タキシードの歴史やネクタイの選び方・購入とレンタルのメリットとデメリットを解説!
タキシードといえば結婚式やパーティなどでしか着る機会がなく、あまり着たこともない方が多いのではないでしょうか。
あまり詳しく知らない方も多いと思いますので、今回はタキシードについて詳しく解説します。
タキシードの歴史
タキシードといえば結婚式やパーティーなどとてもラグジュアリーな空間で着用するイメージがあると思います。
夜のフォーマルなスタイルとして着られるタキシードですが、タキシードが登場するまでは夜のフォーマルなウェアとして燕尾服が着られていました。
タキシードはどのように誕生したのか、タキシードの歴史を見ていきましょう。
最初の原型はヨーロッパ
1870年代までは、男性の服装といえば決まって丈の長い燕尾服の着用が一般的でした。
そんな中ヨーロッパの一部の地域の社交界や賭博場では燕尾服の裾を短く切ったデザインのジャケットが流行していました。
普段の生活でくつろぎながら着れる洋服ということで、喫煙する際に着る喫煙服をモチーフにつくられたものです。
喫煙服ということで名前も「スモーキングジャケット」と呼ばれていました。
当時のイギリス皇太子のエドワード7世がヨーロッパのカジノに立ちよった際に、スモーキングジャケットが目に留まったそうです。
とても気に入った様子で英国に持ち帰り、スモーキングジャケットのファッションを取り入れて自身でパーティなどで着用するようになりました。
そんな中、イギリスの高級リゾート地であるカウズのディナーの際にエドワード7世がスモーキングジャケットを着用することで他の人にも広まっていったそうです。
現代ではデザイナーなどがファッションの流行を起こしていますが、当時は服装の自由はあまりなかったので、このように自由がきく貴族がファッションの先端を担っていました。
それまでは男性の夜の正装といえば燕尾服であることが基本でしたが、エドワード7世の着用をきっかけに取り替わっていきました。
このカウズの名にちなんで「カウズジャケット」とも呼ばれていたそうです。
この頃はタキシードという言葉はまだ誕生していませんでした。
アメリカで「タキシード」が誕生
タキシードという言葉はアメリカで誕生しました。
1886年にアメリカのニューヨークのタキシードパークという場所で舞踏会が開催されました。
やはり当時の男性の正装といえば燕尾服だったので全員が燕尾服を着ていましたが、主催者のグリスウォルト・ロリダートは真っ赤なスモーキングジャケットを着ていたのです。
全員が燕尾服を着ていた中で真っ赤なジャケットを着ていたなんてとても驚きですよね。
燕尾服は黒色なので真っ赤な洋服を着たグリスウォルト・ロリダートがかなり目立ったことは想像に難くないでしょう。
なぜ彼が真っ赤なスモーキングジャケットを持っていたのかというと、彼が以前にヨーロッパを訪れた際に真っ赤なハンティングジャケットを着て狩猟をしていたのを真似たからだと言われています。
このハンティングジャケットはエドワード7世が取り入れたスモーキングジャケットが発展していったものです。
そのようなフォーマルな場で間違えた正装をしてしまったため当時の人々に大きなインパクトを与え、アメリカでもスモーキングジャケットが広まっていきました。
非常に印象的な出来事でもあるので、この出来事はタキシード事件とも呼ばれています。
それから十数年の時を経て形を変えて「タキシード」が誕生しました。
名前もこのような事件があったニューヨークのタキシードパークにちなんで、タキシードという名前になっています。
タキシードと燕尾服の違いは何?
後ろの裾の長さ
タキシードと燕尾服の一番の違いといえば、やはりこれまでにも述べているように後ろの裾の長さです。
燕尾服は後ろの裾が長く作られていて、タキシードはジャケットと同じくらいのながさになっています。
前身頃はジャケットより少し短くベストくらいの長さです。
燕尾服の「燕」という字は訓読みで「つばめ」と読み、名前の通り燕尾服を着ている人を横から見ると鳥のつばめのように見えます。
後ろの裾は二つに割れているのも特徴です。
格式の違い
タキシードと燕尾服は礼装と呼ばれますが、礼装には格式があるのをご存じでしょうか。
礼装の種類は3つあり正礼装、準礼装、略礼装の順で格式が高くなっています。
タキシードと燕尾服はどちらに当てはまるのかというと、タキシードは準礼装、燕尾服は正礼装に当てはまります。
燕尾服の方が格式が高いですが実際は近年では着用機会が減っており、夜の正礼装としてタキシードが着られています。
ドレスコードにホワイトタイという風に指定があった場合は燕尾服を着用しなければなりませんが、そうでない限りはあまり気にせずタキシードやジャケットなどで代用しても良いでしょう。
タキシードを着るべきシーンとは
タキシードは基本的に結婚式やパーティ、結婚式披露宴に主賓として出席する時、ドレスコードに「ブラックタイ」と指定があるときに着用されます。
しかし現代では正礼装と準礼装を兼ねることも多くなってきていて、あえて着用することで非日常を演出することが出来ます。
さらにタキシードは夕方以降の礼装として着用することが一般的でしたが、今では昼間の着用も少なくありません。
積極的に着用して、おしゃれの幅を広げていってみてはいかがでしょうか。
ちなみにタキシードはお通夜や法事では絶対に着てはいけません。
イメージにもあるかもしれませんが、タキシードは華やかな場所、お祝い事など楽しい場面で着用されます。
お通夜や法事は喪服など、他にするべき服装があるのでそちらに合わせるようにしましょう。
タキシードを選ぶポイント
タキシードといえば結婚式で着ることが多いと思いますが、一体どのようなものを選べばいいか悩んでしまいますよね。
実は日本では新郎が着用する洋装の服装のことを「タキシード」と呼んでいます。
燕尾服とタキシードは厳密には異なりますが、ここでは同じタキシードとして扱います。
結婚式によく着る衣装としては、正式なタキシードを含めて「モーニングコート」「テールコート」「フロックコート」の4種類があります。
それぞれどのようなときに着るべきか、場合ごとに見ていきましょう。
新婦の衣装に合わせる
まずは新婦の衣装に合わせる場合を見ていきます。
クラシカルなドレス
ロングトレーンなどのクラシカルなドレスには一番格式の高いテールコートがおすすめです。
黒のテールコートがクラシカルなドレスにはピッタリです。
ゴージャスなドレス
ゴージャスなドレスには新婦の華やかさに負けないように、新郎の方も色はライトグレーやシルバーで光沢のあるタキシードを選ぶと新婦とのバランスも非常に良くなるでしょう。
ナチュラルなドレス
ナチュラルなかわいらしいタイプのドレスには明るい色のモーニングコートを着るのがおすすめです。
以前は昼の正礼装としてフロックコートが着用されていましたが、近年ではモーニングコートの着用が一般的になっています。
このように格式はテールコート、タキシード、モーニングコートの順に高くなっているので新婦のドレスに合わせて適切なタキシードを選んでいきましょう。
体型に合わせる
次は体型に合わせたタキシードを見ていきましょう。
背が低い方
背が低い方は大きすぎないタキシードを選ぶことがおすすめです。
テールコートやモーニングコートは前丈が短いため、視覚効果で背を高く見せることが出来ます。
特にモーニングコートはスラックスがコールパンツ(ストライプ柄)なので、さらに身長を高く見せる効果があります。
よって、背が低い方はテールコートやモーニングコートを着用することがおすすめです。
反対にフロックコートなどは背が低いとどうしても着られているように見えてしまうため、裾が長いものはあまりおすすめ出来ません。
また、色は膨張色を選ぶと良いでしょう。
膨張色とは物の大きさを実際よりも大きく見せる効果がある色のことで、洋服の色を考慮することで背が低い方も大きく見せることが出来ます。
膨張色は基本的に明るい色なのでタキシードでいうと、白やベージュなどがおすすめです。
反対に暗い色の黒やネイビーなどは収縮色なので、背が低い方はさらにそれが強調されてしまうので、あまりおすすめ出来ません。
背が高い方
背が高い方は基本的にどれを着ても良いので、自分の気に入ったものを着用すると良いでしょう。
ただ、やせ型の方がスタイリッシュなタキシードを着用してしまうと細さが強調されて貧相な印象を与えてしまうので少しゆとりのあるシルエットを選ぶようにしましょう。
反対にふくよかな方はタキシード以外のものに注目します。
ベストやネクタイなどの部分にタキシードやパンツよりも色の濃いものを選ぶことでシャープな印象を与えることが出来ます。
タキシードは蝶ネクタイが固定って本当?
タキシードというと蝶ネクタイがセットで思い浮かぶ方も多いと思います。
よって、タキシードを着る際には蝶ネクタイしか付けれないのかと思ってしまう人もいるかもしれませんがそんなことはありません。
様々なネクタイを着用できるのでご紹介していきます。
蝶ネクタイ
タキシードと言えば蝶ネクタイです。
結婚式やパーティなどの華やかな席での着用が望まれます。
近年ではカジュアルに着こなすスタイルが流行しているので、カジュアルなスタイルに蝶ネクタイを合わせる着こなしも増えてきています。
また、フォーマルさを出したい場合には黒がおすすめでカジュアルさを出したい場合には白などの明るい色のものをつけると良いでしょう。
レギュラータイ
レギュラータイとはサラリーマンの方がお仕事の際につけている一般的なネクタイのこと。
タキシードを着るときにレギュラータイを着用することも問題なく可能です。
様々な幅のネクタイがあると思いますが、タキシードのラペルと揃えるとバランスの良い見た目になります。
色はホワイトやシルバーが一般的ですが基本的に何を選んでも問題ありません。
しかし黒は喪服を連想させてしまうため華やかな場で着るタキシードとの相性はあまりよくないので選ばないようにしましょう。
クロスタイ
クロスタイもパーティなどセミフォーマルな場での着用をすることが可能です。
少しカジュアルなネクタイなので結婚式での着用は避け、二次会やパーティなどのセミフォーマルな場で着用するようにしましょう。
見た目はリボンのようでかわいらしく、個性的なデザインなのでクロスタイで一味違ったファッションを体験してみてはいかがでしょうか。
アスコットタイ
本来、アスコットタイは昼の正礼装であるモーニングコートやフロックコートに合わせるのがマナーとなっていますが、現代では夜の正礼装であるタキシードに合わせるのも可能となっています。
クロスタイとは異なり結婚式での着用も問題ないので、いつもとは違うファッションにしたい方はアスコットタイはおすすめですね。
タキシードは購入とレンタルのどちらがおすすめ?
タキシードといえば新郎の方が着ることが多いですよね。
スーツは着たこともあるし持っている方も多いと思いますが、タキシードは着たこともないし持っていない方も少なくないと思います。
そこで結婚式の際に購入するべきかレンタルするべきか悩みますよね。
それぞれのメリットデメリットについてご紹介していきますね。
購入するメリット・デメリット
まずは購入するメリットとしては何度も着用できるというところにあります。
またレンタルの場合は種類が少なく、自分の好みのものを見つけられないという場合もあるでしょう。
その点、購入する際には幅広いものから自分の好きなものを選ぶことが出来、さらにオーダーメイドであればもっと細かく自分に合ったものを選ぶことが出来ます。
このようなところが購入する際のメリットといえるでしょう。
反対にデメリットは費用が高いということです。
購入するので当然費用は高いということでもありますが、タキシードは結婚式場で保管しておいてもらう際に保管料がかかります。
購入費用に加えて保管料がかかってしまうので、かなり費用が高くなってしまう可能性があります。
なのであまり着る機会がないという方は購入ではなく、レンタルの方がおすすめかもしれません。
レンタルするメリット・デメリット
レンタルのメリットとしては購入する場合と比較して費用が安くなる傾向にあるということです。
タキシードは一生に一度しか着ないなんてこともありますので、購入しなくても良いという方はレンタルの方が良いかもしれませんね。
デメリットとしては一昔前よりはレンタルのバリエーションも多くなっていますが、細部のこだわりなどはやはりレンタルでは難しくなっています。
なので、一生に一度だからこそ細部にこだわったものを着たいという方は購入の方がおすすめかもしれません。
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