オーダースーツを着用するときのマナー12選。格好良く着こなすために知っておきたいポイントを伝授
スーツというのは、ただ着れば良いというものではありません。センスが良くて、サイズが合っていても、ボタンの留め方一つでマナー違反になってしまうこともあります。意外と怖いんです、スーツ社会。でも大丈夫です。本記事では、ジャケットのアンボタンマナーからネクタイ・ベスト、靴下まで、格好良くスーツを着こなすためのマナーを、初心者向けに分かりやすく解説します。普段スーツを着る機会が少ない方も、最後まで読んでみてください!
スーツを着る時の基本マナーとは?【まずはこれだけ押さえよう】

スーツには場所や立場、立っているのか座っているのかなどに応じたさまざまなルールやマナーがあります。スーツを着慣れていない方にとっては難しく感じることもあるでしょうが、その実は「清潔感」「サイズ感」「立ち居振る舞い」の3つ。
ほとんどのスーツマナーやルールは、主に相手にきちんとした印象を与えるための身だしなみです。TPO(シーン)に合わせた装いやスーツを長く着続けるコツであったりするため、覚えておいて損はありません。
正しいルールやマナーを実践していると、それだけで「できる人」に見えてくるため、スーツを着慣れていない方ほど積極的に覚えておきましょう。
【1】ジャケットのアンボタンマナー|座るときはボタンを外す
スーツのマナーで代表的なのは、ジャケットのボタンを”留めない”アンボタンマナー。ジャケットに設けられたボタンは必ずしもすべて留めるものではなく、スーツの美しいシルエットのためにあえて留めないボタンがあります。ボタンのデザインに応じたルールは以下のとおりです。
なお共通するボタンのマナーとして、立っているときはボタンを留め、座るときにはボタンを外すことを覚えておきましょう。ボタンを留めたまま座るとスーツの生地が引っ張られてしまい型崩れやシワの原因になるため、ボタンのデザインに関係なく座るときにはボタンを外します。
1.シングルジャケット(2つボタン)
2つのボタンが1列に並んだボタンデザインでは、上のボタンを留めてしたのボタンは外すのがマナーです。下のボタンは飾りボタンと呼ばれる装飾用のため、実際には使用しません。
繰り返しますが、スーツのジャケットは基本的に立っているときにはボタンを留め、座るときには外してジャケットが解放された状態になるのが正解です。
シングルジャケットの場合は立っているときは上のボタンを留め、座るときには外して1つもボタンが留まっていない状態になります。自然な動作で留める、外すができるようになるとスマートです。
2.シングルジャケット(3つボタン)
3つボタンのジャケットは、一番上と真ん中のボタンを留めます。一番上のボタンは留めなくてもよいですが、一番下のボタンは必ず外すのがマナーです。立ち姿がすっきり見えるため、クラシックな印象を保ちながら着こなせます。
3.シングルジャケット(ローリングダウンラペル)
ローリングダウンラペルは3つボタンの一番上のボタンが襟の裏に隠れる特徴的なデザインで、胸元のロールをきれいに見せられる立体的なシルエットが特徴です。ローリングダウンラペルのジャケットは必ず真ん中のボタンだけを留め、上下のボタンは外しておきます。
4.ダブルジャケット(4つボタン1つ掛け)
かけられるボタンが1つしかないため、留めます。立っているときはボタンを留め、座るときには外すのは共通です。
5.ダブルジャケット(4つボタン2つ掛け)
本来はすべて留めるのが一般的ですが、最近では下を外すパターンも多く見受けられます。
また、タイトなダブルスーツの場合、すべて留めた方がお洒落な場合もあるため、スーツのシルエットによって臨機応変に変えていきましょう。
6.ダブルジャケット(6つボタン1つ掛け)
かけられるボタンが1つしかないので、留めます。立っているときはボタンを留め、座るときには外すのは共通です。
7.ダブルジャケット(6つボタン2つ掛け)
本来はすべてのボタンを留めますが、最近では下のボタンを外すこともあります。
8.ジレ(ベスト)
3ピーススーツではジャケットの代わりにジレのボタンを留めます。基本的なルールは、ジャケットのアンボタンマナーと同じです。一番下のボタンを外すのがマナーですが、一番下のボタンが留められない位置に配置されている場合は留められるボタンをすべて留めます。
ジレ着用時はジャケットのボタンをすべて解放してもマナー違反とはなりません。むしろジャケットは解放するのが基本ですが、相手によってはネガティブな印象を受ける可能性があるため注意しましょう。商談や目上の人と会うときなど、相手の認識がわからない場合はジャケットのボタンを留めたほうが安心です。
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【2】ジャケットのマナー|しつけ糸やシワに注意

ジャケットは、清潔感とシルエットの美しさを左右する大切な要素です。購入時に袖口やポケットに付いている「しつけ糸」は、あくまでも仮留めのための糸なので、着用前に必ず外しましょう。つけたまま着ていると、野暮ったさが目立ってしまい、せっかくのスーツ姿が台無しです。
また、ジャケットは生地のハリを保つ扱い方を意識するだけで、立ち姿の印象が大きく変わります。小さな部分ですが、初心者ほど気を配りたいポイントです。
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ジャケットは脱いでシワを防止する
長く着続けると、背中や腕にシワが寄ってしまい、清潔感が損なわれます。会議や移動など、座る時間が長くなりそうな場面では、ジャケットをそっと脱いで形を保つのがマナーです。出張や移動時はスーツカバーやガーメントバッグを使うと型崩れを軽減できます。丁寧に扱うことで、生地の寿命を延ばせるだけでなく、いつでも整って見える安心感につながります。
ジャケットをたたむ際は表生地を内側に入れる
ジャケットを脱ぐときは、裏地が外側に見えるように折りたたむのが基本です。表生地が直接こすれないため、シワや摩擦を防げます。会議室などでジャケットを椅子に掛けるときも、この形に整えてから掛けるだけで見た目の美しさが保てます。扱い方がきれいだと、周囲からの印象も自然と良くなります。
以下のようにたたむと、シワも防止できるためおすすめです。
- 両肩に内側から手のひらを入れて持ち、手を合わせるように二つ折りにします。
- 片側を内側が表に出るように返して、反対側へ重ね、表には裏地しか見えない状態にします。
- 二つ折りにして腕に掛けます。
- 皮脂がスーツの表生地につかないように、手首側にスーツの裏地が来るように持ちます。
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【3】ポケットのマナー|ポケットの意味や役割を理解する

スーツのポケットは前提として物を入れるものではありません。胸ポケットには「ポケットチーフをさす」という明確な目的がありますが、スーツのポケットはいずれも装飾的なものです。デザインとしてポケットは存在し続けているものの、実用性は基本的にありません。スーツのポケットに物を入れると美しいシルエットが崩れたり生地が傷んだりする原因になるため、よく覚えておきましょう。
唯一、内ポケットにはシルエットが崩れない程度の小物を入れてもよいとされるものの、ポケットには極力何も入れずにハンドバッグなどを利用するのが理想的。財布や鍵、スマホなどを腰やおしりのポケットに入れたくなるところですが、スーツをスマートに着こなすためには避けましょう。
腰ポケットのふた(フラップ)が付いているものは、屋外では外に出し、屋内では中に入れるのが基本マナーです。フラップは装飾ではなく、雨やホコリが入らないように設けられています。実用的な目的があるため、必要な状況(屋外)では出し、不要な状況(屋内)ではしまうのが基本。日常のビジネスシーンではフラップを出しっぱなしにしていても問題になることは多くありませんが、冠婚葬祭や就職活動などではルールに則って正しく使うことが大切です。
ポケットチーフは、本来なら冠婚葬祭のみならずビジネスシーンでも使えます。ただ日本では結婚式などの華やかなシーンを彩るアイテムという印象が強いため、葬儀での着用は避けたほうがよいでしょう。
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【4】パンツのマナー|裾丈とシワが決め手

パンツは、丈とシルエットのわずかな違いで印象が大きく変わります。特に裾丈は短すぎても長すぎても不格好になりやすく、清潔感にも影響します。理想は、立ったときに靴の甲に軽く触れる「ワンクッション」または、ほんの少し触れる程度の「ハーフクッション」。自然に見え、足のラインがすっきり見える長さです。
座ったときに素肌が見えるのはマナー違反の一つ。足首まわりが露出すると幼い印象になってしまうため、靴下とパンツの長さを合わせておくことが大切です。また、パンツのセンタープレスが消えていると、だらしない印象を与えてしまいます。こまめにアイロンやスチーマーでラインを整えることで、シャープなシルエットを保てます。
パンツは毎日の動きでシワが寄りやすい部分ですが、正しい丈選びとケアを行えば見え方は大きく変わります。長時間の移動がある日こそ、スチーマーやハンガーを使って形を整える習慣が役立ちます。
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【5】シャツを着用する際のマナー
ジャケット着用時は、長袖シャツを着用することとジャケットの袖口からシャツが見えるようにすることの2つがマナーです。
ジャケット着用時は長袖のシャツを選ぶ
スーツを着用する際は、長袖のシャツを選ぶのがマナーです。半袖のシャツはカジュアルな印象を与えるため、ビジネスや公式な場には適していません。腕や手首の肌を見せるのもフォーマルな服装として好ましくないので避けましょう。
クールビズのような特別な期間以外は、ジャケットを脱ぐ可能性を考慮して長袖を着用することが大切です。ジャケットを脱いだ際に半袖が見えると周囲に違和感を与えかねません。
スマートにスーツを着こなしたい方は、季節を問わず長袖シャツを選んでください。長袖シャツであれば、どのようなシーンでも安心してジャケットを脱げるでしょう。
ジャケットの袖口からシャツを出す
ジャケットの袖口からシャツを少し出すのがマナーです。腕を自然に下ろした状態で1cmから1.5cmほど出すとよいでしょう。シャツが見えない場合、半袖を着ていると誤解される可能性があるので注意が必要です。
また、長袖シャツを着用することで、スーツを汗や汚れから守りやすくなります。汗が直接スーツに染み込むと生地が傷んだり、変色や臭いが発生したりという原因になるので気を付けてください。
シャツの袖丈が長すぎるときは、アームバンドで調節すると美しい着こなしになります。
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【6】ネクタイのマナー|結び方・長さ・Vゾーンの整え方

ネクタイは、スーツスタイルの印象を大きく左右する重要なアイテムです。ビジネスでは無地や小紋、ピンドットが定番で、控えめな柄ほど落ち着いた印象になります。柄選びを迷う場合は、まずはこの3種類を押さえておくと安心です。スーツに慣れていない方でも選びやすく、どんな職種でも使いやすい万能タイプです。
結び方も印象を決める大切なポイントです。プレーンノットは簡単ですが、左右のバランスが崩れやすく、初心者には少し難しい面があります。ビジネスで安定感と上品さを出したいときは、程よくボリュームが出るセミウィンザーノットがおすすめです。結び目の形が整い、Vゾーンに落ち着いた立体感をつくれます。
また、ジャケットとネクタイでつくる胸元の「Vゾーン」は、全体の印象を左右する重要なエリアです。結び目が中央に整っているか、シャツとのバランスが取れているかを意識すると、上級者の雰囲気が自然と出ます。
ネクタイの結び目マナー
結び目が大きすぎると子どもっぽく、小さすぎると頼りなく見えてしまいます。ノット(結び目)はシャツの襟とジャストサイズになるように整え、中央に位置させることが大切です。くびれをつくり、ディンプル(くぼみ)を入れると立体感が生まれ、Vゾーンが引き締まります。
結び方そのものよりも、「丁寧に整える」ことが印象を決めるポイントです。鏡の前で形を整える習慣をつければ、どんなスーツでも品のある仕上がりになります。
ネクタイの長さマナー
ネクタイの長さは、ベルトのバックル中央に大剣の先端が届く位置が基本です。短すぎても長すぎてもバランスが悪く、清潔感が損なわれます。姿勢を正して立った状態で確認すると、適切な長さが分かりやすくなります。細かな調整ですが、スーツ姿を格好良く見せるためには欠かせないポイントです。
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【7】ベルトと靴のマナー
スーツスタイルでは、ベルトと靴の色・素材を揃えることが基本です。黒い革靴には黒のベルト、ブラウン系の革靴には同系色のベルトを合わせることで、装いに統一感が生まれます。色だけでなく、ツヤ感や金具の色まで統一すると、より洗練された印象になります。
ビジネスシーンでは黒がもっとも安定感のある選択です。営業や接客などきちんとした印象が求められる場面では、黒のストレートチップやプレーントゥと合わせておくと安心です。カジュアル寄りの職場ではブラウンも好印象で、柔らかい雰囲気をつくれます。
ベルトは装飾が控えめで細めのタイプが適しています。穴が広がったままのものや、革が波打っているものは古びて見えるため、定期的な買い替えも必要です。小さな部分ほど差が出やすく、足元と腰まわりが整っていると自然と全体の印象も引き締まります。
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【8】靴下のマナー|色合わせと清潔感が命

靴下は見落としやすい部分ですが、座ったときや歩いたときに意外と目に入ります。スーツに合わせる靴下は、靴とパンツの“どちらかに色を合わせる”のが基本です。黒い革靴には黒靴下、グレースーツにはチャコールグレーなど、全体の色が自然につながるように選びましょう。
短すぎる靴下はNGで、座ったときに素肌が見えてしまうと清潔感を損ねます。ビジネスでは、ふくらはぎまで覆えるロング丈が安心です。また、毛玉・色褪せ・薄くなった生地はすぐに気づかれ、印象を大きく落とす原因に。定期的に状態を見直し、良いものを揃えることがスーツ姿の完成度につながります。
ビジネスシーンでは無地が基本ですが、控えめなリブ編みなら上品さを保てるため、さりげない変化をつけたい方におすすめです。
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【9】シーン別マナー|ビジネス・入学式・フォーマルで違う

面接や冠婚葬祭などのシーン別にスーツを着用する際のマナーについて解説します。
面接でのスーツマナー
就職や転職などの面接でスーツを着用する際は、ブラックやダークネイビー、チャコールグレーといった落ち着いた色を選びましょう。柄は基本的に無地、ジャケットのボタンは縦一列のシングルスーツが一般的です。
また、ジャストサイズのスーツの着用が大切です。サイズが合っていないと面接官にだらしない印象を与えかねません。
白いシャツは清潔感や誠実さをアピールできます。淡いブルーも許容範囲ではあるものの、面接のように第一印象を重視する場では白いシャツが無難です。ネクタイは派手な色や柄は避け、落ち着いた無地のダークカラーを合わせましょう。ベルトと靴は、黒または暗めのブラウンが一般的です。
スーツのポケットにはものを入れず、A4サイズが入るビジネスバッグを持参するとよいでしょう。
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冠婚葬祭でのスーツマナー
冠婚葬祭ではブラックのスーツの着用が基本的なマナーです。ブラックフォーマルのスーツは結婚式と葬儀の双方に合っています。
一般的に葬儀に参列する際は全身を黒で統一します。シャツは白無地を着用し、ネクタイやベルト、革靴は黒で揃えましょう。ネクタイピンのような光るアクセサリー類は避けるのがマナーです。
結婚式にゲストとして参加する場合もブラックスーツが基本です。シャツは白を選び、ネクタイに白やシルバーを合わせるとフォーマルで華やかな印象になります。
カジュアルな雰囲気の結婚式であれば、チャコールグレーやダークネイビーのようなダークスーツを着用しても問題ありません。ただし、ビジネス感が出ないようにネクタイやポケットチーフを明るい色でまとめ、華やかさを演出しましょう。
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ビジネスシーンでのスーツマナー
ビジネスの現場では、清潔感と信頼感が命です。見た目が9割といっても過言ではなく、ヨレヨレのスーツではよい印象を与えられません。商談も気持ちもネガティブな方向に向きやすくなってしまうため、シワ一つないパリッとしたスーツで信頼感や誠実な印象を演出して相手に安心感を与えましょう。
スーツの色や柄は、会社の雰囲気や職種に合わせて選びます。王道のネイビー、グレー、ストライプなどを使い分けるのがよいでしょう。
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【10】スーツのサイズの選び方のマナー
スーツには、美しく着るためのルールやマナーがあります。特に、サイズ感が合っていなければ、せっかくの魅力が半減し、時にはマナー違反と見なされてしまうことも。
どんなに高級な生地やハイブランドであっても、自分の体型にしっかり合っていないと見栄えが悪くなってしまうため、ジャストフィットしたサイズを選ぶようにしましょう。
ここではアイテムごとに美しく、かつマナー違反にならないよう着こなすために気を付けなければならないマナーを紹介します。
ジャケット/肩
「ジャケットは肩で着る」という表現があるように、肩部分のサイズ選びは慎重に行いましょう。
ジャケットを着たときに肩をひとつまみできる余裕がある状態が適正サイズです。ジャケットが大きすぎると、肩がズレ落ちてしまいがちになり、だらしない印象になってしまいます。
一方で、ジャケットの肩が小さすぎてしまうと生地が突っ張ってしまい、窮屈でシワも寄ってしまいます。適正なサイズを選ぶことが大切です。
ジャケット/着丈
ジャケットの着丈の長さは、お尻がちょうど隠れるぐらいの長さがベストです。
裾がお尻よりも上にあるデザインのジャケットは、スタイリッシュな印象です。しかし、ビジネスシーンではカジュアルすぎる印象に取られてしまうことも多いので、注意しましょう。
ジャケットの裾が長すぎるデザインは、プライベートやカジュアルシーンでは良いですが、ビジネスでは野暮ったい印象を与えてしまい、足が短く見えてしまいがちです。ジャケットの裾の長さで印象が大きく変わるので、意識して選ぶようにしましょう。
ジャケット/胸まわり
ジャケットの胸まわりのフィット感は、ジャケットのボタンを留めた状態でチェックするようにしましょう。
ボタン留めた状態で胸の下に横ジワができてしまう場合はサイズが小さく、ボタンに大きな負担がかかってしまいます。ボタンに過剰な負荷がかかるとボタンの破損や紛失に繋がるので、サイズ選びは慎重に行いましょう。
ジャケット/袖丈
袖丈の長さは「机などに手を置いたときに、手の甲に袖が少し当たる長さ」がベストです。
袖丈が短いとシャツが袖から大きくはみ出して不格好な印象になってしまいます。適正な長さなら、腕を下したときに1cmほどワイシャツの袖が見え、バランスのいい見た目になります。
パンツ/お尻まわり
パンツを着用時に、生地が引っ張られたり、横のポケットが勝手に開いてしまったりするなら、サイズが小さ過ぎます。動きづらく、窮屈なのでサイズを上げることをおすすめします。
反対に、サイズが大きすぎるとお尻部分にたるみが出て、スーツスタイルのシルエットが崩れてしまいます。
パンツ/太ももまわり
太ももまわりのサイズは、立ち上がったときに太もも裏の生地がつまめるかどうかで判断します。「無理矢理ならつまめる」状態ではサイズが小さいことになります。
基本的にスラックスのお尻まわりのサイズが合っていれば、太もものサイズが合わない心配はあまりありません。ただし、スポーツなどをしていて太ももが太い、下半身ががっしりしている方などはオーダースーツでしっかり計測してから作るのがおすすめです。
【11】スーツの色・柄の選び方とマナー

スーツの色の選び方、柄の選び方の順に説明します。マナー違反にならないスーツ選びの参考にしてください。
スーツの色の選び方
スーツは色の選び方次第で、見た目の印象を大きく左右します。ビジネスシーンにおいては、ネイビー、グレーが定番です。ダークカラーを選択することで、落ち着いた誠実な印象を与えられます。一般的に、色が濃いほど上品で重厚感が感じられ、薄いほどフレッシュでさわやかな雰囲気になるため、自分の年齢やTPOに合わせて選ぶようにしましょう。
なお、ビジネスでは、礼服や喪服を想起させる黒無地スーツは避けるのが無難です。医療系、外資系は特に黒無地を避けるように注意しましょう。
パーティーシーンでは明るめで華やかな印象のカラーもおすすめです。周りと差をつけたコーディネートを楽しみたいという方であれば、ビジネスシーンでは選ばないような色味のものを着用すると、個性が発揮されます。
スーツの柄の選び方
スーツは色や柄で印象が大きく変化するため、シーンに応じた使い分けが必要です。定番の柄はフォーマル度が高い順に無地、ストライプ、チェックです。
無地
無地は最もオーソドックスで、年齢やシーンを選ばずに着用できる万能品です。
ストライプ
ストライプは、ビジネスシーンでも定番。ただし、線の太さや色、間隔によって印象が大きく変わります。縞の線が太く、間隔が広いとカジュアルに見えます。ビジネスシーンでストライプを着用する場合には、線が細く間隔の狭いものがシンプルでスタイリッシュに見えます。初心者は控えめなシャドーストライプを選ぶのがおすすめです。
チェック
チェックは、無地やストライプよりさらにカジュアルな印象が強くなります。別のデザインを買い足す場合やパーティーなどの華やかなシーンにおすすめです。チェックも、柄に複数の種類があるため、シーンに合わせて選ぶ必要があります。
スーツの色や柄が与える印象とは?失敗しない選び方、正しい着こなし方を解説
スーツを選ぶ際、「好みの中からなんとなく」「いつも無難そうなものを選んでしまう」という方も多いのではないでしょうか。スーツの色や柄は周囲からの評価を大きく左右しますので、選び方が重要です。ビジネスシーンにおけるスーツの色柄の効果や失敗しない選び方、シーン別の着こなし術などについて知っておくと、相手の印象すらも味方につけることができます。TPOに合わせた使い分けや正しいマナーをマスターし、周囲と差をつけましょう。
【12】男性と少し違う!女性のスーツマナー

女性のスーツマナーは、男性と共通する部分が多い一方で、気を配りたいポイントがいくつかあります。まず、スカート丈は座ったときに膝が隠れる程度の長さが安心です。短すぎると落ち着きのない印象に、長すぎると重く見えてしまうため、バランスが重要になります。
パンツスーツの場合は、裾が長すぎて引きずるのはNGです。動きやすさと上品さの両方を保つため、立ったときに靴の甲へ軽く触れる長さが目安になります。反対に、くるぶしがはっきり見えるほど短い丈はカジュアルに見えるため、ビジネスでは控えましょう。
ジャケットは立つ・座るで着こなしが変わります。座る際にはボタンを外し、立ち上がるときに戻すとスマートです。髪型やアクセサリーも、控えめで清潔感のあるものを選ぶと安心です。バッグ・靴・スーツの色味に統一感があると全体にまとまりが生まれ、より洗練された印象を与えられます。
女性のインナー選び
女性のスーツでは、ジャケットの中に着るインナーの選び方がとても重要です。とくに白や淡色のジャケットを着る場合、インナーが透けやすいため、ベージュ系やスキントーンのトップスを選ぶと安心です。柄物や光沢の強い素材はカジュアルに見えやすいため、ビジネスでは控えめな色と素材を意識しましょう。
ストッキングは肌の色に近い自然な色味を選び、伝線や色ムラがないかを確認します。意外と視線が集まりやすいため、予備を持ち歩く人も多いです。ヒールは3〜5cm前後の高さが歩きやすく、フォーマル度も保てるため、どのシーンでも使いやすい選択です。
インナーや足元が整っていると、スーツ全体の印象が引き締まり、動きの所作まで美しく見えます。細かな部分ですが、女性のスーツスタイルでは大きな差が出るポイントです。
NG例から学ぶ!初心者がやりがちなスーツのマナー違反

特にスーツ初心者がやりがちなNG例をまとめて解説します。
まず、一番避けたいのが“サイズが合っていない”スーツです。大きすぎるとだらしなく、小さすぎるとパツパツで窮屈そうに見えてしまいます。自分の体にフィットしたサイズを選ぶのが、着こなしの基本です。首元や袖丈、身幅など、自分の体に合ったバランスで着るだけで印象は激変します。
既製品で合わない場合は、オーダースーツを検討してください。フィット感と着こなしが一段とレベルアップします。
そして意外と多いのが、ジャケットの“ボタン全留め”。第2ボタンは留めないのがマナーなのに、律義に全部留めてしまっていませんか?
足元も要注意です。スニーカーやカジュアルな靴下は、業界にもよりますが、ビジネスシーンでは基本的にはご法度です。
“派手すぎるネクタイ”も気を付けるべきポイントです。ビジネスシーンでは、落ち着いた色柄が無難です。
シャツのシワや汚れも印象ダウンの原因になります。高価なハイブランドスーツを着ていても、シャツがヨレヨレだったり、襟元が汚れていたりすると、一気にだらしなく見えてしまいます。
初心者でもできる!格好良くスーツを着こなすコツ
スーツを格好良く着こなすためのポイントは、難しいテクニックよりも「基本の積み重ね」です。まず意識したいのが、清潔感を保つためのケアです。アイロンやスチームでシワを整え、ブラッシングでホコリを落とすだけで、印象は大きく変わります。
次に大切なのがサイズ感です。既製品でしっくりこない場合は、オーダースーツで自分の体に合わせるのがおすすめです。肩幅・袖丈・胸まわり・ウエストなどが身体に自然に沿うと、動きの所作まで美しく見えます。
コーディネートでは「一柄二無地」を意識してください。スーツ・シャツ・ネクタイのいずれかに柄を使う場合、他の二つを無地にすると、まとまりのある着こなしになります。全体に濃淡の統一感が出るよう、色・素材の相性を考えると、さらに洗練された印象になります。
立ち居振る舞いも忘れてはいけません。座るときにジャケットのボタンを外す、歩くときに裾を引きずらない、脱いだジャケットを丁寧に扱うなど、自然な動作にも心配りを加えると、スーツスタイルに自信が生まれます。
小さなルールでも積み重ねれば大きな差になります。「難しそう」と感じる初心者でも、基本を押さえるだけで、誰でも品よくスマートに見せられます。
まとめ:スーツマナーは少しのポイントで好印象に
スーツマナーは、堅苦しい決まりではなく「自分と相手への気配り」を形にしたものです。ボタンの扱い方やサイズ感、シワを残さない着こなしなど、ほんの少しの意識だけで見え方は大きく変わります。清潔感とバランスが整っていれば、どんな場面でも安心して振る舞えるようになります。
初心者でも、今日から実践できるポイントばかりです。基本を押さえるだけで自然と立ち居振る舞いも整い、信頼される装いへと近づけます。「もっと自分に合うスーツを着たい」「よりきれいに見える一着が欲しい」と感じたときは、オーダースーツを選ぶのも一つの方法です。
オーダースーツSADAでは専門スタッフが丁寧に採寸し、一人ひとりのスタイルにぴったりとフィットする1着を仕立てます。スーツを美しく着こなす上で重要なサイズ感は、既製品では得られないクオリティです。シワになりにくい素材やメンテナンスがしやすい素材などもあり、初心者でも美しいスーツスタイルを実現できます。
基本的なスーツマナーと美しいスタイルを描くオーダースーツを身につけ、思い描くとおりの印象を目指しましょう。
貿易業界をはじめとしたビジネスの現場では、第一印象を左右するスーツマナーが欠かせません。これから貿易関連の仕事を目指す方は、服装の基本と業界知識の両方を押さえておくと安心です。
詳しくは【貿易の仕事 どんな種類がある?11種類を一気に紹介!】をご覧ください。
スーツのマナーを紹介しました。スーツのサイズ感と選び方から、ボタン・シャツ・ジャケット・ネクタイ・ベルト・靴・靴下のマナーなどを細かく解説したのでぜひ参考にしてください。面接と冠婚葬祭でのスーツ着用のマナーやスーツをかっこよく着こなすポイントも解説しています。特にビジネスシーンやフォーマルシーンで役にたつスーツのマナーを把握しておきましょう。