フィッシャーマンセーターのこと。アランニットとも呼ぶ。主にプルオーバー式である。アイルランド南西部に位置するアラン諸島原産、この地方で生活する漁師たちが防水・防寒のためにつくった。厳しい環境で過ごす島民は半農半漁の生活をしてるが冬の海は常に荒れていて遭難があとをたたない。そのため、家によって違いのある柄で遭難死の際の個人識別と家紋の様な意味合いを持たせていた。伝統的なダイヤや縄などを手織りで織り込んだ柄が特徴。柄の例は以下のとおり。
ケーブル（縄）：漁師の使う命綱、収穫用の綱をイメージ。
ハニカム（蜂の巣）：漁に使う網を広げた様子。もしくは蜂が貴重な蜜を集めるように愚直な仕事に対する報酬のイメージ。
ツリー・オブ・ライフ（生命の樹）：すくすく伸びていく木を命にたとえ、長寿と漁の手助けとなる丈夫な子供たちが生まれる願いを込めたイメージ。
ダイヤモンド：海や陸から獲られる富や財宝、経験の象徴であり、結婚生活や人生の浮き沈みをイメージ。
ジグザク：いつまでも苦楽を共にし素晴らしい人生を築いていこうという決意のイメージ。
これらの柄の組み合わせによってできるのでデザインは多岐に及ぶ。