【スーツ 一式】スーツ一式の予算目安のアイキャッチ画像
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【スーツ 一式】スーツ一式の予算目安

初めて、スーツを購入する場面に直面した皆さん。「入学式に着て行くスーツはどんなものが良い?」「就活にはスーツにいくらかけるのがいいんだろう…」とお悩みではないですか?大学の入学式や就活など、もはやスーツで行くのが当たり前。高校を卒業してすぐに就職する場合は、入社式が初めてのスーツという方も少なくないでしょう。でも、いきなり「スーツで来い!」と言われても、どんなスーツが良いか分からないのは当たり前です。それぞれの場面でどんなスーツを着て行けばいいのか、周りの予算感がどのくらいなのかは、これからしっかり押さえていきましょう。そしてもちろん、必要なのはスーツだけではありません。シャツやネクタイ、ベルト…など、合わせるアイテムはたくさん。「全部揃えたら何円くらいかかるの!?」と、焦らなくても大丈夫です。今回は、スーツの専門家である「オーダースーツSADA」のスタッフが、一式の予算目安と、入学式や成人式などの節目となるイベントごとの選ぶべきスーツの色柄・合わせるアイテムを解説します。この記事ひとつ読んでおけば、スーツの予算感はバッチリです。ぜひ自分がこれから参列するイベントの項目だけでも、読んでみてくださいね。

人生の節目で着用するスーツスタイル。

一式を揃える場合の予算目安と、その理由をまとめました。

今回は、代表的な場面である入学式、成人式、就活、卒業式、入社式を中心にご説明します。

必要になってから慌てることのないように、計画的に用意しましょう。

基本の一式

スーツスタイルの着こなしで、メンズスーツを着用するにあたって必要になる基本のセットです。

  • スーツ・・・式典用はダークカラー、柄は無地に近い物ほど格式が高くおすすめです。
  • シャツ・・・レギュラーカラーの白シャツが基本です。
  • ネクタイ・・・色はネイビーやボルドー。柄はストライプが無難。
  • ベルト・・・式典は黒のピンバックルが正式です。
  • 靴・・・黒の紐靴が基本。ストレートチップが格式高めで安心。
  • ビジネス用肌着・・・ビジネス用の肌着を着用するのがマナーです。
  • ロングホーズ靴下・・・着席時に肌を見せないビジネス用靴下。靴かスーツと同じ色で選びます。
  • ビジネスバック・・・スーツスタイルに合うバックを持ちましょう。

スーツのポケットは基本使用しません。バックを使用します。

スーツのパンツポケットは物を入れると、着席時に破れやすくなります。

上着の腰ポケットもシルエットが乱れます。

胸ポケットに、薄手の長財布、スマホ程度は入れることが可能です。

  • 基本セットの価格目安・・・5万円前後

スーツは着用時に価格の差が出やすい服です。

高価なスーツは曲線を多用して縫製、安価なスーツはコストを下げるため直線的に縫製します。

縫製の良し悪しが着用時のシルエットに現れるため、スーツ1着の価格は2万円から3万円を目安にしましょう。

シャツ・タイ・ベルトの目安は、各3千円前後と靴下・肌着で約1万円。

バック5千円、靴1万円前後。

身だしなみの基準としての価格目安は、一式5万円と考えた方が安心です。

入学式・卒業式

式典であるため、格式高めで揃えます。

傾向としては、正式なダークカラースーツが大半で、明るめカラーは目立つ印象です。

また、国立と私立で若干違います。

入学式は過去の公式配信などで、雰囲気を見ておくと安心です。

当日、周りの人と少し雰囲気が違ったとしても、お祝いの式典では問題ありません。

安心して参加しましょう。

▼おすすめリスト

  • スーツ・・・濃紺、黒、チャコールグレーの織柄(生地の織りでストライプを表現したもの)が人気。
    明るめを着用したい場合は、ミディアムカラーまでが安心。
    ストライプは細めラインがおすすめ。
  • 靴・・・ブラウンを使いたい場合は焦げ茶にしましょう。
    ベルトの色も焦げ茶に合わせます。明るめのブラウンは避けます。
  • スプリングコート・・・東京よりも北に位置する地域の場合、3月4月はスプリングコートが必要な場合があります。
  • チーフ・・・TVフォールドでさりげなく。無くても大丈夫です。

成人式

式典ですが、実はそれほど格式を問いません。

成人のお祝いであるため、比較的自由度が高く地域差もあります。

きちんと格式を守るのも良いですし、友人とお洒落を楽しんでも大丈夫です。

ただ、写真が残ることになりますので、あまり型破りな着こなしはおすすめできません。

▼おすすめリスト

  • コート・・・真冬であるためコートは必需品。2万円から3万円。
  • マフラー・・・移動時の防寒に便利。
    コートを皮脂汚れから守る意味もあります。
  • ジレ・・・最近はオッドベスト(スーツと生地が違うベスト)も人気で1万円前後です。
    シルバーのベストは華やか、同系色は統一感、ブラックは引き締め効果があります。
  • ラペルピン・・・華やかになる襟飾り。
  • ラインストーンやチェーン付きタイプも素敵です。
  • タイピン・・・ネクタイのノットを少し上げて留めるとお洒落。
  • タイリング・・・ネクタイ用リングです。
  • チーフ・・・華やかさが完成されます。

スーツのアクセサリーやチーフ、マフラーは、各5千円未満です。

アクセサリーは、ネクタイを1と数え、3つまでに絞ることがポイント。

例えば、ネクタイ、ラペルピン、チーフで選ぶと、胸の高めの位置に三角構成ができるためバランスが良くなります。

または、ネクタイ、ジレ、チーフの3点でも、お洒落な装いになります。

スーツにはカジュアルコートやダウンより、スタンドカラーやステンカラーと呼ばれる、かっちりしたコートが非常に良く合います。コートも含めて、カッコ良く着こなしましょう。

就活・入社式

就活の際は、黒無地スーツが基本です。

これは日本だけ、かつ就活限定のルールです。

海外ではビジネスに黒無地を使用しません。

欧米への海外出張の際は、ネイビーかグレーを選びましょう。

日本でも、一般的なビジネスでは黒無地を避けます。

この点は覚えておくと安心です。

スーツは仕立てで印象が変わります。

就活で1万円未満の安価なスーツは避けた方が無難です。

普段スーツを着慣れた人事や採用担当者には、価格がすぐに分かってしまいます。

就活の際に予算を抑える場合は、スーツだけ2万円程度のものを用意し、シャツタイを節約しましょう。

身だしなみを整える事は、先方への敬意の現れでもあります。

逆に、ブランド物の高価なスーツも避けます。

ビジネスの世界では、顧客や上司よりも目立ったり、格式が上になることを避ける暗黙の了解があります。

また、就活の採用担当者は、細かな身だしなみをチェックします。

入社後は、社員の身だしなみが会社の顔となります。

つまり、身だしなみができていないと、それだけで顧客が会社に持つ印象を下げてしまいます。

一流企業の新人は、靴を磨く、シャツの手入れをすることが基本として身についています。

極端な事を言えば、スーツが1万円未満の安価なものだったとしても、身だしなみに非の打ちどころがなければ、かなり印象が良いという事です。

どうしても予算的に厳しい場合は、身だしなみでカバーしましょう。

▼おすすめリスト

  • 名刺入れ・・・金属製は避け革製を選びます。訪問時に落とすと床を傷つけるためです。5千円未満。
  • ハンカチ・・・胸ポケットに入れておきます。面接時汗はハンカチで拭きます。千円未満。

入社式までは、就活スーツを使用できます。

また、入社1年以内は就活スーツがギリギリ許されますが、可能であれば柄の控えめなスーツを新調しましょう。

基本のリストで揃えます。

価格も同様で、一式5万円前後。

  • スーツ・・・シャドーストライプ程度の、無地ではない薄い柄物でダークカラー。
  • シャツ・・・レギュラーシャツか、ワイドカラーの白が無難。
  • ネクタイ・・・色はネイビーかボルドー。柄はストライプか細かいドットなどがおすすめ。
  • ビジネスバック・・・シンプルな黒。
  • ベルト・・・ピンバックルの黒。
  • 靴・・・黒のストレートチップ。(靴ひもを通す部分が固定されている内羽根式がベスト)
  • 靴下・・・黒。

この7点を守ると最も格式高めなコーディネートになります。

入社後、社風が分かったら徐々に色柄を変えましょう。

その際も、上司や顧客よりも派手にならないように注意します。

スーツの値段の違いとは?

「スーツ」と一括りにいってもさまざまな種類があります。リクルートスーツやビジネススーツ、フォーマルスーツ、オーダースーツなのか?既製品なのか?大量生産のものか?といったことや、生地の種類、仕立ての方法、ディテール、ブランドなどさまざまな要因によってスーツの値段の違いが出てきます。

社会人がスーツにかける平均費用や、どの様にして選んでいるのか気になりませんか? 社会人と言っても、年代や役職、仕事内容によって購入するスーツはそれぞれで、今後の目安として参考程度に知っておくとスーツ選びもしやすくなるのではないでしょうか。 

そこでこの章ではスーツの相場の違いについて「生地」「仕立ての方法」「ディテール」「ブランド」の4つの観点から紹介します。

【スーツの相場の違い①】生地の違い

生地の違いという観点から相場の違いを紹介します。

生地の繊維には大きく分けて2つの繊維があり、「天然繊維」と「合成繊維」があります。

「天然繊維」は綿やウール、シルク、麻といった植物や動物の毛などの様に自然の中からなることから天然繊維と呼ばれています。

一方の「合成繊維」はポリエステル、アクリル、レーヨンなどに代表される繊維で、人工的に作られることから工場での大量生産が可能といった特徴があり、別名で「化学繊維」とも呼ばれます。

スーツにおいてよく使用される代表的な天然繊維は、「ウール」が多く使用されます。

ウールは羊の毛を刈って生地に仕上げるため、手間や時間が多くかかることからも生産量が少なくなりがちなのでコストは高くなります。

ウールの特徴として優れた保温性と吸湿性がバランスよく保たれ体が発散する水分を吸収し、空気中に放湿するため、夏場でも湿っぽい感じがありません。

伸縮性にも富んでいることから快適な着心地を楽しむことができます。

一方でスーツにおいてよく使用される合成繊維は「ポリエステル」が多く使用されています。ポリエステルは化学繊維の中でも、もっとも有名でよく知られている素材といえます。石油が原料として作られており、弾力性、耐久性があり、丈夫でシワが出来にくいといった特徴があり、着心地も軽いため実用性が高いといったメリットがあります。

先ほど紹介したウールと混紡されることも多く、独特の光沢感があります。ポリエステルの特徴である速乾性、強度、軽量、シワになりにくいといったポイントはウールの弱点を補うことができるので、ポリエステルとウールの混紡は特に既製品スーツの定番となりつつあります。

混紡の割合で与える印象が変わるのも特徴で、60:40でウールの割合を多くすることで高級感を演出することができるのでおすすめの割合といえます。

逆に40:60でポリエステルが多くなると見た目に安っぽくなってしまうので注意が必要です。ウールの割合が高くなればなる程、見た目の高級感が増すといった特徴があります。ですのでウールとポリエステルの混紡のスーツを選ぶ際には、その割合を意識して選ぶといいでしょう。

また、ウール100%などの高級スーツは手入れが非常に大切になってきます。なんとなくクリーニングに出しておけばいいと思う方もいるかもしれませんが、日々の手入れがもっとも大切になってきます。1日中着たスーツというのは目には見えづらい、たくさんの「埃」や「塵」が付着しています。そして多少なりともシワができ、膝が出たりといった型崩れが起きています。スーツのクオリティによって差はあるものの着用前とのコンディションは確実に悪くなってしまうため、適切な手入れをしてスーツを長持ちさせることが必要になります。

また、織り方によっても生地の質感や性質が異なることも特徴です。代表的な織り方として「平織(ひらおり)」と「綾織(あやおり)」の2つに分けることができます。

「平織」とは最もシンプルな織り方で、丈夫で系と系の間に隙間を作ることができることから通気性の良さを出すことができるのが特徴です。ツヤが出にくいことから主に夏物に使用されることが多い織り方といえます。

「綾織」は織り密度が高く、保湿性や耐久性に優れています。このことから主に冬物に使用されることが多い織り方で、ツヤが出やすいといった特徴があります。

【スーツの相場の違い②】仕立ての方法

スーツの仕立てによっても相場に違いがあります。分かりやすいのが大量生産できる「既製品」のスーツと一人一人の個性に合わせて仕立てる「オーダースーツ」では必然的に値段が変わってくるのは容易に想像がつくかと思います。

オーダースーツのオーダーパターンとして大きく3つに分けることができます。「パターンオーダー」「イージーオーダー」「フルオーダー」といわれる方法があり、それぞれに特徴があります。フルオーダー以外を「セミオーダー」と呼んだりもされますがその実、定義はあいまいで、答えはありません。

では一般的にどのような時に「パターンオーダー」「イージーオーダー」「フルオーダー」と使い分けているのかについて紹介します。

・パターンパーダー

パターンオーダーは初心者や初めてオーダースーツを仕立てるといった方におすすめのオーダー形式です。

名前の通り決められたパターンからオーダーするといった方法で、型紙の自由度が低く、ある程度決められたデザインの中から選ぶ必要があるため、初心者の方は仕上がりがイメージしやすいのではないでしょうか?

型紙の自由度が低いということは、採寸が簡単であり、採寸者の技量に関係なく仕上げることができるので失敗が少ないのも特徴です。

パターンオーダーは一般的に価格を重視する傾向にありますので、仕立てとしてはもっとも簡易的な仕様が採用されることがほとんどです。

外見からは分からない芯地やその他の副資材をコストダウンすることにより、縫製コストを下げるといった設計がされていることもあります。

パターンオーダーを選ぶ上での店の選び方としては、パターンオーダーは「ゲージ」と呼ばれる既製サンプルから採寸するため、このゲージが多い店の方がより自分の体にフィットした1着を仕立てることができるので参考にしてみてください。

他に、オプションが豊富だとパターンオーダーでも個性を発揮してオリジナリティをだすことができるのでオプションで何ができるのか?ということも確認してみるといいでしょう。オプションは別途費用がかかる可能性があるので、併せて確認してみてください。

・イージーオーダー

イージーオーダーはパターンオーダーでは少し物足りないけど、フルオーダーは少しハードルが高いといった方におすすめすることができます。

また、体型や姿勢に悩みを抱えていて、既製品のスーツではなかなか自分に合ったサイズに出会えないといった方もイージーオーダーを試してみる価値があるでしょう。

イージーオーダーはパターンオーダーとフルオーダーの中間のイメージで両者のいいとこ取りをしたオーダー方法ともいえます。パターンオーダー同様に仕上がりをイメージしやすく、体型に合わせた細かな補正をすることが可能ですので、パターンオーダーよりも体型にフィットしたスーツを作ることができます。

また、複数のデザインパターンを用意することにより、幅広いスタイルに対応が可能で、店舗によっては部分的に手書きによる型紙補正や手裁断を行うこともあり、コンピューターだけでは対応できない様な体型の補正、特殊なデザインにも対応できるのがポイントです。

イージーオーダーはパターンオーダーとフルオーダーの中間であることから、型紙の制約が多くパターンオーダーに近いものから、型紙の制約が少ないフルオーダーに近いものまで非常に多くの種類があります。

イージーオーダーでスーツを仕立てる際のコツとしては、自分の作りたいイメージをある程度固めて店に行くといいでしょう。

使用用途、デザイン、色合い、スーツを着る上での悩みなどを明確にして打ち合わせをすることでスムーズな打ち合わせができ、自分の理想に近いスーツができるでしょう。

・フルオーダー

フルオーダーは文字通りフルでオーダーすることができるもっとも自由度が高いオーダーパターンといえます。

メリットはなんといっても型紙の自由度です。手書きで型紙を書き起こすので、どのようなデザインでも対応することが可能となります。人の体はさまざまで、手足の長さや太さが左右非対象の方もいれば、いかり肩やなで肩の方、猫背や鳩胸、出尻、O脚といったそれぞれの個性があります。その個性にしっかりフィットさせることが可能なのがフルオーダーの最大のメリットといえるでしょう。

この様に細かな仕立てが可能で、都度相談しながらオーダーをすすめていくことができるので、安心して自分に合った一着を仕立てることができるでしょう。その分値段設定が高めに設定されていることがほとんどです。

また、フルオーダーの定義はあいまいであり、仮縫いをすればフルオーダーだと謳っている店舗もあり、明確な指標はありませんが、ハンドメイドの工程が多く、自由度が高いものをフルオーダーと呼ぶ風潮があります。

しかしこの章の冒頭でお伝えしました様に「フルオーダー」と「セミオーダー」の言葉の定義はあいまいで、もともとは「フルハンドメイドオーダー」の略がフルオーダーといわれていたのですが、昨今の日本において全て手作業でスーツを作る職人はほとんどいないのが現状です。

つまり「フルオーダー」とは「フルハンドメイド風」という意味と捉えることができます。このように限りなく定義があいまいですよね。 

オーダースーツの製造は、どれだけ分業化が進んでいるか、どれだけ自動化・機械化が進んでいるかの2軸で分けることになります。

最も分業化が進んでいない(1人の職人が採寸、パターン起こし、裁断、縫製、仕上げまで、全行程を行う)、そして最も自動化・機械化が進んでいない(全て手作業で行う)製造方法を「フルハンドメイドオーダー」と呼び、現在でも最高級品として扱われています。

ところが分業化、自動化・機械化を進めていながら、「フルハンドメイドオーダー風」として販売しているオーダースーツショップがある事が、理解を困難にしているのも事実です。

他にも「仮縫い」という工程を入れている事を、「フルオーダー」の証拠と謳っているところも存在しますが、「仮縫い」は、採寸、パターン起こし、裁断、縫製、仕上げまで、全行程を一人の職人が行ってこそ価値を出すことができます。

つまり分業化を進めては、「仮縫い」の価値は出せないのです。

改めて申しますが、オーダースーツの製造手法の違いは、機械化・自動化、そして分業化がどこまで進んでいるかの程度の違いなのです。そして「フル」と「セミ」の境界は決まっておりません。 

では「オーダースーツSADA」が作っているオーダースーツは何になるのかというと「店頭で採寸し、工場のCAD(自動設計システム)がお一人お一人パターンを起こし、CAM(自動裁断機)が1枚1枚生地を裁断し、自動化の進んだラインで縫い上げる」というものです。

言わば「マシーンメイドのオーダースーツ」です。この高度に自動化・機械化、そして分業化が進んだ製造技法で仕立てられたオーダースーツの実力を、是非一度試してみてはいかがでしょうか?

【スーツの相場の違い③】ディテール

ディテール(detail)とは「細部」「詳細」「細かな点」といった意味があります。ではスーツにおけるディテールはどの様なことを指し、相場の違いが生まれるのかについて紹介します。

・襟

まずこだわりたい細部は前から見た際に一番目立つ「襟」です。ここにはオーダーメイドならではの「毛芯」を入れることがあります。既製品スーツでよく使用される接着芯ではなく毛芯を使用することで、耐久性や着心地がよくなります。

特に日本では湿気が多いので接着芯だとヨレが出やすいといった特徴があるため、毛芯を使うことでよりスーツを長持ちさせることができるでしょう。毛芯はハリもあるため、襟の折り返しが立体的になり、シルエットを綺麗に見せてくれる効果が期待できます。

・ラペル

また、襟の「ラペル」の形についてもディテールといえるでしょう。

ラペルとは下襟部分のことを指し、主に「ピークドラペル」、「ノッチドラペル」、「フィッシュマウス」という形に分けられます。

「ピークドラペル」はピーク(先)という名前の通り、襟先が尖ったような形をしているのが特徴で、華やかさや貫禄を出すことができます。既製品でピークドラペルのものは基本的にないので、一目でオーダースーツだと分かる仕様ともいえるでしょう。

「ノッチドラペル」のノッチとは切り込みの意味がありスタンダードで控えめな形をしているのが特徴で既製品のほとんどがこのノッチドラペルによる仕様です。

「フィッシュマウス」は上襟の終点でゴージラインが水平にカットされた刻みの形状が、文字通り魚の口に見えることからこの様な名前となっています。ピークドラペルとノッチドラペルの中間、セミピークドラペルの一種で遊び心が感じられるおしゃれなディテールの一つです。

・ゴージライン

他にも「ゴージライン」があり、これはスーツやジャケットの上襟と下襟の継ぎ目のことをいいます。

ゴージラインの位置が低いと落ち着いた雰囲気の印象になり、逆にゴージラインの位置が高いとキリッとした若々しい印象を与えることができます。

・本切羽

次にこだわりたい細部として「本切羽(ほんせっぱ)」です。

本切羽は袖口ボタンの仕様の一種のことで、袖口ボタンの仕様は大きく分けて2つあり、「本切羽」と「開き見せ」があります。

本切羽は実際に袖口のボタンの開閉をすることが可能で、開き見せというのはボタンはただの飾りで実際に袖口のボタンの開閉が出来ない仕様となっています。

既製品のスーツではほとんどが開き見せが採用されていることが多いのが特徴です。開き見せには2つの種類があり、「並べボタン」と「重ねボタン」があります。

  • 並べボタン=ボタンが縦1列に並んだ仕様
  • 重ねボタン=隣合うボタンが重なった仕様

本切羽はスーツをオーダーする際の醍醐味ともいえ、個性や特別感を演出することができるでしょう。本切羽仕様でスーツを仕立てることでワンランク上の高級感が出ます。端のボタンを1つ外すことでさりげなく本切羽であることがアピールできるだけでなく、ジャケットに抜け感をだすことができるでしょう。

・裏の仕立て

次にこだわりたいのがスーツの裏の仕立てです。

裏地にこだわりがある方も多いと思いますが、ここで紹介するのは「お台場仕立て」です。

お台場仕立ては内ポケットの周りまで裏地を伸ばした、生地で囲う仕立てのことです。東京湾に突き出たお台場のような形をしていることからこのような呼ばれ方をしているといわれています。

生地を多く使用することから、高級スーツやブランドスーツでよく見られる仕様で、既製品ではお台場仕立てはコストがかかってしまうためにあまり見かけることはありません。

お台場仕立てにはジャケットの耐久性を高めるというメリットや高級感を演出することが期待できます。

この様に「襟」「本切羽」「お台場仕立て」にこだわって仕立てることで見えた際にさりげなく、個性や高級感を醸し出すことができるのがディテールへの配慮になってきますが、内容によってはオプションになることも多く、値段についてはしっかりと打ち合わせた上で決めるといいでしょう。

以上のことから相場といった点でみると、当然ながらディテールにこだわったオーダースーツはコストアップしてしまうといえます。

【スーツの相場の違い④】ブランド

ブランドといってもさまざまで、スーツ自体のブランドなのか?生地のブランドなのか?等、意味合いは色々あります。ここではスーツの生地のブランドについて紹介します。

オーダースーツでよく聞く高級生地はウールやシルクなどの天然素材のものが多く使われています。

ウールをベースにシルクを織り交ぜることで高級感のある自然な光沢を演出することができます。光沢がある生地は手触りが柔らかく、見た目の高級感も増します。

生地は産地によって特徴があり、「イタリア産」ではゼニアの生地が最上級とも言われており、各国要人も愛用している生地と言われてます。生地の薄さとツヤ、豊富な種類の柄が特徴的で手触りもよく非常に人気があります。

「イギリス産」の生地の特徴としては耐久性に優れたものが多く、しっかりとした手触りが特徴的で型崩れしにくいため長時間着用してもスッキリとした見た目を維持することができます。昔からある伝統的な柄が多いため幅広い年代から支持されています。

「日本産」は日本の伝統的な織の技術や丁寧な染により長期的に耐久性のある生地に仕上げられています。

また、良い生地を選ぶ基準である「Super’s表示」という指標があります。

Super’s表示とはスーツの生地の品質や繊維の太さを表す数字のことをいいます。

主に、ウールの繊維の平均直径を表し、原毛の繊維が細くなればなるほど、手触りの良い高品質な糸を作ることができ、表示されている数字が高ければ高いほど、高価な生地ということになります。

Super’s表示はウールのみとなりますが高級生地を見極める際の一つの指標にすることができます。カシミヤ、アンゴラ、モヘア、シルクなどのウール以外の天然繊維、ポリエステルなどの化学繊維には使用されないという特徴があります。

「Super’s表示」の決め方としてはPure New Wool(ピュア・ニュー・ウール)を対象とし、一定の範囲の中での繊度の割合で決定されます。

18.5ミクロンの太さの繊維をSuper100’sとし、0.5ミクロンずつ細くなるごとに「Super’s表示」は10ずつ変化していきます。

例えば、Super120’sだと17.5ミクロン、Super130’sでは17.0ミクロンというようになります。

このように品質の高さを表すひとつの目印とも言えるのが「Super’s表示」です。

生地にもいろいろな種類や選び方がありますが、その中でも特に人気が高く、高級ブランドでも多く採用されているのがイタリアの「ゼニア」「カノニコ」「レダ」、イギリスでは「ジョンフォスター」ではないでしょうか。

イタリア産の高級生地は日本でも人気があります。今回押さえておきたい高級生地は4つあります。

・ゼニア

まずは「ゼニア」です。高級紳士服の約30%がゼニアの生地で作られているというほど高級生地を語る上で外せないのが「ゼニア」です。

正式名称はErmenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)でイタリアを代表するファッションブランドで、品質に非常にこだわりを持っていて、最高級の天然繊維をオーストラリアから買い付け、厳選された希少なウールのみを使用していることから高い品質評価を得ており、高級ブランドにも多数採用されているのが特徴です。

スーツ以外にもジャケットやスポーツウェアまで、それぞれ世界で高い評価を得ています。業界で初めて服地の耳にブランドネームを織り込んで品質を補償したのもゼニアといわれています。以上のことから各国の要人や、実業家などハイクラスの方からの人気を得ています。

・カノニコ

2つ目は「カノニコ」です。正式名称はヴィターレ・バルべリス・カノニコで、1663年にイタリア北部のビエラ地区で生まれた350年の歴史がある老舗生地ブランドです。

こちらは世界的にも最も売れている高級生地といえます。柔らかく発色の良いイタリアらしい生地が特徴で、オシャレで上質な見た目なのにリーズナブルであることから非常に人気が高く、スーツブランドだけでなくセレクトショップでも多く取り扱われていることもあります。

見た目だけでなく、高品質のウールを使用した柔らかい肌触りも人気でコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。カノニコの色の冴えと深みはこだわりの一貫生産により再現されています。

カノニコの一貫生産は7つの段階があり、第一段階の洗浄で不純物を除去、第二段階のコーミング、第三段階の紡績で耐久性を高め、第四段階の染色、第五段階の経系成形、第六段階の織り、第七段階の仕上げ加工となります。

この一貫生産にこだわってきたからこそ揺るぎない品質の高さを維持してきたといえるでしょう。

・レダ

3つ目は「レダ(REDA)」です。レダの歴史は、北イタリアビエラ地区ピエモンテの起業家カルロ・レダによって、1865年に設立された羊毛工場から始まりました。

質の高いメリノウールを使った織物に定評があります。

人気の秘訣はなんといってもコストパフォーマンスの良さでしょう。

レダの生地デザインは比較的ベーシックなものが多いですが、生地のやわらかさは抜群で、有名ファッションブランドでも多数取り扱われている生地となります。レダの服地は一見して上質感があり、手触りも光沢も一級品でありながら素材の持つ回復力も抜群なのが特徴です。高級感の割にコストパフォーマンスに優れていることからさまざまなブランドからも選ばれている生地の一つです。

クラシックスタイルからトレンドまで幅広く対応できる服地ブランドとして確立されています。

・ジョンフォスター

4つ目は「ジョンフォスター(JOHN FOSTER)」です。およそ200年前、英国のウエストヨークシャー州ハダーズフィールドのクイーンズベリーにおいて、21歳のジョン・フォスター氏が織物商を営み始め、それが、英国生地の代表格ジョンフォスターの出発点です。

ジョンフォスターは品質の安定度が高く、イタリア生地よりもコシがあり、本格的なイギリス生地よりは軽くしなやかな生地であることが特徴です。イタリア生地とイギリス生地の両方の良さを味わいたいという方におすすめの生地となります。

柄はクラシックテイストのものが多く、仕立て上がったオーダースーツからは品格が醸し出されます。耐久性に優れていて、上記の3生地よりも価格的にもリーズナブルであることからも人気があるのが特徴です。

この様にどの生地ブランドを取り入れるかによって相場は大きく変わってきます。

スーツ種類別の相場

スーツにも色々な種類があり、それぞれに着用シーンがあります。スーツの素材や生地、デザイン、縫製の質などにより相場も変わってきます。この章では主に「ビジネススーツ」「リクルートスーツ」「フォーマルスーツ」「オーダーメイドスーツ」の4種類の特徴と相場について紹介します。

【スーツの種類別の相場①】ビジネススーツ

「ビジネススーツ」とはその名前の通り、ビジネスシーンで着用するスーツのことでビジネスマンのほとんどが着用しているスーツといえます。「シングルスーツ」と「ダブルスーツ」、「スリーピーススーツ」があり、最もスタンダードなシングルスーツは、フロントのボタン配列が1列に並んでいるものを指します。

新入社員からベテランまで幅広い層がオーソドックスに着用しているスタイルといえます。一方でダブルスーツはというと、フロントのボタン配列が2列になっているのが特徴で、ボタンが4つのスタイルと6つのスタイルのものがあります。シングルスーツよりも、重厚感があり、よりフォーマルな印象を与えることができます。ビジネスシーンではシングルスーツを選んでおくと間違いないでしょう。

スリーピーススーツはジャケット、スラックス、ベストの3点セットのことで同素材、同色、同柄で3点揃っている状態のことをいいます。

ビジネススーツの色に関しては主にグレーやネイビーといったダークな色が多いのが特徴で、ブラックスーツもありますが、ブラックスーツは日本特有の文化であり、欧米のビジネスマンがブラックスーツを着用することはありません。

柄は無地のものかストライプの柄がオーソドックスなスタイルといえるでしょう。ストライプにもさまざまな種類があり、チョークで引いたようなかすれたタッチが特徴的な「チョークストライプ」や針先の様な細かい点を連ねて線を書いた主張が少ない「ピンストライプ」、鉛筆で線を引いた様な細い線が特徴の「ペンシルストライプ」などの種類があります。どのストライプもビジネスシーンで着用しても問題ないので自分に合う柄を選ぶといいでしょう。

ではそのビジネススーツの相場はというと、就職活動で使用するリクルートスーツと違い、社会人がビジネスシーンで着用することを目的として作られているため、リクルートスーツよりは相場は高くなります。

ビジネススーツは縫製がしっかりとしているため、耐久性に優れているといった特徴もあります。相場は安価なもので2万円台からで、高価なものになると20万円以上する様な、まさにピンからキリまで幅広い価格帯であります。年代が上がるにつれ、購入するスーツも高価になっていく傾向があります。

・ビジネススーツの相場:約2万円〜20万円

【スーツの種類別の相場②】リクルートスーツ

「リクルートスーツ」は学生が面接や説明会といった就職活動をする際に着用するスーツのことで、柄は無地で、色は黒や濃紺、ダークグレーといった華美にならない様にするのが一般的な着こなしです。

特徴としては繊維がポリエステルの割合が高く作られていることが多いため、シワができにくいので移動や面接を繰り返す学生にはありがたいことでしょう。

しかし、その反面どうしても化学繊維特有のカサカサとした風合いが安っぽく見えてしまうので、就職活動以外で着るのは避けたほうがいいでしょう。

ではリクルートスーツの相場はどうかというと、これまで紹介してきました内容と同じく、どんな生地を使っているのか?縫製はきちんとされているのか?という点で変わってきます。

高品質で値段が高いリクルートスーツを着ているからと言って就職活動が有利になるということはありませんので、一般的によく選ばれているリクルートスーツを選ぶといいでしょう。その価格帯ですが、安価なものだと1万円以下のものから、高価なものでも4万円程度が一般的です。

就職活動でしか着ないので安く済ませようという方もいれば、人生の大勝負の就職活動にできる限りのことをしたいと意気込んで5,6万円以上の高いスーツを買う方もいるので迷った際には相場の中間の値段で検討してみてはいかがでしょうか?

・リクルートスーツの相場:約1万円〜4万円

【スーツの種類別の相場③】フォーマルスーツ

フォーマルスーツとは、冠婚葬祭や式典などの各式の高いシーンで着用するスーツのことをいいます。その種類は多く「モーニング」「燕尾服」「タキシード」「ブラックスーツ」などが挙げられます。フォーマルという言葉には「正式なさま」「公式なさま」という意味があり、その言葉の通り公式な場で着用するのが望ましいスーツといえます。本来「スーツ」とは一対となるセットアップのもののことをいいますので、モーニングコートやイブニングコートのようにジャケットとパンツが一対となっていないものは「フォーマルウェア」と呼ぶのが正しいでしょう。

モーニングとは

前裾から後ろ裾にかけて曲線的にカットされたコートを合わせるスタイルで、昼間に着用する正礼装のことをいいます。

結婚式などでは主に新郎新婦の父親が着用しており、入学式や卒業式で教職員が着用するものとして知られています。レンタルなどもありますが、購入の相場は約6万円〜15万円となります。

燕尾服とは

燕尾服もモーニング同様に正礼装として知られており、こちらは名前の通り燕の尾の様にカットされた特徴的なコートのことで、18時以降に着用する正礼装のことをいいます。

ドレスコードで「ホワイトタイ」といわれる場合にはこちらの燕尾服を着用するようにしましょう。燕尾服は販売している店舗自体が少ないので相場については販売店舗で確認するのがいいでしょう。

タキシードとは

モーニング、燕尾服よりワンランク下の準礼装としてフォーマルな場で着用されるのがタキシードのことです。基本的には夜間、宴席で着用されることが多いタキシードですが、昨今では昼間でも着用されることが多くなってきました。

ドレスコードで「ブラックタイ」とある場合にはこちらのタキシードを着用するようにしましょう。タキシードの相場は約4万円代〜10万円程度です。

ブラックスーツとは

ブラックスーツもタキシードと同様に準礼装として結婚式や葬式で着用されるいわゆる礼服として知られています。一般的に最もよく見かける正装と言えるのではないでしょうか?相場は約2万円〜6万円程度です。

・フォーマルスーツの相場:約6万円〜15万円

【スーツの種類別の相場④】オーダーメイドスーツ

先ほども紹介しました「オーダースーツ」は自分の体のサイズに合わせたあなただけのオリジナルのスーツのことで大きく分けて「フルオーダー」「イージーオーダー」「パターンオーダー」の3種類があり、それぞれにメリットと特徴があるということを紹介しました。今までは既製品のスーツを着ていたけど、オーダースーツを作ってみたいと思っている方は多くいますが、初めてのオーダースーツはどのように作ればいいのか分からないという方や、せっかくオーダースーツを作るなら高級な良いものを作りたいという方もオーダースーツの仕組みが分かる様に紹介します。その上で、比較的安価に仕立てることができるオーダースーツやワンランク上の高級オーダースーツの選び方や相場について詳しく解説していきます。

「高級オーダースーツ」と言われてピンとこない方も多いかと思います。先ほど生地ブランドの観点で相場をお伝えしましたように、生地選びで高級スーツかそうでないかが決まると言っても過言ではありません。生地にもさまざまな特性があり、高級生地としてもっとも有名なイタリアの生地の特徴は柔らかい手触りと上品な光沢があり、鮮やかな色使いと高いデザイン性ということが挙げられます。イギリスの生地の特徴としては、厚みがあり、耐久性に優れているという特徴があります。日本の生地は滑らかさがあり、こちらも耐久性に優れています。また、日本の四季にあった機能性がある素材が豊富なのも特徴です。見た目や触り心地で判断するのは難しいため、スーツの袖のタグをチェックしてみると一目で素材をチェックすることができます。この様に特性を知った上で生地を選ぶとおもしろいかもしれません。

オーダースーツの魅力はなんと言っても自分の体にフィットするということでしょう。体型というのは十人十色であり、既製品で自分の体にピッタリ合うスーツに出会えるということはあまりないと言っても過言ではありません。オーダースーツは自分の体に合わせて採寸するため、体にピッタリの一着ができます。そして体にあったスーツは長持ちするといわれています。理由としてはタイトすぎるスーツだと生地がこすれ合う頻度が高くなり、摩耗して破れやすくなります。特に股下や脇の下はスーツに負担がかかりやすいため注意が必要です。逆にオーバーサイズのスーツではシワやヨレができやすいため、こちらもスーツにストレスを与えることになります。オーダースーツだと自分の体にフィットするためにこの様な負荷がかからず、結果としてスーツを長持ちさせることができるのです。もちろん、スーツの保管方法や手入れの仕方によってスーツの寿命にも影響してくるので手入れについてもスーツを長持ちさせる上で大切です。

他にもオーダースーツは生地やデザインを一から決めることができるので、既製品にはない自分好みのオリジナルの一着を作ることができます。体にフィットしたサイズのスーツで良質な生地を使用して作るスーツは相手に与える印象も良いことは間違いありません。では相場はというとまず生地は何を使うのかによっても変わり、ディテールのオプション内容によっても追加費用がかかってきたり、縫製にどれだけとどの様にオーダーメイドするかによっても価格は変わってきますので、一概にいくらくらいという表現は難しいですが、オーダースーツのなかで最も手頃とされるのが「パターンオーダー」で、生地や繊維、ブランドにもよりますが、2万円~5万円前後と10万円かからずに既製品とあまり変わらない値段でオーダーできることが多いです。

・パターンオーダー

「パターンオーダー」は、ゲージと呼ばれるサンプルを試着することで、自分に合うサイズを選び、その上で着丈や袖丈などを微調整しながら自分の体に合わせていくといった仕立て方法です。ちなみにオーダースーツSADAでは日本国内で、1日の生産着数500着、年間14万着のオーダースーツを製造しており、特に北京工場は、海外縫製のオーダースーツ専門工場としては、最大規模を誇ります。海外縫製のコストメリットに加え、このスケールを活かしての仕入コスト、物流費等の極小化によりスケールメリットを引き出すことでお値段以上のオーダースーツが提供されています。

・価格相場:2万円~5万円前後

・イージーオーダー

「イージーオーダー」は、標準サイズだと体型が合わない人やパターンオーダーでは物足りずもっとデザインや生地を自分好みにアレンジしたいという人におすすめの仕立て方法で、価格の相場は約5万円~20万円前後であることが多いです。イージーオーダーは縫製工場が持っている型紙に体型的・デザイン的な補正を加え、仕立てていきます。自分の好きな生地やデザインを選べますが、一人一人型紙を作らないこと、マシンメイドで仕上げることからハンドメイドのスーツよりコストは抑えられています。

オーダースーツSADAではCAD(自動設計システム)、CAM(自動裁断機)を活用した、自動化・機械化、分業化を究極まで進めた工程で製造されています。通常職人が行うパターン起こし、裁断という工程をCAD、CAMで自動化し、ほとんど職人が関わることなくオーダースーツを製造できていることで1点もののオーダースーツであるのに大量生産が可能になっていることから、高品質なのに低価格でオーダーメイドすることが可能になっています。

・価格相場:5万円~20万円前後

・フルオーダー

「フルオーダー」は着心地やデザイン、ディテールにもこだわった一着を作ることが可能で、1から作り上げていくので、他者と被ることがない自分だけのオリジナルのスーツを仕立てることができます。その分、細部へのこだわりや手間のかかる工程が含まれるので必然的に価格相場は高くなる傾向にあります。相場は約20万円~上限はありません。フルオーダーの特徴としては、一人一人の体型や悩み、個性に合わせたオリジナルの型紙を作り、微調整しながら場合によっては仮縫いを繰り返すということも。これにより本格的な仕立てに入る前にサイズ感やデザインなどに細かい修正が利き、より理想に近い一着を作ることが可能になります。職人による手作業が多く、さらに手間も時間もかかるので値段はどうしても高くなってしまうのです。

オーダースーツSADAでは、体の二十数か所を採寸し、その結果をもとにCAD(自動設計システム)がパターンを起こしてお仕立てするので、体型に癖のあるスポーツ経験者の体にもフィットするスーツを仕立てることが可能です。

・価格相場:20万円~100万円以上上限なし

年代別のスーツ相場

【年代別のスーツの相場①】20代前半

20代前半は新社会人としてデビューするころの年代でスーツを着用する機会も増えてきます。スーツは歳を重ねて着こなしている方が貫禄が合って似合うともいわれますが、

20代前半には20代前半の、その時にしかできない着こなしや、スマートさを演出することができるのでその時にしかできない着こなし方やオシャレをしてみるのもおもしろいかもしれません。ではどのようにスーツを選べばいいのか?というところですが、年代に関係なくスーツの着こなしは自分の身体に合っているのか?といったサイズ感が非常に大事になってきます。サイズが合っていないとだらしなく見えるだけでなく、シワの原因にもなり不恰好になってしまいます。

一方で安いスーツを着ていてもサイズがしっかりとあっているスーツを着ていればスタイルがよく見え、清潔感も演出することができるでしょう。

スーツに慣れていない新社会人はまずは機能性のあるスーツで慣れてから、徐々に良い生地のスーツに変えていくといいかもしれません。最近ではストレッチ素材のものやウォッシャブルスーツなどもあり、機能性で決めてみてもいいかもしれません。相場では2〜3万円程度で機能性も充実したスーツがあるので、20代前半は2〜3万円のスーツを数着用意するといいかもしれません。仮に安っぽく見えても年齢の若さで仕方ないと見てもらえることがあるのでそこまで気にする必要はないでしょう。

・20代前半目安相場:2〜3万円

【年代別のスーツの相場②】20代後半

20代後半はどうかというと、スーツも着慣れてきて、こだわりが出てくる頃でしょう。会社の中でも後輩ができたりと、身だしなみにも注意を払っていかないといけない年代です。

先ほどもお伝えした様に、サイズがあっているのはもちろんですが、オーダースーツでさらにジャストフィットしたスーツを仕立ててみるのもいいかもしれません。最近ではオーダースーツを既製品と同様の価格で仕立てることができるようになってきたことから、初めてオーダースーツを仕立てるという年齢が若くなってきつつあります。初めてオーダーをするという方は試しにパターンオーダーから試してみるといいでしょう。

オーソドックスなカラーのスーツもいいですが、少し柄を取り入れたり、明るめの色のスーツを取り入れてみたりすることで、「こなれた感」を演出しながらスーツスタイルを楽しむのもいいでしょう。相場は3〜高いもので5万円と少し上がりますが、高級感のある生地を選び、20代前半とは差をつけていきたいところです。まだフレッシュな20代後半ですので、明るめ色味のスーツで爽やかさを全面的に出していくのもいいでしょう。ライトグレーや青よりのネイビーを着ることで見た目にも明るい印象を与えることができます。

・20代後半目安相場:3〜5万円

【年代別のスーツの相場③】30代前半

30代になってくると得意先など、ビジネスシーンや商談の際に、より地位の高い人と接する機会が増えてきます。そのため、説得力や信頼感など見た目からきっちりとした印象付けをしていく必要がでてきます。

20代ではフレッシュな印象を与えていたスーツも30代では幼稚だと思われる可能性があります。特に30代からの見た目は社会生活において重要なファクターともいえるでしょう。30代前半のスーツの相場はだいたい4〜7万円程度ですが、この範囲内でスーツを選んでおくと見た目や質も問題なく、安心して着ることができるのではないでしょうか?よりきちんとしたサイズ感のスーツや少し他とは違う個性も発揮したいところなのでオーダースーツを取り入れていくのがおすすめです。パターンオーダーや、ワンランク上のこだわりのあるイージーオーダーでオリジナルの1着を手に入れてみてはいかがでしょうか?

使いやすい無地柄もいいですが、王道とも言えるストライプ柄のスーツを着こなすことで20代では出せなかった大人の着こなしをしてみては?また、ストライプには見た目をスッキリ見せてくれる効果も期待できるのでワイシャツやネクタイも合わせやすく、何とでも相性がいいのでコーディネートしやすいといったメリットもあります。ストライプにも種類があるので、おしゃれに着こなすことで周囲の評価にもつながることでしょう。

・30代前半目安相場:4〜6万円

【年代別のスーツの相場④】30代後半

30代後半ともなると、会社内でも中間管理職や管理職に就いているという方もでてくるのではないでしょうか?ある程度の地位の人が安っぽいスーツを着ていては台無しになってしまいますし、あまり安いスーツを着ていると部下の方がいいスーツを着ているといった状況にもなりかねません。部下や後輩の手本となる行動や身だしなみが求められ、取引先の方とも信頼のおける関係を作っておかないといけません。そこで身だしなみはこれまで以上に大切になってきますので気をつけたいところですね。

スーツの価格だけでなく、生地やディテールにもしっかりとこだわり、見た目に高級感が感じられる様な着こなしが大切ですので、オーダースーツで既製品にはない個性と高級感を演出して、社内外で信頼のおける身だしなみにしてみてはいかがでしょうか?オーダースーツは先ほども紹介した様に、選ぶ生地や縫製内容などによって値段は変わってきますが、30代後半のスーツの平均購入相場は約5〜10万円程度ではないでしょうか。これくらいの金額を出せば既製品でもある程度のスーツを買うことができますし、もちろんオーダースーツを仕立てることも可能になってきますので、目安にしてみてもいいかもしれません。

・30代後半目安相場:5〜10万円

【年代別のスーツの相場⑤】40代

40代になると社内でも重要なポストに就いている方も多いでしょう。高い役職の顧客と打ち合わせをする機会も格段に多くなってきます。スーツの色味もネイビーやグレーのどちらかというとダークな色を選ぶことで落ち着いた重厚な印象を与えることができます。スーツの生地にもこだわりたいところですので、天然素材(ウール)100%の光沢のある素材を選ぶことで高級感と上質な印象を与えることができます。このように40代のスーツは落ち着きだけではなく華やかさも求められるようになり、若い頃よりも求められるものが格段と増えてきます。とは言え独自性を出そうとしてスーツコーディネート全体の色の種類を増やした場合、統一感がなく締まらなくなりますので、色の種類はあまり増やさない方がいいでしょう。スーツ、ネクタイ、シャツ全体で2色〜3色にまとめるのが最適です。スーツの上下だけでなく、革靴やネクタイなどといった細部や小物の色合いも統一した方がいいでしょう。特にネクタイに関しては、その人の印象を決定づけていると言っても過言ではなく、できるビジネスマンは皆ネクタイにかなりこだわっているとさえ言われています。同じトーンのネクタイで大人の雰囲気を出し、まとまったコーディネートにすることも出来れば、異なった色で洗練されたスタイルを出すことも可能です。

シャツの色に関しては、基本的には白色を選択するのがベストです。もしカラーシャツを選ぶ場合は、スーツと同じ系統の色を選択すればまとまりが良くなるでしょう。40代も30代後半と同様に5〜10万円で仕立てれば質感、見た目ともに問題なく、見た目にも「できる上司」となることができるでしょう。

・40代目安相場:5〜10万円

【年代別のスーツの相場⑥】50代以上

周囲からの信頼の獲得が仕事のすすめやすさに影響を与える50代。仕事の実績経験はもちろん、セルフプロデュース能力が求められたり、人によっては役員となり会社の運営を左右する重要なポストに就いている方もいることでしょう。50代のスーツ選びで大事になってくるのは「本物感」です。上質な生地を使用したオーダーメイドの背広を身にまとうことで、周囲への印象を確立したいところです。

そこでおすすめなのがスリーピーススーツです。冒頭でも紹介しましたが、スリーピーススーツとはジャケット、スラックス、ベストの3点セットのことで同素材、同色、同柄で3点揃っている状態のことをいいます。オッドベストを合わせるスタイルもありますがこの場合にはスリーピーススーツとは言いません。オッドベストとは、スーツとセットではなく単品として販売されているベストのことをいいます。ツーピーススーツのインナーとして着用したり、ジャケットを着用せずにシャツの上にベストだけを合わせるといったコーディネートで着用できますので1着持っているとスーツの着こなしのスタイルに幅を持たせることができます。また、スーツの種類にもシングル、ダブル、スリーピースと種類があり、スリーピーススーツはフォーマルな場面や見た目的にもスタイリッシュに見せてくれますので、さまざまなシーンで活用することができます。

スリーピーススーツが人気の理由としてはやはりツーピーススーツに比べて見た目的にもスタイリッシュになり、「出来る男に見える」「かっこいい」「クラシック感の演出」といった見た目によるところが大きいと言えます。またジャケットを脱いだ時にもラフになりすぎずきっちりしているといった印象を与えることもできるのもポイント。シーズンによりますが少し肌寒いくらいの時期から防寒としてもベストを着用することで温度調整ができますので、機能性の面からも人気があります。スリーピーススーツというとクラシックスタイルというイメージもありますが、確かに一時はオヤジくさい、キメすぎ、偉そうに見える等の理由で敬遠されていた時期もありましたが、最近ではクラシック回帰が注目され、昔ながらのスタイルを現代風に着こなすのがトレンドということもあり人気を集めています。

また、スリーピーススーツの人気の色としてはネイビーが挙げられます。その理由としては、ネイビーは着回しを考えた際に圧倒的にコーディネートしやすいという特徴があります。ネイビーは基本的にどの色とも相性がいいため、ネクタイを合わせるのにも迷わずにすみます。またネイビーだとネイビーブレザーとしても使用することができますので、単品のスラックスと合わせることで別のアイテムとして活用することもできることから人気の色として選ばれています。

50代のスーツ選びの相場としては7〜20万円くらいまでが平均価格といえます。あまりに高価すぎるスーツを選ぶと、ビジネスシーンでは着用しずらい場面も出てくることから、シーンによって相場を考えてみてもいいかもしれません。

・50代目安相場:6〜15万円

購入店によるスーツの相場

スーツを選ぶ時に店によって相場が違うので、どこで購入するか迷うといった方も多いのではないでしょうか?そこでこの章では「ショッピングモール」「スーツ専門の量販店」「セレクトショップ」「一流ブランドの正規店」「テーラー」の5つの店舗の特徴と相場を紹介します。

【購入店によるスーツの相場①】ショッピングモール

ショッピングモールの特徴としては既製品の中から選ぶスタイルで、スーツ専門の量販店に比べても種類は少なく、サイズも少ないため自分にぴったりのサイズ感を選ぶのは難しいかもしれません。生地もどちらかというとポリエステルの割合が多く、見た目に安っぽくみえてしまう可能性があるため注意が必要です。最近では質がよくなりつつありますが、スーツの着こなしの肝になる「ジャストサイズ」を見つけるのは難しいかもしれません。その分、相場としてはリーズナブルで安いものだと1万円を切るもの〜2万円程度であることが多いのが特徴で、とにかく着れればいいので安く済ませたいという方にはおすすめではないでしょうか?

・ショッピングモールの相場:約1万円弱〜2万円程度

【購入店によるスーツの相場②】スーツ専門の量販店

スーツ専門の量販店の特徴としては、リクルートスーツやビジネススーツの既製品の品揃えが豊富といった特徴があります。サイズ展開も豊富で、スーツを初めて買うという方やこれから就職活動をするという方にはおすすめといえるでしょう。他にも歩きまわったり、移動が多い営業職の方はスーツの消耗が激しく、頻繁に買い替える必要があるので、既製品で自分に合うサイズがあれば量販店で購入するのもいいでしょう。

スーツ専門の量販店の特徴としては、在庫処分セールや就活応援セール、歳末セールなどのセールをおこなうこともありお得にスーツを購入することができることがあります。ただし型落ちしたものや、デザインが古くなってきたことによる在庫処分によることがあるので、トレンド感を求める場合にはセールは注意が必要です。

他にも、カード会員になれば会員限定のセールをおこなっている店舗もあります。ただし、既製品の中から選ばないといけないため、自分に合ったサイズがないという場合や、近しいサイズはあるけれどジャストサイズではないという場合にはお得にスーツを購入できたとしても見た目で損してしまうことになりますので、その際はオーダースーツを検討してみるといいかもしれません。スーツ専門の量販店の気になる相場ですが、約1万円〜10万円程度となっています。

・スーツ専門の量販店の相場:約1万円〜10万円程度

【購入店によるスーツの相場③】セレクトショップ

セレクトショップの特徴としては他社ブランドを仕入れて販売するといった手法のショップのことで、それぞれのショップがコンセプトに合ったブランドのものを仕入れて販売します。セレクトショップもさまざまで、大手の企業だけでなく、個人経営のショップも存在します。個人経営のショップでは、大手のセレクトショップでは扱わないような系統やニッチなジャンルを取り扱っていることもあり、大手との差別化を図っています。セレクトショップのポイントとしては1つの店舗で複数のブランドを吟味することができるという点ではないでしょうか?スーツブランドについてはあまり数が多くない印象ではありますが、大型のセレクトショップでは複数取り扱っていることもあります。また、スーツ以外のファッションも多く取り揃えていることから、店員のファッションへの関心が高く、知識が豊富ということもあり、トレンド感を取り入れることができるでしょう。スーツ自体はあまりトレンドに左右されないので、流行のカラー等を取り入れてネクタイやシャツとの組み合わせを学んでみるのはいいかもしれません。

気になる相場ですが、大手のセレクトショップのスーツの目安相場は約2万円〜10万円程度となっています。オンラインショップなどのセールなどもあったりするので、実際にはもう少し安くなっていたり、店舗によってはもう少し高いところもあります。

・セレクトショップの相場:約2万円〜10万円程度

【購入店によるスーツの相場④】一流ブランドの正規店

一流ブランドの正規店。大人になるとハイブランドのアイテムを持つことは一種のステータスとも言われます。一流ブランドとは一般的には「歴史のある高級海外ブランド」のことを指し、ターゲットは富裕層としているため高価格であることがほとんどです。その分、ファッション性を兼ね備えた高品質であることが魅力ともいえます。各一流ブランドショップによって、デザイン性や得意分野、色の使い方など、さまざまで好みによって店舗を決めるといいでしょう。既製品から選ぶスタイルもあれば、イージーオーダーやパターンオーダーを採用している一流ブランドショップもあります。当然のことながら、オーダーで仕立てる際は値段もあがります。

一流ブランドもいろいろありますが、相場としては安くても約20万円〜で高いもので100万円を超えるものもあります。ネームバリューもあり、先ほどもお伝えしたようにターゲットが富裕層であることから、高単価であることは間違いないでしょう。

・一流ブランド店の相場:約20万円〜100万円程度

【購入店によるスーツの相場⑤】テーラー

テーラーとはお客様の要望通りにスーツやタキシードといったいわゆる紳士服を仕立てる職業のことです。大量生産とは違い、ひとりひとりに合わせたオーダーメイドでスーツを作り上げていきます。近年オーダースーツの低コスト化によって注目されている仕事のひとつといえます。

テーラーでスーツを仕立てる際の流れとして、まずはどのようなスーツを仕立てたいのかといった打ち合わせを行います。この段階でイメージや希望を具体的なものにしていくために、要望をしっかりと伝えていきます。その後デザインを決めていくために、先ほどの打ち合わせ内容をもとにテーラーと一緒にイメージに近いものを選んでいき、ディテールはどのようにしていくのか?などを決めていき、型紙作りや断裁、縫製といった流れにすすんでいきます。

この様にテーラーとはスーツを仕立てるという職業になるので前述しました「パターンオーダー」「イージーオーダー」「フルオーダー」といったパターンによっても相場は変わってきます。手作業の工程が多い「フルオーダー」がもっとも高価な仕立て方法となります。他にも、どんな生地を選ぶかが非常に重要で、高級生地を使用すればするほど値段は上がっていきます。以上のことを踏まえ、テーラーでスーツを仕立てる際の相場は約3万円〜100万円と非常に幅があるのが特徴です。

・テーラーの相場:約3万円〜100万円程

年代別のスーツコーディネートとその相場

先ほど年代別のスーツの相場について紹介しましたが、年代別のスーツのコーディネートについても気になるポイントだと思います。20代から50代以上の方まで幅広い層の方がスーツを着る中で、年代によって着こなし方や選ぶ色、選ぶスーツや仕立ての方法など違いがでてきます。

【年代別のスーツコーディネートとその相場①】20代

20代前半はスーツを初めて購入するという段階から20代後半にかけて徐々にスーツの手持ちも増えてくるころと考えられます。始めはベーシックな柄やカラーを選んでおくと着回しがしやすく、間違いがないためコーディネートがしやすいのでおすすめです。

スーツの王道ともいえる「グレー」と「ネイビー」のスーツです。どの年代にも言えることですが、グレーとネイビーは共にスーツの定番として知られています。季節を問わず着用することが可能で、ビジネスシーンで取り入れるのはもちろん、フォーマルなシーンでも非常に人気があります。グレースーツは知的で誠実な印象を与えることができることから、ビジネスシーンからカジュアルシーンまでさまざまなシーンで好まれています。

一括りにグレースーツといっても多くの生地や色があり、色の濃淡によっても与える印象は大きく変わるといえます。代表的な違いだと「チャコールグレー」「ミディアムグレー」「ライトグレー」が挙げられ、それぞれに特徴があります。

ネイビースーツは知的、真面目、信頼といった印象を与えることが期待できます。こちらもシーン問わずに着用できることからおすすめの色です。ネイビーも黒に近い濃紺、青に近い紺もありそれぞれ与える印象が変わります。

コーディネートとしては、ビジネスシーンでは基本的に落ち着いたものを選ぶと間違いないです。柄は無地もしくはシャドーストライプのものを選び、ベースはチャコールグレーかミディアムグレーのものが好ましいでしょう。シャツも無地の白や、サックスブルーのものにレジメンタルタイを合わせることで上品にまとまりやすくなります。ネイビーのスーツに白シャツ、同系色のネクタイを合わせることでまとまりのある、落ち着いたコーディネートになります。

カジュアルシーンではチェック柄を取り入れて、おしゃれで華やかな演出をしてみてはいかがでしょうか?ライトグレーのスーツに淡いピンクのシャツを取り入れてみることで個性や明るさを発揮することも期待できるでしょう。ネクタイは無地が基本ですが、シーンによっては柄物を取り入れてみるのもおしゃれのコツといえます。プリント柄のネクタイや、ニット生地のネクタイを合わせることでカジュアルシーンをよりおしゃれに過ごすことができるでしょう。

基本的に暗い色になればなるほど落ち着いた、フォーマルな印象になり、明るい色のスーツを選べばカジュアルでおしゃれな印象になるので、どの様なシーンでスーツを着ることが多いのかを考えて、選んでみると自分のイメージにより近づけやすいかもしれません。

【年代別のスーツコーディネートとその相場②】30代

30代はスーツにも着慣れて、年齢に合わせたスーツ選びをしたいところですね。ビジネスシーンでも重要な場面でスーツを着る機会が増えてくるのではないでしょうか?ネクタイや時計、革靴などの小物にもこだわってできる男性の風格を見た目から演出したいところです。ではどのような色や柄を選べばいいのか?というところですが、基本的にスーツの色としては20代でも紹介した「グレー」と「ネイビー」が基準になってきます。その中でも落ち着いた色味のものを選ぶことで歳相応の落ち着いた雰囲気を醸し出すことができるでしょう。落ち着いた印象を与えたい場合には、チャコールグレーのスーツにベージュやブラウンの小紋柄のネクタイを合わせてみることで、クラシカルで落ち着いた印象を与えることができます。小紋柄は模様が小さいほどクラシカルに、大きいほどカジュアルな印象を与えることができます。

ライトグレーのスーツにブラウンのレジメンタルタイを合わせてみるのもいいかもしれません。線の間隔が狭いほどフォーマルで、広いほどカジュアルな印象を与えます。

ネイビーのスーツに柄もののネクタイ、ストライプのシャツを合わせることで装飾性のあるおしゃれでこなれたコーデとなります。

大人っぽい印象を与えたい場合にはグレースーツにグリーン系のネクタイを合わせることで、大人っぽい印象を与えることが期待できます。シャツはシンプルなライトブルーの無地のものを合わせてみることで、よりネクタイの存在を際立たせることができるでしょう。

30代はスーツの着こなし方で若々しく見せることもできますし、落ち着いたワンランク上の大人の雰囲気をだすこともできる年代ですので、一番スーツを楽しむことができる年代とも言えるのではないでしょうか?

【年代別のスーツコーディネートとその相場③】40代

40代といえば会社でも役職についたり、威厳や貫禄も必要となり、社内でも重要な仕事を任されたり取引先の重要ポストの人と接する機会も増えてくることでしょう。部下や後輩に対しても信頼できる上司としてきちんとしたスーツの着こなしをしておきたいところですよね。ではどのようなコーディネートをすればいいのか?ですが、スーツを着こなすにはサイズ感が非常に大切になってきます。基本的には自分の体に合ったサイズのスーツを着用しますが、貫禄を出したいといった場合にはジャストサイズから少しだけ大きめのサイズのスーツを身につけてみるといいでしょう。ジャストサイズはスマートな印象を与えることができますが、細身のものだとフレッシュな印象を与えますので、40代ではあまりおすすめできないスタイルとなります。

スーツの生地の選び方でも見た目が大きく変わってきます。ウールとポリエステルを織り交ぜたものは若い世代ではいいかもしれませんが、40代になってくると安っぽく見えてしまう可能性があります。できれば天然素材のウール100%の生地を採用することで肌触りや見栄えも非常によくなり、見た目にも高級感が生まれます。おすすめはオーダースーツを仕立てることです。イメージを伝え、上質な生地で仕立てることができるので、まず間違いないでしょう。

40代のコーディネートについては、無地のグレースーツ、無地のネイビースーツに白シャツは間違いないコーデです。どんな場面でも着用することができるので万能なアイテムと言えるでしょう。迷った時は無地を選んでおくと間違いありません。フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも無地は外すことがないので、上質な生地を取り入れることで高級感漂う、シンプルな見た目を演出できます。スーツをシンプルにしている分、少し柄もののネクタイやインパクトのある時計、革靴などの小物で差をつけてみるとおしゃれ度も増します。

ストライプ柄のネクタイを取り入れることでグレースーツやネイビースーツの知的な印象をさらに引き立ててくれるでしょう。ストライプは柄の間隔によって与える印象が変わります。ストライプの幅が広くなるほどカジュアルになってしまうため、ビジネスシーンで着用する場合にはなるべくストライプの幅が1cm以内のものを選びましょう。

チェック柄のネクタイは華やかな印象を与えることができますので、ビジネスシーンはもちろん、パーティーなどで着用することもおすすめです。グレースーツと相性のいいグレンチェック柄を取り入れてみることで個性を発揮することができます。

他にもブラウンのスーツも年齢にも合い、落ち着いた印象を与えることができるので取り入れてみるのもいいでしょう。ブラウンは20代、30代では少しおじさんっぽくなり似合わないことが多いですが、40代だと歳相応のどちらかというとおしゃれな印象を与えることができるでしょう。ブラウンのスーツも着こなしに迷った際には同系色でまとめておくことで、まとまりのある大人の雰囲気を醸し出すことができます。

【年代別のスーツコーディネートとその相場④】50代

50代は会社でも重役についていたり、部下を指導する立場であるためスーツは着こなせて当然といえるでしょう。体型や雰囲気が変化しやすい年代でもあり、スーツの選び方にも気を使いたいところです。50代のスーツの着こなしでポイントとなるのは「落ち着き」「重厚感」「洗練」このあたりを意識して選ぶといいでしょう。上質な生地を使用するのはもちろん、オーダーメイドでしっかりと自分にあったサイズ感の着こなしをしたいところです。40代同様、貫禄という面も意識したいところですのでサイズはジャストサイズよりもやや大きめのものでも問題ないでしょう。他にも20代、30代では着こなすことができなかった「ダブルスーツ」を取り入れてみることでより重厚感のある印象を与えることができます。

50代におすすめしたい着こなしとしては「スリーピーススーツ」も挙げることができます。スリーピーススーツを着ている人を見て印象だけで「仕事ができそう」「紳士的」その様に感じたことはありませんか?ですが逆に偉そうという風に捉えられることもあるので得意先や商談の際には注意が必要です。その理由としてはスリーピーススーツは会社の社長や役員、部長クラスの立場のある役柄の衣装として着用されるケースが多いためです。そのため、初めて会う取引先の方や自分より年上の方に会う際はスリーピーススーツの着用は避けた方が無難かもしれません。特に取引先の前でジャケットを脱いだベストスタイルは避けたほうがいいでしょう。反対に社内で仕事をする際にはベストは効果的なアイテムといえます。社内では上着を脱ぐ機会も多い中、シャツ一枚のスタイルよりもベストがあったほうがきちんとしている印象を与えることができるでしょう。本来シャツは肌着のためベストで隠すことができるため紳士的なイメージを与えることができます。

またスリーピーススーツの選ぶ色によっても与える印象が変わります。黒はシックでクールな印象を、ネイビーは凛々しく誠実な印象を、ブルーは爽やかでおしゃれな印象を、グレーは落ち着いた知的な印象を。この様に選ぶ色でも相手に与える印象は変わりますので、自分がどのような表現をしたいかを基に色を選んでみるのもいいかもしれません。ベストを着ることでジャケットのボタンの位置から立体感と奥行きが生まれ、上品な印象を与え、スタイリッシュなシルエットに見えるという効果が得られます。また、夏場はシャツ1枚になる機会も多いと思いますが、シャツの上にベストを着ることでキチンとした印象を与えることができると同時に、季節の変わり目等外気温との温度差がある時にベストがあることで温度調節が可能となります。他にもベストを着ることで体型を良く見せる効果が期待できます。同型色のベストを合わせることでお腹周りをスッキリとスマートに見せることができるのでスタイルがよく見えるといった効果も期待できます。ネクタイを締めた時のVゾーンに立体感がでるのもメリットです。

ビジネスシーンでスリーピーススーツを着用する際のコーデとして、オーソドックスなシングルベストを着用したネイビーのスーツがおすすめです。ベストは着ているだけでも十分な存在感を放っているので襟付きのものやダブルのベスト等はビジネスシーンでは少し重厚感がありすぎて却って相手への印象を悪くする可能性があります。ネイビーのスーツに同色、同素材のシングルベストを合わせることで爽やかな出来る男を演出できるでしょう。また、ネイビーは着回しもいいのでジャケット単体として使用することもできたりと非常に着こなしやすいことからもおすすめです。

フォーマルな場面でスリーピーススーツを着用する一番のおすすめはなんと言っても結婚式に参列する場面でしょう。本来結婚式に着用するのは礼服が望ましいのですが、昨今はビジネススーツ等で参列するというケースも多くなってきました。そこでベストを着用するスリーピーススタイルにすることで周囲との差別化を図ることができ、おしゃれに見せることができるのでおすすめです。お祝いの席ということもあり多少華やかな演出ができるので着こなしてみてください。

まとめ

今回は、スーツ一式の価格目安とその理由をご説明しました。

入社式後には、研修、配属、ビジネス、冠婚葬祭でスーツの必要性は更に高まります。

スーツはTPOでふさわしい色柄が決まるため、ビジネスや冠婚葬祭で失敗しないためにはかなり気を使います。

そんなとき、スタッフと相談しながら選べるオーダースーツは心強い味方。

是非分からない点は、オーダースーツSADAで気軽にご相談下さい。

スーツにかかる平均予算は約5万円です。基本のスーツスタイルに必要なのは「スーツ」「シャツ」「ネクタイ」「ベルト」「靴」「肌着」「靴下」「ビジネスバッグ」の8点です。スーツが1万円、バッグが5千円、靴が1万円、その他のアイテムで1万円の、計5万円といったところでしょう。入学式や卒業式では、濃紺や黒・チャコールグレーなど暗めのカラーが基本です。かといって明るいカラーがNGなわけではありませんので、ちょっと個性を出していきたい方は、明るすぎない程度に違うカラーを選んでみましょう。成人式は2月と寒い時期のため、基本的には2、3万円のコートが必須です。1万円ほどしますが、シルバーやブラック、もしくはスーツと同じ色のベストもあるとなお良しですね。成人式は地域によって華やかなところもあれば、お堅いところもあります。写真が残るので、羽目を外しすぎない程度にオシャレに着こなすのも良いでしょう。就活や入社式は黒無地スーツが基本。入社後はなるべく、色柄の控えめな黒以外のスーツを用意しておくのがおすすめです。徐々に、社風に合わせて色柄を変えていきましょう。ただし、上司やお客さんより派手にならないよう注意してくださいね。
今回は、男性のスーツの相場に着目してお話してきましたが、女性の場合にも年代やTPOに合わせてスーツを選ぶという基本は変わりません。お伝えした20代、30代のスーツの相場などを参考にしながら納得のいくものを探してみてください。