ネクタイにおける結び方の種類とおすすめのネクタイとは?のアイキャッチ画像
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ネクタイにおける結び方の種類とおすすめのネクタイとは?

スーツスタイルで、ネクタイの結び方をどのように選んでいますか?一般的な「プレーンノット」「ウィンザーノット」を常用している方が多いのではないでしょうか。ネクタイは結び方の種類で結び目の大きさを変えることが、おしゃれにコーディネートするコツです。また、使用するネクタイの太さを変えたり、素材を変えることで、コーディネートのバランスをとり、周囲の人に与える印象を変えることも可能です。ネクタイの結び方は、今回ご紹介するものだけでも10種類あります。ビジネスシーンやフォーマルシーンでは、場面に適した結び方を選択することがポイントになります。特に、毎日のビジネスで使うネクタイは、合わせるスーツやワイシャツの襟幅に合わせて結び方を変えることで、Vゾーンのバランスを意識することがおすすめです。結婚式などのイベントで着用するスーツでは、視線を集めやすいネクタイをおしゃれな結び方にすることで、華やかな印象を演出することが可能です。スーツスタイルはネクタイを変えるだけで、印象が大きく変わるため、ネクタイに関する知識を持っていると、コーディネートの幅を広げることに役立ちます。今回は、スーツの専門家「オーダースーツSADA」の現役スタッフが「ネクタイの結び方」を10種類ご紹介します。あわせて、毎日のコーディネートを彩るおすすめのネクタイブランドを見ていきましょう。この記事を読めば、ネクタイの基本の結び方は網羅できます。ぜひ、日々のビジネスから冠婚葬祭まで、幅広く取り入れてみてください。

ネクタイの基本知識

ネクタイは、先端が太い方を大剣、細い方を小剣と呼びます。ネクタイの印象は、大剣の幅と結び目(ノット)のサイズで変わるため、合わせるワイシャツやスーツを決めてからネクタイを選ぶことがポイントです。

コーディネートの基本

各アイテムの幅を合わせる

男性のネクタイコーディネートの基本は、大剣の幅に注目することから始まります。大剣の幅と、スーツのジャケットの下襟(ラペル)、ワイシャツの襟の長さが同じものをコーディネートすると、スーツスタイル全体のバランスが美しく整います。

重要なビジネスシーンやフォーマルシーンでは、幅を合わせる基本のコーディネートがおすすめです。トレンドやおしゃれを意識したコーディネートの場合は、幅を合わせないケースもあります。

ワイシャツの襟型で結び方を選ぶ

ネクタイのノット(結び目)は、ワイシャツの襟型で結び方を変えます。襟の開きが狭いレギュラーカラーや近年トレンドのタブカラーなどは、ノットが小さくなる結び方を選ぶことがポイントです。ワイシャツの左右の襟先を結んだ線の内側に入るサイズのノットが、大体の大きさの目安となります。襟の開きが大きいワイドカラーは、胸元のスペースを活かした大きいノットを合わせます。

たるみ糸の使い方

毎日ネクタイを使う場合には、「たるみ糸(スリップステッチ)」があるネクタイがおすすめです。たるみ糸とは、一日使ったネクタイのヨレやたるみを補正するための糸で、大剣や小剣の内側にある細いループ状の糸です。

ネクタイを裏返してテーブルの上に置き、大剣や小剣の先からたるみ糸を少しずつ引きながら形を整えます。シワが目立つ場合は、仕上げにスチームを当てると回復します。
たるみ糸は、ネクタイのホツレや不良と間違われることが多い糸です。ハサミなどで切らないようにしましょう。

ネクタイの種類による印象の違い

ネクタイの種類は、幅と長さ、素材で分類されます。

ネクタイの幅

ナロータイ

大剣のもっとも幅が広い部分の幅が、6cmから7cm程度のネクタイがナロータイです。スリム系のスーツと相性が良く、シャープな印象になります。ワイシャツは、ショートポイントと呼ばれる、襟の長さが6cm程度のものがバランス良く見えます。

ナロータイは、おしゃれ着用スーツに合わせるケースが多く、ややカジュアルな印象のネクタイです。重要なビジネスや格式高い結婚式などでは避けるようにしましょう。

成人式、カジュアルな結婚式や2次会、パーティーシーンなどに向いています。

レギュラータイ

レギュラータイは、流行に左右されない標準的なネクタイ幅が特徴で、大剣の幅は7.5cmから8.5cm程度です。ワイシャツは、レギュラーカラーやセミワイドカラーなどがおすすめです。スーツスタイルの標準的なコーディネートとなるため、ビジネスシーンやマナーが重視される冠婚葬祭にも安心なネクタイです。

ワイドタイ

大剣の幅が9cm以上のネクタイは、ワイドタイと呼ばれます。クラシックな雰囲気が特徴でネクタイの存在感が強く、ダブルスーツやワイドラペルのシングルスーツと相性が良いネクタイです。ネクタイの幅が広い分ノットも大きくなるため、合わせるワイシャツは、襟の開きが大きいワイドカラーが適しています。ワイドタイは印象が強くなるため葬儀では避けます。

ネクタイの長さ

標準サイズ

一般的なネクタイの長さは、140cmから145cmです。
身長が165cmから175cm程度の場合は、標準的な長さのネクタイを使用します。ネクタイを結んだときの長さは、大剣の先がベルトのバックルにかかるくらいが目安です。結び始める際の小剣の位置で、結び終わりの長さを調節できます。

ロングサイズ

ネクタイのロングサイズは160cm程度です。
身長が180cmを超える場合やワイシャツの首周りのサイズが45cm以上の場合は、ロングサイズがおすすめです。標準サイズのネクタイの小剣を調節して着用することも可能ですが、ノットが極端に小さくなったり、胸元のネクタイ幅が細くなったりする可能性があります。特に、結婚式や葬儀用のネクタイは、体型に合ったものを事前に用意しておくことがおすすめです。

ネクタイの素材

シルク

ネクタイの定番はシルク生地です。
冠婚葬祭からビジネスまで、オールシーズンで着用が可能です。光沢が強いものは慶事やパーティー用です。光沢が控えめなものはビジネス向きとなります。

リネン(麻)

カジュアルな印象の素材です。春夏のネクタイに使用されます。

コットン(綿)

カジュアルな素材です。素朴な風合いが特徴の春夏向きのネクタイです。

ウール(毛)

起毛感のあるカジュアルな素材です。秋冬用のネクタイです。

ネクタイの主な結び方

ネクタイの結び方は、着用場面とコーディネートに合わせて選択することがおしゃれのポイントです。代表的な結び方は、プレーンノット、ウィンザーノット、セミウィンザーノットの3種類です。その他の結び方はパーティーシーンなど特別な場面に向いています。

プレーンノット

プレーンノット2

さまざまな結び方があるネクタイの中でも、一番簡単でポピュラーなものとしてプレーンノットが挙げられます。結び方も簡単なため初めての方にも向いています。フォーマルからビジネス、カジュアルまで幅広いシーンで活用できます。

おすすめの着用場面

・ビジネス全般

就活、研修、昇進面接、営業、会議、出張など

・慶事全般

結婚式・結納・顔合わせ・七五三・入学式・卒業式など

・弔事全般

通夜・告別式・法事など

・カジュアル

カジュアルセットアップ、ジャケパンスタイル(ジャケットパンツスタイル)、舞台挨拶の衣装など

プレーンノットはネクタイの基本となる結び方です。もっとも格式の高い新郎新婦の父親が着用するモーニングコートもプレーンノットで結びます。マナーが気になる場合や結び方に迷った場合に選択すると安心です。また、現在はトレンドコーデにも合わせる結び方となっています。

プレーンノットのトレンドコーデ

オフィスカジュアルスタイルでは、ナロータイをプレーンノットで結び、カジュアルセットアップやショートポイントと呼ばれる襟の小さいシャツと合わせることで、カジュアルな雰囲気を楽しむことができます。カジュアルな素材であるリネン、ウールなどを混紡したネクタイやシルクのニットタイを無地で合わせます。

かっちりとしたビジネススーツであれば、レギュラータイをトレンドの襟の開きが狭いタブカラーシャツにプレーンノットで結びます。シルク素材のネクタイを選択します。クラシックでタイトなVゾーンが印象的なコーディネートです。

ポイント

プレーンノットは、正しく結んでもノットの部分が左右対称にならないことがポイントです。綺麗な三角の結び目にならなくても、襟を整えるとやや斜めになる端の部分が隠れるため問題ありません。

また、結び始めの長さのガイドとして、首にかけたネクタイの長さを大剣が小剣の2倍を目安にすると、ベルトのバックルにかかる丁度良い長さで結び終わります。

プレーンノットの結び方はこちら

ウィンザーノット

ウィンザーノットは、イギリススタイルのネクタイの結び方として知られるクラシックな結び方です。正三角形に近い大きな結び目が魅力であり、抜群の存在感があります。襟が大きく開いているワイドカラーシャツにおすすめです。

おすすめの着用場面

・ビジネス全般

就活、研修、昇進面接、営業、会議、出張など

・慶事全般

結婚式・結納・顔合わせ・七五三・入学式・卒業式など

ウィンザーノットを避ける場面

・カジュアル

重厚感のある印象になるため、軽快なカジュアルスタイルでは避ける傾向があります。

・葬儀や法事

葬儀や法事などでは、印象が強く華美になるため避けます。

ウィンザーノットのトレンドコーデ

ワイドラペルのスーツにワイドカラーのワイシャツを合わせ、大剣幅がスーツやワイシャツの襟に近いワイドタイをウィンザーノットでコーディネートします。トレンドのダブルスーツとも相性が良く、Vゾーンが堂々とした印象になります。

ポイント

ウィンザーノットは、正しく結ぶとノットが左右対称な三角形になります。綺麗な三角形の結び目にしたい場合におすすめです。ネクタイをねじらないように巻き付けながら、結び目を作ることがポイントになります。

ウィンザーノットの結び方はこちら

セミウィンザーノット

ウィンザーノット

セミウィンザーノットは、ほど良いボリュームが特徴です。プレーンノットよりも存在感があり、ウィンザーノットよりも控えめな印象になります。そのため使用場面が幅広く、覚えておくことで、コーディネートに変化を付けられます。

おすすめの着用場面

・ビジネス全般

就活、研修、昇進面接、営業、会議、出張など

・慶事全般

結婚式・結納・顔合わせ・七五三・入学式・卒業式など

セミウィンザーノットを避ける場面

・カジュアル

かっちりとした結び目となるため、フォーマル感が増します。そのためセットアップスーツやジャケパンスタイルなどカジュアルな着こなしでは避けます。

・葬儀や法事

葬儀や法事などでは、華美になるため避けます。

セミウィンザーノットのトレンドコーデ

セミウィンザーノットは、ワイシャツの襟型を問わず合わせることができる結び方です。現在スーツのラペル幅のトレンドが、標準幅(8cmから9cm)となっているため、セミウィンザーノットがバランス良く見えます。

一方、オフィスカジュアル向けのスーツには、カジュアル感を出すために、6cm未満のナローラペルも増えてきました。セミウィンザーノットは、ナローラペルのスーツとは相性が悪いため避けましょう。

ポイント

セミウィンザーノットは左右対称な三角形になります。ネクタイをねじらないように胸元を通して巻き付け、引き締めることがポイントです。丁寧に巻きながら結ぶことでノットが綺麗な三角形になります。

セミウィンザーノットの結び方はこちら

パーティーやカジュアル向けの結び方

ダブルノット

ダブルノット1

ダブルノットも、初心者向けの結び方です。どんな体格の人でも合わせやすいため、幅広い人におすすめです。ビジネスの場面だけではなく、冠婚葬祭といったフォーマルな場面でも活用できます。ただし大剣を二重巻きする影響で、プレーンノットよりもボリュームが少し大きくなります。そのことを踏まえて、この結び方を用いる際は細いネクタイを選ぶのがおすすめです。

トリニティノット

トリニティノットは、パーティーシーンにおすすめの結び方です。3つの結び目が重なっていることが他のネクタイの結び目とは違う大きな部分であり、結び目を均等に3等分するように結びましょう。この結び方の場合は、結び目を目立たせることがポイントです。そのため、ネクタイは派手なものを選ばず、無地のものを使いましょう。また、シャツに関しては襟の狭いレギュラーカラーやセミワイドカラーと組み合わせるのがおすすめです。

エルドリッジノット

エルドリッジノットは、ビジネスシーンよりもパーティーシーンに向いている結び方です。一見すると逆三角形の結び目というありきたりなものに見えるかもしれません。しかし、よく見てみると結び目に段差が生まれており、一般的な結び方とは違ったものとなっています。結婚式の二次会やパーティーなど、華やかな雰囲気のコーディネートにおすすめです。

クロスノット

クロスノットも結び目が魅力的なものです。パーティーといった華やかなシーンにおすすめの結び方である一方、結び方が難しいため、初心者向けではありません。もし取り入れたいのであれば、何度か練習してみましょう。この結び方も結び目を目立たせるために、色柄が控えめなネクタイを選ぶのがおすすめ。

スモールノット

スモールノットは、小さな結び目が特徴の結び方です。身長が高い方におすすめの結び方であり、シルエットをさらに美しく見せる意味で襟開きの狭いシャツと組み合わせてみると良いでしょう。

チューリップノット

チューリップノットは、華やかでありながら可愛らしさもある結び方です。チューリップの花のように結び目を締め過ぎないのがポイントで、襟が狭いシャツを選ぶことで上品になります。

ノンノット

最後に紹介するノンノットは不思議な結び方であり、まるで結び目の裏表が逆転しているかのような印象です。カジュアル向きな結び方ですが、きちんと綺麗に結ぶことで魅力的なものとなります。ノンノットを結ぶ際の手順はそこまで多くありません。しかし、綺麗に結ぼうとすると意外と難しいため、何度か練習しておくことをおすすめします。

ネクタイの仕上げ

ネクタイは結び目を作った後の仕上げがポイントです。

ネクタイの結び目とワイシャツの間に、隙間がないように密着させましょう。小剣を左手で持ち、ネクタイの結び目を右手の親指と人差し指で摘まみます。小剣を下に引き、ネクタイを締めながら結び目をシャツの襟部分に密着させます。

ネクタイとワイシャツの間に隙間がない着こなしは、スーツスタイルがシャープな印象になるためおすすめです。

ネクタイのディンプルとは

ディンプルとは、ネクタイのノットの下にあるくぼみです。ネクタイの表面に明暗ができ、胸元を立体的に見せる効果があります。

ビジネスシーン

ディンプルの意味は、見栄えが良いという程度のものであるため、ネクタイにディンプルを作らなければいけないというルールはありません。そのためビジネスシーンでは、忙しいときはディンプルなし、時間がある場合はディンプルを作るなどでも問題ありません。

ディンプルがある事のメリットは、スーツのVゾーンが立体的になり、全体的なコーディネートが引き締まることです。大事な商談や顔合わせなど、印象が大切な場面では、身だしなみに少し時間をかけてディンプルを作ることがおすすめです。

慶事の場合

慶事では、華やかな着こなしがお祝いの意味も持つため、ディンプルを作ることがおすすめです。

弔事の場合

ディンプルには「えくぼ」の意味もあるため、弔事ではディンプルを作らないことがマナーとされています。

謝罪の場合

えくぼの意味もあるディンプルは、謝罪の場面がNGとなります。謝罪の場合は、ディンプルを作らずにネクタイを結びましょう。

ディンプルの作り方はこちら

オーダースーツSADAとは?

オーダースーツSADAは、長年の経験と実績により、独自の自動設計システムを構築したフルオーダースーツの専門店です。職人の手作業に頼っていた高額なフルオーダーの工程を、システムによって効率化し、既製服と変わらない価格を可能にしました。

オーダースーツSADAでは、採寸した数値を元にオリジナルの型紙を作成します。フルオーダーの立体的で美しいシルエットと、快適なフィット感をぜひお試しください。

ご予約はこちらから

今回は、ネクタイについてご紹介しました。ネクタイの締め方は、基本からおしゃれなものまでありますが、重要なことは場面にあった結び方を選択することです。スーツスタイルでは、格式が高い場面やマナーが重視される場面では、おしゃれよりもルールを守ることが大切です。TPOに合ったコーディネートを選択し、場の雰囲気を乱さないことを意識しましょう。重要な場面ではシンプルな結び方であるプレーンノットやセミウィンザーノットなどの結び方をするのが安心です。定番のシルクのネクタイを、スーツやワイシャツの襟幅に合わせて選択することで、バランスの良い着こなしになります。近年トレンドのコーディネートを取り入れる場合は、カジュアルとフォーマルで流行が異なるため注意が必要です。オフィスカジュアルスタイルで着用されるようなカジュアルセットアップでは、ナロータイやニットタイのようなネクタイ自体がカジュアルな印象を持つタイプをプレーンノットで合わせます。かっちりとしたビジネススーツでは、タブラーシャツにプレーンノットで結ぶケースと、ワイドカラーにウィンザーノットなどを合わせるスタイルが定番となっています。視線を集めやすいVゾーンのネクタイは流行が反映される部分でもあるため、スーツを新調する際に同時購入がおすすめです。

三好星良
投稿日
最終更新日

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