ウールとは、羊の毛を原料とする動物繊維のことである。動物繊維としてはカイコの繭を原料とする絹やラマの毛を原料とするラマ毛などがあるが、その中でも代表的なものがウールだろう。そのこともあり、毛織物全般をウールと呼ぶケースもある。
ウールのメリットは複数あり、主なものとしては以下の通りである。

・柔らかい肌触り
・保温性がある
・断熱性が高い
・シワになりにくい
・他の繊維と比べて燃えにくい

一方で以下のようなデメリットもある。

・洗うと縮む
・虫やカビの害を受けやすい
・通気性が高いがゆえに防風性が低い
・摩擦に弱い
・触るとチクチク感じることがある

ウール自体は世界各国で用いられている動物繊維であるが、現在ではウールの生産過程が動物愛護の観点から問題視されている。それがミュールシングというものであり、寄羊のお尻周りからウールを含む皮膚を切り取ることを指す。ウジ虫が寄生することを防ぐためのものであるが、麻酔をせずに傷跡の治療をしないため、ミュールシングの停止を求める声が挙がっている。ただ、ウジ虫を除去しないと皮膚や肉を食い破られて最悪の場合死んでしまう恐れもあることから、安易に停止することができない現状だ。