繊維にクシを通すことで、短い繊維（けば）を取り除く「梳った（くしけずった）毛」のこと。余計な繊維は取り除くため、よりいい素材に仕上がる。髪の毛と同じでブラッシングにより毛並みがそろえばツヤが出たり指通りがなめらかになる。スーツに使用すれば表面が綺麗な凹凸の少ない仕上がりになり、高級感のある光沢が生まれる。糸の撚りは強め。織物としてはサージ、ギャバジン、トロピカル、ポーラ、ドスキン、ベネシャン、シャークスキンなどがある。
①撰毛：原毛の俵を開いて品質のよい部分と悪い部分とを撰別する
②洗毛：原毛にはグリース、土砂などの汚れや不純物が付着しているため石鹸とアルカリで洗浄する
③カーディング：梳毛機（カード）で夾雑物（きょうざつぶつ）や短い毛を除くと同時に毛並みを揃え、毛を引き伸ばしてスライバー状にする
④コーミング：ギル・ボックスという機械にかけ、数本のスライバーを合わせて太さの均一化と繊維を平行状態にする。次にコーマーという機械にかけて目の細かい櫛でくしけずって長い毛と短い毛を分離し混入物を除去する。コーミング中の混入物を除去しスライバー状で保管する
⑤前紡：精紡機にかけられないため細く引き伸ばす
⑥精紡：前紡工程で細くした篠（しの）を精紡機にかけることで約１０～２０倍に引き伸ばすことができる。適度な撚りをかけて糸とする。