの結び方
ネクタイを結ぶにはいくつかの異なった手順があり、それぞれ仕上がりに特徴が出ます。
最も基本的な結び方であるプレーンノットを紹介します。プレーンノットは、ネクタイをはじめて締める方でも簡単に締めることが可能です。
ビジネスシーンやフォーマルシーンにも対応できるため、覚えておきましょう。
ネクタイを首にまわし、大剣のほうを長めにして、小剣の上にクロスさせる。
そのまま小剣に巻きつけるようにして大剣を一周まわし、前にもってくる。
さらにもう半周大剣をまわし、小剣の後ろ側にもっていく。
次に、首元にある輪っかに大剣を下から上へと通す。この時、結び目をふっくらさせることがポイントです。
正面の下部分にある大剣と小剣でできた輪っかへ大剣を通す。
下へ引きながら、結び目を上へスライドさせてきつく締めれば完成です。
ネクタイの色で与える印象
ネクタイはスーツ全体の中で最も色彩豊かなポイントとなりますので、ネクタイの色ひとつで周囲に与える印象に大きな違いが出ます。ネクタイ選びの基本として、まずは人が色に対して抱きやすいイメージを知ることが大切です。
寒色系と暖色系
色を心理的な効果で分けたものとして、青・ネイビーに代表される「寒色系」と、赤・オレンジに代表される「暖色系」があります。寒色は冷たい印象を与える色で、暖色は暖かい印象を与える色です。緑のようにどちらにも分類しにくい色もあります。
スーツのネクタイの色としては、寒色系はどのスーツの色とも相性がよく、きちんとした大人の印象によく合います。
それに対し、暖色系はネクタイの主張が強く出るため、自分をアピールするのに適しますが、シーンを選ぶことに注意が必要です。
寒色・暖色と重複する概念として後退色(概ね寒色と同じ)・進出色(概ね暖色と同じ)というのもあります。進出色と後退色を並べると、進出色の方が手前に浮かび上がって見えることが由来です。
スーツ自体は後退色なので、暖色(≒進出色)のネクタイはより際立って見えることになります。
寒色系のネクタイの印象
青・ネイビーといった寒色系の色は冷たい印象を与えますが、「冷静」「清潔」といったイメージは落ち着いた大人として好ましいものです。
ネイビー(濃紺)のイメージ:冷静、知的、誠実、論理性、保守的
この色のイメージが合うのはなんといってもビジネスシーンです。ネイビーのネクタイとスーツの組み合わせは同系色なので、ネクタイ自体の主張が少なく、浮いた印象を与えにくいです。つまり最も無難な色と言えるでしょう。
ブルー(青)のイメージ:冷静、誠実、若々しい、清潔、新鮮
ネイビーとは基本的なイメージを共有しますが、明るいブルーでは若々しさ、新鮮さといった面が強く出ます。リクルートスーツでは清潔さ・誠実さがアピールできるブルー系のネクタイがよく使われます。
暖色系のネクタイの印象
赤・オレンジ・ピンクといった暖色系の色は自分を演出するのに向きますが、スーツに合わせるとネクタイの主張が強く出やすいです。といっても、暖色系が不向きというわけではなく、明確な意志を持って、TPOを選んで使い分けることが重要なのです。
赤系のイメージ:情熱、自信、積極的、行動力、頼もしい
強い意志を持って行動できる自分をアピールするのに最適の色です。
ネクタイの色としては主張が強いですが、ビジネスシーンでは営業や発表などの場面に向きます。暗めのボルドー(ワインレッド)やえんじ色では落ち着きが加わります。
オレンジ・イエローのイメージ:社交的、友好的、朗らか、活力
エネルギーに満ちていながら攻撃的ではない、元気で親しみやすい印象を与える色です。
ネクタイの色としてはカジュアルな印象が強く、基本的にビジネス以外の場面で使われます。ネイビーやグレーのスーツとは対照色となるため、ネクタイが前面に出やすいです。
ピンクのイメージ:柔らかい、優しい、色気
淡いピンクは柔らかい印象で心を穏やかにさせます。対して、鮮やかなピンクは強烈な印象を与えます。
ネクタイの色としては淡いピンク系のものが一般的です。どちらかといえばパーティやデートなどカジュアルな場面につけると映える色です。
ブラウンのイメージ:落ち着き、包容力、余裕
落ち着きと余裕のある成熟した大人を演出できる色です。
物事に動じない確立した自己を持ちつつも、厳格すぎず融通がきくイメージです。
暖色系の中では明度・彩度が控えめなので、ネクタイが浮いて見えにくく、様々な色のスーツに合わせやすいです。
中間色系のネクタイの印象
緑系のイメージ:安らぎ、爽やか、調和
自然を感じさせる色で、角が立つことが少なく、目に優しい色とも言われます。暗めの色でも比較的若いイメージになります。
色味や明るさを使い分けることで季節感を演出できます。
紫系のイメージ:高貴、優雅、妖艶、芸術的
西洋では高貴な人間だけが使うことを許されていたこともある紫は特有の気品を伴う色です。
濃い青紫はネイビーと通じるところが多いですが、堅苦しさが減り、優雅さが加わります。赤寄りの紫は妖艶ないし芸術的といったイメージが強く、センスが高めの色使いになります。
無彩色系のネクタイの印象
グレー・シルバーのイメージ:洗練、知的、都会的、堅実
余分な色味がない無彩色系は洗練された大人のイメージによく合います。
明るさ、柄、光沢などにバリエーションがあり、フォーマルからカジュアルまで様々なシーンで用いることができます。全身をモノトーンで固めることも、色味のあるスーツやシャツと合わせることも可能です。
また、白および黒のネクタイは基本的に冠婚葬祭のようなフォーマルな場面で使用されます。
ビジネスシーンに合うネクタイの色
ビジネスシーンでのネクタイ選びの原則は、「遊びを控えつつもあまり堅苦しくならないようにすること」です。
フォーマルな式典のような決まりきった型がなく、個人的に自由がきくと言えますが、それには抑制が伴う必要があります。
仕事で使うネクタイは、ビジネススーツとして定番カラーのネイビーかグレーに合わせることを念頭に選ぶとよいでしょう。スーツが基本的に暗い色なので、明るい色合いのネクタイは進出色となって印象が強く出ます。
ベストを着用するときは、ネクタイとシャツの見えている部分でバランスが悪くならないように気を付けましょう。
ネイビー・青系
ネイビー(濃紺)には冷静、誠実、知的、論理的といったイメージがあり、仕事用のネクタイでは定番かつ無難といえる色です。濃いブルーも同様に仕事用として使用できるので、誠実さを演出したい場合は取り入れてみましょう。
ネイビーのスーツと同系色でまとめるとすっきりした印象になり、グレーのスーツに合わせるとやや変化がつきます。
リクルートスーツでは清潔さ・誠実さがアピールできるブルー系のネクタイがよく使われます。
赤系
赤には情熱、自信、積極的、頼もしいといったイメージがあり、営業や発表など熱意をアピールしたい場面に向いています。
原色よりの赤は派手な印象になりがちなので、暗めのボルドー(ワインレッド)やえんじ色を選ぶのはいかがでしょうか?そうすることで、品の良さも備えた印象になります。
グレー
グレーは余計な色味がなく堅実で落ち着いたイメージです。
全身をモノトーンで固めるとシンプルで洗練された印象になり、色味のあるスーツやシャツでは変化がつきます。格式や信用が重んじられる場面でも問題なく、着用できるので1本は持っておきたいカラーといえます。
ビジネスシーンに合うネクタイの柄
柄入りのネクタイはビジネスシーンでもごく一般的に用いられます。原則は色の場合と同じく、遊びを控えつつもあまり堅苦しくならないようにすることが重要です。
ネクタイの柄の種類として代表的なものは、
ストライプ(レジメンタル)
ドット
小紋柄
チェック
無地
が一般的です。無地でもニット素材のものは特有の起伏があります。
柄入りのネクタイを選ぶにあたっては、地(ストライプなら最も幅広い縞)の色を最初に決めることが重要です。柄が入っていても地の色が印象の核となります。ビジネス用には上記の「ネクタイの色」を参考にしてください。
次に柄を選ぶときに重要なポイントは、柄の要素の大きさ、または、地の色に対して柄の部分が占める割合です。基本的に柄が大きいほどカジュアルな印象になります。
ビジネスで使うネクタイには、柄の要素が小さく、地の色が主体になるものを選びましょう。
ストライプ(レジメンタル)
斜めにストライプが入るレジメンタル・タイは、ストライプ入りネクタイの代名詞ともいえるものです。
古典的で格式のある柄として独自の地位を確立していて、色やストライプの幅の組み合わせが非常に豊富なことが特徴といえます。ネクタイの柄の中でも定番中の定番であり、ビジネスシーンでもおすすめです。
ビジネス用としては、色数は2色か多くても3色で、太い縞を地として細い縞が入る程度の比率のものを選ぶとよいでしょう。細い縞に白は違和感なく使えますが、あまり鮮やかな色を入れると目立ちすぎることがあります。
一般的に用いられているにもかかわらず、レジメンタル柄には特有の格式があるため、着用に注意が必要な場合もあるので気をつけましょう。
ドット
ドットは柄の大きさによって印象が大きく変わります。大きいサイズのものは、カジュアル感が強くなり、場合によっては派手な印象となります。
したがってビジネス向けにはドットが小さいものを選ぶのがおすすめです。
ベースとなるネクタイの色とドットの色の組み合わせもビジネスシーンではシックなものを選ぶことで落ち着いた印象にまとまります。
小紋柄
幾何学的な図形や花柄などの小さなパターンが散りばめられた柄です。小紋柄は柄のインパクトが強くなりがちなので、ドットの場合と同様に、ビジネス向けには模様が小さいものを選ぶことが基本といえます。
チェック
お洒落な雰囲気が漂うチェック柄は、ストライプより派手になりやすいので、ビジネス向けには2色程度の色数が少ない、落ち着いた色合いのものを選ぶとよいでしょう。
あまり色数が多かったり柄がはっきりしているものだと、スーツスタイルでのビジネスシーンには不向きのため、派手すぎるデザインは避けることが望ましいといえます。
休日デートに合うネクタイの色と柄
休日のデートにスーツ?と思われるかもしれませんが、大人の身だしなみとしてスーツが活躍する場面は少なくありません。
デートに着ていくスーツには、全体的に明るい色合いのコーディネートが適しています。上着にカジュアルなジャケットを加えて、着脱で変化をつけるのも効果的です。
仕事用と同じでは堅苦しい印象を与えてしまうので、休日での流用を避けるようにしましょう。とはいえ、ネクタイ選びはあまり派手にならないように、上品な大人のオシャレ心で選ぶことが大切です。
オレンジ・ブラウン系
オレンジ・明るいブラウンには暖かく親しみやすいイメージがあります。
友好的で下心を連想させにくいので、関係性が浅いうちから好印象を与えやすいです。少し彩度を落とした地に大きめの小紋柄などを入れると、落ち着きとカジュアルさが両立します。
ピンク
ピンクは恋愛や優しさをイメージさせる色です。
濃すぎるとギラギラした色気が出るので、基本的に薄めの色を使う方がよいでしょう。柄入りのものでは、地から浮かない程度の薄い柄の方が品が良い印象です。
パープル
パープルは特有の気品と艶があり、センスをアピールできる色です。
赤紫寄りのパステルカラーにすると親しみやすさが出ます。色の濃いパープルでは、スーツのカラーによっては浮いてしまうことも考えられるので、スーツとの相性を見て取り入れることが大切です。
冠婚葬祭に合うネクタイの色と柄
結婚式や葬式といった冠婚葬祭での服装は、通常とは異なる格式の高い「礼装」が基本です。礼装には正装・略装があり、一般の出席者は略式の礼装であるスーツを着ることが多いでしょう。そのようなフォーマルなシーンでは、場にふさわしい服装であることが求められます。
結婚式に合うネクタイの色と柄
お祝いの席ということで、明るく高級感のあるネクタイをつけるのが基本です。とはいえ、式典のゲストであることをわきまえて、派手に目立つことがないようにしましょう。
日本では結婚式のネクタイには黒や暗すぎる色は、暗いイメージや葬式を連想させることが結婚式にふさわしくないため、マナー違反となります。
ビジネスの定番色のネイビーも結婚式には不向きなので覚えておきましょう。
シルバー・メタリック系
シルバーに代表される淡い色でメタリック感のあるネクタイは、穢れのないイメージで高級感があり、幅広い層に人気があります。
結婚式などの華やかなシーンには、シャンパンゴールドや淡いブルーで光沢の強いものがおすすめです。浮かない程度に白のストライプやドットの柄を入れるのもよいとされています。
白
結婚式の定番色です。結婚式のネクタイ選びに困ったら白を選ぶと間違いがありません。
ビジネスシーンで使うことのない色ですが、結婚式用に1歩イン持っておくと安心のアイテムだといえます。
その他
新郎・新婦と親しい、出席者が全体的に若いなどの条件では、通常フォーマルとされないネクタイが許容されることもあります。
例えば、華麗なイメージのあるピンクやパープルを考慮に入れてもいいかもしれません。
葬式につけるネクタイの色と柄
黒・無地・光沢なしが原則です。
間違えて明るいものを選ばないようにしましょう。また、光沢があるものもマナー違反となるので、光沢なしのものを選ぶことが大切です。
ネクタイを着用する際に気を付けるべきポイント
続いてはネクタイ選びや着用の際に気を付けておくことで格好良くネクタイを着用することができるポイントをご紹介していきます。
1,長さ
一般的なネクタイの長さは、140cm前後となっています。これは日本人の男性の標準体型である身長165cmから170cmに準じて作られていることから、それよりも身長が高い場合には長めのものを選ぶとバランスよくネクタイを締めることができます。
具体的には、175cmの人であれば、155~165cm程度、180cmの人であれば、160cm以上が適正な長さとなります。
特に高身長の場合は、自分の身長に合わせたネクタイを選ぶことで体型を活かした着こなしをすることができます。逆に、一般的なサイズのものを選ぶと寸足らずで格好悪く見えてしまいます。
ネクタイを着用した際の長さの目安は大剣の先がベルトのバックルにかかる程度です。
ジャケットを着用していれば、ネクタイの長さは見えないから長さは適当で構わないだろう。とお考えの方はいませんか?
たとえジャケットを羽織っていても、長すぎてジャケットからネクタイの先がはみ出ているのは格好悪いですし、短すぎる場合も見えている部分のネクタイのバランスに違和感がでるため、適当な締め方であることがばれます。
はじめは長さを調整するのが難しいと感じるかもしれませんが、自分の体型に合ったネクタイを選んでおけば比較的簡単にコツをつかむことができるでしょう。
ネクタイを着用した際の長さを整えるには、まずは適正な長さのネクタイを選ぶことが必須です。
2,ラペル幅に合わせる
ネクタイ幅の種類もさまざまであることをお伝えしましたが、選ぶのに迷ったらスーツのラペルに合わせるのがおすすめです。合わせる幅は、ラペルの切込み部分の長さとネクタイの一番太い部分になります。
そうすることでバランスが良くまとまりのあるコーディネートとなります。
これまでラペルとのバランスを意識してこなかったという方は、ぜひ一度お手持ちのスーツのれぺる幅を確認してみてください。
ネクタイ選びの参考になりますよ。
ただし、ラペル幅が細いからといって細身のネクタイを合わせると、カジュアル感が強くなりビジネスシーンにはそぐわないスタイルになってしまいます。
あくまでも着用シーンに合わせて選ぶことが大切です。
3,ネクタイピンを使ってお洒落に機能的に
ネクタイピンは、ジャケットを脱いだ際にネクタイがだらりと垂れてしまうことを防いでくれる機能的なアイテムです。
きちんと固定することで、だらしなく見えることがありませんし、ネクタイが擦れて劣化するのも防ぎます。
また、ネクタイの先が垂れないことで、食事の際の汚れ防止にも非常に役立ちます。
そして、機能面だけでなく見栄えの良さもネクタイピンの魅力だといえます。
ネクタイピンにはさまざまなデザインや色のものがあり、ワンポイントアクセントを添えることでぐっとおしゃれ感が増します。
ただしビジネスシーンでは、あまり華美なものは避けましょう。
派手すぎるデザインや色のものはビジネスシーンにはふさわしくないため、かえって悪印象になってしまう可能性があるからです。
ネクタイピンは、シンプルなデザインのものでも十分におしゃれな印象になります。
付けるシーンを想定して、コーディネートの邪魔をしないものを選びましょう。
ネクタイに合わせるシャツ選びも大切!
ネクタイを選ぶ際にはスーツだけでなく、ワイシャツにも気を配れるとスマートなコーディネートが完成します。どのようなポイントに気を付ければ良いのか、コーディネートとともに見ていきましょう。
柄アイテムは2つまで
スーツ・ワイシャツ・ネクタイの3つのうち、柄の入るアイテムは2つまでに抑えるのが基本です。すべてのアイテムに柄が入っていると落ち着きのない印象となり、相手に不信感を与えかねません。
一例として、ストライプ柄のスーツに、無地のワイシャツと小さなドット柄というネクタイのコーディネートは、すっきりとまとまりのある印象になります。ダークカラーのスーツの場合は、ネクタイの色味もダークカラーを選ぶとさらにまとまりが良くなります。
スーツが無地であれば、チェック柄のシャツにストライプ柄のネクタイの組み合わせも、ほど良く個性を主張できるおしゃれなコーディネートです。無地のスーツは全体的に落ち着きのある上品な印象になりますので、ネクタイはアクセントとなる色や柄を選ぶと素敵なスタイリングに仕上げられます。
色は3色以内に
スーツ・ワイシャツ・ネクタイのコーディネートで使う色が3色以上になると、見る人の目線が定まらず、ごちゃごちゃと雑多な印象を与えてしまいます。全体の色トーンの統一感を守りつつ、3色以内のコーディネートを心がけましょう。
ブラウン系のスーツを選ぶ場合は、暖色系でまとめるのがおすすめです。ベージュのスーツに淡いピンクのワイシャツ、濃いブラウンのネクタイは安心感を与えるコーディネートです。ネクタイはブラウンのベースに、ベージュや淡いピンクが入ったストライプ柄などを合わせると、シンプルすぎず、個性を主張しすぎないほど良いスタイルになります。
ネクタイを中心にコーディネートを組み立てる方法もおすすめです。個性的なネクタイの場合、白いワイシャツを選び、無地のスーツを合わせるとネクタイがワンポイントになり、すっきりとしたコーディネートが完成します。ネクタイの色とスーツの色の相性が良いものを選びましょう。
グラデーションにする
スーツ・ワイシャツ・ネクタイを同系色でコーディネートをする場合は、グラデーションになるようにするとバランスの取れたコーディネートにできます。
最も濃い色がスーツ、中間色がワイシャツ、最も淡い色がネクタイとなるようにするとすっきりとした見た目にすることができるのでおすすめです。
同系色の濃淡のあるコーディネートは、さりげないおしゃれを演出できるので、目立ちたくはないが好印象を与えたいという場面にも試してみましょう。
同系色のコーディネートは、グラデーションにするだけでセンス良く見えますので、ぜひ取り入れてみてください。
ネクタイだけでなく、シャツに関してもコーディネートの幅を広げるためにいくつかの色や柄を揃えておくと組み合わせを考えるのが楽しくなるでしょう。
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まとめ
以上、ネクタイの種類や色・柄が与える印象、おすすめのコーディネートなどについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
スーツスタイルは基本的にシンプルな着こなしのものが多いため、合わせるネクタイ次第で大きく印象が変わります。
特にビジネスシーンや就職活動では、第一印象を決める上で重要な役割を担うと言えるでしょう。
そのため、ネクタイはTPOや自分がしたい着こなしに合わせて選ぶことが重要になります。
また、コーディネートするスーツやシャツによって相性の良さも変わってきます。
近年はリーズナブルなネクタイも増えてきているため、さまざまな色、柄を揃えておけば気分やシーンに合わせてコーディネートを考える楽しさも増えていくものです。
ぜひ、ネクタイでスーツスタイルに華を添えてみましょう。
この記事では、ネクタイの選び方から色・柄の印象、シーン別のコーディネートまで幅広く紹介しました。ネクタイは、単なるアクセサリーではなく、着用者の個性や立場、意志を表現する大切なアイテムです。ビジネスシーンでは、信頼感や好印象を与える色や柄を選ぶことが重要で、カジュアルな場では自分らしさをアピールすることができます。冠婚葬祭といったフォーマルな場では、場の雰囲気に合わせた選択がマナーになります。ネクタイ選びにおいては色の選択・柄の大きさ、そしてシャツとのバランスを考慮することで、より洗練されたスタイルを表現できます。今回紹介したポイントを参考に、ネクタイを選び、着こなしの幅を広げてください。ネクタイ一つで変わる印象を活かして、コーディネートを楽しみましょう。