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スーツのボタン主な3つの種類をわかりやすく解説!カラーや素材の選び方は?

「スーツを着用する機会が多いのでボタンについて知りたい」「スーツのボタンの種類や選び方を知りたい」と思っている人もいるのではないでしょうか。

スーツのボタンは小さなパーツですが、スーツ全体の印象を大きく左右します。適切なボタンの選択はスーツの品格を高め、着用者の個性を表現する上で欠かせません。

本記事では、最初にスーツのボタンに関する基本情報を解説します。その後にスーツのカラーに合わせたボタンの選び方、ボタンの種類と特徴、「本切羽」というボタンのデザインについて説明するので参考にしてください。

本記事を読むことで、スーツに合わせたボタンの選び方の知識を深められるでしょう。

スーツについているボタンとは?

スーツには2箇所にボタンがついています。フロントボタンと袖ボタンです。まずはそれぞれの特徴を解説します。

フロントボタン

スーツのフロントボタンはジャケットの前面に配置されています。シングルブレストのスーツでは2つボタン、もしくは3つボタンが主流です。

フロントボタンの着用マナーに「アンボタンマナー」があります。アンボタンマナーとは、一番下のボタンを常に開けておくというルールです。2つボタンの場合、上のボタンを留め、下のボタンは開けておきます。

3つボタンの場合は上のボタンと2番目のボタンを留め、下のボタンは、2つボタンと同じように常に開けておくのが基本です。上のボタンがラペル(襟の折り返し)に隠れている「段返り」仕様の場合は、2番目のボタンを留めて下のボタンは外してください。

袖ボタン

袖ボタンはスーツの袖口に配置されているボタンです。一般的なスーツの場合、3つか4つというケースが多いでしょう。

袖ボタンの数が少ない場合はカジュアルな印象になります。逆に袖ボタンの数が多い場合はフォーマルな雰囲気に。アメリカのブレザーは、袖ボタンが2つというケースも多いようです。

スーツのカラーに合わせたボタンの選び方

スーツとボタンの組み合わせによって印象は変わります。ここでは、ダークカラーと明るいカラーのスーツに分けて解説します。

ダークカラーのスーツとボタンの種類

ブラックやネイビーのようなダークカラーのスーツは、ボタンの選択によって印象が変わります。

生地と同系色の暗めのボタンは統一感が生まれ、落ち着いた雰囲気を演出できるでしょう。一方、生地と反対色の明るめのボタンを選んだ場合は、柔和でカジュアルな印象を醸し出せます。

また、ボタンの素材選びもポイントです。ダークカラーのスーツと天然素材のボタンの組み合わせは高級感を演出できます。一方、人工素材のボタンは天然素材よりもラフな印象になるでしょう。

明るいカラーのスーツとボタンの種類

ライトグレーやベージュのような明るいカラーのスーツも、ボタン選びによって印象が変わります。

生地と同系色の明るめのボタンを選んだ場合、爽やかで都会的な雰囲気を演出できます。一方、生地と反対色の暗めのボタンを選んだ場合は、スタイリッシュでおしゃれな印象です。

明るいスーツと天然素材のボタンを組み合わせるとエレガントな趣を演出できるでしょう。一方、人工素材のボタンを組み合わせた場合は、カジュアルで軽快な雰囲気を醸し出せます。

スーツのボタン3つの種類と特徴

スーツのボタンの主な種類は下記です。

  1. 風格と高級感のある「水牛ボタン」
  2. 木目柄と光沢感が特徴「ナットボタン」
  3. 割れにくく種類が豊富「プラスチックボタン」

それぞれの特徴を詳しく解説するので参考にしてください。

風格と高級感のある「水牛ボタン」

水牛ボタンは、水牛の角を加工して作られる天然素材のボタンです。風格と高級感から多くのスーツやジャケットに使用されています。

水牛ボタンは角の種類や部位によって色が異なります。基本は黒、茶、ベージュの3色ですが、それぞれに濃淡があります。一般的に薄い色のボタンほど高額です。

水牛ボタンの魅力の一つに耐久性が挙げられます。天然素材でありながら、非常に丈夫で変色しにくいです。長年使用しても美しさを保ちやすいでしょう。

また、水牛ボタンは決して同じ柄になりません。同じ角から作られたボタンでも、一つ一つ模様が異なるという魅力があります。

水牛ボタンは高級感と重厚さに秀でているため、スーツの品格を引き立てる効果が期待できます。ウール素材のスーツと水牛ボタンを合わせることで上品で高級な印象を与えられるでしょう。

木目柄と光沢感が特徴「ナットボタン」

ナットボタンは、水牛ボタンに次ぐ高級な天然素材のボタンです。南米エクアドルに自生する「タグワヤシ」の木の実の種を加工して作られています。一つ一つ異なる個性的な木目柄と光沢感を持っています。

ナットボタンの魅力は多様な加工方法です。主な加工方法として、ツヤ加工、染め落とし、焼き加工、レーザー加工、クリア加工があります。

ツヤ加工では研磨機と磨き砂を使用します。ツヤあり、ツヤ消し、半ツヤなど、さまざまな仕上がりが可能です。

染め落とし加工は、一度染色したボタンの色を落として作られています。焼き加工は一つずつバーナーで焼きを入れるため、渋みのあるダンディな雰囲気になります。

レーザー加工は文字の刻印を入れることが可能です。クリア加工は塗装を全面的に施しているため、ツヤ加工よりも上質な光沢感が出ています。

ナットボタンには、個性的な模様と多様な加工方法という特徴があります。特にネイビーのスーツと相性がよいボタンです。

割れにくく種類が豊富「プラスチックボタン」

プラスチックボタンはナイロン、ポリエステル、ユリアなどを原料として作られる人工素材のボタンです。

プラスチックボタンの特徴に種類の豊富さがあります。天然素材のボタンでは再現が難しい色、形、質感を自由に表現できます。例えば、水牛ボタンの柄を模した水牛調のプラスチックボタンは、本物の水牛ボタンに近い外観です。

また、プラスチックボタンは天然素材よりも種類が豊富で安価です。様々な色や形、サイズ、質感のボタンを低価格で選びやすいという魅力があります。

他にも、プラスチックボタンは耐久性に優れています。割れにくいため長期間使用できるでしょう。

ただし、天然素材のボタンよりも高級感や温かみに劣るため、ランクの高いスーツには不向きかもしれません。

スーツのボタン「本切羽」とは?

ボタンをつける袖口のデザインとして「本切羽(ほんせっぱ)」があります。本切羽とは、ジャケット袖口のボタンホールを開閉できる仕様のことです。

一般的に本切羽は、上質なスーツの要素として知られています。

本切羽の最大の特徴は、袖ボタンのボタンホールに穴が開いていることです。着用者は、袖ボタンを開けたり留めたりして、自分好みのスタイルを演出できます。

本切羽は、袖の長さの調整が難しいため、オーダーメイドがおすすめです。

スーツに合うボタンを選んでスマートな着こなしをしよう

スーツにはフロントボタンと袖ボタンがついています。フロントボタンはジャケットの前面、袖ボタンは袖口に配置されているボタンです。

スーツは「どのようなボタンと組み合わせるか」によって印象が変わります。同じボタンでもダークカラーと明るいカラーで異なりますし、ボタンの種類によっても変化します。

また、ボタンのデザインが本切羽の場合は、自分好みのスタイルを演出できます。

スーツのボタンは重要なパーツであり多種多様なため、自分で選ぶのは難しいでしょう。スーツの生地やディテールはもちろん、ボタンの種類や質にもこだわってスマートにスーツを着こなしたい場合は、オーダースーツ専門店への相談がおすすめです。

スーツのボタンは着こなしの印象を左右する重要なパーツです。スーツのボタンには、ジャケットの全面に配置されているフロントボタンと袖口に配置されている袖ボタンがあります。ボタンの主な種類として、高級感のある「水牛ボタン」、木目柄と光沢感が特徴の「ナットボタン」割れにくく種類が豊富な「プラスチックボタン」の3つが挙げられます。ボタンは一般的にスーツのカラーやデザインなどに合わせて配置されているものの、オーダースーツで自分好みに組み合わせてみるのもおすすめです。

ブラックやネイビーなどダークカラーのスーツなら同系色のボタンを選べば落ち着いた雰囲気に、明るい色のボタンを選べばほどよいカジュアル感を演出できるでしょう。ライトグレーやベージュのような明るいカラーのスーツには天然素材のボタンを選ぶことで一気にエレガントな雰囲気になります。人工素材のボタンを組み合わせてカジュアルで軽快な遊び心を演出するのもよいでしょう。

また、袖口のデザインを本切羽にするとさりげなく本格的な雰囲気になります。本切羽は袖口のボタンを開閉して自分好みのスタイルを楽しめるのが特徴です。ただし袖の長さ調節が難しいのでオーダーで自分に合ったスーツを注文することをおすすめします。細部にこだわることでスーツの着こなしの幅は広がります。スーツの生地やディテール、ボタンの種類や組み合わせにこだわったお気に入りの1着をオーダーしてみませんか。

湯浦孝恵