メンズスーツスタイルのインナー着用のルールとは?着こなし別おすすめの選び方
「夏でもワイシャツにインナーは必要なの?」
「透けにくいインナーは何色?」
「オフィスカジュアルでTシャツを着るなら、インナーはいらない?」
今回は、そんなインナーに関する疑問にお答えします。
「少しでも涼しく快適に過ごしたいのに、夏にインナーを着用する必要があるんだろうか」と思ったことはありませんか?また、現在インナーを着用している方も、胸元や袖先にインナーのラインが透けて見えることが気になってはいませんか?オフィスカジュアルスタイルでTシャツが着用されるようになった現代では、本当にインナーが必要なのか迷う事も増えたのではないでしょうか?
ビジネスシーンでワイシャツの下にインナーは必要なのか、必要だとすれば、その理由は何かを知っていれば、疑問の答えが分かります。さらにどのようなインナーが最適なのか選択肢が絞れるため迷う事が少なくなります。現在はインナーの種類も豊富で、素材、機能性、肌触り、シルエットに優れたものが多数あります。その中から、発汗量や着用時の状況、ビジネスシーンでのスタイルに合わせて最適なインナーを選びましょう。用途や場面に適したインナーを選ぶことで、想像以上に快適で、着こなしもスタイリッシュに変わります。
ワイシャツの下にインナーは必要か
Q.ワイシャツの下にインナーは必要?
A.ビジネスシーンでのインナーの着用は、マナー面、実用面ともに必要です。
日本のビジネスシーンでは、ワイシャツの下にインナーを着用することが必須とされています。
マナーとしてインナーが必要な理由
ビジネスシーンで、ワイシャツに素肌が透けて見えることは失礼になります。
インナーを着用する第一の理由は、透け防止です。
そのためワイシャツ一枚になる夏のビジネスシーンでは特に、インナーの着用が必要になります。
なぜ肌が透けることを避けるの?
ビジネスに限らず冠婚葬祭など正式な場面では、露出を控え素肌を見せない事(透け防止)が、相手への敬意を示す身だしなみの一つとなっています。
海外の着こなしは?
英国でスーツの原型となる衣服が着用されていた当時、ワイシャツは下着でした。
そのため上着を脱ぐ場合は、透け防止のベストを着用する必要があり、当時のスーツは3ピースが基本となっています。
現在も海外では同様の理由から、胸元の透けを防止するベスト着用時のみ、ジャケットを脱ぐことが可能です。
日本は高温多湿のため、ベストではなく、ワイシャツの中に透け防止のインナーが着用されるようになりました。冠婚葬祭の本来のルールでは、ベスト着用時のみ上着を脱ぐことが許容されます。
また、英国で誕生したスーツスタイルは、極力肌を見せない着こなしが基本です。
シャツの襟は首を隠し、シャツの袖は手首を隠します。(海外では長袖ワイシャツが基本です。)
パンツは長く足首まであることが基本です。
さらに、着席時もパンツの裾から肌が見えないように、ロングホーズの長い靴下を履きます。
オフィスカジュアルでも原則は同じ
時代が変わり、クールビズやオフィスカジュアルが導入された現在も、マナーの原則は守られています。
例えば、ビジネスシーンで半袖シャツの前ボタンを開けるのは、肌の露出が少ない第一ボタンまでが目安です。パンツは暑い夏でもハーフパンツを避けます。
オフィスカジュアルであっても、肌の露出が少ないクルーネック(丸首)のTシャツやニットが好まれるのは、このようなマナーの原則があるためです。
実用面でのインナーの必要性
インナーには、見た目の透け防止と言う役割だけでなく、着用することで得られる実用的なメリットがあります。
インナーは、着用時の快適さの向上、体温調節、汗を素早く吸収し雑菌の繁殖を抑えるなどの効果を持ちます。
インナーを着用しない場合は、これらの機能を利用できません。
汗ジミなどのデメリットも発生するため、インナーは必要だと言えます。
マナーを守りつつインナーのメリットを活かすことで、ビジネスシーンを快適に過ごすことが可能になります。
インナーの実用面での役割、ビジネスシーンにふさわしい色や素材、種類を把握して、最適なインナーを選びましょう。
インナーの役割
インナーには、身だしなみを整える効果と衣服内を快適に保つ役割があります。
身だしなみを整える
インナーを着用することで身だしなみを整えると、好印象な着こなしになります。
・肌が透けることを防止できる
・胸、脇、背中など汗の量が多い部位の汗ジミを防止できる
特に通勤でビジネスリュックを使用している方は、発汗量の多い背中の汗ジミ防止に効果的です。
・黄ばみの原因を防止
ワイシャツの脇の黄ばみは、汗や皮脂がワイシャツに染み込むことが原因です。
原因となる汗ジミをインナーで止めることで、ワイシャツの劣化を防止できます。
インナーでシミや汚れを防止して、スマートに着こなしましょう。
衣服内を快適に保つ
インナーは、使用される素材や生地の機能で、衣服内を快適に保ちます。
・吸湿性に優れる
肌から発散された湿気や汗を、インナーが素早く吸湿し、快適な状態を保つ。
不快な肌のベタつき、ワイシャツの張り付きを抑える。
・速乾性がある
インナーが吸湿した汗が、生地の機能によって短時間で乾く。
衣服内の湿気が少なくなり、雑菌の増殖を抑える。
インナーに吸湿した汗が乾く際に、気化熱で涼しく感じる。
・防臭効果がある
発汗直後の汗は無臭であるため、素早くインナーに吸湿する事で、臭いの原因になる雑菌の増殖が抑えられる。
・体温低下の防止
冷房が強い部屋でも、インナーの着用で腹部が冷えることを防止できる。
外出時の汗が、室内で冷えることによる急激な体温低下を避けられる。
インナーにはどんな種類がある?
インナーの種類
ビジネスシーンの定番はTシャツ型ですが、近年はオフィスカジュアルなどの着こなしも増えたため、用途や着こなしに応じて使い分けることも可能です。
インナーの形
・タンクトップ(ランニング)
脇の汗が吸湿しにくい形状でラインが目立ちやすく、ビジネスシーンでは避ける傾向があります。
・Tシャツ型
ビジネスシーンの定番型で、オールシーズン生地であれば、年間を通して使用できます。
保温性の高い冬用、清涼感のある夏用など、多彩な商品が発売されています。
・長袖型(七分袖、九分袖)
冬の定番型です。発熱素材など、近年は保温性の高い素材が人気です。
ネックラインの種類
・クルーネック
クルーネックは丸首とも呼ばれるタイプです。
首回りが狭く、ワイシャツスタイルでは、第一ボタンを開けると見えてしまうため避けます。
オフィスカジュアルスタイルのスタンドカラーや襟が小さいショートポイントレギュラーカラーなど、第一ボタンを留めるシャツの場合は着用できます。
・Vネック
ネックラインがV字型になっているタイプです。
ワイシャツの第一ボタンを外しても見えにくいため、ビジネスシーンの定番です。
ワイシャツ、ビズポロ、オフィスカジュアル向きのカジュアルシャツやTシャツのインナーとして幅広く使用できます。
長袖ワイシャツにネクタイを着用する場合でも、ビジネスシーンではVネックを着用する傾向があります。
・Uネック
ネックラインがU字型になっているタイプです。
Vネックよりもカジュアル感が強く、シルエットも若干ゆったりとしたものが多いため、ビジネスではあまり使用しません。
素材の種類
インナーの素材は、コットンとポリエステルが主流となっています。
コットン
インナーの代表的な素材であるコットンは、機能性に優れた素材です。
やわらかで肌になじみ、吸水性や吸湿性が高いため、快適な着心地が特徴です。
夏はコットンが吸収した汗の水分が放出される際に、気化熱で温度が下がるため涼しくなります。
冬は保温性が高く、セーターなどの重ね着をしても静電気が発生しにくいため便利です。
コットンはシワになりやすく若干の縮みがあります。
大量の水分を含むと合成繊維より乾きが遅くなります。
ポリエステル
合成繊維のポリエステルは、新しい生地が次々と開発されており、近年はコットンのような肌触りのものも増えています。
丈夫な素材で、シワにもなりにくく、薄く軽い生地が作れます。
繊維に吸湿性がないため、繊維の内部に水分が入らず、乾きが早いことが特徴です。
発汗量が多いスポーツウェアなどに多用されているのは、乾燥が早いというメリットを活かしているためです。
ビジネスでも発汗量が多い夏場の外出では、速乾性に優れたポリエステルがおすすめです。
冬場は静電気が発生しやすいため、重ね着には注意が必要です。
要注意!インナーが透けないようにするには
肌の透け防止が目的のインナーですが、インナー自体がシャツに透けることもNGとされています。
濃色カラーのインナーは避ける
白のワイシャツに黒やネイビーなどの濃色カラーのインナーを着用することは避けましょう。
相手にインナーを見せているのと同様で失礼になります。
白無地のワイシャツに白無地のインナーが透けることは、ビジネスの定番であるため問題ありません。
オフィスカジュアルで、濃色シャツのインナーとして濃色を着用することは可能です。
Tシャツを着用することは避ける
白無地であってもTシャツをワイシャツのインナーとして使用することは避けます。
Tシャツの生地は厚く、サイズ感もインナーより大きいため肌に密着しません。
肌に密着しないと汗の吸湿が不十分になる上、ワイシャツの中でもたつきシルエットを乱します。
ロゴなどのワンポイントも目立つため、Tシャツを代用していることが分かります。
ビジネスシーンには、ビジネス用のインナーを着用しましょう。
何色を選ぶのが正解?
ビジネスシーンの定番色は白
ビジネスシーンのインナーの定番色は白です。
素材やサイズ、多彩な機能など種類が豊富であるため、選択肢が多いことがメリットです。
しかし、白無地ワイシャツに白のインナーを着用すると、肌の色よりもインナーの色が明るいため、肌との境目が目立ちます。
白無地ワイシャツを中心に着用する業種であれば、インナーはベージュもおすすめです。
人気のベージュ
肌色に近いベージュのインナーは、胸回りのシルエットを整えつつ、透け防止ができるためビジネスシーンでも近年定番化しました。
インナー専門メーカーや世界的なブランドも参入しており、機能性に優れたスタイリッシュなデザインが発売されています。
完璧な透け防止機能で、スマートに着こなしたい方におすすめです。
ライトグレー
白よりも明るさを抑えたライトグレーも透けにくい色です。
白のインナーに慣れていて、ベージュを着るのは抵抗があるという方は、白よりもインナーの色のトーンが暗くなるライトグレーがおすすめです。
インナーのラインが、白よりも目立ちにくくなります。
オフィスカジュアルではダークカラーもOK
オフィスカジュアルスタイルで、ダークカラーのカジュアルシャツやダークカラーのTシャツを着用する場合であれば、色が透けることはないため黒やチャコールグレーなどもOKです。
【季節別】快適に過ごすインナーの選び方
春夏シーズンのインナー
気温が上昇する春から夏にかけては、清涼感のあるインナーがおすすめです。
Vネックの半袖Tシャツタイプが基本となります。
真夏には、脇汗パッド付きがおすすめです。
接触冷感生地、吸湿速乾生地、汗をかきにくい脇腹部分を通気性の良いメッシュ切り替えにしたものなどがあります。
秋冬シーズンのインナー
気温が低下する秋冬は、保温性の高いインナーが活躍します。
Vネックの九分袖や七分袖が基本です。
真冬には、静電気を防止するコットンもおすすめです。
オフィスカジュアルで、インナーの上にニットを着用する場合は、コットンを選ぶと不快な静電気を抑えることが可能です。
ポリエステルは静電気がおきやすくなるため注意しましょう。
選び方のポイント
・肌触りが良いか
代表的な素材のコットンとポリエステルですが、着用感や肌触りで好みが分かれます。
コットンの肌触りが良い方もいれば、ポリエステルの滑らかさが良いと言う方もいます。
インナーは直接肌に触れるため、生地との相性は使用してみるまで分かりません。
もし、コットンが良いのか、ポリエステルが良いのか決められない場合は、混紡素材を試してみましょう。
コットンの柔らかさと、ポリエステルのなめらかさ、吸水性と速乾性のバランスが良く人気があります。
・薄く軽い
ワイシャツの下に着用するインナーは、アウターに響きにくいタイプが安心です。
近年は、カットオフの技術が進歩しています。
カットオフとは、インナーの袖や裾にホツレ防止の縫製をしないことで、生地を切ったままの状態で使用します。
袖先や裾の厚みがなく、生地一枚の薄さで、着心地も軽いことが特徴です。
・フィットするサイズ
ワイシャツの下に着用するため、伸縮性があり体にフィットすることが条件になります。
特に脇や背中、胸はフィットすることで、汗の吸着がスムーズになります。
着丈はビジネス用で長めのタイプが、ずり上がりにくく安心です。
・伸縮性のある素材
ビジネスで使用するため、伸縮性があり動きやすいことがポイントになります。
オフィスカジュアルのインナー
オフィスカジュアルスタイルでは、透け防止よりも冷え防止、汗ジミ対策、胸回りのシルエット対策としてのインナー選びが必要になります。
・タックアウトスタイルの冷え防止
オフィスカジュアルスタイルでは、クルーネックTシャツなどの下にもインナーを着用します。
タックアウトスタイルが主流のため、インナーを着用していないと夏の冷房でお腹が冷えます。
お腹が弱い方は特に、インナーをタックインしておくことがおすすめです。
・汗ジミ防止
Tシャツは吸水性が高い素材が多いため、汗ジミが目立ちます。
インナーで汗を吸収し、アウターにまで染みないようにしましょう。
・胸のシルエットを整える
Tシャツ一枚のスタイルでは胸元が目立つため、インナーで整えます。
まとめ
今回は、ビジネスシーンのインナーについてご紹介しました。
上着を着用しないクールビズでは、マナーと実用性でインナーの着用がおすすめです。
また、クールビス期間中は、ワイシャツのシルエットが目立つ時期でもあります。
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今回は、スーツスタイルのワイシャツのインナーについて解説しました。ビジネスシーンでは、インナーの着用がマナーと実用性の両面で必要です。特にマナー面では、スッキリとした透け感のないワイシャツスタイルは身だしなみが整っている印象になります。シンプルなクールビズスタイルは、着こなしや見た目の印象で清潔感や信頼感が判断されるため、インナーの効果を最大限に活用しましょう。インナー着用による快適さの向上のメリットも大きくおすすめです。また、近年オフィスカジュアルスタイルが普及し、ワイシャツから濃色のカジュアルシャツへと着こなしが変化したことから、肌が透ける心配はなくなりました。しかし、逆に吸湿性のあるTシャツやカラーシャツは汗ジミが目立ちやすく注意が必要です。柔らかい素材のTシャツは一枚で着用すると、ボディラインが出やすく胸回りのシルエットにも配慮が必要になります。薄く伸縮性のある、着用していることを忘れるような軽い着心地のインナーも増えているため、ぜひ着こなしに取り入れてみましょう。インナーは、夏の汗の不快感を減らし、急激な温度変化による体調不良の防止にも役立ちます。季節に合わせて体温調節し、ビジネスシーンを快適に過ごしてください。