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アストラカン

読み方
アストラカン

ロシアのアストラカン地方で産出する、カラクール種の生後2週間までの子羊の毛皮のことを指すが、巻毛状の毛羽をもった表面の、厚手の織物またはニットのことも指す。カラクールの集散地であったロシア南西部の都市アストラカンよりこのように呼ばれるようになった。カラクール種は黒く、玉状によくちぢれ、光沢がある。100%の毛皮はかなり高価なものになるため、似せるために生地の表面を毛羽立たせるパイル織にした製品が多い。梳毛糸(そもうし)、綿糸、スフ糸を地として使い、光沢のある堅い毛かモヘアを強く捲縮(けんしゅく)させておきパイル糸として使う。パイルになった部分を切断して毛羽立たせることで本物のカラクールに近いものになる。アストラカンは、日本、フランス、スペインなどでの呼び名。アメリカやイギリスではペルシャン、ラムと呼ばれる。現在ではこれに似たものを含めて、アストラカン・クロスと総称している。丈夫な厚地と高い防寒性・保温性があることからコートや帽子に使われる。