芸能人がなぜ政治家に?タレント候補の特徴的なスーツ着こなし5選
芸能人から政治家に転身すべく、選挙に出馬する方のことを「タレント候補」と呼びます。彼らの最大の武器は、芸能人として培ってきた「知名度」といっても過言ではないでしょう。選挙に勝つためには、有権者が賛同できる公約を掲げたり、選挙活動で知名度を高めたりすることが重要ですが、最初から知名度の高い「タレント候補」は大きなアドバンテージを有している状態で選挙に臨めます。知名度の高さをいかんなく発揮できるのが、参議院選挙における比例代表制です。参議院選挙における比例代表制では、全国を1選挙区とし、有権者は投票用紙に政党名か候補者名を記載して投票します。この合計が政党の得票数となるため、仮に政党自体の人気がなくても、著名な「タレント候補」を抱えていれば膨大な数の票を得られる可能性が高まるのです。政党の議席数確保のために重要な「タレント候補」ですが、政治家に転身した際には服装規定にならい、ふさわしい格好をすることが求められます。芸能人時代のアイコニックな服装では規則違反となる恐れがあるため、政治家らしいスーツスタイルで揃えることが良しとされているのです。この記事では、日本の選挙制度について簡単に触れつつ、「タレント候補」から政治家に転身した著名な人物5名のスーツスタイルについて紹介しています。
「タレント候補」という言葉を耳にしたことはありますか?芸能人やスポーツ選手が選挙に立候補した時によく使われる言葉ですが、彼らはなぜ選挙に立候補するのでしょうか?芸能人としても注目されるタレント候補は、メディアに登場する際のスーツの着こなしも注目されやすいでしょう。この記事では、日本の選挙制度がタレント候補に有利に働く理由、タレント候補のスーツの着こなしについて詳しく解説します。
日本の選挙制度についておさらい
日本の選挙制度では、年齢満18歳以上の日本国民であれば選挙権が与えられます。選挙には、大きく分けて「国政選挙」と「地方選挙」の2種類が存在しますが、今回は国全体の今後を左右する国政選挙を中心的に解説します。
衆議院と参議院の違い
初めに、衆議院と参議院の違いについて解説します。日本の国会は、衆議院と参議院で構成される二院制です。ただし、この二院の関係性は対等ではありません。衆議院と参議院の意見が食い違った場合、衆議院が優先される「衆議院の優越」という規定があります。また、参議院のほうが任期が長い理由には、「良識の府」として政策の持続性や役割を継続させる狙いがあるためです。衆議院では情勢や国民の要望にすぐ応えること、参議院では長期的な議論を行うことが重視されます。
衆議院と参議院は議席定数・任期・被選挙権なども異なります。議席定数は、衆議院が475名。参議院が248名となっています。任期は衆議院が4年、参議院は6年です。最後に被選挙権が与えられる条件が、衆議院は25歳以上の男女。参議院は30歳以上の男女となります。
衆議院の選挙制度
次に衆議院の選挙制度について解説します。衆議院選挙は4年の任期満了に伴う時と解散時に行われます。衆議院では「小選挙区選挙」と「比例代表選挙」の2つの形式で行われ、合計465名の当選者を決めると同時に最高裁判所裁判官国民審査も行われます。制度の仕組みは以下の通りです。
・小選挙区選挙
小選挙区選挙は全国を289の選挙区に分け、各区から1名で合計289名の当選者を決めます。
・比例代表制
比例代表選挙は全国を11の選挙区に分け、政党名を記入して投票を行います。拘束名簿式という方法が採用されており、あらかじめ政党が決めた名簿の上位順で176名の当選者が決まります。
衆議院選挙特有の制度として、比例復活があります。この制度は、小選挙区で落選した場合でも、比例代表で当選する仕組みのことです。小選挙区と比例代表、両方での立候補が必須であるため、政党に所属していない候補者は小選挙区制のみで選挙に挑むこととなります。
参議院の選挙制度
参議院の任期は6年ですが、実際に選挙が行われる頻度は6年ではありません。任期は6年でも参議院には解散の規定がないため、3年おきに半数を入れ替える参議院選挙が行われます。参議院の選挙制度は「選挙区制」と「比例代表制」の2つの形式で行われ、制度の仕組みは以下の通りです。
・選挙区制
参議院議員248名のうち、148名を選挙区制で選びます。半数ごとに入れ替えであるため、1回の選挙で決定される代表者は74名です。
・比例代表制
選挙区はなく全国で1区として投票を行います。選挙の投票用紙には、政党名または候補者名を記入します。政党名と候補者名で書かれた票の数の合計が、その政党の得票数となります。その数をもとに政党ごとの議席数が決められたら、候補者名で書かれた票を多く集めた人から順に当選となります。
タレント候補はなぜ出馬する?
芸能人が選挙に出馬する際、「タレント候補」としてメディアでも度々取り上げられます。両院の選挙を比較すると、参議院選挙のほうに比較的タレント候補が出馬するようです。続いては、タレント候補が出馬する理由を解説します。
政治家は名前を覚えてもらうことが大事
選挙に出馬し、当選人とならなければ政治家になることはできません。そのため各候補者が選挙に出馬する際、自らの信条を掲げると共に有権者に名前を覚えてもらうことが大切です。芸能人として国民に名前が認知されていることは大きなメリットとなります。さらに芸能人の場合は元々獲得していたファンも一定数存在するため、ファン層からの支持も得やすいでしょう。
候補者への1票は政党への1票になる
前項で解説した参議院の比例代表制の場合には、「政党名」と「個人名」のどちらでも投票ができます。個人名で獲得した票も政党の票としてカウントされるため、名前が広く知れ渡っている有名人は有利であるといえます。そのため、政党は芸能人を擁立することで全体の得票数を上げることができ、多くの議席を獲得することが可能です。
スーツは政治家としてのアイコン
議会に出席する政治家には、服装規定が存在します。クールビズなどの一部例外はあるものの「本会議場や委員会室では、帽子や外とう、襟巻などを着用してはならない(参議院規則第209条)」「本会議場では必ず上着を着用すること」がルールです。そのため、スーツは政治家としてのスタンスやブランディングイメージをアピールするためのアイコンともいえるでしょう。
服装規定と政治家の服装に関して、過去に話題となった事例をご存じの方もいるでしょう。後述するアントニオ猪木氏のアイコン「赤マフラー」について、禁止されている「襟巻」に相当するとして着用を諦めています。ほかにも女性議員の「スカーフが襟巻に含まれるか」や「ベレー帽は規則違反」、「沖縄では正装のかりゆしウェアも国会では規則違反」などが度々議論となっています。
政治家へ転身した芸能人のスーツ着こなし5選
次に、政治家へ転身した芸能人のファッションを紹介します。政治家やビジネスシーンでは、マナーに沿った服装であることは自信の知性や教養を示す意味合いがあります。人目を引くようなアイコンもイメージ戦略になる反面、服装規定のようなルールは守らなければいけません。
アントニオ猪木
アントニオ猪木さんは元プロレスラーです。1943年に生まれ、79歳となった2022年に亡くなりました。1960年にプロレスデビューし、1994年に引退しましたが、引退後もプロレスファンから愛されていました。1989年に「スポーツを通じて国際平和」を合言葉にスポーツ平和党を結成。第15回参議院議員通常選挙に比例区から99万3989票を集めて初当選し、史上初のレスラー参議院議員となります。
当時の参議院比例区は政党名の投票であったのに対し、自身の知名度の高さから猪木の個人名を書いた無効票が大量に出たことでも有名です。1994年に1度落選しましたが、2013年に日本維新の会から国政復帰を果たしました。国会での服装は、黒いスーツに赤いネクタイが特徴的でした。また、トレードマークである赤いストールは議員の服装規定により着用を禁じられているため、議会では着用していません。
蓮舫
蓮舫さんは、1967年に生まれ、現在55歳となった女性です。台湾人の父と日本人の母を持つハーフであり、1985年ごろからグラビアアイドルやタレントとして活動していました。
政界入りは2004年。民主党から第20回参議院議員通常選挙に出馬し初当選しました。民主党が解散したのち、民進党代表、立憲民主党参加を経て第26回参議院通常選挙では4位での当選となります。国会での服装は、襟を立てる特徴的な着こなしが話題となりました。
舛添要一
舛添要一さんは1948年に生まれ、現在74歳の男性です。東京大学に進学後に東京大学法学部助手に採用され、ヨーロッパ政治を学んだのちに渡仏しましたが、当時、助手の身分での留学は異例であったそうです。日仏学院やグルノーブル大学にてフランス語研修を受けたのち、パリ大学現代国際関係史研究所客員研究員、ジュネーブ国際研究大学院研究員としてフランス外交史の研究を行います。1979年に東京大学教養学部助教授に就任。フランスを初めとする欧州の政治・外交・安全保障に関する研究を専門とし、国際関係論などを講じていました。
1980年代末からさまざまな討論番組に出演したことで世に知れ渡り、1999年に東京都知事選に出馬。多くの票を獲得しましたが3位で落選となりました。その後の2001年7月、第19回参議院議員通常選挙に比例区から自民党候補として立候補し、158万8862票を獲得してトップ当選。複数回の再選を経て2013年に任期満了に伴う辞任に至りました。2014年には東京都知事選挙に無所属で出馬し、東京都知事に就任。知事時代の五輪招致などの政策が有名です。五輪招致の時期には、信頼感を演出できる色といわれるグレーの装いが多く見られました。
石井浩郎
石井浩郎さんは1964年に生まれ、現在58歳となった元プロ野球選手です。1987年にプリンスホテルに入社。サンシャインシティプリンスホテルに勤務しながらプリンスホテル硬式野球部に3年間在籍し、通算32本塁打を記録しました。その後の1989年度ドラフト会議にて近鉄バファローズから3位指名を受け、同球団に入団しています。
巨人、ロッテ、横浜とさまざまな球団で活躍したのち、2002年にプロ野球選手を引退。政治家としては2010年の参議院選挙で初出馬、初当選を果たします。2022年現在の第2次岸田改造内閣で国土交通副大臣と内閣府副大臣、復興副大臣に就任しました。各地で頻発している激甚災害を受け、均衡ある強靭な国土の発展などに強く取り組んでいるようです。
馳浩
馳浩さんは1961年に生まれ、現在61歳となった元レスリング選手です。初期にはアマチュアレスリング選手として活動していました。しかし、ロサンゼルスオリンピックに出場、予選敗退したことでプロレスラーへと転向します。1985年、ジャパンプロレスに入門。のちの1987年に新日本プロレスに移籍しました。また、教員免許も取得しており、母校の星稜高校で国語の教鞭をとっていたこともあります。
政治家として活動し始めたのは、自由民主党幹事長の森喜朗にスカウトされたことがきっかけです。1995年、第17回参議院議員通常選挙に石川県選挙区から自由民主党の推薦を受けて無所属で立候補し、初当選。その後、2000年から2017年まで衆議院選挙7選を果たし、2021年からは石川県知事として活動しています。
オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?
「オーダースーツSADA」は、全国に実店舗を展開する老舗のオーダースーツ専門店です。長い歴史と伝統で培われた技術やノウハウを生かしつつ、生地の仕入れから縫製・販売までをワンストップで行うことでコストの最適化を実現しています。スーツ選びに苦労されている方や特徴的な体型の方でも、快適な一着が手に入ります。
ベテランのスタッフがスーツに関するお悩みや要望を伺い、ご自身の魅力を引き立てるようなスーツを提案してもらえるでしょう。大きいサイズの割増料金、仕立て1か月以内の寸法調整が無料、ウエストのお直しに関しては永久に無料で実施します。公式サイトから来店予約をしてから店舗へ向かえば、スムーズにオーダースーツの仕立てを進められます。スーツにお悩みの方は、オーダースーツSADAに足を運んでみてはいかがでしょうか。
「衆議院」と「参議院」の選挙制度、および「タレント候補」の担う役割についてご理解いただけたでしょうか。参議院選挙における比例代表制では、政党名と候補者名のいずれかで票を獲得しても、政党の得票となります。そのため、最初から高い知名度を誇る「タレント候補」は参議院選挙に出馬する割合が高いのです。「タレント候補」から政治家に転身した著名人についても紹介しましたが、アントニオ猪木氏を例に挙げると、トレードマークである赤いマフラーは彼のアイコンでもあります。しかし、服装規定に引っかかるため、議会には黒のスーツに赤いネクタイというスタイルで出席していました。蓮舫氏の襟を立てた着こなしや、舛添要一氏のグレースーツなど、規定に引っかからない程度でスーツスタイルに特徴を持たせる着こなし方は、自身のアイデンティティを確立する上で重要といえるでしょう。もし、自分だけの着こなしを実現できるスーツが欲しいと思ったら、長い歴史と実績を持つオーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」で相談してみることをおすすめします。政治家やスポーツ選手、芸能人への仕立て実績も豊富なので、自分だけのオーダースーツを手に入れられるはずです。