１９２０年代から１９４０年代のファッション文化に大きな影響を与えた人物として知られる英国のプリンスオブウェールズであるエドワード８世のこと。ウインザー公。ウィンザー公が好んで着用したデザインのスーツは、イギリスやアメリカで大流行し、「イングリッシュ・ドレープ・スーツ」と呼ばれる。フロントボタンは２〜３個に定着させ、スーツ自体のデザインも、フロントラインがウエストから裾にかけてゆるくカーブを描くように広がり、一番下のボタンは実質かけられないデザインに。また、襟の大きなワイドスプレッドカラーシャツを着用していたので、このシャツは彼の名前を取って「ウィンザーカラーシャツ」と呼ばれる。ウィンザーカラーシャツにピッタリなネクタイの愛用した結び方があり、「ウィンザーノット」と名前が付いている。ノット（結び目）がもっとも大きくなるネクタイの結び方で、輪を左右両側に作って結ぶところから、横に広い逆三角形の独特なノットの型ができる。他にもシルク製の幅広ネクタイはウィンザータイ、ブラウンのバックスキンシューズ、フェアアイルセーター、プリンスオブウェールズ・プレイドなど多岐にわたっている。現在でも２０世紀最大のファッションリーダーとして語り継がれている。