１９００年代に流行したスーツのひとつで、おおむね３個ボタンとしたカッタウエイコート（モーニング）に共生地のウエストコートと脚にぴったりフィットしたパンツを合わせたスタイルになっている。フロックというと、現在の昼間の正礼装・モーニングコートの前の正礼装として着用されていたフロックコートがある。しかしこのフロックはもともと１６～１７世紀ごろにヨーロッパの農民階級の労働者に外出着・作業着として着用されていた素材も粗末なもの。その後一方では、上流市民に受け入れられ、上質な生地・仕立てでフロックコートになり、他方ではベスト（ウエストコート）と揃いで着る３つ揃いスーツつまり英国紳士の正しい外出着としてのスーツになった。ビジネススーツの原点である。当時のフロックコートのダブル６ボタン３掛け、ひざまでの長さのジャケット丈から、ウォーキング・フロックスーツでは、フロントカットがモーニング同様動きやすいように（乗馬しやすいように）カッタウェイされている。