スーツに合うシャツの選び方:ビジネスマナーとおしゃれなコーディネート
スーツスタイルを完璧に仕上げるためには、適切なシャツ選びが欠かせません。ビジネスシーンやカジュアルな場面に応じたシャツの選び方を理解することで、より洗練された印象を与えることができます。本記事では、シャツの種類や特徴、選び方のポイントについて詳しく解説します。これを参考に、自分に合ったシャツを見つけ、スーツスタイルをより一層おしゃれに楽しんでください。
ビジネスシーンにてスーツを着る際、必要不可欠なアイテムのひとつがワイシャツです。スーツに合わせるワイシャツの色で与える印象を変えることができ、ビジネスマナーに合わせてカラーを選ぶとより素敵な印象になります。
ワイシャツの基礎知識
ワイシャツはデザインが数多くあり、豊富な種類があります。細かな部分のデザインの違いによって、一気に雰囲気を変えることができます。 おしゃれに着こなすためには、ひとつずつの種類やデザインの違い、特徴をよく把握しながら選ぶことが重要なポイントとなります。 代表的なワイシャツの襟型には、以下の3種類があります。 ・ワイドカラー ・カッタウェイ ・ボタンダウン 【ワイドカラー】 ワイドカラーは、一番オーソドックスな襟になります。特徴として、襟の開きは100度から140度くらい広くなっており、首回りがすっきりと見え、肩幅の広い方やガッチリとした体型の方におすすめです。さらに、小顔効果も期待でき、誰でも着こなせるものなのでレディースシャツにおいても人気があります。 【カッタウェイ】 カッタウェイは、襟の羽根の部分が180度開いている種類のワイシャツを指します。 180度開いているデザインであるとともに、襟自体も小さめに作られていることが特徴です。第一ボタンを外したときに、襟の重さで潰れることもなく、すっきりとした首周りを表現できます。 カッタウェイのスタイリッシュさに人気があり、夏場は愛用し着られる方が多く、おしゃれで爽やかな雰囲気を演出したい方におすすめです。 【ボタンダウン】 ボタンダウンは、襟の先をボタンで止めるシャツのことを指します。 第一ボタンを外し、ノーネクタイでも立体的な襟をキープすることができ、夏の暑い時期に行うクールビズスタイルに向いています。 軽さを感じさせ、若々しいフレッシュな雰囲気を醸し出せるのも特徴のひとつです。 そして、ワイシャツの生地にも種類があり、ワイシャツに使われる生地には、大きく4種類あります。 ・ブロードクロス ・ツイル ・シャンブレー ・オックスフォード 【ブロードクロス】 ブロードクロスは、平織コットン地で繊維が密でしっかりとしており、柔らかく光沢を持つ生地となります。きめ細やかな盛り上がりのある筋のヨコ畝が表面にある生地が特徴的です。さらに、生地がへたりにくく、アイロンの熱にもしっかり耐えられるため、耐久性が強いです。しかし、素材によっては、シワになりやすいものがあるので気をつけましょう。 ブロードクロスは、儀礼的な場でも適している高級感を感じさせる生地であるため、ビジネスシーンでのワイシャツとしては、最も良い生地とされています。 【ツイル】 ツイルは手触りがとても良く、シワになりにくく別名「綾織」とも呼ばれています。 たて糸とよこ糸が斜めの畝状となって現れ、ふっくらとした厚みとソフトな肌触りが特徴です。 【シャンブレー】 シャンブレーは、たての糸に色が入った糸、よこの糸に白色の糸を使用した平織の生地を指します。白糸が浮き出て見えるため、霜降り状となっているのが特徴です。 カジュアル系なスタイルになり、おしゃれとしてビジネスシーンでも着用する方も多く、刷毛で履いたようにも見える刷毛目柄も特徴的といえます。 【オックスフォード】 オックスフォードは、平織シャツに使用されるような少し粗めに織り込まれた生地で、ボタンダウンシャツに用いられる生地です。 他のワイシャツに比べ厚みがあり丈夫で、ソフト感と通気性が良いのが特徴です。ワイシャツのビジネスマナー
ビジネスシーンでスーツを着用している方は、さまざまな気配りなどビジネスにおけるマナーを意識して着用する必要があります。 相手や場所、目的を考慮したうえで、自身の身なりを整えるということはビジネスマナーの基本でもあります。スーツの着こなし方はもちろん、ビジネスマナーに配慮したワイシャツの着こなし方も重要なポイントとなります。自分自身が満足するスーツスタイルではなく、相手に与える印象を優先して着用することで、こちらの印象や評価を上げることにつながります。 ワイシャツをスマートに着こなす方法として、気をつけてほしいところは、ジャケットの襟や袖口からチラリと見えるワイシャツの部分です。 ジャケットの首元部分の襟や手首部分の袖口から、なかに着ているワイシャツが見えるということは、マナー違反ではありません。 しかし、ワイシャツがジャケットの襟や袖口よりも大きく見えている、またはワイシャツが見えずに手首や首が見えるという状態は、スーツを着て会う相手にメリハリのない印象を与えてしまい、スーツを着て誠意を見せようとしていても、逆効果となってしまうことがあります。 スーツのジャケットから見えるワイシャツは、アクセントが付き、メリハリのある良い印象を与えるだけでなく、首や手首などの肌が直接ジャケットに触れるのを防ぎ、汗や垢などで生地が傷むこと、劣化などを軽減する効果をもたらしてくれます。 メリハリのある清楚感を与えるために、ワイシャツのサイズは自分自身の体型に合ったサイズを選ぶことが重要です。 ワイシャツがジャケットの襟や袖口から1cmから1.5cm程度みえるような長さが良いとされています。 また、ワイシャツの色や柄、襟型にもビジネスマナーを配慮した選び方があります。 多くの方が選ぶ色といえば 「白」ではないでしょうか。白は、清楚なイメージがあり、どんな色のスーツにも比較的合いやすいカラーです。着用シーンを選ぶことなくスーツと合わせることができ、安心して着られます。 白以外に薄めの青系色をワイシャツとして選ぶと目立ちすぎず、色を添えられることになり、爽やかで清潔感のあるワイシャツは、相手に良い印象を与えられます。 ストライプ柄のワイシャツにすれば、控えめに柄を取り入れることができます。濃いものよりも薄めのストライプがおすすめです。 顧客と面談や会議などビジネスシーンにチェック柄はカジュアルすぎるため、プライベートでの着用や気の知れた仲間と会うときなど、相手に失礼のないように配慮しましょう。ワイシャツの柄ひとつで、大きく印象が変わるので気をつけるポイントです。 柄だけでなく、襟型でも同じことが言えます。 「レギュラー」「ワイド」といった襟型は、堅実や誠実なイメージを演出することができ、「カッタウェイ」「ホリゾンタル」といった襟型は、ワンランク上のおしゃれを演出できます。 人気のある「ボタンダウン」は、ビジネスシーンやフォーマルシーンには適さないとされています。どのワイシャツを選べばいい? ワイシャツの色が与える印象
最近では「多様化」といったテーマがどのジャンルにも掲げられているため、多くの方々が基本を応用したスタイルや斬新なスタイル、自分独自のスタイルなどを楽しむようになりました。 スーツスタイルも例外ではなく、多様化が進み、以前のように基本的な白色や青色系のワイシャツを着るというスタイルからさまざまなカラーワイシャツを着こなす方が増えてきました。 その一方で、ビジネスシーンで無地のワイシャツが多いのは、ライン色が派手めなものや太めのストライプのものは控えるというマナーがあるためです。 ビジネスマナーなどを考えるとカラーワイシャツを着ることに、少し抵抗や難しさを感じる方もいらっしゃるでしょう。 しかし、カラーバリエーションのひとつとして捉えて着ていくことで、馴染みある着こなしを実現できます。 色が与える印象を理解し、ビジネスマナーを考慮しながらカラーワイシャツを取り入れることがオススメです。 以下のカラーワイシャツが与える印象やビジネスマナーをふまえて、紹介していきます。 ・白色 ・青色系 ・ピンク系 ・ブラウン系 ・ブラック系/ネイビー系 【白色】 多くの方が一度は着たことのあるワイシャツカラーではないでしょうか。 ビジネスシーンはもちろん、フォーマルシーンでも浮かないため、馴染みやすいカラーといえます。リクルートや冠婚葬祭といった場面での着用は、フレッシュ感や誠実さを表現でき、清潔感あふれる印象を与えます。 ビジネスマン、または大人の一員として、白のワイシャツは必ず持っていると良いでしょう。 シンプルであるがゆえに、無難なイメージが強いでしょう。白いワイシャツで慣れたら薄めの色や柄があるデザインのワイシャツを取り入れていくと、こなれた感が演出できるのでおすすめです。 【青色系】 青色のなかでも薄い色をサックスといい、濃い色をブルーといいます。 青色は、清潔感や爽やかな印象を与えるため、清楚系なスーツスタイルを実現できます。 青みに白が強く混ざったような色ほど、白色のワイシャツに近くなるため、着やすく使用することが多いワイシャツです。取り入れるハードルの高さも低く、使いやすいでしょう。 色の濃いスーツや同系色のスーツと合わせることで、まとまりのある統一感が生まれ、フレッシュな若々しさを印象付けてくれます。 濃い発色の青や鮮やかな青は、こなれた感を演出でき、おしゃれな印象を与えます。 また、ストライプのように柄の入ったワイシャツは、ビジネスシーンにおいて、オフィスカジュアルスタイルの際に用いられます。少し肩の力が抜けるようなシーンやフランクな対応をするシーンにおすすめです。 【ピンク系】 ピンク系といえば、レディースコーディネートで使うイメージを払拭しきれないでしょう。可愛らしい、華やか、優しいといった印象を与えるカラーなので、男性だけでなく女性 ウケも良いです。最近では、結婚式などに着るだけでなく、ビジネスシーンでも着る方が増えてきました。ピンク系はグレーとも相性が良いとされているため、グレーのスーツにピンク系のワイシャツをコーディネートすることをおすすめします。 鮮やかで発色の濃いピンクのワイシャツを着こなそうとすると難しいでしょう。ピンク系のワイシャツを取り入れるなら馴染みやすいパステル系かペール系のピンクを選んでいきましょう。くすみピンクと呼ばれるカラーは比較的に取り入れやすいです。さり気なくピンクを添えて優しいメンズスーツコーデをしてみましょう。 【ブラウン系】 ブラウン系のカラーはベージュ系やカーキ、テラコッタなどと同じアースカラーとなります。大地のような穏やかさや安定感、安心感、落ち着きなどを印象付けます。 暖色系であることからぬくもり感が伝わるので、秋冬の寒いシーズンの着用がおすすめです。 年配の方が着ているイメージが強いですが、若年層の方の着用は個性的な表現ができるのでワンランクうえのおしゃれが目指せます。 ブラウン系のワイシャツを着こなすためには、ネイビースーツやグレースーツと合わせる、または同系色のスーツと合わせると良いでしょう。 【ブラック系/ネイビー系】 ブラック系やネイビー系のカラーは引き締め色なだけあり、クールな印象を与えます。ブラックの都会的なクール感とネイビーの爽やかなクール感は、メンズスタイルならではのかっこよさを引き立たせてくれます。 どちらも重た目なカラーなので、合わせるパンツを明るめのものにすると上下のバランスがとれ、今季のトレンドである軽さを表現できます。 定番のコーディネートであるライトグレーのジャケットにベージュのパンツ、そこにブラック系やネイビー系のワイシャツを合わせることでスマートなかっこいいスタイルになります。自分にフィットするワイシャツはどれ? サイズの測り方とワイシャツの選び方
自分にフィットするワイシャツを選んでいるつもりでも、実際着てみると余裕がありすぎてルーズな感じになる、またはぴったりしすぎて動きが取りにくく窮屈なんてことありますよね。 きちんとした清楚感や爽やかな印象を与えるためには、自分自身の体型を知り、それに見合ったワイシャツを選ぶことが重要です。 主にサイズを把握する部分として、以下の3つがあります。 ・首周り ・裄丈(ゆきたけ) ・肩幅/胴回り 首周りと裄丈はワイシャツのサイズを選ぶ際に重要となります。販売しているワイシャツの首元にあるタグ付近に、サイズが表記されており、首周り/裄丈が表記されているものが多いです。 【首周り】 首周りは、スーツにおけるVゾーンの上あたりにくる部分であるため、スーツの表情を大きく担っています。サイズの合っていないワイシャツを着るとネクタイを結んだときに、襟が大きく開いてしまう、浮いていてしがない、配慮できない人などマイナスな印象となってしまいます。 爽やかさや清楚感、誠実さにつながるワイシャツの着こなしとして、首周りのサイズ測定から始めましょう。 首周りの測定は、首の喉仏あたりにメジャーを巻いて測定します。首にメジャーを巻くときは、指1本か2本程度のゆとりをもたせたうえで、真っ直ぐに1周巻いて測りましょう。 【裄丈】 裄丈と書いて「ゆきたけ」と読み、首の根元あたりから袖の先までの長さを指します。 この裄丈が短すぎるとジャケットの袖口からワイシャツが見えません。一方、長すぎるとカフス部がすべて見えてしまう状態となります。このような不格好は、ビジネスマナーからして好ましくありません。 スマートに着こなすために、実際の裄丈よりも気持ち長めである3cm前後長めのものを目安に選びましょう。洗濯やクリーニングなどで縮むことも考慮して選ぶと良いです。 【肩幅/胴回り】 左右の肩の端にある骨から骨の長さで、首の根本を通過して測定したものが肩幅となり、腹部の一番出ている部分を測定したものが胴回りとなります。 肩幅も考えると、ジャストフィットするワイシャツを選ぶことができます。 また、胴回りのサイズを知ることで、座る・かがむといった動作を行ったときの締め付け具合を知ることになり、快適にスーツを着こなすポイントとなります。 ワイシャツのサイズ表記一覧表に、首周り、裄丈はもちろん、肩幅や胴回りを表記している場合もあります。自分自身に合ったワイシャツを一覧表を見るだけで見つけられるので活用して選んでいきましょう。色を合わせたいスーツとネクタイ
ワイシャツ・スーツ・ネクタイとトータルのコーディネートとして、レベルを上げていくためには、配色がとても重要となります。 ワイシャツの色に合うスーツやネクタイを選び、バランスよく組み合わせていきましょう。 代表的な定番色として、白色はほとんどのスーツと相性が良いです。 ネイビー・グレーのスーツは、ビジネス上でよく使用されており、白色のワイシャツと組み合わせるとマッチします。 その他に、ブラック系統のスーツでもシャープに装うことができさまざまななシーンで使用できます。着ていく前に確認しておきたいポイント
身だしなみもビジネスマナーの一部であるため、スーツの着こなし方も確認しておかなければなりません。 スーツにおける上着のジャケットにもマナーがあります。スーツのジャケットについている前面のボタンを、すべて閉めることは好ましくありません。1番下のボタンのみ、開けておくことがマナーです。 ジャケットによってボタンの数が違います。2つボタンの場合、上のボタンは閉めて下のボタンは開けておきます。3つボタンの場合、基本的には上の2つボタンを閉め、下の1つボタンは開けておくことが好ましいです。しかし、デザインのため一番上が閉まらないものもあります。そういった場合は、真ん中の1つのみを閉めるというのがマナーです。 また、ポケットについている上蓋部分を指すフラップにもマナーがあります。フラップがついている意味は、外にでているときにポケット内へホコリが入らないようにするためとされています。そのため、外ではフラップを出しておき、建物のなかなどに入った場合は、フラップをポケット内へしまう必要があります。本来の使い方をするというのがマナーです。 しかし、本来の使い方をしなくてもいい場面がフォーマルシーンです。この場合、室内であろうとなかろうとフラップはポケットの中へしまっておくことがマナーです。 ワイシャツにおいてもマナーがあります。スーツの上下のなかに着るものは、長袖と決まっています。 では、なぜ半袖が売っているのかと疑問に思う方がいらっしゃるでしょう。 半袖のワイシャツは、相手に失礼のない程度に涼しい装いをするというクールビズスタイルを意識しているため、ノーネクタイの場合に着用します。 長袖のワイシャツは、ジャケットの襟や袖口から少しでているのがマナーとされています。暑い時期の上下スーツ着用時、なかに半袖ワイシャツを着ていると気づかれてしまい、マナーのない人と見られてしまうので注意が必要です。 訪問する企業や相手先がクールビズを良しとしていない場合もあるので、配慮が必要な場合があります。メンズのクールビズはノージャケット、ノーネクタイであるため、ワイシャツを選ぶ際は、襟元が崩れやすいものは避けましょう。きちんとした印象を与えるためには、しっかりした襟元が重要ポイントです。 さらに涼しい色を着ると相手に暑苦しさを与えにくくなるのでおすすめです。 スーツのマナーはその他にもあるので、インターネットで検索しておくと安心でしょう。ビジネスシーンでワイシャツを着こなす
ビジネスシーンにおいて、ワイシャツは欠かせないものです。スーツをきちんとしていてもなかに着るワイシャツがだらしないような着方では、良い印象や誠意が伝わりません。 ビジネスシーンにおいて、マナーを守った着こなしをすることで、配慮のあるスタイルができます。 汎用性の高いワイシャツはシーンを選ばずに着用できるため、必ず持っていると良いです。 襟の具合や生地、サイズ感、スーツとの合わせ方などポイントをおさえて着こなしていきましょう。シャツ選びは、スーツスタイルにおいて非常に重要な要素です。襟型や生地の特徴、色や柄の選び方を理解することで、ビジネスシーンでもカジュアルな場面でも適切なスタイリングが可能になります。自分にフィットするシャツを選び、さまざまなシーンで自信を持って着こなしましょう。この記事を参考にして、シャツ選びの知識を深め、日々のファッションを楽しんでください。