スーツのラペル幅とは何?選択時の注意点なども解説!
スーツの「ラペル」とは何かご存じですか?ラペルとはジャケットの下襟のこと。意外と多くの方がこの名前を知らずにスーツを着ています。ラペルは顔に近い部分のため、かなり着ている人の印象を左右する重要なポイントです。ラペルはネクタイ・ワイシャツの首元の見える部分と合わせ、いわゆる「Vゾーン」の彩りを変化させます。そんなラペルには非常に多くの種類があり、それぞれ周りに与える印象が違うのを意識したことはありますか?おそらく既製品のスーツを購入して着ている方のほとんどが、ラペルに種類があることをそもそも知らないのではないでしょうか。既製品のスーツをメインに着用する方のラペルは、おそらくV字型で定番の「ノッチドラペル」です。例えばビジネスシーンでは、先が少し尖った「セミピークドラペル」などのラペルのスーツも着用されます。さらにラペルの幅によっても名前がついており、幅が少し変わるだけでも顔から首元の見え方が変わってきますよ。これらの種類や幅は、着用シーンや他のアイテムの選び方にも影響するので、しっかりと違いを押さえておきましょう。今回はスーツのプロ「オーダースーツSADA」のスタッフが、ラペルについて解説します。
商談や知人の結婚式など、社会人は日常のさまざまな場面でスーツを着用する機会があります。スーツは全体としてある程度決まった形がありますが、ジャケットの柄やネクタイの色など、各部分では大きな違いがみられます。違いがみられる部分の1つに「ラペル」が挙げられます。ラペルとは、ジャケットの下襟を指す言葉で、顔に近いことから少しの差でも着用者の印象を大きく左右します。
この記事ではスーツのラペルについて、概要や相手に与える印象の違い、形・幅の種類、選択時の注意点について解説します。
スーツのラペル幅とは?
ラペルとは、上襟に続く折り返し部分のことで、スーツ全体でも特に目立つ部分です。ラペル幅は、ジャケットにある下襟部分の幅を指します。なお、上襟は「カラー」と呼ばれます。ラペルのような襟回りは顔に近く、スーツを着用した際に対面する相手への印象を大きく左右する、重要な部分なのです。
ラペルの幅もスーツごとに異なり、幅によって相手に与える印象も変わります。着用者の体型や与えたい印象などを考えて選択すると、対面する相手とのコミュニケーションがスムーズになるかもしれません。
スーツのラペルは、詰襟の服から第1ボタンを外した状態が由来とされます。詰襟は陸軍の制服として広く用いられたデザインで、喉元まで襟で覆う形が特徴です。喉を覆った状態では暑くなるため、第1ボタンを外して襟を開くケースが多くありました。詰襟をもとにスーツが作られたとき、厚さをしのげるよう第1ボタンを外した状態の襟が用いられたようです。スーツのラペルにある「フラワーホール」と呼ばれる穴は、詰襟に設けられていた第1ボタンホールの名残とされます。
なお、ラペル幅は購入後に手直しも可能です。ラペル幅は時代ごとに流行の移り変わりがあるため、古いスーツをそのまま着用すると「古臭い」と思われるかもしれません。フラワーホールの位置などを考慮する関係上、手直しにはプロの腕が必要になる点は注意が必要です。お気に入りや形見などのスーツを長く使いたい場合に利用してみましょう。
スーツのラペル幅で与える印象の違い
スーツのラペルにはさまざまなバリエーションがあります。ラペルは幅や形によって着用者への印象が変化し、特に顔から上半身にかけての印象を左右する要素なのです。具体的には、着用者の体型に合わせると似合いやすくなります。傾向として、ラペルが太いほど大柄で体格の良い体型に似合うとされます。スマートな体型の人は細いラペルを、体格が良い人は太いラペルを重視して選ぶと効果的です。
幅だけでなくラペルの形も重要です。広く用いられるラペルの形には、ラペルとカラーの間がV字型の「ノッチドラペル」と、ラペルがとがった上向きの「ピークドラペル」があります。広く用いられる形はノッチドラペルで、場面を問わない無難な印象を与えます。ビジネス・フォーマルなど、幅広い場面で着用できるでしょう。一方、ピークドラペルは華やかな印象を与える形です。お祝いの場面で特に適しています。
ラペルの形の種類
スーツのラペルにはさまざまな形があり、それによって着用した際の印象が大きく変わります。自分の好みや場面などに応じて、適した形のラペルを選びましょう。主なラペルの形としては、以下の8点が挙げられます。
ノッチドラペル
「V字の切り込み」という意味があるノッチドラペルは、ラペルとカラーの縫い合わせ部分がまっすぐになっています。現代ではオーソドックスな形で、どのような場面でも無難に合わせられるでしょう。特に、ボタンが縦1列に配置された「シングルスーツ」と呼ばれるタイプでは定番の形です。
ピークドラペル
「先のとがった」という意味合いのピークドラペルは、ラペルの先端が上向きの鋭角になっています。ボタンが縦2列に配置されている「ダブルスーツ」では一般的な形で、フォーマルスーツでも多く採用されています。一方、ビジネス用途のシングルスーツではあまり使用されません。
セミノッチドラペル
「フィッシュマウス」とも呼ばれる形のラペルです。ラペルが水平に近い角度で処理されており、カラーとあわせて魚の口のように広がっています。カラーの先も丸く処理されていることから、ノッチドラペルよりも優雅で優しい印象を与えやすい形となっています。3つボタンのジャケットによく似合うでしょう。
セミピークドラペル
ピークドラペルからラペルを水平寄りに処理した形です。ピークドラペルよりおとなしく柔らかい雰囲気があるため、ビジネス・フォーマルを問わず着用できます。「個性を出したいがピークドラペルでは派手過ぎる」という場面に最適です。
クローバーリーフラペル
ノッチドラペルからラペルとカラーの角を丸く処理した形で、襟がクローバーの葉のような丸い形になることから由来しています。柔らかく優しい印象を与えるので、ビジネス・カジュアルを問わず着用可能です。コンテンポラリースーツに多く用いられるほか、女性用のジャケットにも多く使用されています。
ローリングダウンラペル
「段返りボタン」とも呼ばれる形のラペルです。ラペルとカラーの合わせ目付近はノッチドラペルと大きく変わりませんが、ラペル下部に折り返った第1ボタンホールが付けられています。なお、ローリングダウンラペルの第1ボタンは飾りのため、無理に閉めないよう注意しましょう。
ショールカラー
ラペルとカラーがつながっている形です。首からショールをかけたように見える襟で、「へちま状」と表現される場合もあります。上品でフォーマルな場面に向いている形のため、タキシードなどに多く用いられます。
ノーカラー
ラペルが設けられていないジャケットです。スーツでありながらカーディガン感覚でも着用可能で、昨今人気が高まっています。カジュアルかつモード感があり、シャープでおしゃれな印象を与えられるでしょう。
ラペルの幅の種類
ラペルは形だけでなく幅のバリエーションも複数あり、形と同様にそれぞれで外見の印象が大きく変化します。見せる相手に与えたい印象や着用者の体型を考えて選択しましょう。
なお、ラペル幅はラペルの角から襟の折り返し部分までを垂直に測ります。
ナローラペル
幅7cm前後の細いラペルが該当します。やや昔に流行したラペル幅で、スタイリッシュな印象が強くなります。細身の人や肩幅があまり広くない人に似合うほか、クリエイティブ系の仕事をしている場合にも適しています。また、モード系ブランドのタイトなスーツにも多く使用されるラペル幅です。比較的カジュアルな場面で使用されるケースが大半ですが、7cm未満のものは着用場面に注意が必要です。
レギュラーラペル
幅8cm前後のラペルが対象です。ベーシックなラペル幅で、流行の変化による影響をあまり受けません。標準的な体型の人に良く似合うほか、流行に左右されない定番スタイルとしても使用されます。基本的には場面を問わないため、ラペル幅に迷った場合はレギュラーラペルを選んでおくと良いでしょう。
ワイドラペル
幅9cm前後の太いラベルが該当します。クラシカルな印象が強く、見る人に安定感や信頼感を与えやすくなるため、比較的大柄な人に似合うラペル幅です。また、公務員のような相手に安心感を与える必要がある仕事にも適しています。ラペルそのものの面積が広いため、色や柄を変えて仕立てるとよりおしゃれに目立たせられるでしょう。落ち着きと同時に華やかさも感じさせますが、場面によっては華美なデザインと感じられる可能性もあります。
スーツのラペル幅を選ぶ際に注意すべき点
ラペルの幅や形は、着用者や場面などによってさまざまな選択肢が考えられますが、注意点があります。対面する相手に悪印象を抱かせないように、適切な形で着こなしましょう。
ラペル幅はカラーと肩の真ん中よりやや内側に合わせる
適切なラペル幅はスーツを着用する人の体型によって異なるため、「何cmが良い」とは表せません。体型を問わず適切とされる幅の目安としては、カラーと肩を結んだ線の真ん中からやや内側にラペルの角が来る程度とされます。線の真ん中にラペルがかかると「太い」と感じやすく、逆に真ん中の線から遠すぎると「細い」と感じやすくなります。ジャケットのボタンを留めて、正面から確認してみましょう。
ラペル幅とネクタイの幅を合わせる
ラペル幅とネクタイの幅は可能な限りそろえましょう。ナローラペルに太いネクタイを合わせたりワイドラペルに細いネクタイを合わせたりすると、外見的にアンバランスな印象を与えるかもしれません。ラペル幅は体型によっても印象が変わるため、自分の体型に合ったラペル幅のスーツとネクタイをそろえておくのが理想的です。
着用する場面によってラペルの形を考える
スーツを着用する場面に応じて、適切な形のラペルを選ぶことも重要です。特に、シングルスーツのピークドラペルは要注意です。結婚式・パーティなどフォーマルで明るい場面に適したスーツのため、普段のビジネスシーンやお葬式などでは悪印象を与える可能性もあります。ノッチドラペルであれば場面を問わず着用できるため、迷った場合にはノッチドラペルのスーツを選びましょう。
ラペルピンは場面に合ったものを選ぶ
ラペルには「ラペルピン」と呼ばれるアクセサリーを付けることもあります。社章やパーティの装飾品などさまざまなパターンがあり、基本的にはフラワーホールに付けます。フラワーホールがないスーツの場合は襟の縫い目から数cm下に付けましょう。
ラペルピンは幅広い場面で使用できますが、場面に合わせて種類を選ぶ必要があります。ビジネスの場では派手なものを避け、結婚式の際には主役である新郎新婦より目立たないものを選びましょう。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
スーツは、ビジネスやフォーマルなど幅広い場面で着用する服装です。デザインや着こなし方などによって対面する相手にさまざまな印象を与えます。場面に合わせつつ自分にもぴったり合ったスーツを着こなせれば、相手に好印象を抱かせやすくなるでしょう。人間関係の構築に役立ち、ビジネスの場であれば商談成立の可能性上昇も期待できます。顔に近いラペル幅は特に意識しやすく重要な部分のため、スーツを購入する際には積極的に意識していきましょう。
スーツにはさまざまなデザイン要素があり、着用者や場面などによって最適なデザインも変化します。既製品のスーツは各デザインが最初から決まっているため、理想的なスーツを入手できない可能性もあるでしょう。確実に理想のスーツを手に入れたい場合は、オーダーメイドが適しています。オーダーメイドのスーツを扱う専門店は全国に存在しますが、中でも「オーダースーツSADA」が特におすすめです。
オーダースーツSADAは、大正時代の1923年に創業した会社で、現在はオーダースーツ専門店として全国に約50店舗を展開しています。歴史と伝統に裏打ちされた技術やノウハウをもとに、数多くのユーザーから非常に高い評価を受けてきました。
オーダーの際はラペルの幅や形だけでなく、ボタンの数やポケットの形、裏地の種類など幅広く選択できます。多くのデザインは無料で選べるため、リーズナブルに理想のスーツを入手できるでしょう。なお有料オプションでは、ボタンや裏地のアップグレードなどが可能です。また、スーツの価格は主に生地素材で決まります。ベーシックの生地素材は27,280円から用意されており、初回の利用であれば5,500円引きの21,780円から購入できるので、特に初めての方は、お得にオーダースーツを手に入れられるでしょう。さらに、オーダースーツSADAでは国内外の生地素材を100種類以上用意しており、色・手触り・ブランドなどから自分に最適なものを選択できます。加えて、ワイシャツのオーダーメイドも可能です。
オーダースーツSADAでは、インターネットでの注文も受け付けています。事前の採寸は忘れずに行いましょう。一度店舗を利用していれば正確な採寸データが残るため、次回以降はインターネットでも手軽に注文できる点も魅力です。ぜひ、オーダースーツSADAであなただけの一着を手に入れてください。
ラペルとはジャケットの下襟のことで、デザインや幅によって種類が分かれています。スーツの定番とされるのは、V字型の「ノッチドラペル」です。フォーマルシーンで着るスーツには、先がとがって華やかさが増した「ピークドラペル」や、少しとがりを抑えた「セミピークドラペル」などのラペルが取り入れられています。タキシードに限っては、カラーとラペルが繋がってへちまのような形状をした「ショールカラー」が用いられることも。カジュアルなシーンでは、角が丸くなった「クローバーリーフラペル」や、そもそも襟のない「ノーカラー」が取り入れられています。さらにラペル幅によって、スタイリッシュな印象になるため細身の人や肩幅が狭い人、クリエイティブ系の仕事をしている人におすすめな、幅7㎝ほどの「ナローラペル」や、標準体型の方を中心にどんなシーンでも使える、幅8㎝前後の「レギュラーラペル」大柄な人におすすめな、幅9㎝前後の「ワイドラペル」と3種類に分類されます。幅が1㎝変わるだけでもかなり印象が変わるので、しっかり押さえておきましょう。またラペル幅はネクタイ幅にある程度合わせるとバランスよく見えます。違いを押さえて、体型やシーンに合ったラペル選びにも気を付けてみてくださいね。