冬のボーナスの有効活用。今だからこそ、高級生地をご紹介
冬のボーナス(賞与)支給の時期になってきました。最近はリモートワークが定着してきて、スーツを普段着ない方も多いそうです。しかし、着る機会が少ないからこそ、購入するスーツはちゃんとしたものを用意する方も増えてきています。今回は、冬のボーナスの使い道でスーツを考えられている方に高級嗜好な生地と着こなしをご紹介したいと思います。
冬のボーナス(賞与)支給の時期になってきました。最近はリモートワークが定着してきて、スーツを普段着ない方も多いそうです。
しかし、着る機会が少ないからこそ、購入するスーツはちゃんとしたものを用意する方も増えてきています。
今回は、冬のボーナスの使い道でスーツを考えられている方に高級嗜好な生地と着こなしをご紹介したいと思います。
冬のボーナスの使い道
冬のボーナス支給日はいつ?
冬のボーナス支給日は公務員か民間企業の会社員かによって変わります。
国家公務員のボーナス(期末手当と勤勉手当と呼ぶ)は12月10日と決まっているのです。地方公務員も国家公務員にならうことが多いようです。しかし、今年(2022年)の12月10日は土曜日。実際には前日の12月9日に支給されます。
民間企業でも大企業の場合は公務員と同じ12月9日とする企業が多いようです。ただし、中小企業は会社によりけり。大企業と合わせる会社や12月中のいつかに支給する会社、また12月の給与とともに支給する会社もあるようです。
もちろん会社の規模や業績によっては支給されないこともあるので注意が必要です。
金額はどのくらい?
ボーナスはその会社の業績に応じて支払うもの。そのため、会社によって金額はさまざまです。コンサルティング会社のレポート(※1)によると、2022年度の民間企業のボーナスは前年度比+ 2.5%の見込み。改善が続く企業業績や堅調な雇用状況によりボーナスが上昇し、コロナ禍の影響はほぼないようです。
同じレポートによると、国家公務員(管理職や非常勤を除く一般行政職)のボーナスは前年度比-0.1%の見込み。給与法の改正が間に合わず、2021年の冬のボーナスが割高だったのです。今年はその反動によりやや減少することが見込まれています。
(※1)2022年冬のボーナス見通し~コロナ禍の影響は剥落し、本格的な回復が見込まれる~
冬のボーナスの使い道にオーダースーツをおすすめ
もしかすると増えるかもしれない冬のボーナス。あなたはどのように使いたいですか?
しかし、年末年始は思わぬ出費がかさむもの。使い道がはっきりしていないのに気がついたらボーナスの大半がなくなっていることもあるかもしれません。
そこでオススメなのが高級生地を使ったオーダースーツ。住宅ローンやカーローンなど必要な支払いはありますが、残ったお金で思い切って高級スーツをオーダーしませんか?
普段いろいろなことを我慢して頑張っている自分へのごほうびとして。毎日家族のために働いてくれるパートナーへのプレゼントとして。高級なメンズスーツはあなたの思いを形にして、いつまでも残せる一品(ひとしな)なのです。
高級生地の特徴
高級生地にはどのような特徴があるのでしょうか?素材、品質、そして見分け方を説明いたします。
素材
高級生地では基本的に天然素材を使用し、化学繊維は使用しません。ただ、一言に天然素材といっても、その種類はさまざまなのです。
スーツの天然素材として一番ポピュラーなウール
ウールは羊の毛で作られる天然素材でオーストラリアやニュージランドが主な生産地です。後述する高級生地メーカー(ミル)の中にもオーストラリアに自社牧場を持っているミルがあります。
夏は涼しく冬は暖かく着られるのがウールの特徴。なぜ、両方の特徴を持つのでしょうか?まずは夏に涼しく着られる秘密から。ウールは吸湿性に優れているため、空気中の水分を吸収します。その後、吸収された水分が蒸発するときに周りの熱を奪うのです(気化熱)。
次は冬に暖かく着られる秘密。ウールは熱伝導率が低い天然素材です。そのため、寒い季節でもウールの中(スーツの中)に冷たい空気が伝わりづらく、暖かく着られるのです。
他にも糸の耐久性が高いため型崩れしにくかったり、シワになりにくかったりする特徴も。ただし、水洗いをすると縮んで硬くなるという性質があるため、取り扱いに注意が必要です。
生地に光沢を与える職人 シルク
シルクは蚕(かいこ)の繭(まゆ)から糸を紡いで作られる天然素材。国宝や世界文化遺産に登録されている群馬県の富岡製糸場など、かつて日本では多くの製糸工場でシルクが作られていました。
シルクは吸湿性や保湿性、それに放湿性といった天然素材の共通した特徴の他に、生地に光沢を出す特徴を持っています。強い光沢はスーツの品質を高めてくれるもの。ひと目見ただけで高級なスーツとわかるのは、シルクのおかげなのです。ただし、ウールよりもデリケートで摩擦や熱に弱く、縮みやすいという性質が。取り扱いに注意が必要です。
夏用スーツに最適なモヘア
モヘアはアンゴラ山羊の毛で作られる天然素材。トルコや南アフリカ、そしてアメリカがモヘアの世界三大産地に数えられており、中でもアメリカのテキサス州は世界的に有名です。モヘアの特徴は通気性や吸湿性がよく、シルクのような特徴があること。ウールと混紡して夏用のスーツに使用されます。
採取できるタイミングも毛の量も少ないビキューナ
ビキューナはアンデス山脈に生息するビクーニャと呼ばれる、見た目がアルパカに似た動物の毛で作られる天然素材。かつて乱獲により絶滅危惧種となってしまったビクーニャ。保護のため、剪毛作業(毛を刈る作業)ができるのは2年に1回だけ。そして1頭のビクーニャから採れる毛はわずか200g〜300g程度なのです。
動物の毛を原材料とした天然素材の中では最も繊維が細く、豊かな弾力性を持つのが特徴。また、ゴールドを連想させるような光沢もあるので、前述の希少性も相まって「神の素材」とも呼ばれています。
寒いときの強い味方 カシミヤ
カシミヤはカシミヤ山羊の毛で作られる天然素材。カシミヤ山羊が生息しているのは中国、イラン、インド、アフガニスタンなど、冬は極寒でありながら夏は酷暑という厳しい自然環境。カシミヤも希少性の高い天然素材なのです。
細い毛による生地の軽さ、それに保湿性や吸湿性など着心地の良さは抜群。さらに毛を覆う天然の油脂によるヌメリ感や、突起の少ないキューティクルによる光沢など見た目の品質を高める特徴も持っています。
サラッとした着心地のコットン
コットンは綿を紡いで作られる天然素材。吸湿性や発散性にすぐれているため、湿度が高くジメジメした日本の夏でもサラッと着られる生地となります。静電気を帯びにくい特徴もあるため、秋や冬など空気が乾燥する季節でも気兼ねなく身に着けられます。
さわやかな着心地のリネン
リネンは朝の茎で作られる天然素材。他の天然素材より吸水性や発散性にすぐれているため、肌に密着しづらいのが特徴です。そのため、日本のように湿度が高く蒸し暑い夏でもさわやかに着られるのです。
品質
高級生地はその名に恥じない品質を持っているもの。ここでは高級生地の品質を示す指標を説明いたします。
ウールの原糸の太さを示すSuper’s
「Super’s」はウールの繊維(原糸)の平均直径を示す値。数字が大きいほど直径の細い糸となり、より高級な糸となります。Super’s表示はSuper80’S〜Super250’Sまで10ずつ値が大きくなり、対応する糸の平均直径は19.5μm〜11.0μmまで0.5μmずつ細くなるのです。
Super’sの値は110〜120程度が一般的。140〜150以上だと生地がデリケートなため普段着るには気を遣うようになってしまいます。ただし、Super’sを使用するのはウールのみ。他の天然素材(アンゴラ、カシミヤ、モヘア、シルクなど)には使用しませんので注意してください。
糸にした状態の太さを示す番手
「Super’s」は原糸の太さを示しますが、糸にした状態の太さは「番手」を使って示します。おおよそ60番手〜80番手が一般的。糸にした状態の太さは原糸の太さによるので、番手はSuper’sとある程度比例します。
生地の重さを示す目付け(めつけ)
目付けとは幅150cm、長さ1mの生地の重さのこと。例えば先ほどのサイズの生地が240gであったとします。その場合目付けは「240g/m」と表示されるのです。日本では季節ごとに目安となる目付けがあります。春夏は240g/m以下、秋冬は260g/m以上が一般的といわれています。
見分け方
高級生地はどのように見分ければいいのでしょうか?ここでは見分け方のポイントを三つ説明いたします。
まず、スーツの袖をそっと摘んでください。比較が必要ですが、やわらかくソフトな感触なら高級な生地といえます。
次にやや強めに摘んでください。シワがすぐに戻れば復元力があるので、これも高級であるといえるでしょう。
最後は光沢。高級生地はシルクが織り込まれているため、光沢があり高級感が漂っているものです。落ち着いた大人の雰囲気を出したいときに有効です。
生地の生産地
世界には高級生地の産地として有名な場所があります。ここではそのうち2か所を紹介いたします。
イギリス
ハダースフィールド
ロンドンの北200km、マンチェスターの西50kmに位置する人口約15万人の街。生地の生産が盛んなのは良質な水のおかげ。ハダースフィールドはコルネ川とホルム川の合流地点にあるため、生地の生産に適した最高の水を安定的に確保できるのです。
古くからすでに生地の産地として栄えていたところへやってきたのが、19世紀のイギリス産業革命。生地生産の技術や品質が加速度的に発展し、今日にいたるのです。一年を通して気温は2℃〜20℃程度という清涼な気候からも、清らかな水を想像させます。
イタリア
ビエラ
アルプス山脈のふもとに位置しており、山と丘、そして豊かな自然に囲まれた人口約5万人の街。ビエラが生地の生産地として発展したのもハダースフィールドと同様に「水」が理由なのです。
水には硬水と軟水がありますが、硬水の多いイタリアで唯一軟水が流れるのがビエラ。また、生地の生産に適してるのは染料になじみやすく洗浄がしやすい軟水。ビエラはなるべくして高級生地の生産地となったといっても過言ではありません。
生地ブランド
高級生地と一言に言ってもブランドはさまざま。ここでは有名な高級生地ブランドを紹介いたします。
高級ブランド イギリス
ハリソンズオブエジンバラ(Harrisons Of Edinburgh)
1863年、スコットランドで創業したハリソンズオブエジンバラ。古くから信頼性が高く、すぐれたクオリティを誇り欧州の貴族や富裕層に愛されてきました。その秘密はストイックなのに着やすく、品位を感じさせる生地。まさにイギリスの伝統と文化を表しているのです。代表的な生地は次の通り。
・ムーンビーム:生後5か月〜7か月の羊(ラム)の毛(ラムズウール)とアンゴラのミックス。柔らかな肌触りが特徴の希少性の高い生地。
・メルソレア:モヘア54%にリネン46%のミックス。清涼感と気品を持ち合わせたラグジュアリー感が特徴の生地。
ジョンフォスター(JOHN FOSTER)
1819年、クイーンズベリーで創業したジョンフォスター。生地を仕入れて販売するマーチャントとしてスタートしたものの、その後工場を設立して生地の生産するミルに転換しました。
イギリスの生地はハリやコシがある伝統的なものが多い中、ジョンフォスターの生地はイタリアの生地のような柔らかさを持つのが特徴。伝統だけにとらわれない魅力的な生地を、卓越したコストパフォーマンスとともに提供しています。
ホーランド&シェリー(HOLLAND & SHERRY)
1836年、ロンドンのボストンストリートで創業したホーランド&シェリーは工場を持たないマーチャント。ウールをはじめとしてコットンやシルク、それにカシミヤやビキューナなどの高級素材も取り扱っているのが特徴です。
特にビキューナは絶滅危惧種のビクーニャの毛から作る生地ですので、高級生地のなかでも希少性が高いことで有名。イギリス王室やイギリス国内の高級テーラーはもちろん、パリのオートクチュールなどにも生地を供給した実績があります。
テイラー&ロッジ(Taylor & Lodge)
1883年、ハダースフィールドで創業したテイラー&ロッジ。イギリスの伝統的な生地にこだわりを持ち、時間と手間のかかる伝統技術を使って少量生産を続けています。華やかな柄にはあまり縁がなく、ポテンシャルの高い無地のベーシックな生地を作るのが特徴です。
高級ブランド イタリア
ロロピアーナ(Loro Piana)
1936年、クローナで創業したロロピアーナ。最高の品質を保証するために最高級の原材料確保に尽力しているミル。
カシミヤやビキューナなど高級素材の取り扱いではトップであり、ビキューナついてはペルー政府より公認を受けているのが特徴。カシミヤやビキューナだけでなく最高級のメリノウールを使用したサキソニーという生地の取り扱いもあります。代表生地は次の通り。
・ザ・ウェーブ:Super130’Sのウールと世界で最も細いシルク600のミックス。美しく品のある光沢となめらかな肌触りはシルクならでは。
・ビキューナ:ビクーニャの毛を使用した、高級生地の中でも希少性の高い生地。ペルー政府公認のもと世界最大の供給量を誇るビキューナは、美しい風合いとしっとりとした肌触りが特徴。
エルメネジルド・ゼニア(Elmenegirdo Zegna)
1910年、トリヴェーロで創業したエルメネジルド・ゼニア(以下、ゼニア)。原材料に超細番手のウールを選ぶこと、最高級テキスタイル(生地、織物のこと)生産方法を確立したことが特徴。
創業者の思いは自社だけに留まらず地域やコミュニティーの発展も見据えたもの。最も優れた原材料を生産したメーカーにトロフィーを送るなど、織物業界の繁栄や発展も同時に願っているのです。代表的な生地は次の通り。
・トロフェオシルク:オーストラリア産17,5μmのウールと、チャイニーズシルク51%のミックス。従来のトロフェオが持つ滑らかさと光沢、そしてチャイニーズシルクが持つファインで美しい光沢が合わさり、エレガントな生地に。
・クールエフェクト:オーストラリア産のウール生地に染めと仕上げの段階で特別な加工を施した生地。太陽光を80%反射し、表面温度を10℃下げる効果が期待できる。
レダ(REDA)
1865年、ビエラで創業したレダ。ニュージーランドに自社牧場を持っているため、原材料の調達から仕上げまで、一貫生産できる体制を確立しているビエラ最大のミル。最先端の織り機の技術と伝統的な職人の技術を使い分け、「変えていくもの」と「変えないもの」の棲み分けができている特徴があります。
レダが関心を向けるのは製造技術だけではありません。業界をリードする企業にふさわしく、染料を自然界に適したレベルまで分解する、電力の一部を太陽光発電(自家発電)でまかなうなど、環境問題の対策にも取り組んでいるのです。
もちろん、生地のレベルは最高級。発色が良く柄も繊細であるため、気品あふれる高品質の光沢を放つのです。ただ品質が高いだけでなく、コストパフォーマンスにもすぐれているのがレダの特徴です。
ヴィターレ・バルべリス・カノニコ(Vitale Barberis Canonico)
1663年、ビエラで創業したヴィターレ・バルべリス・カノニコ(以下、カノニコ)。他のミルの創業が1800年代以降であることを考えると、圧倒的に長い歴史を持つミル。オーストラリアに自社工場を持ち、ウールでありながらシルクのような光沢と色を持つ生地を作ります。
ウールの中にはゴワゴワした生地もあるのが現実。しかしカノニコの生地は肌触りも実際の重さも軽いという特徴があります。そのため、見た目に重厚感のあるダブルブレストのスーツでも、着用するとそれほど重さを感じない不思議な体験もできます。高い品質とコストパフォーマンスを両立しており、カノニコの企業努力を感じます。
高級ブランド 海外その他
ドーメル(DORMEUIL)
1842年、フランスで創業したドーメル。生地の生産国やメーカー名が書かれている耳文字(タグ)を世界ではじめてつけたのがドーメル。1920年代ですので、今から約100年前の話なのです。アマデウスなど世界中で愛される生地を生産しており、代表的な生地は次の通りです。
・サマーアマデウス:織り組織と原材料であるシルクのおかげで、夏でも快適に着られる特徴がある生地。夏の強い日差しを浴びると、太陽に負けないほどの美しい光沢を放つ。
・アイス:Super120’Sのウール、繊細な輝きを持つモヘア、そして心地のよい柔らかさを持つカシミアのミックス。独特の風合いを持つ現代のフラノ生地(フランネルの一種)の代表的な存在。
スキャバル(SCABAL)
1938年、ベルギーのブリュッセルで創業したスキャバル。1950年代にバンチ(生地のサンプルブック)を世界ではじめて導入したのがスキャバル。イギリスのハダースフィールドの名門ミルを傘下に持つマーチャントのため、希少な生地を含む膨大な生地を世界最大の規模でコレクションしています。代表的な生地は次の通り。
・サミット:Super’s表示でもっとも数値の大きいSuper250’S(平均直径:11.0μm)の糸を最新の技術で織り込んだ高級生地。耐久性をもたせるように仕上げているので、超極細の糸でも安心。
・グレンムーア:ウーステッド(梳毛)ではなくウーレン(紡毛)で作るカジュアルなイメージと感触を持つツイード。手織りの伝統技術により、クラシックなデザインとエレガントさをプラス。
高級ブランド 日本
葛利毛織工業(くずりけおりこうぎょう)
1912年、愛知県の木曽川町(現在の一宮市)で創業した葛利毛織工業。今でも昔ながらの「ションヘル織機」を使用しているのが特徴です。
生地を織るときは経糸(たていと)に緯糸(よこいと)を通すもの。緯糸を飛ばすとき現在の織機では空気や水を使いますが、ションヘル織機では杼(ひ)と呼ばれる流線型のシャトルを使い、ガシンガシンと音をたてながら織ります。そのため、一日に織れる生地の長さが現在の織機に比べて約1/10。しかし、手織りに近い品質になるので希少価値が高く、海外からも高い評価を受けているのです。
御幸毛織(みゆきけおり)
1905年、愛知県の名古屋市で創業した御幸毛織。オーストラリアに自社牧場を持ち、原材料の調達から生地の製造・販売までを行う一貫生産・販売システムを確立しています。「糸一本まで他人には任せない」というポリシーを持ち、1953年には「ミユキテックス」、1958年には「ファンシーテックス」という名の高級生地を発売したのです。
シーズンが変わるごとに新しいラインナップを展開したり、ウールだけでなくモヘアやシルクなど幅広い高級素材を使用したりと、話題に欠かないミル。最先端技術と伝統技術の融合により、品質とコストパフォーマンスを高い次元で融合させているのも特徴です。
日本毛織(にほんけおり)
1896年、兵庫県の神戸市で創業した日本毛織。岐阜県各務原市、兵庫県加古川市、愛知県一宮市に工場を持つ。メリノウールを最高に極めた高級素材MAFや、撥水機能があるWELWARM、ウールとポリエステルフィラメントの混紡であるニッケNagaragawaなどが代表的な生地である。
オーダースーツにおすすめの仕立て
オーダースーツを一生ものとするために欠かせない高級生地。そして、高級生地の使い勝手を高めるために欠かせないのがオプションなのです。ここでは代表的なオプションを紹介いたします。
本バス芯
本バス芯とは馬の尻尾の毛を使ったスーツの芯材(毛芯)。毛が持つ適度なハリと堅牢性が胸周りの立体感を美しく保つ効果を発揮するため、大きなカーブを描いた反りのあるラペルとなります。また、長く着ても型くずれしにくく体に馴染む特徴も。この二つの効果により高級感のあるシルエットが生まれるのです。
本切羽
ジャケットの袖口についているボタン。「飾りボタン」と呼ばれるついているだけのボタンもありますが、「本切羽」(ほんせっぱ)はそうではありません。ボタンを外すと袖口が開くのです。
本切羽はイタリアならではのディテール。スーツに自分のこだわりを取り込みたい本格派の方や、スーツにこなれ感を出しつつ周りと差をつけたい方におすすめ。常にボタンを一つ外したり、左右で外す数を変えたりと着こなし方はあなた次第です。
AMFステッチ
ラペルの縁など目立つ部分に入れるアクセントとなるステッチ。実はこれ、「AMFステッチ」と呼ばれるものなのです。通常のミシンより糸の間隔が広く、まるで手で縫ったような風合いに。現在はAMF社の専用ミシンを使いますが、かつては本当に手で縫っていました。専用ミシンを使うとはいえ、技術も手間も必要ですので選ばれた職人しかできません。
ラペルやポケットにAMFステッチを入れると、縫製に手間ひまをかけた高級な仕立てに見られることも。糸の色を変えるのもオシャレでこだわりのある楽しみ方です。
アップグレード裏地
「キュプラ」と呼ばれるシルクのような着心地を実現する生地を使用。通常使用するポリエステルに比べて吸湿性や放湿性にすぐれるだけでなく、静電気の発生を抑制するという効果も。柄もドット、ストライプ、ペイズリー、それにチェスと豊富で裏地だけでなく雲蓋(ポケットのフタ)にも使われます。
アップグレードボタン
神は細部に宿る。オーダースーツにこだわる方はボタン一つにもこだわるもの。水牛の角を利用した本水牛、贅沢に木材から削り出したナットなど、細部にこだわりを持てるオプションがアップグレードボタンなのです。統一感を持たせてシックに決めるのも、一部のボタンを変えてアクセントにするのもあなた次第。使うほどに味が出てくるのもアップグレードボタンのメリットです。
「オーダースーツSADA」とは
スーツの高級感を決めるのは生地、そして生地の高級感を際立たせるのがオプション。しかし、オーダースーツにとって一番大切なものは他にあります。
オーダースーツにとって一番大切なのは、あなたの体にぴったりとフィットすること。どれだけ高級な生地を使っても、どれだけこだわりのあるオプションをつけても、スーツが体に合っていなければ台無しになってしまいます。
フィットするスーツを大切にする「オーダースーツSADA」がおしみなく労力を注ぐのが採寸。専門的な訓練を受けた「スタイリスト」が、30分という時間を使ってあなたの体を丁寧に採寸します。未経験からスタイリストになるためには3年ほどかかるそう。「オーダースーツSADA」がいかにお客様を大切に思っているか。その思いがもっとも現れているのが採寸なのです。
紹介した生地メーカー(ミル)のうち、ゼニア、レダ、カノニコ、ジョンフォスターは「オーダースーツSADA」で取り扱いがあります。ぜひ、気軽にお近くの店舗でスタイリストに相談してみてください。来店予約はこちらからできます。
早いもので、2022年も残すところあとわずかとなりました。あなたにとって今年はどのような年だったでしょうか?
新しいことにチャレンジして忙しく過ごした方もいらっしゃるでしょう。変わらない日常に退屈しながらも、実直に仕事を積み重ねてきた方もいらっしゃるでしょう。
来年以降のさらなる飛躍に向けて自分へのごほうび、あるいはパートナーへのプレゼントにオーダースーツはいかがですか?
「オーダースーツSADA」は高級生地を通して、日本経済をリードするあなたを応援します。
この記事では冬のボーナスの使い道として高級スーツを紹介いたしました。なかなか買えない高級生地を使ったスーツ。腕を通すだけでバリバリ仕事をしたくなるようなスーツ。世界に一着だけのあなたのスーツを、ぜひ高級生地で作ってみませんか?