オーダースーツを仕立ててもらう際にオプションをつけられる場合があるが、その中の1つとしてお台場仕立てというものがある。お台場仕立てとはスーツの内ポケットの仕様のことを指し、内ポケットを強く補強できるものだ。ジャケットの裏地の耐久性に問題があった時代に、裏地の張り替え補修の際にポケットまで作り直す手間を減らすために用いられた。
お台場仕立ての中にも種類があり、R台場仕立てや剣先台場仕立て、角台場仕立てなどがある。例としてR台場仕立てはお台場仕立ての中でもっともグレードが高い種類であり、Rの形に似ていることからR仕立てと呼ばれている。また、剣先台場仕立ては内ポケット口の周囲だけ表生地を用いるもので、スッキリとしたものとなります。
ちなみに、「お台場仕立てということは東京のお台場で生まれたもの？」と思うかもしれませんが、発祥は日本ではなくイタリアだ。お台場仕立てはイタリアで広く用いられている仕立て方であり、スーツが誕生したイギリスでは一般的ではない。その上で、日本でお台場という名前が付けられている理由は、江戸時代末期の砲台場に形が似ているためであり、地名のお台場も砲台場があったことが由来である。